GAME RESULT試合結果
第3節 2001/3/31(土)
観衆 13,753人
天候 晴、弱 気温 12.6度 湿度 42%
主審:松崎 康弘 副審:河野 暁/山城 大 四審:森 直之
J1 1st 第3節
磐田
1-0
試合終了
前半1-0
後半0-0
ジュビロ磐田 | FC東京 | |
---|---|---|
29' 服部 年宏 |
得点者 | |
78' 西 紀寛 → 山西 尊裕 |
選手交代 |
63' 浅利 悟 → 佐藤 由紀彦 74' 下平 隆宏 → 喜名 哲裕 83' 内藤 就行 → 松田 正俊 |
15 | シュート | 5 |
6 | CK | 2 |
29 | FK | 28 |
75' 西 紀寛 |
警告 |
28' 土肥 洋一 40' 呂比須 ワグナー 44' 藤山 竜仁 |
退場 |
GK | 1 | ヴァン ズワム |
DF | 3 | 大岩 剛 |
DF | 5 | 田中 誠 |
DF | 6 | 服部 年宏 |
MF | 11 | 西 紀寛 |
MF | 23 | 福西 崇史 |
MF | 8 | 奥 大介 |
MF | 7 | 名波 浩 |
MF | 10 | 藤田 俊哉 |
FW | 19 | 高原 直泰 |
FW | 9 | 中山 雅史 |
GK | 12 | 大神 友明 |
DF | 14 | 山西 尊裕 |
MF | 4 | 佐伯 直哉 |
MF | 15 | ジヴコヴィッチ |
FW | 13 | 川口 信男 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 2 | 内藤 就行 |
DF | 3 | サンドロ |
DF | 15 | 伊藤 哲也 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 5 | 下平 隆宏 |
MF | 18 | 増田 忠俊 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
FW | 19 | ケリー |
FW | 9 | 呂比須 ワグナー |
GK | 22 | 小沢 英明 |
DF | 12 | 梅山 修 |
MF | 23 | 喜名 哲裕 |
MF | 14 | 佐藤 由紀彦 |
FW | 27 | 松田 正俊 |
【選手・監督コメント】
優勝候補を倒す喜びを!
前節より2週間あけてのJ1リーグ、第3節はアウェイでジュビロ磐田との対戦となる。ジュビロは、この2週の間にインドネシアでアジアクラブ選手権を戦い、またチームの主力である名波、服部、高原は日本代表としてフランス戦に臨んでいた。スターティングメンバ-を見渡せば、フィールドプレーヤー全員が各カテゴリーの代表経験者という豪華な顔触れだが、連戦での疲労やコンディション不良も予想されており、叩くなら今しかない。また昨年の1stステージでは、この強豪を胸のすくようなカウンター攻撃で足元をすくったが、2ndステージでは力の差を見せつけられ敗戦。今日は勝利を望むと共に、東京がどんな戦い振りでこの優勝候補№1に立ち向かっていくのか、興味はつきないところだ。
東京は、今季初出場の下平が浅利とダブルボランチを組み、中盤の左に三浦、右には増田。また故障を抱えたアマラオに代わってケリーがFWに入る布陣。午後から晴れ間の広がったジュビロ磐田スタジアムでキックオフした。
相手の良さを押さえる厳しいプレスで応戦
お互いが今日の試合の重要さを体で示すかのように、立ち上がりから速く当たりの激しいプレーが繰り広げられる。厳しいプレスで主導権を握ろうとする両チーム。ジュビロは個人能力が高く、セットプレーも要注意で、危険なゾーンでのファールは避けて中盤での奪い合いが続く。その中で6分、ジュビロは中央の藤田から左の名波へ、名波は左サイドをドリブルで駆けあがり、東京GKとDFラインの間に絶妙のクロスを送る。ボールは中山のヘッドにはわずかに合わなかったが、速いコンビネーションプレーを見せる。一方東京も、8分にはそのお返しをするように、左サイドのライン際をドリブルで上がったケリーから、藤山→下平→呂比須とペナルティエリア前でダイレクトパスをつなぎ、ラストは右から増田がシュート。惜しくもゴール左にはずれたが、きっちり応戦した。
しかし徐々に東京のプレスをかいくぐって攻撃に出てくるジュビロ。15分には名波の直接FKから中山に。16分には立て続けのCKから最後は藤田のヘディングシュートと、いずれもゴールは割れないものの試合を優位に進めていく。対する東京は、速いパス回しに翻弄されてはいないものの、なかなか相手陣内に入ることができない。ジュビロは22分には、名波が個人技でミドルシュートを狙う。27分には、左の深いポジションら奥がロングボールをトップの中山に当て、藤田がつないで再び奥がミドルシュート。長短のパスを織り交ぜ、どこからでも組立てのできる攻撃がボディブローのように効いてくるのか…。直後に東京も、下平のパスに内藤が反応、ジュビロの3バックの空いたスペースに走り込んでシュートモーションに入るがこれはDFがカット。ケリーがサイドに流れてワイドな攻め、また下平が中央から仕掛けようとするのだが、ゴール前での思いきりが悪く、決定的なチャンスはつくれず。
一瞬の隙? アクシデント? あっけなく先制を許す
パスやシュートの精度など、ジュビロも決して本調子ではないといえるが、ここまでの東京は十分善戦していた。しかし28分、サンドロがゴールライン際の深い位置からGK土肥に出したバックパスに、ジュビロ中山が猛追。土肥が苦し紛れに蹴ったボールは、なんとジュビロ高原の足元に。これをドリブルでペナルティエリア右から中に持ち込もうとした高原に対して、土肥はファールで止めるしかなかった…。ジュビロは29分、このプレーで得たPKを服部が落ちついて決め、東京はこの中山の抜け目ないプレーから先制を許す。
これで一瞬緊張が切れたのか、続く30分には、ジュビロ中山がポストプレーで落としたボールに高原がフリーでシュート。わずかにゴール右にそれピンチは逃れたが、決定的なチャンスを許す格好となった。しかし東京も気を取り直して反撃。37分には増田が、43分には、三浦→増田とつないで、左ペナルティエリアからDFラインの裏に飛び出したケリーがシュートするもゴールは割ることはできない。ロスタイムには、右の増田のクロスから下平がダイビングヘッド、こぼれた所を呂比須がつめるがシュートは打てず。逆に素早いカウンターで反撃したジュビロは、高原が東京DFの裏にオフサイドぎりぎりで飛び出しフリーでシュート。しかしこれは土肥が片手一本でスーパーセーブ、こぼれ球を再び高原がシュートを放つもこれも土肥が体を張ってセーブ! 東京は意地を見せて追加点は許さず、前半を終えた。
反撃の芽をつまれて
先制点こそ許したが、ハーフタイムの大熊監督の指示は「悪いところはない。いつかチャンスは来るのでこのまま続けよう」というもの。けれども後半開始直後、ジュビロのキックオフのボールが左サイドを走る中山に渡り、右へのサイドチェンジに猛スピードで走り込んできた西がシュートを放ち、ヒヤリとさせられる。磐田はチャンスと見れば、DFの服部までがドリブルでペナルティエリアまで攻めあがり、まさに全員攻撃全員守備を仕掛けてくる。53分には、内藤のバックパスを再びジュビロ中山がかっさらいシュートするが、これは土肥がキャッチ。東京は逆襲して速攻をかけ、前線の呂比須がポストで落としてつなぎケリーから藤山がシュートと、波状攻撃を見せるがゴールを脅かすことはできない。
63分には浅利に替えて佐藤を投入。三浦を中央に配し、右に佐藤、左に増田というフォーメーションで臨む。早速65分、佐藤が出したスルーパスに、ゴールを背にして受けた呂比須が体を反転させてシュートするがボールはGK正面をつく。しかし70分頃から、東京は攻め急いでバランスが崩れてきたのか、ジュビロのシュートシーンが数多く見られるようになる。72分には、名波のクロスに高原が合わせてつなぎ、中山がシュート。続く73分にはサンドロのクリアミスを再び中山がGKと1対1になりシュート。ジュビロのシュートミスに助けられる形で時間は過ぎていく。74分には下平に替えて喜名を、83分には内藤に替えて今季初出場の松田を投入し、時には三浦も前線に上がり超攻撃的な布陣で臨んだが、状況を打開することができない。また守りでは最後まで執念を見せるジュビロの攻撃を防ぎ、試合内容は決して悪くはないものの、「これだ!」という決め手のないまま90分間を終えてしまった。
結局、シュート数はジュビロの15に対して東京は5。数字では差がはっきり出てしまった形となったが、ジュビロのエース名波は試合後のヒーローインタビューで「東京はよく鍛えられた、いいチームで、厳しい試合だった。」と話すなど、昨年より力をつけた東京の印象を語った。ケリーの抜群のテクニック、呂比須のポストプレー、厚みを増した中盤の構成力。これに元気なKING・アマラオが加わっていたなら...。ここで「たら・れば論」を展開してもどうしようもないが、昨年の対戦時よりは確実にその差を縮めたのは確かだった。リスタートや切り替えの速さ、こぼれ球へのアプローチ、パスのスピード、そしてゴールへの意識……どれをとってもジュビロの方が少しずつ上回っていたが、その差を埋めるのは何が必要なのだろうか。神戸戦に続き連敗を喫してしまったが、厳しい試合の中にも「確かな手応え」を感じることができたのは大きい。アジアの王者相手に、ここまで食い下がれた自信...。気持ちは既に次節に向いている。次は3試合ぶりのホームゲーム。今も記憶に新しい3.10の興奮は選手、スタッフ、そしてファンの皆様にも脳裏に焼き付いているはずだ。マイホーム・東京スタジアムも「主人」の帰宅を待ち望んでいるはずだ。ホームに強い東京...。次は必ず勝つ!
【鈴木監督のコメント】
チーム状況が、コンディションもコンビネーションも厳しい中、1対0という形で勝てて満足している。我々はどんな状況でも勝たなければいけない。それでなければ今シーズンの目標を達成できない。その意味で、今日の勝利は今ステージのポイントになると考える。
【大熊監督のコメント】
失点以前は十分やれていたと思う。方向性としては、先発メンバーの時点ではよくやれていたと思う。交代で入った選手がもう少し機能してほしかった。これで落ち込まないで、次へ向かって臨みたい。