GAME RESULT試合結果
第14節 2000/11/23(木)
観衆 15,064人
天候 晴、弱 気温 12.3度 湿度 43%
主審:モットラム 副審:大石 康/牧野 明久 四審:穴沢 努
J1 2nd 第14節
国立
1-0
試合終了
前半0-0
後半0-0
延長前半0-0
延長後半1-
FC東京 | ジェフユナイテッド千葉 | |
---|---|---|
112' 佐藤 由紀彦 |
得点者 | |
45' 浅野 哲也 → 喜名 哲裕 63' ツゥット → 鏑木 享 84' 増田 忠俊 → 佐藤 由紀彦 |
選手交代 |
61' ベンソン → 林 丈統 76' 小倉 隆史 → バロン |
6 | シュート | 16 |
4 | CK | 10 |
21 | FK | 24 |
54' 喜名 哲裕 94' 小林 成光 |
警告 |
76' 喜多 靖 |
退場 |
GK | 20 | 土肥 洋一 |
DF | 2 | 内藤 就行 |
DF | 26 | 小峯 隆幸 |
DF | 3 | サンドロ |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 6 | 浅野 哲也 |
MF | 13 | 増田 忠俊 |
MF | 24 | 小林 成光 |
FW | 9 | ツゥット |
FW | 11 | アマラオ |
GK | 22 | 鈴木 敬之 |
DF | 4 | 山尾 光則 |
MF | 23 | 喜名 哲裕 |
MF | 14 | 佐藤 由紀彦 |
FW | 17 | 鏑木 享 |
GK | 17 | 櫛野 亮 |
DF | 33 | 喜多 靖 |
DF | 24 | オラロイ |
DF | 3 | 中田 一三 |
MF | 6 | 酒井 友之 |
MF | 5 | 山口 智 |
MF | 7 | 武藤 真一 |
MF | 2 | 中西 永輔 |
FW | 9 | 大柴 克友 |
FW | 31 | 小倉 隆史 |
FW | 16 | ベンソン |
GK | 1 | 下川 健一 |
MF | 15 | 井幡 博康 |
MF | 11 | 廣山 望 |
FW | 13 | 林 丈統 |
FW | 10 | バロン |
【選手・監督コメント】
ホーム最終戦、サポートを受けて泥沼脱出を!
今季のJ1リーグ、ラスト・ホームゲームとなる2ndステージ第14節。7月22日以来勝星のない東京だが、この1年間に受けた厚いサポートに報いるためにも、何があってもここで負ける訳にはいかない。対するは、今日勝点を奪えば自力でJ1残留を決めるジェフユナイテッド市原。前節はアビスパ福岡に対してVゴール勝ちをおさめ、意気上がるところだ。しかし相手の状況に関わることなく、自分たちのサッカーで勝利を目指せ!
動かぬゲーム
3試合ぶりに負傷の癒えた内藤が復帰、また前節同様、浅野が先発メンバ―に入り、大きな展開のサッカーにも期待がかかる。
しかし最初にシュートを放ったのは、3-4-3の攻撃的なフォーメーションを敷く市原。1分にMF武藤と酒井のワン・ツーパスにFWベンソンが走り込んでシュート。リズムに乗った攻撃を見せる。東京は、9分にツゥットが放ったFKはゴール上へ。16分には、浅利からのDFラインの裏を狙ったボールに増田がフリーで抜け出すがシュートは打てず。見せ場はつくるものの、決定的なチャンスまでには至らない。
押し気味にゲームを進める市原は、39分にはMF中西がバックラインからドリブルで独走。ゴール前に送ったラストパスにベンソンが走り込んでシュート。これはGK土肥のナイスセーブで、危うくピンチを逃れた。
市原の厚い中盤の前にボールが落ちつかず、またサイドのMF酒井と中西がバックラインまでカバーし、時には5バックを構成するDFにサイド攻撃を押さえられ、苦しい東京。連係プレーや全体の速い押し上げがなく、緩慢なサッカーの印象は拭えないまま、両チーム無得点で前半を終えた。
シュートなければゴールなし…
状況を打開したい東京は、後半から浅野に替えて喜名を投入。「喜名と内藤に早くボールを渡して攻撃の起点に」(大熊監督)したいところだ。が、またしても後半立上がり、東京の右サイドをFW大柴がドリブル突破。ペナルティエリアの中で小倉が粘りベンソン→酒井とつないでシュート。ゴールは割らせなかったものの、「あわや」という場面であった。
なんとか攻めの形をつくりたい東京。55分にはツゥット、増田のダイレクトパスから、再びツゥットがシュート体制に入ろうとしたが、市原DFに体を寄せられ打てず。57分には浅利が右サイドへオーバーラップしてクロスを上げるが、ゴール前で誰も合わせることができない。その直後には、ペナルティエリア前で増田がDFを抜いてシュートするが、わずかにゴールをはずれた。そして60分には市原のCKのこぼれ球から、得意の速攻でツゥット、藤山、アマラオが逆襲するが、今ひとつスピードに乗れずシュートには至らない。逆に63分に、市原FW小倉のミドルシュートがクロスバーを直撃。徐々に東京のリズムが生まれ出した矢先に、ヒヤリとさせられた一瞬だった。
市原は、ベンソンに替えてスピードのあるFW林、76分には小倉に替えてFWバロンを投入。東京も63分、この日今ひとつキレ味のないツゥットに替えて鏑木、84分には増田に替えて佐藤由紀彦を投入。膠着した状態を選手交代で打開しようとした。
その後はカウンターの応酬となったが、両チーム共DFが体を張って守りきり、結局0対0のまま90分を終了。ここまでのシュート数は市原14本に対して東京は4本。
終了直前にようやくペースをつかんできた東京であったが、市原のツメの甘さに助けられる形で延長戦へと突入した。
112分の戦いの決着をつけた由紀彦のゴール!!
延長に入ると、激しく攻守が入れ替わる展開となった。95分までに両チーム共、それぞれ2本のCKを得るがいずれもゴールは割れない。お互いに1点が遠い状況で、延長も後半戦に突入する。東京は内藤、サンドロを1列前に上げて攻めるものの有効な形を作れず。どちらも落ちついてペースを握ることができず、慌ただしい攻防を続ける。
しかしついに112分、アマラオがペナルティエリアの前のスペースに出したボールに、内藤が走り込んで渾身のクロスをゴール前に。このボールを鏑木と競り合った市原GKがキャッチしきれず、こぼれたところに詰めていた佐藤が迷わずシュート!
ゴールネットを揺らし、苦しい戦いに決着をつけた!! そしてこの左足のゴールが、ホーム最終戦を勝利で飾ると共に、長い連敗のトンネルにピリオドを打った貴重な1点となった。
試合後大熊監督は、ホームのサポーターに向けて「J1・1年生のチームを、一緒に喜び時には悲しんで、いつも勇気づけてもらった。これでFC東京の戦いが終わるわけではないので、これからも共に戦い続けてもらえるような、そんなチームを目指していく」と話し、この1年のサポートを感謝すると共に、あと1試合全力で戦うことを誓った。
《ベルデニック監督のコメント》
「スポーツだけじゃなくて人生においてもすごく厳しいことがあるように、今日のような試合の結果を見る限り、なかなか耐えられない事態というのは起こり得ると思う。だからこそ我々スポーツ人たる者は、このような世界で生きているので、このような試合の後もしっかり精神的な強さを保って、我慢して次に向かって行かなければいけない。選手自身は非常によく戦ってくれたと思う。練習でやってきたことをグランド上で実践してくれたし、チームとして一歩ずつ前に進んでいると思う。
今日は今までやってきた中でもベストゲームのひとつだと思う。しかしこれだけ頑張っても、勝点0という厳しい結果が待っていた。一体やってきたのは何なのという疑問にかられるかもしれないが、これまでやってきたことを糧にして、ひとつでも進歩したという自信を持って次に進んでいきたいと思う。最後の(GKと競り合った鏑木の)プレーはファールだと思うが、万が一ファールでないとすれば、キーパーが何としてでもキャッチングしなければいけなかっただろう。その辺りの最後のツメ、それは攻撃にもいえると思う。最後に得点をとるためのクオリティ、ここはこれまで同様もっともっと改善していかなければと思う」
《大熊監督のコメント》
「東京がJ1で、90分流れを制するというのは難しい。また持ち味である耐えて耐えて自分たちのリズムの時間帯を作っていって、それをモノにするということが最近の試合では出来ていなかった。まだいろいろな問題はあるが、今日は守備を中心に集中してよくやってくれたと思う。鏑木がまずまずの動き、頑張りを見せたことも、韓国遠征やその他の強化スケジュールの結果だと思う。(強化が)即効的に出てくるわけではないが、そういう選手が出たときに今日の鏑木のように仕事をしてくれると、チームとしての総合力も上がっていくのではないかと痛感している。さらにそういう選手をたくさん出して総合力をもう少し上げたいと思うし、あと1試合、今日のような東京の粘り強いサッカーを最後までやりたいと思う」