10/5 鳥栖戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2024.10.05

10/5 鳥栖戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>

3連勝でホームの味の素スタジアムに帰ってきた。国立競技場で行われた第30節の名古屋グランパス戦で6試合ぶりの勝利を飾った東京は、続く浦和レッズ、横浜F・マリノスとのアウェイゲームでも連勝。近年、苦手としていた埼玉スタジアム2002と日産スタジアムで勝点3を積み上げた。

今シーズン2度目の3連勝とチーム状態は良く、サガン鳥栖を相手にめざすのは今シーズン初の4連勝。スターティングメンバ―に大きな変更はなく、今節は安斎颯馬選手が7試合ぶりにスタートからピッチに立った。約3か月半遠ざかっている味の素スタジアムでの勝利へ、雨が降るなかでキックオフを迎えた。

1stHALF—前半中盤からリズムを掴み反撃に出る

3連勝中ながら課題として挙げられていたゲームの入りの部分は、この日も課題として露呈してしまう。前半9分に右サイドでボールを動かされて押し込まれると、福田選手に意表を突くダイレクトクロスを入れられ、これに反応したマルセロ ヒアン選手にヘディングシュートを決められてしまう。これはVARのサポートによりオフサイドと判定されて得点は取り消されるも、いきなり肝を冷やす展開となった。

その直後の前半13分にはコーナーキックから再びピンチを迎えるが、ここはゴールキーパーの野澤大志ブランドン選手が好セーブでしのぐ。ヴィキンタス スリヴカ選手の至近距離からのシュートを素早い反応でブロックした。その後も鳥栖のパスワークにプレッシャーがはまり切らず、前線ではマルセロ ヒアン選手のパワーに苦労する場面が目立つが、主にマッチアップの相手となった木本恭生選手が瀬戸際で踏ん張り、得点を許さなかった。

ようやく前半25分辺りから東京もリズムをつかみ出す。前半30分には自陣でボールを受けた俵積田晃太選手が約60メートルをドリブルで独走。シュートまでは持ち込めなかったが、スタジアムを沸かせた。そして、前半36分には前半最大のチャンスを迎える。荒木遼太郎選手のフィードに安斎選手が反応し、ゴールキーパーと1対1となるがシュートが思うようにミートせず、無得点のまま前半を折り返した。

2ndHALF—終盤にヤンゴールで追い付き同点に

ハーフタイムを挟んでもゲームの構図に大きな変わりはなく、鳥栖がボールを持つ時間が続くが、東京は最終ラインが粘り強く対応していく。反対に後半11分には前半から鋭い仕掛けを見せていた俵積田選手がシュートまで持ち込むが、これはディフェンダーにブロックされた。

そのまま一進一退の攻防が繰り広げられるなかで先制を許してしまう。後半28分に左サイドを崩されると、富樫選手の低くて速いクロスは森重真人選手がクリアするも距離が出ずに中原選手にシュートを打たれてしまう。これも森重選手がブロックしたが、こぼれ球がヴィキンタス スリヴカ選手の前に転がり、押し込まれて失点を喫した。

それでも今のチームは下を向くことなく、まずは同点をめざしてゴールに襲いかかる。途中出場の原川力選手、遠藤渓太選手、小柏剛選手が積極的なプレーでボールを呼び込み、後半33分には原川選手と小柏選手の連係から惜しいシーンを作り出した。

その流れで迎えたコーナーキックで森重選手がダイレクトボレーでゴールを狙うと、続いたコーナーキックから後半37分に同点ゴールが生まれる。ゴール前の混戦から、高宇洋選手が密集を抜けるように豪快にゴールに叩き込んでスコアをタイに戻した。

この1点で味の素スタジアムのボルテージは一気に高まり、7分あったアディショナルタイムを含めて東京は逆転をめざしたが、最後の精度を欠いて決勝点は生まれず、今シーズン初の4連勝を逃す形となった。

1週間の中断期間を経て、次節はアウェイに乗り込んでヴィッセル神戸と対戦する。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK野澤大志ブランドン
DF長友佑都(後半42分:中村帆高)/森重真人/木本恭生/岡哲平
MF高宇洋/東慶悟(後半23分:原川力)/荒木遼太郎
FWディエゴ オリヴェイラ(後半23分:小柏剛)/俵積田晃太(後半23分:遠藤渓太)/安斎颯馬(後半42分:野澤零温)

SUBS
GK波多野豪
FW山下敬太

GOAL
後半37分:高宇洋

<サガン鳥栖>
STARTING Ⅺ
GK朴一圭
DF山﨑浩介/キム テヒョン/原田亘
MF西矢健人/福田晃斗(後半39分:鈴木大馳)/中原輝(後半45+1分:今津佑太)/堀米勇輝(後半16分:渡邉綾平)/ヴィキンタス スリヴカ(後半39分:堺屋佳介)
FW日野翔太(後半16分:富樫敬真)/マルセロ ヒアン

SUBS
GK岡本昌弘
MF藤田直之

GOAL
後半28分:ヴィキンタス スリヴカ


[ピーター クラモフスキー監督インタビュー]


Q、試合を振り返ってください。
A、両チームが結果を出すために戦った、エンターテインメント性の高いフットボールの試合でした。サガン鳥栖も良いゲームをしていたと思いますし、彼らがこういった形で戦ってくることは予期していました。前半20分ぐらいまでは鳥栖に流れがきていて、自分たちがゲームから離されないようにしていかなければいけない状況にありました。自分たちのゲームをしっかりと作っていかなければいけない状況のなかで戦い抜きながら、前半の終盤にかけて、自分たちの良いリズム、良い流れがつかめるようになっていました。

後半では、自分たちが攻撃の部分で改善していかなければいけない点として、前への意識、前への飛び出しをもっと増やしていかなければいけない状況でした。それをやることによって、自分たちがもっと試合をコントロールできるようになり、試合の流れをつかめるようになりました。自分たちがやってきたことを積み上げながらパフォーマンスをしっかりと繋げていくこと、そして、ハーフタイムに話したのですが、攻撃を改善することが出せていました。残念だったのは、鳥栖に簡単にゴールを与えてしまったところです。その点については全員が悔しく思っています。ただ、そこからは自分たちの姿勢や信念を持ちながら良い反応をしてくれました。 そして戦い続けて1-1にすることができました。終盤に向けて強い戦い方ができたと思いますし、交代で出てきた選手たちが非常に良いインパクトを残してくれました。 決勝点をとるまでの時間がなくなってしまい、ファン・サポーターに勝点3を持って帰ってもらうことができずに悔しく思っています。

Q、あと5試合となり3位とは勝点11差です。シーズンの終盤戦に向けてチームのモチベーションをどう保っていきますか。
A、モチベーションは、毎週、毎週、しっかりと改善していくことにあります。そして、どのチームよりも強くシーズンを終えるように戦っていくことです。大事なことは、先を見過ぎずに、1試合1試合を大事に戦っていくことです。今日の試合も良い部分はありました。ただ、自分たちがさらにシャープに戦わなければいけない部分もありました。そうした部分を改善しながら、もっと強いチームに、そしてこういう試合に勝てるチームにしていきたいです。選手たちは非常にハードワークしてくれました。こういったことを継続しながらやれるように、まずはしっかりとリカバーをしながら、 戦術的、身体的、技術的にも、しっかりと自分たちが成長できるようにしていきたいと思います。


[選手インタビュー]
<高宇洋選手>


Q、試合を振り返ってください。
A、非常に悔しいです。絶対に勝ち切らないといけない試合を勝ち切れなかったのは今の自分たちの力だと思います。追い付いてからはペースアップすることができましたが、試合を通して自分たちが主導権を握れる時間も少なかったですし、難しい時間が長く続いてしまいました。

Q、今シーズン2点目となりました。得点シーンを振り返ってください。
A、競り合ったこぼれ球を狙っていました。今週はシュート練習で良い感触があったので、決めることができてよかったです。時崎悠コーチがセットプレーのバリエーションを多く提示してくれています。なので、僕たちはそれに応えるだけでしたが、なかなか得点することができていませんでした。上位に食い込んでいくためには、セットプレーからの得点は重要だという話もあったので、得点できたことは良かったと思います。

Q、日本代表の活動があり、リーグ戦が中断されます。この中断期間で、どのような準備を行っていきますか。
A、後半残り10分以降のような主導権を握る展開を90分間継続することは難しいと思いますが、あの時間を少しでも増やしていくことができるように、自分たちに矢印を向けながら、残りの試合で全勝できるように取り組んでいきたいと思います。


<安斎颯馬選手>


Q、久しぶりのスタメン出場となりました。振り返りをお願いします。
A、チームが3連勝で勢いに乗っているなかで久しぶりのスタメン復帰でした。簡単なゲームにならないことは全員が理解していましたし、前半から危ないシーンも数本ありました。チーム全体として、停滞した時間が多かったこと、3連勝していた勢いをうまく活かすことができなかったことは、久しぶりに出場するメンバーとして責任を感じています。勝てなかったことが何より悔しいです。

Q、サイドから中央に走り込み、積極的に相手の裏を狙う動きが特に目立ちました。
A、ランニングで積極的に動き続けないと、相手も5枚で守っていたので相手ディフェンダーが横にズレて、スペースが生まれません。外側から内側に走り込む動きや、サイド際の縦のスペースや裏を狙いました。縦や裏へのランニングで相手のラインを崩し、僕が走り込むことによって生まれるスペースを味方に使ってもらえるように意識していました。

Q、守備に人数をかけるサガン鳥栖に対して、攻撃が手詰まってしまうシーンもありました。
A、ここ数試合は前から守備を仕掛けてくる相手が多かった印象ですが、サガン鳥栖は5枚で守備を構える立ち位置でした。押し込んだ状態で、フィニッシュに向けてどのように崩すか、サイドで出場した身としては、どこにどのようにクロスを上げ切るかは次に向けた課題ですし、整理していきたいと思います。今日の試合については相手が5バックでしたし、アクションを起こす回数が少なく、相手が守りやすいような攻撃になってしまったと思っています。