GAME RESULT試合結果

第13節 2000/5/17(水)
観衆 4,056人 
天候 曇、中 気温 19.0度 湿度 75% 
主審:上川 徹 副審:恩氏 孝夫/五十川 和也 四審:大石 康

J1 1st 第13節

市原

HOME

ジェフユナイテッド千葉

1-3

試合終了

前半1-1

後半0-2

AWAY

FC東京

ジェフユナイテッド千葉 FC東京
29' 大柴 克友
得点者 24' 加賀見 健介
68' 小林 成光
89' ツゥット
73' 武藤 真一 → 小倉 隆史
81' バロン → 林 丈統
選手交代 61' 小池 知己 → 喜名 哲裕
88' 加賀見 健介 → 戸田 光洋
10 シュート 11
5 CK 1
30 FK 25
67' 阿部 勇樹
89' 酒井 友之
警告 88' 内藤 就行
退場
ジェフユナイテッド千葉先発
GK 17 櫛野 亮
DF 3 中田 一三
DF 4 茶野 隆行
DF 5 山口 智
DF 8 阿部 勇樹
MF 6 酒井 友之
MF 9 大柴 克友
MF 7 武藤 真一
MF 2 中西 永輔
FW 16 ベンソン
FW 10 バロン
ジェフユナイテッド千葉控え
GK 12 立石 智紀
DF 22 井上 雄幾
MF 15 井幡 博康
MF 13 林 丈統
FW 31 小倉 隆史
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 16 小池 知己
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 10 加賀見 健介
MF 24 小林 成光
FW 9 ツゥット
FC東京控え
GK 1 堀池 洋充
DF 4 山尾 光則
MF 23 喜名 哲裕
FW 17 鏑木 享
FW 29 戸田 光洋

【選手・監督コメント】

加賀見初のスタメン。東京の真価が問われる市原との対戦


J1リーグ第13節。アマラオ、神野をケガで欠く東京は、ツゥットを1トップに、J1初スタメンの加賀見をトップ下に置く布陣で市原戦に臨んだ。

対する市原は、高さのバロン、速さのベンソンが2トップ。時にはダブルボランチを組んで守備重視で戦うこともある市原だが、今日は1ボランチに酒井、左MF武藤、右MF中西、中央MF大柴という攻撃的な布陣。お互いがチャンスをつくり合う中で、前半は進んだ。

先に主導権を握ったのは市原だった。まず5分には、バロンのヘッドをGK土肥がはじいたところに、武藤が追いかけてゴール前へ。そこに再びバロンが詰める。最後のフィニッシュには持ち込めなかったが、あわやという場面だった。その後も市原は、中西、武藤を起点にして、ペナルティエリアに走り込むベンソン、バロンにパスが出され攻撃の形をつくる。東京も、今日は左サイドの藤山の積極的な上がりが見られ、中へドリブルで切り込んでチャンスをつくるが、決め手を欠く。また市原の高いDFラインの裏を突こうとはするのだが、オフサイドにかかる場面も多く、決定機はつくれない。しかし10分を過ぎた頃、「市原のDF茶野にマークにつかれたツゥットが、前線での起点になりきれていない」と判断した大熊監督は、ツゥットと加賀見のポジションを逆にチェンジ。加賀見を前線に置いてポストとする作戦をとる。このあたりから東京もリズムが良くなり、ツゥットがフリーでヘディングシュートを打つなど、得点の予感を感じさせる動きが出てきた。

加賀見のダイビングヘッド炸裂! しかし先制するも…


23分には、小峯と競ったベンソンがスピードで振り切り、バロンにクロスを送ったが、これはしっかりオフサイドをとる東京。そして24分、中央のツゥットから左の小林成へはたいたパスをヒールで藤山に。その藤山が狙い澄ましたクロスに加賀見が合わせヘッド一発! 速いダイレクトプレーで、市原DFを切り裂きゴール!!

思い起こせば昨年6月、ナビスコカップ2回戦のアウェーゲーム。雨降る市原臨海競技場でアマラオが由紀彦が、そして加賀見が挙げたゴールで4対1と快勝したこと。そしてJ2最終戦・新潟でのゴール。そんなことを一瞬にして思い出させてくれた加賀見のダイビングヘッドで先制! 大事な場面で、貴重な働きをする選手の活躍に東京の”ゴール裏”が盛り上がらないはずはない。

しかし、ここで簡単に守りきれるほどJ1は甘くなかった。29分には、中西が東京のマークをかわして、藤山が上がったあとのスペースへスルーパス。これを大柴がキッチリ決めて、またたく間に同点とされてしまった。

その後、東京はフリーでシュートを打てる場面が何度か訪れるが、ツゥットのトラップミスや、小林成がふかしてしまい得点には至らず。前半を同点で終えた。

小林成光、執念のビューティフル・ゴール!市原を突き放し、1st


後半開始早々、スペースがあるとみるや、ボランチの浅利がドリブルで攻めゴール前まで上がる。このプレーに象徴されるように、「セレッソ戦のように、同点にされてズルズル失速していくのは避けたい」という意識が、この日の東京には表れていた。加賀見とツゥットは、役割にこだわりすぎることなく「臨機応変にポジションチェンジ。それによって流れも良くなりマークもズレてきた」(加賀見)。由紀彦は、前半よりも積極的に突破を狙う。61分には小池に替えて喜名を投入。しかし市原も、中西が意表をつくミドルシュートを打てば、66分には攻める東京の逆をついてカウンターを仕掛け、ベンソンがスピードにモノを言わせ攻めてくる。けれどその直後の68分、右サイドで突破をはかった由紀彦に市原DF阿部がたまらずファール。FKを得る。キッカーはもちろん由紀彦。そして、ニアの小林成に強く速くピンポイントで蹴られたボールは、小林成がアタマをひと振りした瞬間、ゴールネットに吸い込まれていった

。今日何度かシュートをふかしていた小林だが、ゴールへの執念が感じられる素晴らしいゴールであった。

市原は、FW小倉、MF林を入れ反撃を試みるが、東京は最終ラインできっちり守る。反対にロスタイムには、88分に加賀見に替わって入った戸田とツゥットがふたりでカウンターを仕掛け、最後はツゥットのゴールで3点目をゲット。市原を突き放した。

暫定順位は3位に。あと2節を全力で


この勝利によって3位に立った東京。次節は、警告の累積により内藤が出場停止となるが、大熊監督が「梅山がサテライトで十分準備してきているので心配はしていない」と話すように、全員の力で乗り切りたい。もちろんすぐにチームにフィットできるか不安も残るが、今日のように新メンバーで、新たな可能性を示す戦いができれば、何より次につながる大きな収穫となる。あと2戦、気を抜くことなく東京らしい全員サッカーで戦い抜きたい。

《ザムフィール監督のコメント》

「試合前から、4枚のDF=守備が強いチームと戦うということで、難しいゲームになると予想された。前半はまだ良かったが、後半に市原の悪い部分が出た。イージーなミスでFKからの失点をくらい、点を取りに行かざるを得なくなった。そこで相手にスペースを与え、ミスを繰り返して結局3失点してしまった。組立てがうまく行ってチャンスもつくったが、4回のチャンスを一度も得点に結びつけられなければ負ける。サッカーでは当たり前のことだ」

《大熊監督のコメント》

「加賀見に関して、期待したことの100パーセントには足りないものがあるが、久々の先発出場で先取点を取って、チーム全体に与えた影響は大きかった。後半以降も集中してやれたと思う。後半から由紀彦の突破ができだしたのは、彼自身のメンタルな部分によるところも大きい。前半はスペースがあるのに左足でクロスをあげていたのでハーフタイムに『CKに逃れられてもいいから、タテへ突破していけ』という指示を出した。1度抜くことができて、思い切りが良くなったのだろう」