INTERVIEW2022.5.20

5/21 柏戦 MATCH PREVIEW & INTERVIEW

<マッチプレビュー>

「偉大な成功には常に障壁があり、苦しみを伴うもの」

就任当初にアルベル監督が語ったとおり、東京は苦しみの時期を迎えている。リーグ戦第13節では磐田に1-2で敗れ、3連敗。試合後、木本恭生は「ファン・サポーターはポジティブな声を掛けてくれた。自分たちで結果を変えていくしかない」と口にした。アルベル監督が言い続けてきた「時間と忍耐」の必要性は選手たちも理解している。青木拓矢は「(自分たちのサッカーを)やり続けていくしかない。貫いてやり続けないと成長もない」と、生みの苦しみを乗り越える覚悟を示した。スタイルの転換を成し遂げ、新たな東京が産声を上げるまでは根気が必要となる。

今節対戦する柏レイソルは、ネルシーニョ監督のもとで続々と新たな世代が台頭し、調子を上げている。その筆頭はパリ五輪世代のFW細谷真大。チーム最多の4得点を挙げているだけに、ゴール前では厳しいマークで封じたいところだ。また、相手の長所を消すネルシーニョ監督の老練な戦略にも警戒が必要だろう。

4試合ぶりの勝利を手にするためには、自分たちのサッカーを信じるしかない。逆境で信念を貫けるかどうかが試されている。

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[アルベル監督インタビュー]

Q、練習に森重選手と岡崎選手がいましたがセンターバックが戻ってきました。いかがですか。
A、ドクターから許可がすでに出ていますし、福岡戦でプレーした通り十分試合に出場できる準備が整っています。いま、3人センターバックが揃っているので問題は解決に向かっています。福岡戦で壮大(蓮川壮大)も良いプレーをしていました。そういう意味では4人いる形になっています。東廉太もプロの世界で十分評価に値するプレーをしていたと思います。エンリケも順調にリハビリが進んでいます。代表戦がある週が終わった後には戻ってこられる可能性があるかと思います。

Q、先日からパウサ(落ち着き)というフレーズを使われていると思います。次のフェーズとしてボールを動かして相手の守備を崩していくことには時間がかかると思いますが、どういった道筋で進めていこうと考えていますか。
A、しっかりと自信を持ち公式戦で経験を積み重ねることが重要になってくると思います。パウサという言葉は緩急とも表現できると思います。スピードに緩急がつくと相手からすると守りづらいと思います。ここ数試合、少しずつチームプレーのなかにパウサを表現できつつあるかと思います。もう少し時間はかかると思いますが、ゴール前での完成度を高めるためにも、良い方向に進んでいると思います。選手たちにも伝えていますが練習から良いプレーをできるようにしなければなりません。その良いプレーを試合に応用しなければなりません。ここ数試合、必ずしも良い結果を残すことができていませんが、実際に過去の東京のプレーとは明確に違ったプレーをピッチのなかで表現できている時間帯も多かったと思います。そして、選手たちにも伝えましたが、練習でできていることを試合で表現できつつあるので、それをしっかり試合結果に繋げるという成長のプロセスが必要な状態です。我々のプレースタイルはあくまでも試合に勝つために価値のあるプレースタイルだと思っているので、そこを突き詰めていきたいです。

鳥栖戦、磐田戦、福岡戦とポゼッション率も高く良いプレーができており、チャンスも作れています。ただ、相手に数少ないチャンスを決められて負ける試合も多かったです。ですが、良いプレーはできてきていると思います。福岡戦、相手はほとんど明確なチャンスは作れていなかったと思います。そして、我々は多くの時間帯で守備ブロックを下げずに、90分戦うことができました。我々がしっかりボールを支配することが、最善の守備という形で機能していたからです。そしてチャンスも作れていました。(安田)虎士朗や(渡邊)凌磨も決定的なチャンスもありました。試合終盤に三田がペナルティエリア内で倒されてPKになりうるプレーもありました。そのようにチャンスを作っているなかで、ゴールを決めて試合結果につなげるということが我々に残された成長のプロセスです。

チームだけで成長プロセスを順調に進めるかというと、決してそうではなくファン・サポーターをはじめ、クラブの周りの人々が支えてくだされば成長は良い方向に継続的に進むと思います。いま、幸いなことにファン・サポーターのみなさんは選手たちに落ち着きを与えてくれています。ここ数試合は勝てないなかでも忍耐強くチームと選手たちを支えてくれています。選手たちが新しいプレースタイルにチャレンジして大胆なプレーをして、トライアンドエラーで成長するという良い方向に背中を押してくれています。そして選手たちはいま、良いプレーができるようになっているので試合結果につなげようとモチベーション高く取り組んでいます。

Q、柏は相手の長所を消すようなサッカーをしてきますが、それに対してどんなプレーをしていきたいですか。
A、ネルシーニョ監督はとても経験豊富な監督だと思います。我々はカウンターアタックに対しての対応に改善の余地があります。おそらくそこをついてくるのではないでしょうか。彼らの武器でもあるので、我々は相手のカウンターアタックに対応することで、成長した部分を証明できればと思います。我々よりも上の順位にいるチームです。彼らは彼らで素晴らしい仕事をしていると思うので、そこはリスペクトしていますし、評価されるべき部分だと思います。

Q、柏のネルシーニョ監督は、外国籍の監督として日本で通算19シーズン指揮をとってきた実績があると思います。日本で外国籍の監督が長くやっていくことは簡単なことではないと思います。海外で長く指揮をとることに関してどういった感想をお持ちですか。
A、海外での経験も豊富でしょうし、日本での経験も豊富で、とても有効な経験を重ねている方だと思います。Jリーグで19シーズンも指揮をとるのは難しいと思います。そういう意味ではネルシーニョ監督は日本籍の監督を上回るだけの経験を持っているのではないでしょうか。同じリーグで長く指揮をとり続けるには、より多くの経験を積んでそのリーグの特徴を誰よりも熟知しているレベルに達する必要があります。そのような監督が指揮をとるチームと戦うことは当然難しいです。


[選手インタビュー
<森重真人選手>

Q、ルヴァンカップ福岡戦に出場して状態はいかがでしたか。
A、思ったより(長く)出られた印象を持っているので、良い45分間だったと思います。

Q、チームを離れている間、チームは結果が出ていませんでした。
A、良いゲームをしても結果がついてこないというのはよくある流れだとは思っています。ですが、チャンスで決めるところは決めることが大事です。ゴール前での冷静さや、守備もゴール前での粘り、そういったところが勝敗を左右しているので、試合全体よりもそこの差が大きいと思います。そこまで悲観はしていないです。想定していたことがいま起こっている印象があります。

Q、自分が帰ってきてどういったプレーをしたいですか。チームにどういったことをもたらしたいですか。
A、前線の選手が得点を取れなくなることは良くあることだと思います。逆に得点が取れているのに後ろの選手が粘り切れないことも良くあることです。得点が取れていないなかで、後ろの選手が無失点で抑えればいつか得点が取れると思いますし、過去を振り返ってもそういったことがあったので、その中心に自分がいられるように慌てずにゲームを進めていければと思います。

Q、復帰が早かったと思いますが時期を早めたのですか。
A、自分のなかでは焦りといいますか、早く復帰したい気持ちでいましたが、トレーナーがうまくコントロールしてくれました。状態を見ながら、福岡戦で45分出場するという判断はみんなが一致していたので、そこは予定通りだとは思っています。

Q、アルベル監督は次のフェーズに進んでいるといっています。攻撃の部分でもっとボールを繋いでゴールをめざす部分で選手たちの実感や感触はいかがですか。
A、ある程度チームがやろうとしていること、めざしていることをみんなが理解できていると思います。あとはアイデアやより相手が守りにくい攻撃を仕掛けること、単調にならないようにボールを動かすことをこれから付け加えていくと思います。

Q、時間が多少なりかかっていきますよね。
A、おそらく監督は選手たちを守るために時間がかかると言ってくれていると思います。自分たちは常に結果を求めなければいけないですし、試合に負けて良いと思っている選手は一人もいないです。勝つことが最優先でその手段としてボールを繋いでいくことを選んでいるということを忘れないようにしながら、自分たちがどれだけ短期間でクオリティを高めることができるかだと思います。

Q、3連敗している現状を踏まえても、柏戦は内容も結果も両方取りにいかないといけない試合になってきますか。
A、自分たちも勝利を欲していますし、見ているファン・サポーターのみなさんも同じだと思います。そういう姿を見せなければいけないと思います。

Q、今年の東京は失点数が少ないことがセールスポイントだと思いますが失点の少なさの要因はなんですか。
A、攻撃している時間が長ければ長いほど守備の集中力が保てないというのはよく起こりうることです。そこの難しさを後ろの選手たちが感じていると思います。ですが監督も守備の強度などインテンシティを大前提として求めているので、そこのバランスが大事だと思います。攻撃的なサッカーをするから攻撃だけしていればいいというわけではないので、そこのバランスを見ていかないといけないと思います。

Qどんな選手が出場しても同じ緊密さで守ることは難しいと思いますがいかがですか。
A、全員が同じレベルでプレーできれば理想ですし、監督を悩ませるぐらいチームのレベルが上がってくることが大事になると思います。ただ、それぞれ特徴はありますし、そこはしょうがない部分があると思います。

Q、自分を突き上げるくらい周りの選手がもっと成長して欲しいと思っていますか。
A、マコ(岡崎慎)も良いプレーをしていましたし、エンリケも左利きでボールを持てる選手ですし、良い選手はたくさんいるので後は監督が誰をチョイスするのかだと思います。

Q、柏は相手の特徴を消してくるサッカーをしていますが我慢強さが必要になりますか。
A、そうですね。いまの自分たちにぴったりの相手だとすごく感じています。これからそういったチームが苦手になってくると思うので、どうこじ開けるのかというのは逆に楽しんでやっていければと思います。相手は自分たちの良さを消してくるので、どうやって崩していくのか、どこにスペースが空くのかを考えながらボールを動かすことができれば楽しいサッカーができると思います。

Q、セットプレーでの得点も狙っていますか。
A、そうですね。復帰しましたし、(明日は)誕生日なので狙っていきたいです。


<小川諒也選手>


Q、リーグ戦では第11節から3連敗を喫しました。チームの課題はどこだと感じていますか。
A、この3試合は森重真人選手、エンリケ トレヴィザン選手の2人が負傷欠場していたので、守備がなかなか安定しませんでした。攻撃面でも、バイタルエリアに入ったところで選手同士の呼吸が合わず、崩し切れない場面が多かったです。ただ、ボールを保持しながら試合をコントロールすること自体はできているので、最後の局面での精度を高めていけば得点は増えると思っています。

Q、福岡戦、磐田戦では本職ではないセンターバックとしてプレーしました。
A、東京のユニフォームを着ている以上、どのポジションでピッチに立っても全力でやるだけです。誰でもケガで欠場することはあります。厳しい状況でも、戦える選手がみんなでカバーして、少しでも勝点を伸ばせるように頑張るだけです。

Q、本職のサイドバックとして、アルベル監督が掲げる新しいプレースタイルへの手応えはいかがですか。
A、アルベル監督はサイドバックにも、ボランチのようにゲームメイクしたり、サイドから中に入ったりと幅広いプレーを求めています。プレーの判断は難しいですが、その分楽しさもありますし、キャンプの頃に比べれば良いプレーができるようになっていると思います。個人的にはゴールに近い位置でプレーする機会が増えているので、アシストやゴールに直結するプレーをもっと増やしていきたいです。昨シーズンよりもレベルの高いサイドバックに成長できるように意識して取り組んでいます。

Q、ファン・サポーターに向けて、今節の柏戦への意気込みをお願いします。
A、今シーズンは試合を重ねるごとにチームが成長していると感じているので、リーグ戦で3連敗という成績には選手たちも納得していません。自分たちは試合に勝ちながら成長していきたいと思っています。味スタに来てくださったみなさんが笑顔で家に帰れるように、全力で頑張ります!

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