GAME RESULT試合結果

第7節 2000/4/15(土)
観衆 6,665人 
天候 雨、弱 気温 14.5度 湿度 69% 
主審:モットラム 副審:山口 森久/谷内 浩仁 四審:濱口 和明

J1 1st 第7節

国立

HOME

FC東京

1-3

試合終了

前半0-0

後半1-3

AWAY

ガンバ大阪

FC東京 ガンバ大阪
61' アマラオ
得点者 49' 稲本 潤一
64' 小島 宏美
83' 小島 宏美
40' 岡元 勇人 → 鏑木 享
67' 小池 知己 → 浅野 哲也
73' 浅利 悟 → 神野 卓哉
選手交代
15 シュート 16
3 CK 6
25 FK 25
警告 26' 山口 貴之
33' ビタウ
74' 新井場 徹
退場
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 16 小池 知己
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 18 岡元 勇人
FW 9 ツゥット
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 21 遠藤 大志
DF 5 古邊 芳昇
MF 6 浅野 哲也
FW 15 神野 卓哉
FW 17 鏑木 享
ガンバ大阪先発
GK 1 岡中 勇人
DF 15 木場 昌雄
DF 2 朝比奈 伸
DF 5 宮本 恒靖
DF 17 新井場 徹
MF 6 稲本 潤一
MF 10 ビタウ
MF 14 山口 貴之
MF 16 二川 孝広
FW 11 小島 宏美
FW 24 松波 正信
ガンバ大阪控え
GK 23 都築 龍太
DF 7 平岡 直起
MF 8 森下 仁志
FW 18 吉原 宏太
FW 26 中山 悟志

【選手・監督コメント】

連敗を避けられるか? 最下位ガンバ大阪との対戦


前節、鹿島に敗れて5位に落ちた東京。その順位もさることながら、リーグを戦う上で連敗はどうしても避けたいところ。対するは、今節までひとつの勝ち星もないガンバ大阪。だがMF稲本を始め、FW小島、DF宮本らの五輪世代の代表候補選手を抱え、その若いパワーと底力は決してあなどることができない。その上、ここにきて喜名らレギュラー陣に故障が出始め、不安も漂う東京。背水の陣で臨んでくるガンバに対して、どれだけ組織力を発揮して対抗できるか。勝敗はもちろんだが、その内容は今後の戦いにも影響を及ぼす大事な一戦だ。

雨中戦で息切れか!?


前節までスタメンの小林成に替えて、今日はJ1初出場となる岡元が左サイドハーフで先発。サブには、やはりJ1初となる鏑木、4試合ぶりの神野など、前節までとは大きくメンバーが入れ替わった。この日の国立は昨日までの好天とは打って変わって肌寒く、降り続く雨の中でのキックオフとなった。天候とは対照的に、両者ともに中盤で厳しくプレスをかけ合い積極的に攻めに出た。開始早々、由紀彦とのワン・ツーからツゥットがシュート。ガンバも、MFビタウがFKを直接狙い、小島がミドルシュート放つなど、互角の応酬をみせるが決定機には至らない。ガンバは、運動量のあるビタウを起点にテクニックに長けるMF山口、二川が絡み、そこからFW松波のポストに展開。動きの速い小島に、左SBの新井場も攻め上がり揺さぶりをかけるが、狙いが読みやすく、東京は落ち着いて対処。反対に東京の攻撃も、ガンバのボランチ稲本とDFラインが引いた状態できっちり対応された。40分には、いまひとつ波に乗れなかった岡元に替えて鏑木を投入したが、流れは変わらず。お互いに見せ場をつくれないまま前半を終了した。

今季初、90分での3失点! 全員攻撃も実らず


試合が動いたのは後半だった。49分、二川のドリブル突破から得た右CKを、山口がショートでビタウに。そこからあがったクロスに、稲本が飛び込んでヘディングシュート。東京はマークにつききれず、またもやセットプレーから失点してしまった。勢いに乗るガンバはボールを支配。攻めに転じようとする東京の隙をついて、素早くワイドに攻めてくる。しかし61分、ゴール前に上がったボールをキャッチしたGK土肥が相手DFラインが浅いのを見て素早く前線へキック。相手DFと競ったツゥットが粘ってつなぎ、拾ったアマラオがドリブルから華麗なフェイントでDF宮本をかわし左足で豪快にゴール! 得意のカウンターから一気に仕掛けて東京は同点とした。

その直後の64分、ドリブルで攻め上がったガンバ小島は、浅利がカットしたボールを無理につなごうとせず、CKに持ちこむ。この狙いがまんまとあたり、左から山口が蹴ったボールにその小島がヘッドで合わせ、再びセットプレーから2点目を失う。同点にした直後の失点だけに、これでは選手自身もキツクなる。その後、小池に替えて浅野を、浅利に替えて神野を投入。2トップに由紀彦、鏑木、神野と、前線に5人を置く”超攻撃的布陣”で反撃体勢に入るが、ガンバは「14番(由紀彦)が中央に入ってきたので、ビタウと稲本のダブルボランチにして中盤をスクエアに変えて」(早野監督)慌てず対応。逆に東京は前がかりになり、83分にはオフサイドぎりぎりに飛び出したビタウに合わせた小島にアッサリと決められ、2点のビハインドを背負うことになった。サンドロまでを中盤に上げ、反撃に出る東京だが、86分、そのサンドロのシュートもわずかにゴールマウスを超える。浅野、アマラオも積極的にゴールを狙うが、いずれも個人技に頼るばかり。ツゥットと鏑木が重なる場面も多く、今一歩コンビネーションの冴えないままタイムアップを迎えた。

課題は明確に。気持ちを切り替えて次へ!


決して素晴らしく出来の良かったとはいえないガンバに3失点。セットプレーから2失点、東京らしい組織力で応戦できなかったところが反省すべき材料だ。「J1のレベルで通用する部分と通用しない部分が如実に表れた試合だった。その通用する部分で、どうにかチームをつくっていかなくてはいけないと思う。中盤に力不足を感じ、パサーがいないことで2トップを活かせない部分もあるが、メンバーは、今まで比較的長くやってきた選手の組合せを中心に、今後大きく替えることはないと思う。この戦い方でいいんだと認識させられた試合でもあった」と大熊監督は冷静に振り返る。1stステージも中盤に差しかかり、怪我や疲労が気になるところだが、チャレンジャー精神は忘れることなく今後に臨みたい。


《早野監督のコメント》

「今日は、アマラオ、ツゥットの2トップのカウンターをまず押さえることが守備の課題。攻撃では松波を軸に攻撃を展開していくという形で進め、それを非常に忠実に果たしたことがこの結果につながったと思う。今までセットプレーでなかなか点を取れなかったが、今日は2点取れて大きく流れが変わった。これまでは、選手が後半ジリ貧になるところがあったが、今日はボールを保持しながら攻めようという気持ちがあった。CB朝比奈は、(怪我のダンブリーに替わって)突発的な起用だったが、東京のシステムに助けてもらった部分はある。アマラオに対しての集中力を高めることによって、彼のよさが引き出されたと思う。勝利は非常に嬉しいが、状況が好転したわけではなく、これから好転させていかなくてはいけない現状をしっかりと把握して次のゲームに臨みたい」

《大熊監督のコメント》

「前線でのタメがなく、一旦引いた時に組立ての時間が作れなかった。喜名の怪我もあり、ボランチを含めての中盤の力不足を露呈したが、そこを今後の課題に、メンバーと戦い方を考えなければいけない。セットプレーの守備にはかなり練習の時間を費やしているが、やはりJ1ではフリーにさせた時のフリーキック、クロスの精度が高い。同時に、自分のマークだけで精一杯で、周りがどういう状況であるか、指示を出せる選手が少ない。それが失点につながっていると思う。お互いが言い合えるようにと、日頃から気をつけているのだが、まだタイムリーにできていないことが原因だと思う」