GAME RESULT試合結果

2013/10/13(日)
観衆 9,347人 
天候 晴、無風 気温 20.0度 湿度 55% 
主審:今村 義朗 副審:高橋 佳久/川崎 秋仁 四審:

天皇杯 3回戦

フクダ電子アリーナ

FC東京

1-1

試合終了

前半1-0

後半0-1

延長前半0-0

延長後半0-0

PK戦6-5

ジェフユナイテッド千葉

FC東京 ジェフユナイテッド千葉
41分:ルーカス 得点者 90分:深井 正樹
61分:三田 啓貴→高橋 秀人
82分:渡邉 千真→平山 相太
106分:東 慶悟→河野 広貴
選手交代 68分:森本 貴幸→谷澤 達也
75分:田中 佑昌→深井 正樹
83分:兵働 昭弘→大塚 翔平
18 シュート 8
6 GK 14
3 CK 3
18 直接FK 19
3 間接FK 4
3 オフサイド 3
1 PK 0
警告
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 2 徳永 悠平
DF 5 加賀 健一
DF 16 丸山 祐市
DF 6 太田 宏介
MF 7 米本 拓司
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 36 三田 啓貴
MF 38 東 慶悟
MF 49 ルーカス
FW 9 渡邉 千真
FC東京控え
GK 21 廣永 遼太郎
DF 15 平松 大志
MF 4 高橋 秀人
MF 17 河野 広貴
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
MF 13 平山 相太
FW 23 林 容平
ジェフユナイテッド千葉先発
GK 1 岡本 昌弘
DF 11 米倉 恒貴
DF 3 竹内 彬
DF 5 山口 智
DF 33 高橋 峻希
MF 13 山口 慶
MF 16 佐藤 健太郎
MF 10 兵働 昭弘
MF 6 田中 佑昌
MF 28 町田 也真人
FW 30 森本 貴幸
ジェフユナイテッド千葉控え
GK 21 大久保 択生
DF 15 大岩 一貴
MF 7 佐藤 勇人
MF 26 井出 遥也
MF 39 谷澤 達也
FW 9 深井 正樹
FW 14 大塚 翔平

【選手・監督コメント】

アウェイ・フクアリでの対戦、チャレンジャー精神を忘れずに


天皇杯3回戦が開催。フクダ電子アリーナにてジェフユナイテッド千葉と対戦する。リーグ前節鹿島戦は力負けを喫し、連勝も途切れた。しかし、選手たちは完敗を認めながらも「何も終わったわけではない。ここからどう立て直すか、何より連敗をしないことが大事」と再び顔を上げ、一戦ごとに前進していくことを誓った。

この天皇杯3回戦は、日本代表の活動が並行して行われているため、森重、権田は不在に。そのため、GK塩田、センターバックは加賀と丸山。米本と長谷川がボランチを務め、両サイドに三田とルーカス、トップ下に東の布陣で臨むことに。サブには廣永、河野、林らフレッシュな選手が名を連ね、また平松も2010年4月以来、約3年半ぶりのメンバー入りを果たした。

対する千葉は、天皇杯では2回戦でカマタマーレ讃岐(JFL)に大勝し、3回戦に進出。J2リーグでは現在6位にとどまり、また今日はJ2リーグで18ゴールを挙げているFWケンペスが出場停止となり、大きなマイナス材料だといえるだろう。だが、シーズン途中に加入したFW森本も徐々にコンディションを高めつつあり、個々の能力、チーム力の高さは大いに警戒が必要だ。

ポポヴィッチ監督も「相手がJ2だからという考え方はしてはいけない。いつもと同じJ1を戦う気持ちで臨むことが大事。ただし相手にとって、J1と対戦する際のモチベーションは相当高いはず。その彼らを上回る気持ちの強さを見せなければ、勝利は簡単ではない」と気を引き締める。

東京にとってもチャレンジャー精神を忘れずに臨む一戦。これまでに積み重ねてきたものをベースに、焦らず、粘り強い戦いで千葉を突き放したい。日が沈んでもそれほど寒さを感じさせない良い天候のもと、試合は19時4分に千葉のキックオフでスタートした。

ルーカスのPKで先制、白熱した展開を優位に進める


立ち上がりから互いに気迫を込め、激しい闘志を表して戦った。厳しい守備からボールを奪い、攻め合う展開になった。7分、加賀が自陣でインターセプトをして自ら持ち上がり、左にサイドチェンジ。ここから東が前に持ち出し、中央へグラウンダーのパス。これを受けた渡邉が巧みに相手DFをかわして前にすり抜け、エリアからシュートを放ったが、ボールはゴール右上角にヒットする。9分には千葉のロングボールに合わせてFW森本が前線に飛び出す。GKをかわそうと放ったシュートは、至近距離の塩田が渾身のセーブ!

13分には、右サイドのルーカスが、中央の渡邉とのワンツーの交換で相手DFを引き付け、左でフリーの三田へ。ワントラップして左エリアから決定的なシュートを放ったが、ゴールのカバーに入った千葉DFにラインギリギリで阻まれた。共に前線からプレスをかけ、素早い攻撃につなげたが、時間の経過とともに徐々に東京がボールを支配。反対に千葉はFW森本の動き出しを活かして、ボールを集めてチャンスにつなげる。共に持ち味を発揮し、攻守の入れ替わりが激しく、白熱した展開が続くことになった。

迎えた40分、自陣右サイドでプレスをかけて奪い、米本から中央の長谷川へ。長谷川はダイレクトで前線に浮き球を送り、エリアにルーカスが抜け出す。ルーカスは背後の千葉DFともつれ合う形でファールを受け倒されてPKを獲得。41分、このPKをルーカス自らが冷静に決めて先制!前半終了間際に先制点を奪い、1点をリードして後半に臨むことになった。

後半終了間際に失点……しかし塩田がPKストップし、一丸の勝利


後半、50分には中盤の長谷川が左前線のルーカスに長いサイドチェンジを送り、ルーカス→内側からゴール前に飛び出した東がシュートを放ったが…わずかに枠を横切る。その後も守備のバランスを崩さず、米本を中心にアグレッシブにボールを奪いにいき、カウンターから追加点を狙おうとした。しかし、結果的に反撃に臨む千葉にボールを持たれる時間が長くなる。

そのため61分には三田に代えて高橋をボランチに投入。長谷川がトップ下、東が右MFにまわり、厳しい守備を続けながら攻めに出ようとした。一方の千葉も選手交代を使い、早いパス回しや前線の機動力を活かしてリズムを掴んだ。それでも決定的なチャンスは作らせなかったが、その後、東、ルーカスらのシュートは枠を外れ、2点目を奪えない時間が続いた。88分には左サイドのルーカスから、外側を上がる太田へ。太田が送ったグラウンダーのクロスに合わせ、ニアの長谷川がダイレクトシュートを放つが、GKがセーブ。こぼれを再び長谷川がシュートしたが左ポストに阻まれる。

チャンスを活かしきれずに反撃を受け、90分には千葉・中盤左からロングボールを右前線へ。ここに攻め上がったDF米倉にピンポイントで合わせられ、シュートを打たれたが、これは塩田が片手でセーブし、丸山がスローインに逃れた。だが、この千葉のスローインからダイレクトパスをつながれ、ゴール前に上がったMF町田に縦パスを入れられる。これをヒールで落とされ、左から中央に走り込んだFW深井に決めらる。終了間際に同点に追いつかれ、延長戦に突入することになった。

延長戦ではともに攻め合うも決め手を欠き、両者無得点に。スコアは1対1のまま、PK戦に突入。ここで『自分が止めるから、みんな自信をもって蹴っていい』と頼もしく話した塩田が大活躍を見せる。東京は、ルーカス、太田、平山、長谷川、米本が落ち着いて決める。河野、高橋は決めることができなかったが、一方、千葉のPKは、DF竹内、MF谷澤、MF高橋のキックを塩田がストップ! 最後は徳永が強烈なPKを突き刺し、6対5で千葉を上回ることに。一丸となって勝利を果たして4回戦に駒を進めることになった。


【選手コメント】
《塩田》
「失点をしたが、延長戦やPK戦が始まる前も『こういう状況では気持ちが大事。絶対に勝つんだという気持ちを表して戦おう』と話していた。PKストップに関しては、データもあり、相手の基本的な蹴り方もわかっていたが、ただ山岸コーチからは『自信のあるほうへ跳べ』と言ってくれていて、自分の感覚を大事にした。逆サイドからの声援もちゃんと届いて聞こえていたし、みんなが最後まで強い気持ちをもって集中していた。こちらが止めたあとに、止められると動揺しがちだがみんな集中していた。トーナメントなので、どういう形であれ、勝てたことが一番の収穫。この勝利を次のリーグ戦にも天皇杯にも、必ずつなげていきたい」

《ルーカス》
「(3人目の子どもが生まれた直後の得点だったが?)これまでの2人のときはゴールを決められなかったので、このゴールはすごく良い思い出になる。石川選手も栗原トレーナーにも最近子どもが生まれ、3人分の喜びを表すためにゆりかごのパフォーマンスをした。(PKを外した選手を率先して迎えにいっていたが?)外した選手自身が一番悲しく、落ち込んでいるはず。それでも、その気持ちがほかのみんなに伝わっていかないようにという気持ちもあって、声を掛けにいった。今日は何よりチームの勝利がうれしい。みんなで喜びを分かち合うことができるから。ここからリーグ戦もあと6試合すべて勝ちたいと思っている。順位を上げていきたい」
 


【ポポヴィッチ監督の会見要旨】
「遅くまでありがとうございました。みなさんも最後まで目が離せない展開だったはず。最後に私たちが結果を出すことができて良かったが、こういう試合があるから私の髪がフサフサであるとも…(笑)。試合に関しては非常に良いゲームだった。やるべきこと・我慢することもできていた。千葉にはゴールを奪われたシーンと、その前にゴールラインギリギリでクリアした二つしか決定的なチャンスを作らせなかったと思う。反対に、私たちが試合を決められるチャンスは幾つかあった。そこでしっかりと決めなければいけなかった。今日千葉と戦い、やはりJ1のクオリティを持ったチームだと再確認した。互いに力を出しきって日本のサッカー界にとってもいい試合ができたのではないか。選手は本当によく戦った」


【千葉・鈴木監督の会見要旨】
「良いゲームはしたと思うが、勝つことができなくて非常に残念。立ち上がりから相手にプレッシャーをかけ、奪って早く攻めることを狙いとして、それはある程度できたと思う。ただJ1のチームはゴール前の精度や、1本のパスでゴール前まで持ってくる距離、スピードは違うと感じた。PKのシーンも1本のパスで決定的なエリアまで持っていかれた。後半はある程度支配してボールを動かしチャンスを作ったが、なかなか相手のゴールに近づけなかった。ボールは持っているが決定的なチャンスを作れないのが事実としてあったと思う。なんとか終了間際に得点し、延長まで持っていったことは評価できること。ただし結果的にはPK戦までいったが、決定的なチャンスの数では東京に軍配が上がっていたのかなとも思う。それでも結果は出せなかったが、よく戦いファイトした。この試合を次に繋げていかなければいけない。それが一番大事なところ。次も良いゲームができるように頑張っていきたい」