GAME RESULT試合結果

2006/2/26(日)
観衆 7,473人 
天候 雨、無風 気温 6.6度 湿度 % 
主審:高山啓義 副審:安食弘幸/平野伸一 四審:

プレシーズンマッチ

味の素スタジアム

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FC東京

2-1

試合終了

前半0-0

後半2-1

延長前半0-0

延長後半0-0

PK戦1-0

AWAY

ヴァンフォーレ甲府

FC東京 ヴァンフォーレ甲府
78分:ルーカス
52分:ササ サルセード
得点者 75分:倉貫 一毅
78分 藤山 竜仁
54分 金沢 浄
54分 今野 泰幸
67分 赤嶺 真吾
54分 馬場 憂太
選手交代 69分 井上 雄幾
75分 秋本 倫孝
70分 保坂 一成
75分 奈須 伸也
57分 石原 克哉
80分 堀井 岳也
15 シュート 7
7 GK 10
6 CK 2
19 直接FK 13
2 間接FK 1
2 オフサイド 1
1 PK 0
警告 77 阿部 謙作
51 アライール
退場
FC東京先発
GK 31 遠藤 大志
DF 25 徳永 悠平
DF 8 藤山 竜仁
DF 5 増嶋 竜也
DF 29 前田 和也
DF 15 鈴木 規郎
DF 17 金沢 浄
MF 19 伊野波 雅彦
MF 16 宮沢 正史
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
FC東京控え
MF 11 阿部 吉朗
MF 24 赤嶺 真吾
FW 9 ルーカス
GK 21 ササ サルセード
MF 14 馬場 憂太
MF 34 柴崎 貴広
FW 7 浅利 悟
ヴァンフォーレ甲府先発
GK 22 松下 太輔
GK 1 阿部 謙作
DF 4 山本 英臣
DF 20 ビジュ
DF 32 杉山 新
DF 5 井上 雄幾
DF 15 アライール
DF 2 秋本 倫孝
MF 8 倉貫 一毅
MF 25 鈴木 健太
MF 26 保坂 一成
ヴァンフォーレ甲府控え
MF 31 林 健太郎
MF 6 奈須 伸也
FW 18 長谷川 太郎
MF 7 石原 克哉
FW 11 宇留野 純
FW 14 堀井 岳也
FW 16 バレー

【選手・監督コメント】

新生“ガーロ東京”がスタート!


 リーグ戦開幕を1週間後に控え、ヴァンフォーレ甲府とのプレシーズンマッチを開催。今季はガーロ新監督を迎え、「つなぐサッカー」「主導権を握るサッカー」を目標にスタートした新生東京。石垣島・指宿キャンプを重ね、ホーム味スタに初お目見え。これまでの成果を試す絶好の実戦機会となった。

 日本代表の活動で茂庭を欠き、土肥、ジャーンら、ケガの選手が多いことが気がかりだが、今日のメンバーは、ここまでの練習試合で連係を深めてきた選手たちが先発。GK遠藤、DFは右から徳永、増嶋、前田、鈴木。中盤の底に伊野波、右MF梶山、左MF宮沢。FWはササを中央に、ルーカス、阿部が自由に動く4-3-3の布陣で臨んだ。また今野、馬場もケガから順調に回復し、ベンチに控えた。

 対する甲府は、今季よりJ1の舞台で戦う。昨季は、前からプレスをかけ、素速く攻める爽快なサッカーでJ2の3位に。そして見事入れ替え戦に勝利し、昇格をもぎとった。大木監督は「正直に言うと、まだJ1の実感はわかないし、どの対戦チームも観ていないのでよくわからない。ただ、かつてのFC東京は、私たちにとってモデルケースだった。監督が替わり、選手もサッカーも今までとは違うだろうが、そのDNAは残っているはず。我々は90分間プレーし続けることを目標に、特別なことも小細工もしない」と、正々堂々と戦うことを誓い、同時にチーム力の底上げに自信を垣間見せていた。甲府の「速さ」 VS 東京の「パスワーク」という構図もみどころの一つとなる。

ガーロ東京の片鱗を見せるも、決定力を欠き…


 冷たい雨が降りしきる中、試合は13時33分に甲府のキックオフでスタートした。開始直後からアグレッシブに攻めに出た東京、1分には徳永のクロスからササ、ルーカスがシュートチャンスを迎えたがヒットせず。3分には梶山が右エリア深く駆け上がり、中央にマイナスのパスを送る。阿部がスライディングして合わせ、シュートを放つが右に外れた。

 時間が経つにつれ、甲府も落ち着きをみせる。東京はボールを支配するものの、甲府のプレスの前に固さも見えた。その中でも、26分には宮沢→梶山のパスから、中央に飛び出した阿部がシュート。相手に阻まれたが、流れの中でチャンスをつくる。28分には宮沢の左CKを相手GKがパンチング。うまくこぼれを拾った梶山がミドルシュート。34分には、ササのポストを起点に、徳永が右サイドを駆け上がってクロス。ゴール前で阿部が合わせてシュートする。

 リズムをつかみ始め、35分には左エリアで粘った阿部→宮沢が右でフリーのササへ。ササはダイレクトで中央にはたき、走りこんだ梶山がシュート。連係のよいプレーをみせたが、ボールは相手GKの正面に。37分には今度は阿部が右に流れてクロス。ファーのルーカスがヘッドで合わせるが、シュートは浮いてしまう。

 甲府の攻撃は単発が多いものの、41分にはエリア右に抜け出したFWバレーにスルーパスが通る。シュートはバーをかすめ、一瞬の怖さを見せつけた。前半の東京は宮沢、梶山のパスワークから、右サイドバックの徳永や前線の阿部、ルーカスが起点となり、クロスのシーンを多くつくったが、決定力を欠いてゴールならず。ともに無得点で後半へと折り返した。

狙いどおりのサイド攻撃からササが先制、2対1で勝利


 後半は、開始直後の47分にいきなりピンチを迎えた。甲府FWバレーの速い右クロスをクリアし切れず、ゴール前に詰めたMF鈴木がシュート体勢に。だがGK遠藤が飛び出してセーブ。49分には甲府右SB杉山が中央まで上がり、ミドルシュート。51分にはゴール正面から甲府のFK。FWバレーが直接狙うが、東京の壁が阻んだ。

 それでも決して慌てず、自分たちのサッカーをしようと狙う東京。52分、伊野波のパスを受けたルーカスが左サイドをドリブルで駆け上がり、中央にマイナスのパス。エリアで受けたササがワンタッチでうまくゴールに向き直り、相手DFを抜き去る前にシュート、これが右サイドネットネットに突き刺さる!狙いどおりのサイド攻撃から、先制点を奪った。

 54分には東京は3選手を交代。ルーカス、阿部を前線に置き、馬場が引き気味にポジションを取り、左MFに今野、左SBに金沢。つなぐ東京に対して、甲府も鋭い速攻を繰り出してくるが、ともに雨でぬかるむピッチに苦しめられ、精度を欠いた。73分には金沢が攻め上がり、ルーカスとパス交換。1度は阻まれたが、こぼれを拾った馬場が左エリアに切りみ、ゴール前に速く強いクロスを送る。受けた赤嶺がシュートするが、左へ切れた。

 75分には、東京の甘いクリアを拾われ、甲府MF倉貫が放ったシュートが東京DFにあたってイン。同点とされるが、慌てずに甲府ゴールに向かった。78分には、馬場のパスを受けてエリアに抜け出したルーカスが、相手GKに倒されてPKを得る。これをルーカス自身がきっちり決めて追加点を奪った。

 78分には徳永に代わり藤山がイン。甲府も6名の交代枠を使いきり、ボールが落ち着かず、慌しい展開に終始。2対1でタイムアップを迎えることとなった。しかし、この試合で復帰した今野、馬場を含め、それぞれが新しい東京のサッカーを体現しようと闘志をみせていた。開幕に向けて、手応えと課題をつかんだ一戦となったはずだ。

 【選手コメント】《宮沢》「中盤の3人でボールを取られないことが大前提。守備に関しては、もう少し当たりにいくようにしなければ。特に相手のボランチのところで持たせないことが重要。阿部、ルーカスを含め、人数をかけて前でつぶせと指示されている。もう少し連係を取って、助け合っていくことが必要」《馬場》「今日は楽しくプレーでき、ぶっつけ本番の割にはよくできたと思う。これに満足せずもっと練習しなければ。今のコンディションは70%ぐらい。早く100%のコンディションに持っていけるよう努力して、今季こそは良いコンディションで開幕に臨みたい」

 【ガーロ監督の会見要旨】「今日はいい部分も出たし、修正しなければいけない課題も出た。1年の始めなので当然のこと。私たちは、今季はつなぐサッカーをめざしてやっているが、今日は雨と芝のコンディションがよくなく、条件が悪かった。その中でも、つなごうという意識はみられたと思う。対する甲府は長い間、固まったメンバーで戦っていると聞いている。だからコンビネーションがよかったし、マークが厳しい。いいチームだったと思う。我々はコンビネーションの面で、まだこれからだ。現在は、昨季レギュラーだった土肥や茂庭、ジャーン、今野、馬場らのコンディションがようやく戻り始めた状態。彼らが戻ってきた時のコンビネーションは、これからの一つの課題。ただ、今は100%の状態を望んでいない。この現状から試合を重ねてチーム状態を上げていこうと考えている」

 【甲府・大木監督の会見要旨】「前半の10分は、うまく自分たちをコントロールすることができなかった。それを過ぎてからは、おおむねよくプレーできたと思う。交代選手もたくさん使ったので、それぞれ短い時間であったが、収穫の多いゲームだった。まだ練習試合が1試合残っているが、基本的にはこれで本番に臨むことになる。いい準備ができたが、試合の入り方は課題として残る。気後れしたとは思わないが、サイドで起点をつくられ、修正できなかった。なんとか持ちこたえることができたが、ベンチワークやスカウティングを含め、考えていきたい。(J1は)J2と比べてフィジカルが強いとは思わないが、身体の当て方がうまいと感じた。そういうプレッシャーがあり、選手は苦労していたように見えた。10分すぎたあたりからは慣れたようだが、そのあたりを意識して、考えながら戦っていきたい」