GAME RESULT試合結果

第15節 2000/5/27(土)
観衆 6,743人 
天候 曇、中 気温 25.3度 湿度 64% 
主審:ベルコーラ 副審:中村 祐/武田 進 四審:吉原 正紀

J1 1st 第15節

等々力

HOME

東京ヴェルディ

3-0

試合終了

前半1-0

後半2-0

AWAY

FC東京

東京ヴェルディ FC東京
09' 林 健太郎
73' キム ヒョンソク
78' キム ヒョンソク
得点者
45' 廣長 優志 → 三上 和良
64' 飯尾 一慶 → 桜井 直人
83' 米山 篤志 → 池端 陽介
選手交代 29' 小池 知己 → 喜名 哲裕
69' 佐藤 由紀彦 → 戸田 光洋
80' 小林 成光 → 鏑木 享
11 シュート 16
6 CK 8
24 FK 22
41' 飯尾 一慶
60' 林 健太郎
警告 32' 喜名 哲裕
42' サンドロ
72' 内藤 就行
退場
東京ヴェルディ先発
GK 21 本並 健治
DF 17 西田 吉洋
DF 22 中澤 佑二
DF 5 米山 篤志
DF 15 杉山 弘一
MF 4 林 健太郎
MF 2 山田 卓也
MF 14 廣長 優志
MF 13 石塚 啓次
FW 10 キム ヒョンソク
FW 20 飯尾 一慶
東京ヴェルディ控え
GK 12 小針 清允
DF 3 森 勇介
DF 6 三上 和良
DF 24 池端 陽介
MF 16 桜井 直人
FC東京先発
GK 20 土肥 洋一
DF 2 内藤 就行
DF 26 小峯 隆幸
DF 3 サンドロ
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 16 小池 知己
MF 14 佐藤 由紀彦
MF 24 小林 成光
FW 9 ツゥット
FW 11 アマラオ
FC東京控え
GK 1 堀池 洋充
DF 4 山尾 光則
MF 23 喜名 哲裕
FW 17 鏑木 享
FW 29 戸田 光洋

【選手・監督コメント】

意地でも負けられないヴェルディとの対戦


1st最終節は、来シーズンよりホームを東京に移転するヴェルディ川崎との対戦。

この伝統あるクラブに対して、尊敬を持ちながらも、東京初のJクラブとしては負けるわけにはいかない。公式戦では初めての対戦となるが、意地を見せたい一戦だ。

等々力陸上競技場の2階ゴール裏に集まったサポーターは、試合開始前からヴェルディを圧倒。選手たちにも、その思いは十分伝わっているはずだ。

決定機を活かせず、ワンチャンスで先制される


強い風の中、両チーム共、お互いを探るように慎重なペースで進む。ヴェルディは、中澤、米山のCBを中心に、むやみにDFラインを上げず、MF林と山田のダブルボランチがしっかりスペースをケアして守り、FWキムのテクニックと強さ、飯尾の速さを活かす戦法だ。

しかし9分、金からのスルーパスを受けた飯尾に、一瞬対応の遅れた小峯がペナルティエリアでスライディングタックル。このプレーがファールを取られ、PKを与えてしまう。これを林が落ち着いて決めて、ヴェルディは先制。東京は出端をくじかれる格好となった。

けれども反撃に出る東京。11分には、攻めあがった藤山がドリブルで中へ切りこんでのシュート。12分には、ツゥット、小林に内藤が絡んで、ヴェルディDFにゆさぶりをかける。17分には、アマラオからのパスを受けた由紀彦が右サイドの裏に抜け、中へ折り返したところをツゥットがシュート。これはGKの正面をついたが、直後の18分にも、今度は左サイドの藤山から小林のシュートと、東京は攻めたてる。26分には、右サイドの内藤からのクロスを、ゴール前に詰めていた由紀彦がヘディングシュート! 決定的な場面であったが、GK本並のファインセーブにあいゴールはならず。

スーパープレーで、本並吠える!


猛攻をしかける東京に対して、引いて守り、最後の段階で体を張ってゴールを割らせないヴェルディ。中盤ではある程度フリーにさせてもらえるものの、ゴール前でのスペースが使えず、得意の速攻を仕掛けることはできない。29分には小池に替えて喜名を投入。早い時間の交代で、中盤を支配を高めようとする東京。33分には守備からの速い切替えで、小林からのパスを受けたツゥットが中澤に競り勝ってシュートを放つが、わずかにクロスバーの上に。37分には、由紀彦、アマラオ、ツゥットのダイレクトのパス回しから、小林がミドルシュート。直後の38分には、カウンターで抜け出たアマラオがGKと1対1になるが、これは本並が右足に当ててセーブ! リズムはつかんでいるものの、決定的なチャンスを決められず前半を終了。

後半、MF廣長に替えて三上を投入したヴェルディは、それまで左サイドにいた石塚を中央寄りに、ボランチの山田を右に上げて、ダイヤモンド型に近い中盤の布陣を敷く。

しかし、東京のボールを支配しながらの攻撃は後半も続いた。56分には、藤山とのパス交換から左サイドをドリブルで突破した小林がセンタリング。ゴール前でフリーになったツゥットが決定的なシュートを放つが、GK正面に。62分には、ペナルティエリアぎりぎりでアマラオが倒されて得たFKを、由紀彦が直接狙ったが、本並が片手でセーブ! 直後、CKからのツゥットのヘディングシュートも、またもや本並の左手が……。

前半に比べ、ようやくスペースをつくことができるようになってきた63分には、左サイドをえぐった由紀彦からのクロスにアマラオが飛び込んだが、わずかに合わず。69分には、ここまでフル出場の由紀彦に替えて戸田を入れ、なんとか状況を打破しようとする東京であったが…。

反撃ムードに水を差される、キムの一撃


攻めながらも1点が取れず、昨年のJ2の終盤の敗戦を彷彿とさせるような戦いぶりだが、しかし、ここで1失点で終わらないのがJ1だった。

73分、こぼれ球を奪ったヴェルディDF西田が中盤へパス、これを山田がバックヘッドで流したボールを、金がペナルティエリアの外から迷いなくシュート。東京DFが詰めきれず金がフリーで放った一撃は、きれいな弾道を描いてゴールネットに吸い込まれていった。

隙をつかれた東京は、これで一気に気落ち。78分には、前線に攻め上がった山田をつかまえきれず、そこからのクロスにまたもや金にフリーでヘディングシュートを打たせてしまい3失点目。80分には小林に替えて鏑木を投入するも、攻守にわたりちぐはぐなプレーに終始、今季初の完封負けを喫して、1stステージを6位で終えた。

今日の試合を、ただ15試合の中の1つと考えれば、課題も見えて次につながる一戦とも言えるだろう。しかしここまで健闘していただけに、前節の神戸戦に続き消化不良の感は否めず、残念な終わり方になってしまった。気持ちを切り替えて2ndステージに臨みたい。

《張監督のコメント》

「ホームゲーム最終戦を勝利で飾ることができた。2ndステージにつながる良いゲームだったと思う。(後半、有効なサイドチェンジなどがあったが、試合中に指示したのか?という質し問に対し)実際の試合に入ったら、それは選手自身の判断だ。個人的な判断力を育成する。それは普段から言いつづけている、このチームのやり方だ」

《大熊監督のコメント》

「決定力のなさ、そして2トップが機能せず、相手に引かれたときの中盤の構成力のなさを露呈した試合だった。このステージが始まる前からの課題で、解決されていない部分ではある。J1で戦う以前には、やってみないとわからないという面もあったが、15試合を通して、選手個人もチームとしてもいい面も悪い面も把握できた。2ndステージに向けて、今日のような試合をしないように、いい試合=集中力のある試合を続けていくのが目標だ。もう一度自信を取り戻せるように修正していきたい」