GAME RESULT試合結果

2009/10/11(日)
観衆 7,203人 
天候 晴、弱風 気温 21.0度 湿度 % 
主審:井上知大 副審:宮島一代/西村典之 四審:

天皇杯 2回戦

味の素スタジアム

FC東京

4-0

試合終了

前半4-0

後半0-0

PK戦0-0

カマタマーレ讃岐

FC東京 カマタマーレ讃岐
10分:梶山 陽平
16分:鈴木 達也
35分:ブルーノ クアドロス
42分:赤嶺 真吾
得点者
68分 藤山 竜仁
62分 浅利 悟
45分 大竹 洋平
選手交代 45分 初田 真也
72分 脇坂 仁智
31分 岡本 秀雄
0 シュート 0
0 GK 0
0 CK 0
0 直接FK 0
0 間接FK 0
0 オフサイド 0
0 PK 0
77 佐原 秀樹
81 米本 拓司
警告 44 吉澤 佑哉
退場
FC東京先発
GK 1 塩田 仁史
DF 3 佐原 秀樹
DF 33 椋原 健太
DF 4 ブルーノ クアドロス
DF 8 藤山 竜仁
DF 15 平松 大志
MF 22 羽生 直剛
MF 7 浅利 悟
MF 10 梶山 陽平
MF 19 大竹 洋平
MF 28 米本 拓司
FC東京控え
MF 40 鈴木 達也
FW 24 赤嶺 真吾
FW 13 平山 相太
GK 20 権田 修一
GK 21 阿部 伸行
MF 27 田邉 草民
MF 14 中村 北斗
カマタマーレ讃岐先発
GK 31 堀之内 健介
DF 22 神崎 亮佑
DF 3 相原 央
DF 27 初田 真也
DF 5 下平 智久
DF 8 下松 裕
MF 15 綱田 大志
MF 7 朝比奈 祐作
MF 10 吉澤 佑哉
FW 6 佐々木 惇
FW 13 森田 栄治
カマタマーレ讃岐控え
FW 18 脇坂 仁智
FW 20 佐藤 亨
FW 21 岡本 秀雄
GK 1 河原 正治
MF 14 岡本 竜之介
MF 2 中原 浩介
FW 11 岩舘 侑哉

【選手・監督コメント】

天皇杯開催、初戦をよい内容で勝ちきりたい


 リーグ戦はインターバルを置き、今季の天皇杯を迎えた。すでに1回戦が行われており、J1各チームは2回戦から参戦。東京は味スタにて、香川県代表・カマタマーレ讃岐と対戦することとなった。天皇杯の初戦は簡単な戦いではないが、現在リーグ戦では2連勝。このよい流れを途切れさせないためにも、よい内容で勝ちきることが求められる。

 香川県代表・カマタマーレ讃岐は四国リーグに所属。就任2年目の羽中田昌監督のもと、天皇杯1回戦では、SC鳥取ドリームスを下して2回戦に駒を進めてきた。一方、10月8日に四国リーグ最終節を戦い、2位に終わったが、JFLの昇格をめざして全国社会人サッカー選手権大会に臨むことに。厳しいスケジュールの中で天皇杯を迎えることとなるが、羽中田監督が信奉するバルセロナスタイルの4-3-3の布陣を敷き、パスをつないで攻める超攻撃的なサッカーをめざしてる。

城福監督も「つなぐ形ももっているし、裏も狙える。攻撃のバリエーションは多い」と警戒。それに対して東京はいつもながらの連動した守備で抑えきりたい。攻撃では、カマタマーレの中盤3選手と、DFやサイドの間にできるスペースを突いていくことができれば、必ずチャンスはつくれるはずだ。この期間、日本代表の活動のため、長友、今野、石川、徳永がチームを離脱。また名古屋戦で負傷した茂庭、負傷中の小山、別メニューで調整の近藤を欠くこととなったが、全員の力を結集して臨む一戦だ。

 東京はGK塩田がスタメン。DFは、ブルーノ クアドロスと佐原がCBを組み、右に椋原、左には平松。右MFに鈴木が入り、平山と赤嶺の2トップの布陣。控えにはケガから復帰の大竹や田邉、そしてGK権田と阿部も控える。焦らず、落ち着いた戦いでカマタマーレを下し、元日までの道を一歩ずつのぼっていく!秋晴れの味スタ、試合は15時ちょうどに東京のキックオフでスタートした。

梶山の先制弾を皮切りに、大量4得点のゴールラッシュ


 立ち上がりから主導権を握った。開始0分、梶山の前線へのフィードに対し、赤嶺が抜け出し、右エリアまで持ち込む。そこからシュート性のクロスを中に送ったが、ファーでは誰も合わせられず、ボールはゴールを横切ってしまった。3分には、梶山→右の椋原がクロス。エリア中央で平山が合わせたが、シュートは打ち損ね、勢いがなかった。6分、左前線の羽生が相手DFを切り返してエリアに進入。ゴールを狙ったが、右ポストに阻まれ……。それでもカマタマーレには自由にプレーさせず、集中した守備から梶山がよく絡んで多彩な攻めを展開した。

 10分には中盤で梶山がインターセプトし、右に流れた平山に預けると右エリアに突進。リターンを受けて、エリア内で相手DFを中に切り返し、左足できっちりとニアに決めて先制弾をゲット! 16分にも再び梶山のインターセプトから、左に流れた鈴木に展開。鈴木は相手に寄せられながらもドリブルで中央に持ち込み、エリア手前からネットに突き刺し、追加点を奪った。

 落ち着いた試合運びの中で確実に2点を奪ったが、カマタマーレも徐々にリズムをつかみ、中盤でパスを何本もつないでチャンスを伺う。しかし連動した守備で自由にさせず。34分には、椋原がスピードに乗って右サイドを駆け上がり、クロス。中央の平山が胸トラップからダイレクトシュートを放ったが、GKにセーブされ、CKに。35分、この右CKを鈴木が蹴り、中央のブルーノ クアドロスがヘッドを叩きつけて加点。

 42分には羽生を経由して、米本が右サイドに上がり、クロス。ここに赤嶺が飛び込み、“らしい”豪快なヘッドを決める。カマタマーレもワイドにボールを動かしてチャンスを狙ったが、東京の守備を破ることはできず。東京は多くのチャンスをつくり、大量4得点を挙げて、前半を終了した。

後半は無得点も、各選手が持ち味を活かして勝利。3回戦へ!


 後半開始から、梶山に代わりケガから復帰した大竹が右サイドに。鈴木が左に、羽生がボランチに回る布陣で臨んだ。55分にはその大竹のキレのあるドリブルから、羽生→鈴木→赤嶺とワンタッチでつなぎ、スピード感のある攻撃を見せたが、最後はDFに阻まれてしまう。

 逆にカマタマーレも思い切りのよさを発揮し、59分にはFW佐々木が、左から中に進み、ミドル。クロスバーぎりぎりにきっちり枠を捉えていたが、塩田が片手でセーブ! CKに逃れる。続いてこの右CKをMF朝比奈が蹴り、中央のDF神崎がどんぴしゃのヘッド。しかし塩田ががっちりセーブ! この時間帯にはカマタマーレに流れを渡すこととなった。これに対して東京は、62分に羽生に代えて浅利を投入。その直後には、平山が倒され、右エリア手前からのFKを得る。これを大竹が直接狙ったが、シュートは右のポストをかすめ…。跳ね返りをファーの平松がシュートしたが、枠外にはずれてしまった。

 68分にはブルーノ クアドロスに代えて藤山を投入。藤山を左サイドバックに、平松をセンターに置く布陣で試合を落ち着かせつつ、チャンスを狙った。75分、浅利→藤山のオーバーラップからのクロスに平山が合わせたが、シュートはヒットせず…。79分には赤嶺からのパスを平山がつなぎ、鈴木が滑り込んでゴールに押し込んだが、オフサイドに。83分には赤嶺がオフサイドラインぎりぎりに飛び出し、GKと1対1の状況をつくるが、シュートはブロックに阻まれた…。

 結局、後半はカマタマーレの身体を張った守りもあり、無得点に。それでもカマタマーレの反撃には冷静に対応し、シャットアウト。後半はフレッシュな選手を投入し、それぞれが持ち味を活かし、危なげない戦いでタイムアップを迎え、3回戦に駒を進めることになった。

 【選手コメント】《塩田》「トーナメント戦なので、勝ち上がることが一番重要。次に進めるということは、一番の収穫だったと思う。味スタでのゲームは10か月ぶりくらいだったが、個人的なことより、まずはチームに貢献できるように、チームが推し進めている自分たちのサッカーをやれるようにというのをテーマに臨んだので、そこに集中できた。監督も話していたが、今日はまずは相手をリスペクトすること。情熱を持ってサッカーを続けている選手たちに対して、しっかりリスペクトして臨むことがまず最初のテーマだった。最後まで、相手チームに敬意を表して、集中力を持った戦いが出来たと思う。

 代表選手が不在で、いつものメンバーではないかもしれないが、普段小平でみんな一緒に練習しているわけで、ここでも全員がお互いをリスペクトしながら、信頼してプレーし、連携の部分は補えたと思う。カマタマーレは、いいサッカーをしていた。ピンチは何回かあると思って準備もしていたので、0点に抑えられたことは良かったと思う」

 《梶山》「(先制点について)ここ数試合、状況を見極め、バランスを崩しても攻めに出て行くことをチームのテーマとしていたので、今日もそれを狙った。サイドにパスを出したときに、相手のサイドバックが食いついてきて、その裏のスペースが空いてきていたので、あの場面でも平山選手に出して自分は前に上がった。パスを受けて、相手をうまく切り返すことができたが、かなりゴールまで近い距離になっていたのでニアに蹴り込もうと思った」

 【城福監督の会見要旨】「カマタマーレ讃岐は非常にいいチームだという印象を受けた。恐れずにボールを繋いでフィニッシュまで向かう姿には我々も勇気づけられたし、志向が似ている。だからこそ負けたくなかったし、負けられない戦いだった。それでも好感を持てたし、最後まで戦う姿勢を見せつけられたという意味で、我々も学ぶところがあった試合。今週1週間は、天皇杯の2回戦を戦うのではなくて、Jリーグの最終節で奇跡を起こすための終盤の1週間であり、ひとコマだった。今日の試合は、そのために1週間取り組んできた総決算であると。いつものトレーニングより厳しくしたし、代表選手がいない中、今日もGKが3人メンバーに入ったが、そういう状況の中でもJリーグ終盤、ナビスコ杯に向けて、我々がどういうチームになろうとしているか、という継続した取り組みを続けてきた。そこで、この1週間だけをスポイルしたくなかった。

 そういう思いを持って準備してきたので、気が抜けるということは絶対にあり得なかった。そういった形で試合に入れたし、前半もそういう試合になったと思う。後半は、外せば外すほど、点を取りたいという気持ちが強くなる選手が出てきて、さらに外した。そこは、まさに直面している課題を突き付けられ、身に沁みないといけないところ。もちろん外したくて外しているわけではないが、技術的な面や最後の判断が課題。姿勢という意味では、今日の試合は難しいながらも、しっかり勝ちきった選手たちを評価したい。フィニッシュの技術的な面は、もちろん今シーズン取り組んでいるところだし、そこはやり続けるしかない。個々にも受け止めなければならない。そういうことを改めて感じた試合だった」

 【カマタマーレ讃岐・羽中田監督の会見要旨】「まず最初の言葉は『悔しい』。しかし、最後まで自分たちのサッカーをしてくれた選手には感謝をしたい。FC東京は、やはりJ1の素晴らしいチームであることを感じた。ただ、4点取られて、こんなことを言うのもおかしいが、我々も戦えないことはない、自信を持ってもいいんだな、ということを感じたのも事実。この経験を次につなげたい。僕たちの目標である、Jリーグ昇格というところに到達できるようにまた頑張りたい」