早くも２巡目に突入したＪ２リーグ

今年から始まったＪ２リーグは、１０チームによる４回戦総当りで合計３６試合、８ヶ月にもおよぶ長丁場。東京は、前節の大宮戦で早くも全チームと対戦したことになり、この日の仙台戦から２巡目に突入することになる。気になる順位は、９試合を終了して５勝２敗２分けで第３位の好位置をキープ。首位との差が勝ち点３（１ゲーム差）のため、この日の試合に勝てば首位奪回の可能性がある一方、負ければ順位を下げる可能性もあるだけに、ここでは確実に勝ちを収めたいところ。対する仙台は、３勝５敗１分けで第９位と低迷しており、２巡目の初戦となるこの日の試合で何とか勝ちを収め、これを契機に上昇気流に乗りたいところ。仙台としては、前回の対戦でホームで１対２と東京に苦杯をなめているだけに、リベンジマッチとなるこの日の試合にかける意気込みは相当なものと思われ、激しい闘志で向かってくることが予想された。両チーム”ゴール裏”の応援合戦がピークに達したところで、キックオフの笛が鳴った。

一瞬のスキを突く岡元の先制弾！

前半、先にペースを掴んだのは仙台。仙台は細かいパスワークと東京のディフェンスラインの裏を狙った大きな展開で積極的に攻めてくる。中盤では仙台の”司令塔”越後が巧みなボールキープでリズムを作り、前線に好パスを配給。前線ではＪ２でもトップクラスのテクニックを持つ阿部が厳しいマークをものともせず、切れのあるドリブルや緩急自在の多彩なパスでチャンスを作る。一方の東京は、アウミールを起点にしてボールをつなごうとするものの、仙台のプレスが激しく、簡単にボールを失いリズムが作れない。押し込まれる苦しい時間が続いたが、集中力を切らさず、サンドロを中心とした安定したディフェンスで得点を許さなかった。 試合が動いたのは前半３７分。東京は、右サイドからＭＦ小林がセンターサークル付近の誰もいない所にボールを出し、一瞬全員が止まったところをＤＦ小峯がボールを拾い前線へスルーパスを送る。これに反応した岡元が抜け出し右足でゴールを決めた。押し込まれながら、相手の一瞬のスキを突いたゴールで東京は勢いに乗り、逆に仙台は勢いを失った。

試合を決めた岡元の２点目！

後半に入ると試合は激しさを増し、攻守の切り替えの速い一進一退の攻防が展開された。東京は後半８分にＭＦ小池を投入。前節の大宮戦で攻守のつなぎ役として活躍し、チームの勝利に大きく貢献した小池は、この日も積極的にボールに絡み、中盤で好配給を見せ、東京にリズムを生み出した。逆に仙台は運動量がガクッと落ち、プレスが弱まったことで東京に自由にボールをまわされ始める。東京はアウミールを起点に、由紀彦、鏑木がスピード溢れるプレーで何度もチャンスを作った。 迎えた後半２４分、中央でアウミールが由紀彦とのワンツーで抜け、すかさず前線の岡元に絶妙のスルーパス。岡元はまたも右足で今日２得点目となるゴールを決め、試合を決定付けた。その後は、鏑木が前線で何度も果敢なドリブル突破を見せ、決定的なセンタリングを上げるなど、試合は東京の一方的な展開に。守っても、試合終了間際の決定的な場面をＧＫ堀池が冷静に止めるなど、終始集中力を切らさず安定したところを見せた。試合はこのまま終了し、東京が４連勝でついに首位を奪回した。