GAME RESULT試合結果
2013/12/29(日)
観衆 26,709人
天候 晴、 気温 9.6度 湿度 20%
主審:村上 伸次 副審:田尻 智計/越智 新次 四審:
天皇杯 準決勝
国立競技場
0-0
試合終了
前半0-0
後半0-0
延長前半0-0
延長後半0-0
PK戦4-5
FC東京 | サンフレッチェ広島 | |
---|---|---|
得点者 | ||
89分:渡邉 千真→石川 直宏 93分:東 慶悟→林 容平 112分:高橋 秀人→三田 啓貴 |
選手交代 |
86分:佐藤 寿人→野津田 岳人 107分:髙萩 洋次郎→浅野 拓磨 110分:ファン ソッコ→清水 航平 |
13 | シュート | 11 |
13 | GK | 10 |
7 | CK | 5 |
13 | 直接FK | 14 |
4 | 間接FK | 2 |
3 | オフサイド | 2 |
0 | PK | 0 |
警告 | ||
退場 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 5 | 加賀 健一 |
DF | 6 | 太田 宏介 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 30 | チャン ヒョンス |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 8 | 長谷川 アーリアジャスール |
MF | 38 | 東 慶悟 |
FW | 9 | 渡邉 千真 |
GK | 20 | 権田 修一 |
DF | 16 | 丸山 祐市 |
MF | 17 | 河野 広貴 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 32 | ネマニャ ヴチチェヴィッチ |
MF | 36 | 三田 啓貴 |
FW | 23 | 林 容平 |
GK | 1 | 西川 周作 |
DF | 33 | 塩谷 司 |
DF | 5 | 千葉 和彦 |
DF | 4 | 水本 裕貴 |
MF | 14 | ミキッチ |
MF | 6 | 青山 敏弘 |
MF | 8 | 森﨑 和幸 |
MF | 2 | ファン ソッコ |
MF | 9 | 石原 直樹 |
MF | 10 | 髙萩 洋次郎 |
FW | 11 | 佐藤 寿人 |
GK | 13 | 増田 卓也 |
DF | 17 | パク ヒョンジン |
MF | 35 | 中島 浩司 |
MF | 15 | 岡本 知剛 |
MF | 27 | 清水 航平 |
MF | 24 | 野津田 岳人 |
FW | 29 | 浅野 拓磨 |
【選手・監督コメント】
国立で迎える準決勝、リーグ王者との対戦
天皇杯準決勝を迎え、サンフレッチェ広島と対戦する。準々決勝では勝利への強い気持ちとあきらめない精神を発揮し、劇的な勝利をつかんだ。仙台に押し込まれ、内容として反省は残るものの、塩田は「個人的にもチームとしても、苦しいときに慌てなくなった。常に勝ちたいという意識を持ちつつも、我慢することができている」と収穫を話す。同時に、仙台戦でみせた太田のFKや、プロ初ゴールを決めた林の活躍など、チームとしての武器やプラス材料は増えつつある。ここまで積み上げてきたものをベースとし、さらにチームの一体感を高め、元日決勝をめざす一戦だ。
広島は、天皇杯では福岡大、熊本、鹿島、甲府に競り勝ち、準決勝進出を果たした。何より、今季のリーグ戦では、最終節で逆転優勝を果たしたJ1チャンピオンだ。堅守と、どういう状況でもあきらめない姿勢は、彼らの代名詞としてふさわしいといえるだろう。
それに対して、どれだけ集中力を保ち、粘り強く戦えるかがカギになる。広島FW佐藤の動き出し、攻撃の起点となるMF高萩や、MFミキッチの攻め上がりをいかに抑えられるか。彼らは警戒していても、それを上回るだけの力を持つだけに、一瞬も気の抜けない展開になるはずだ。
今日は平山が警告累積のため出場停止に。同時に、広島対策も考慮し、加賀を右DFとして先発起用。チャン ヒョンスが中央を、森重が左を務める3バックに。渡邉をトップに、シャドーを長谷川と東という布陣で臨むことになった。寒さは感じられるが、穏やかに晴れた国立。試合は15時4分に広島のキックオフでスタートした。
互いに良さを消し合い、緊迫した攻防が続く
立ち上がりから互いの良さを消し合う展開に。 東京は徳永、太田の両ウイングバックも守備を意識したポジショニングとなったが、DFライン全体は高い位置を保とうとした。広島にボールを持たれても、慌てずに奪って攻撃につなげる。
12分には太田のアーリークロスから中央の東がヘディングで合わせる。ボールは枠内に向かったが広島GKに掻き出される。14分には加賀→右ライン際で徳永と東の連係から、中盤にスペースができる。ここに高橋が上がり、前線にシュート性のボールを送ったが、エリア内の長谷川、手前の渡邉の間を抜けてラインを割る。
広島は手数をかけずにFW佐藤にボールを送り、チャンスにつなげようとする。37分には広島MF青山のパスから、前線に抜け出したFW佐藤が中央へ。さらにMFファン ソッコが中央へ持ち込み、決定的な場面を作られたが、シュートは徳永がスライディングでブロック。
44分には東京が自陣で奪い、米本が豪快なカウンターを仕掛けた。右前線の渡邉につなぎ、ファーから攻め上がる長谷川にパスを送ろうとしたが……これはズレて広島に奪われる。広島の攻撃を集中して抑え切り、東京らしい連係から攻め込む場面も作ったが、相手の堅守を打ち破ることはできず。後半へと折り返した。
後半序盤は、互いにセットプレーのチャンスが続いた。57分には東の右CKから、森重がヘッドを放つが、枠外に。59分には広島にFKを与え、中央約30mの位置からMF高萩に直接狙われたが、枠に飛んだシュートは塩田が右片手でセーブ! 一進一退のなか、徐々にスピードアップを図る広島にリズムを掴まれそうになったが、64分には森重のフィードを相手DFがこぼしたところで渡邉が奪い、エリアに突進。ビッグチャンスを作るが、左エリアから放ったシュートは広島GKに顔面でブロックされた……。
68分にも米本の縦パスから、高橋が左に展開。攻め上がっていた森重が中央へグラウンダーのクロス。これが右エリアに抜け、徳永が狙ったが、相手DFをかすめてCKを得るにとどまった。84分には広島のロングボールを森重が抑えるが、バックパスに対して塩田の前に広島FW佐藤に走り込まれ、右エリアのMFミキッチにつながれる。決定的なピンチを招いたが、森重が素早く戻り、フィニッシュには持ち込ませなかった。
86分には広島FW佐藤に代わりMF野津田がイン。東京も89分には石川がイン。しかし両者、守備での粘り強さ、集中は保ちながらもチャンスを活かすことはできず、スコアレスのまま、今大会4度目の延長戦に突入することになった。
延長戦のチャンスを活かせず、PK戦で無念の敗退
延長戦では、両者交代のカードを使い“1点”を追いかける展開に。93分、東京は東に代えて林を投入。104分には、太田が駆け上がり、低いクロス。ゴール前に林が突っ込んだが、広島DFも人数をかけて守り、シュートは打てなかった。延長前半終了間際には、広島の逆襲を許し、フリーのFW野津田にドリブルで攻め上がられるが、森重が落ち着いて強さを発揮、奪い取って前半を終了。
疲労の色が濃くなるなか、それでも足を止めず、延長後半は力を振り絞って攻め合った。106分には森重の攻め上がりから左の長谷川→中央の林が落とし、再び長谷川が左エリアに突進したが、混戦のなかでブロックされる。112分には高橋に代わって三田がイン。
118分に米本が左エリアまで切り込み、中央へラストパス。これを三田がトラップで止めて反転シュートを放ったが……枠外に。119分には三田のスルーパスに合わせ、相手DFの裏に石川が走り、決定的な場面を作ったが、強いシュートは広島GKの好セーブに阻まれ……。
120分をとおして粘り強く戦い、失点は許さなかったが、一方でゴールを割ることはできず、勝負はPK戦に持ち越されることになった。このPK戦では太田、森重、チャン ヒョンスが落ち着いて決める。広島の一人目MF青山のキックは塩田がストップ。3人目DF千葉のキックはミスに終わり、3人目を終えた段階で東京は3対1とし、「あと1本決めれば」という状態に。しかし三田、続いて長谷川のキックは立て続けに広島GK西川のセーブに阻まれ……。6人目の米本が成功させたものの、7人目の石川がセーブされると、最後は広島MF野津田のゴールを許し……。
PK戦を優位に進めながらも逆転で敗退。決勝進出はかなわず、天皇杯ベスト4でシーズンを終了することになった。
【選手コメント】
《塩田》
「結果がすべてなので、次に進めなかったことがすごく残念。PK戦では、あと一歩のところでサッカーの怖さを思い知らされることになった。広島を土俵際まで追い込んだが、さすがに彼らはリーグ王者らしく、それを跳ね除け、押し返す勝負強さがあったと感じる。フェアですばらしいサッカーをするし、リスペクトできるチームでもある。それに対して、負けたという現実は受け止めなければいけない。この敗戦を糧にして、前を向いて進んでいきたい」
《森重》
「互いに相手のよさを消し合うサッカーをして、ワンチャンスがモノをいう展開だった。共に良い守備をして、我慢強くボールを動かして相手の隙を狙ったと思う。勝てるチャンスがあるなかで敗れてしまったことはすごく残念だが、PKはもうサッカーではない部分。『自信のあるやつが蹴ろう』ということになり、すぐに順番も決まったが、誰が蹴っても外すことはあるし、決められることもある。それは仕方がない。この天皇杯をとおしてチームが一丸となり、粘り強く、最後まであきらめずに戦い抜こうという姿勢は見せられたのではないか」
【ポポヴィッチ監督の会見要旨】
「元日にまたここにいることを望んでいた。大きなチャンスもあり、そこに近づけた。ただ、これがサッカーだと再認識できたゲーム。喜怒哀楽が全て詰まっているものだった。成功できなかったが、選手たちにはよくやったと伝えたい。今日の試合だけでなく、2年間本当によく戦ってくれた。2年間で成熟した姿を見せられたし、成長したチームだった。タイトルまであと一歩のところまできたし、継続して安定した結果を出せるようになってきたと思う。
そして12番目の選手であるファン・サポーターのみなさんにも本当に感謝したい。いつも私たちの力になり、支え続けてくれた。ここでの仕事を終えてクラブを去るが、一緒に働いた選手やスタッフ、ファン・サポーターのみなさんのことは私の胸の中にあり続ける。最後にしんみりとはしたくないし、今日選手が見せてくれたパフォーマンスには満足している。ただし、試合を決められるときに決めきれず、逆に決められたことから学んで欲しいし、この経験を一人の人間としてこれからの人生に活かしてほしいと思う。最後まで勝利に向かってトライし続けた。結果には繋がらなかったが、これもサッカーだと思う」
【広島・森保監督の会見要旨】
「元日決勝の国立で戦う目標を掲げていた中、進出することができ、結果的に良かった。今日も非常に難しくタフな戦いだったが、選手たちの勝つという気持ちが結果に結びついたと思う。試合はどちらが勝ってもおかしくない、戦術的にもフィジカル的にもタフな戦いになったが、制することができた。国立競技場は東京のホームのような状況であったが、その中でも選手たちは落ち着いて試合を進めた。最後までやりきれたのは広島のサポーターがたくさん駆け付けてくれ、チームを後押ししてくれたことが要因だと感じる。彼らと喜びを分かち合うことができることが何よりも嬉しい」