GAME RESULT試合結果

第27節 1999/9/19(日)
観衆 5,202人 
天候 曇、無 気温 24.6度 湿度 75% 
主審:北村 央春 副審:阿部 正基/蒲澤 淳一 四審:矢部 鋼治

J2 第27節

仙台

HOME

ベガルタ仙台

1-3

試合終了

前半1-0

後半0-3

AWAY

FC東京

ベガルタ仙台 FC東京
28' パウロ・エンリケ
得点者 58' アマラオ
60' アマラオ
85' アマラオ
62' 千葉 泰伸 → 中島 浩司
72' 中村 学 → 瀬川 誠
選手交代 32' 浅利 悟 → 小池 知己
45' 岡元 勇人 → 鏑木 享
11 シュート 16
4 CK 5
20 FK 22
89' パウロ・エンリケ
警告 16' 梅山 修
28' 鈴木 敬之
63' 佐藤 由紀彦
退場
ベガルタ仙台先発
GK 22 石川 研
DF 3 斎藤 克幸
DF 5 ドゥバイッチ
DF 2 山路 嘉人
DF 4 渡辺 佳孝
MF 7 千葉 直樹
MF 27 ニクソン
MF 28 パウロ・エンリケ
MF 14 千葉 泰伸
FW 15 中村 学
FW 11 平 聡
ベガルタ仙台控え
GK 1 高橋 範夫
DF 10 中島 浩司
MF 20 佐藤 浩章
MF 26 今川 元樹
FW 16 瀬川 誠
FC東京先発
GK 22 鈴木 敬之
DF 12 梅山 修
DF 3 サンドロ
DF 26 小峯 隆幸
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 6 新條 宏喜
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 15 アウミール
MF 18 岡元 勇人
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 32 仁田尾 博幸
DF 4 山尾 光則
MF 16 小池 知己
FW 17 鏑木 享
FW 28 榎本 潤

【選手・監督コメント】

生まれ変わった仙台


清水新監督になってから、初めての対戦となる仙台。常に下位を低迷してはいるものの、その攻撃力には定評があった仙台は、新指揮官に加え、パウロ・エンリケ(前ジェフ)、財前(元ヴェルディ)という二人の優れた助っ人(共にMF)を得て変貌。これまでの合計勝ち点18の内、二人が加わったここ1ヶ月半だけで勝ち点9を稼いでおり、戦力補強は大きな効果を生み出した。また、この補強で、ブラジル出身のMF・エンリケ、コロンビア出身のボランチ・ニクソン、ユーゴスラビア出身のDF・ドゥバイッチと、3人の外国人選手がそれぞれ違う国籍という珍しい”多国籍チーム”となった仙台。1st、2ndラウンドともに快勝しているとはいえ、”新生・仙台”はけして侮れない相手であり、そのパワーアップした攻撃力には要注意が必要であった。

仙台ペースの前半


約4ヶ月ぶりの対戦となったこの日の試合、ほぼベストメンバーの東京に対し、仙台は、中心選手のFW・阿部、MF・越後、財前をケガで欠く苦しい布陣。代役の選手達に、前回の2ndラウンドで欠場していたボランチ・ニクソン、新ゲームメーカー・エンリケが加わり、これまでとは全く別のチームのようなメンバーで臨んできた。

試合が始まると、先にボールを支配したのは仙台。新外国人・エンリケがいきなり、その抜群の運動量とキープ力を見せた。仙台は中盤のプレスが強く、ボランチ・ニクソンが独特なしつこいディフェンスからボールを奪うと、左足のテクニシャン・千葉泰を経由して左サイド前線へ流れるエンリケへ。エンリケは、そこから自分でドリブルを仕掛けるか、タメを作って味方の飛び出しに絶妙のパスを配給するなど、持ち味を十分に発揮して攻撃の中心になった。

一方の東京は、中盤でアウミールがボールをキープし、FW・アマラオに当てて、そこから左右へ展開しようとするが、仙台のプレスが強く、いいタイミングのパスがなかなか出ない。アマラオが孤軍奮闘でボールキープし、個人技でシュートまで持っていくが、左MFの岡元、右MFの由紀彦の両サイドをガッチリと守られ、中盤の高い位置(=前線)でリズムよくボールを回せなくなると、ディフェンスラインからアマラオの頭を狙う単調なロングボールに頼るようになった。しかし、アマラオには191cmのドゥバイッチがぴったりマークしており、なかなか勝たせてくれず、ボールはことごとく跳ね返された。

試合は、中盤を激しいプレスで支配する仙台のペースで進んだ。20分、中盤でボールを奪ったニクソンが突進し、強引な壁パスから抜け出して強烈なシュート。ボールは、右ゴールポストを叩いてゴールにはならなかった。27分には、ゴール前を浮き球パスで揺さぶられ、抜け出した選手にノーマークで打たれたが、これもバーに救われる。続く28分、中盤でなかなか前線にボールを出せない東京は、浅利が不用意な緩いバックパス。これを仙台の選手がカットすると、混戦でこぼれたボールをエンリケが奪取&突進。これを止めにいったGK・鈴木が体を投げ出すと、エンリケが転倒、PKをとられた。このPKをエンリケが確実に決め、仙台が先制した。

1点を先行され、苦しい展開になった東京であったが、その後、小峯、サンドロを中心とするディフェンスは堅く、大崩せず、浅利に代わって小池が入ってからは中盤でのボール支配率が上がり、サイドバックが攻撃参加できるようになると、徐々にではあるが、東京のペースになっていった。

アマラオ爆発!今季初のハットトリック達成!


後半に入ると、運動量に勝る東京が俄然輝き出す。前半、激しいプレスを見せた仙台は、後半に入ると、目に見えて運動量が落ちた。特に、中盤で暴れまわったエンリケの運動量が落ちると、仙台の攻撃は単調になった。逆に東京は、後半出場の鏑木が、相手DFの背後へ積極的な走り込みを見せ、仙台DFのバランスを崩すと、アマラオやアウミールがフリーになる機会が増えた。迎えた58分、ゴール前の混戦からアウミールが相手DFの背後へ絶妙のループパス。これに鋭く反応した由紀彦が抜け出そうとすると、相手DFがたまらずファール。由紀彦は転倒し、PKを得た。これを冷静にアマラオが決め、同点。ホームで何としても勝ちたい仙台は、この同点を機に、全体のバランスを崩して攻撃モードに切り替えると、逆に仙台DFの裏にスペースができ、東京の”思うつぼ”になった。60分、中盤で新條がボールを奪い、アウミールにつなぐと、すかさず前方で仙台DFと並んだアマラオへ。アマラオは、絶妙のトラップでDFを一気に振り切ると、ゴールへ突進。GKが飛び出してくる前に冷静に決め、逆転。その後も押せ押せの東京は、アウミールが変幻自在のパスでチャンスを作る。25分には、梅山から右サイド深くに走り込んだアウミールにパスを出すと、中央へ走り込んだアマラオへヒールでダイレクトパス。アマラオのシュートは外れたが、アートなパスワークで決定機をつくった場面であった。仙台は、後半途中出場のFW・瀬川がスピードを生かして、右サイドでチャンスメークしようとするが、藤山が1対1強さを見せシャットアウト。逆に藤山は、ここからボールを奪うと、得意の攻撃参加でチャンスをつくった。85分には、相手のバックパスを奪ったアマラオがこの日3点目となるゴールを決め、試合に決着をつけた。

このところ、スロースターターで前半ピンチに陥る東京。次節大分戦(9/25,駒沢)からは、最終ラウンド9試合が始まる。由紀彦は累積警告で出場できないが、勝利への執念、気持ちで相手を上回り、前半から爆発することを期待したい。

<大熊監督コメント>

・前半、相手のペースの時に、自分達のミスから失点したのは痛かった。後半は、運動量で相手を上回ることができ、自分達のサッカーをできたが、やはり前半の相手のマークがきつい時に点を取れないとキツイ。今日の勝因は、後半のいい時間帯でPKを得て同点とし、相手が点を取ろうと前に出た時に、狙っていた裏を突けたことだと思う。

・今後は、これまで同様一戦一戦を大事に戦うだけだが、ナビスコカップが入ってくるので、コンディションが難しくなる。総力戦になると思われるので、メンバー16人以外にも、いろいろな組み合わせを試していきたい。