GAME RESULT試合結果

2005/11/03(木)
観衆 7,346人 
天候 曇一時晴、 気温 18.0度 湿度 % 
主審:村上伸次  副審:金田大吉/西尾英朗 四審:

天皇杯 4回戦

味の素スタジアム

FC東京

2-0

試合終了

前半0-0

後半2-0

アビスパ福岡

FC東京 アビスパ福岡
・57分:鈴木 規郎
・52分:阿部 吉朗
得点者
45分 加地 亮
60分 ササ サルセード
80分 栗澤 僚一
選手交代 66分 林 祐征
66分 平島 崇
82分 城後 寿
23 シュート 6
8 GK 17
11 CK 0
13 直接FK 5
0 間接FK 4
0 オフサイド 4
0 PK 0
' 44 藤山 竜仁 警告 ' 26 柳楽 智和
' 27 村主 博正
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 3 ジャーン
DF 8 藤山 竜仁
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 15 鈴木 規郎
MF 14 馬場 憂太
FW 11 阿部 吉朗
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 21 遠藤 大志
DF 20 加地 亮
MF 10 三浦 文丈
MF 27 栗澤 僚一
FW 38 ササ サルセード
アビスパ福岡先発
GK 28 塚本 秀樹
DF 19 長野 聡
DF 4 川島 眞也
DF 23 柳楽 智和
DF 31 山形 辰徳
MF 6 松下 裕樹
MF 18 有光 亮太
MF 13 村主 博正
MF 17 大塚 和征
FW 24 太田 恵介
FW 29 釘﨑 康臣
アビスパ福岡控え
GK 30 河野 直人
DF 21 平島 崇
MF 20 沖本 尚之
MF 26 城後 寿
FW 9 林 祐征

【選手・監督コメント】

リーグ戦の勢いをつなげ、天皇杯を獲りにいく!

 今日は、今シーズンのラストの大会となる天皇杯。J1チームにとって初登場となる4回戦で、J2のアビスパ福岡との対戦だ。福岡は現在J2リーグの2位につけ、J1への昇格争いの渦中にいる。その上、この1週間にリーグ戦と天皇杯の3試合をこなすハードスケジュールで、6日(日)には横浜FC戦を控え、今日はメンバーを大幅に変更。平均23.6歳の若いメンバーで臨んできた。

 それに対して東京は、リーグ戦の東京V、G大阪と激しいゲームを制した後、中3日での戦いで、「正直にいうと選手には疲労もある」と原監督。だが「いまのチームのリズムと勢いを壊したくない」ときっぱり。前節のG大阪戦で足を傷めた戸田に代わり、鈴木規が左MFに入り、そのほかは、G大阪戦と同様のメンバーで挑む。また10月1日第26節大宮戦後、チームを離脱していた加地もサブに控えた。

 原監督は「福岡のフレッシュな選手はモチベーションも高く、逆にそれが怖い」と警戒していた。毎年、この天皇杯の初戦では、格下と呼ばれるカテゴリーのチームに苦戦を強いられているだけに、なんとしてでも勝ちたいところ。「リーグ戦では失点を少なくし、ゴールも取って、逆転も連勝もできるようになった。いいサッカーを続けて天皇杯を獲りにいく」と原監督は話し、リーグのよいリズムをつなげて幸先のよいスタートを切り、元旦の決勝戦までを戦いぬく。

決定機を決められず、0対0で前半を終了

 試合は、午前中の晴れ間が陰りをみせてきた味の素スタジアム、13時に福岡のキックオフでスタートした。開始からボールを支配する東京。ルーカスを前線の起点に置き、ピッチをワイドに使い、速いパス回しからチャンスをつくったが、福岡の集中したディフェンスの前にゴールを割ることができなかった。

 16分には波状攻撃を仕掛け、鈴木規の中央へのドリブルから、阿部吉、梶山とチャンスをつくるが、打ち切れず。20分には金沢が痛烈なミドルを放つが、相手GKの好セーブに阻まれる。26分には鈴木規の左クロスに阿部吉がフリーで飛び込むビッグチャンス。しかしこれも決まらず。次々にチャンスをつくりながらも決めきれない展開のまま、時間が流れた。

 一方の福岡は12分、右クロスを受けた長身のFW太田がポストとなり、FW釘崎がスライディングで土肥が飛び出したゴールに向かってシュート。一瞬ヒヤリとさせられたが、ボールは左に切れた。それ以降もしっかりと守備を固めカウンターを仕掛ける福岡だが、東京も相手の連携不足にも助かり大きなピンチには至らず。

 それでも福岡は守備で奮闘。疲れのみえた前半の終盤には、東京がCKやセットプレーから福岡ゴールに迫ったが、身体を張ったディフェンスに阻まれてしまった。結果的に福岡の健闘が光る前半となり、スコアレスで後半へと折り返した。

阿部吉、鈴木規のゴールで手堅く勝利!

 前半のうちに左足に張りを感じていた金沢に代えて、後半は加地を投入。藤山を左サイドバックにシフトし、よりボールを支配して福岡ゴールに迫った。迎えた52分、茂庭のカットから藤山がつなぎ、スピードに乗った鈴木規がサイドを駆け上がり、ピンポイントのクロスをゴール前に送る。これに阿部吉がドンピシャのヘッド! 速く鋭い攻撃で福岡DFを振り切り、先制点を奪った。

 チャンスをつくりながらも決められないという嫌な雰囲気を払拭した東京は、57分にはルーカスが倒されて得たFKを鈴木規が直接狙う。強烈な左足のキックは、相手DFに当たってコースが変わりゴールイン! たたみかけるように追加点を奪った。

 その後は、落ち着いた試合運びで終始試合を支配。60分にはルーカスに代えてササを投入。よりアグレッシブにゴールに向かったが、62分に阿部吉がエリア外から放った強烈なシュートは、GKの好セーブに阻まれてCKに。63分には鈴木規が左サイドを突破、阿部吉に折り返し、阿部吉のシュートが弾かれたこぼれを馬場が拾って再びシュート。しかしゴール右へ外れる。76分には加地がサイドから中に駆け上がり、ゴール右下隅に狙い済ましたグラウンダーのシュートを放つが、GKのセーブでCKに。79分、右サイドを上がった阿部吉のマイナスのパスを、ゴール正面で受けたササがシュートしたが、これもGKのセーブに阻まれた。

 80分には馬場に代えて栗澤を投入。82分にはなんとか1点を返そうとする福岡が、早いリスタートからMF有光がゴール前に抜け出してシュートを放ったが、土肥が足を伸ばし、ナイスセーブ! こぼれを拾われて福岡にシュートチャンスを許したが、東京DFがクリアし、ピンチを切り抜けた。このまま試合は2対0でタイムアップ。結果的に追加点は奪うことができなかったが、危なげない勝利で、5回戦浦和レッズとの対戦に駒を進めた

 【選手コメント】《鈴木規》「(得点のFKは)枠にいくように蹴った。ラッキーなゴールだけどすごく嬉しい。FKは枠にいくように、入らなくても誰かが詰められるように蹴るよう指示されている。いつもどおりに蹴ったら、壁に当たったが、ボールが浮いている時に入るかなという感触があった。(アシストは)前半にもチャンスがあり、あのように上げていけば、阿部ちゃんのような選手は必ず点を取ってくれる。どんどん勝負をしてクロスを上げることを心掛けていた。前半に1点取れればよかったけれど、1対0だろうと勝てば上にいけるので、そんなに固くならず、後半に1点取りにいこうとした。難しく考えずに戦った。点につながるプレーも久しぶりだったし、こういうゴールに絡むプレーをコンスタントにしていきたい。周りを簡単に使うことは課題」《阿部吉》「前半もチャンスがあったので、後半決められてよかった。規郎からいいクロスが上がってきたので、とにかく相手より早く、前でジャンプしようとした。前半は何も考えずに飛び込んで、頭の角度がずれていたので、今度は角度に気をつけた。福岡はメンバーも代えてきて、やはり難しい試合になったが、惜しいチャンスもたくさんあったので、1点取れればいけると思っていた」

 【原監督の会見要旨】「先週のガンバ戦で非常によい戦いができたのだが、日程も中3日で、そこからの切り替えが難しかった。特に天皇杯は、いつも最初でJ2やJFLの相手と戦う難しさがある。福岡の状態、日程などを考えると、メンバーを変えてくるかも…とは思っていたが、ほとんど変えてきたことは少し驚いた。その分、モチベーションも高く、フレッシュでよく動いてくるだろうと選手にも話していたが、そのとおり、前半の30分ぐらいまでは福岡に頑張られた。ただ、相手はだんだん疲れてくるだろうし、中央ばかりでなく丁寧にサイドを使っていれば、必ずチャンスは来ると考えていた。前半は梶山や馬場などが持ちすぎたり、難しいことをやろうとしたりした部分があったので、ハーフタイムには再度『シンプルに、サイドを使っていこう』と徹底した。よい時間に鈴木規のクロスを阿部吉が決めて、我々らしいリズムが取り戻せたと思う。今日はリーグ戦と同じような気持ちで戦おうと言っていた。まずはこの天皇杯、そしてリーグ戦の残りの5試合と、一つ一つ気持ちを切り替えてやっていきたい。次のアントラーズ戦へ向けてまた頑張っていきたい」

 【福岡・松田監督の会見要旨】「最終的には力の差が出た。我々のチームにもいい選手がいる中で、個人の力を見せたかったし、足りないところや守備面では組織の力で補い、粘りを発揮して、カウンターでゴールを狙った。前半はよくしのいでいたと思う。後半は組み立てのミスから奪われて、速攻からクロスに持ち込まれた。クロスの質もよかったが、サイドを崩され、そこで決められたことが痛かった。(ベストメンバーではなかったが?)Bチームだとは考えていない。リーグ戦とのインターバルで、ケガやコンディションの悪い選手もいる。状態のよい選手で、アビスパを代表する気持ちで臨んでほしいと話していた。日頃のトレーニングで培ってきた組織力が通用するかどうか、確認するにはこれ以上の相手はない。自分の力をアピールし、チャレンジすることに徹してほしいと言っていた。だが、これはあくまで勝つことで達成できたことだと思う」