GAME RESULT試合結果

第3節 2003/8/30(土)
観衆 35,109人 
天候 曇、弱 気温 24.3度 湿度 65% 
主審:上川 徹 副審:片桐 正広/中込 均 四審:岡野 宇広

J1 2nd 第3節

味スタ

HOME

FC東京

4-1

試合終了

前半3-1

後半1-0

AWAY

横浜F・マリノス

FC東京 横浜F・マリノス
16' 阿部 吉朗
20' 金沢 浄
30' 戸田 光洋
65' 宮沢 正史
得点者 44' ドゥトラ
60' 三浦 文丈 → 浅利 悟
71' 戸田 光洋 → 呉 章銀
87' 石川 直宏 → 近藤 祐介
選手交代 21' 松田 直樹 → 河合 竜二
31' 遠藤 彰弘 → 阿部 祐大朗
67' マルキーニョス → 佐藤 一樹
13 シュート 10
6 CK 6
22 FK 23
03' ジャーン
79' 宮沢 正史
警告 12' 遠藤 彰弘
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 17 金沢 浄
MF 10 三浦 文丈
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
FW 13 戸田 光洋
FW 19 ケリー
FW 14 阿部 吉朗
FC東京控え
GK 22 小沢 英明
DF 8 藤山 竜仁
MF 7 浅利 悟
MF 33 呉 章銀
FW 25 近藤 祐介
横浜F・マリノス先発
GK 21 榎本 哲也
DF 25 小原 章吾
DF 22 中澤 佑二
DF 3 松田 直樹
DF 5 ドゥトラ
MF 7 佐藤 由紀彦
MF 8 遠藤 彰弘
MF 26 那須 大亮
MF 2 柳 想鐵
FW 36 マルキーニョス
FW 18 坂田 大輔
横浜F・マリノス控え
GK 31 下川 健一
DF 35 河合 竜二
MF 20 金子 勇樹
MF 17 佐藤 一樹
FW 29 阿部 祐大朗

【選手・監督コメント】

1stステージチャンピオンにリベンジを!


 2ndステージ第3節は、1stステージの優勝チームである横浜F・マリノスをホームで迎え撃つ。今シーズン、F・マリノスとは1stステージに加え、ナビスコカップ予選リーグで2試合で対戦、2敗1分と苦杯をなめさせられている。今日は4戦目となるが、同じ相手にこれ以上負けることはできない。また2節名古屋戦での逆転負け、ナビスコカップ浦和戦(準々決勝第2戦)の敗戦を引きずることなく勝利を果たし、悪いムードを払拭したいものだ。

 しかし、アマラオが浦和戦で負傷したため欠場。阿部が1トップを務め、また右サイドバックは、加地が8月13日(ナビスコカップ準々決勝第1戦)以来の先発となった。対するF・マリノスだが、2ndステージは故障者が続出。ここまで2分と苦しい状況だ。今日もFW久保、MF奥、DF波戸、GK榎本達らを欠き、FWはマルキーニョスと坂田の2トップ、右サイドバックに小原、柳想鐵が左MFを務める布陣。

 夏休み最後の土曜日となった今夜、スタンドには今シーズン最高の35,109人の観客を集め、東京のキックオフで試合はスタートした。

石川の狙いどおりのクロスから阿部、金沢がゴール!


 両者、激しくプレスをかけ合い、速い展開で試合は始まった。1分にはF・マリノスがパスをつなぎ、遠めの位置からマルキーニョスがシュート。3分にはジャーンが、F・マリノスの右サイドからの突破をファールで止めて警告を受ける。続いて、マルキーニョスが右ペナルティエリア内に攻め込み、マイナスのクロスに柳がボレーシュートを放つもジャストミートせず。東京は4分、ケリーのパスを右サイドで受けた阿部がドリブルで上がりゴールを狙うが、DFに阻まれる。6分には宮沢のDFの裏を狙った浮き球のパスに戸田が抜け出すが、ジャンピングボレーシュートはヒットせず。9分、F・マリノス陣内でスローインのボールを奪った宮沢がロングシュート。

 今日の東京は、前線からのプレスが機能、奪っては速い攻撃を仕掛け、サイドや中央から幾度となくDFの裏を突く。すると16分、センターサークル付近でパスを受けたF・マリノスの柳を三浦と石川が猛然と囲む。三浦がボールを奪うとドリブルで駆け上がり、右の石川にパス。石川はペナルティエリアに入ったところからグラウンダーでGKとDFの間にセオリー通りの鋭いクロス。このボールに阿部が飛び込み、スライディングで合わせてゴール! 試合前「キレイなクロスは跳ね返される。低くて速いクロスを入れよう」と話した原監督の狙いどおりのサイド攻撃から、早くも先制点を奪った。

 このゴールで自信をつかんだ東京は、続く20分、ケリーが早いリスタートで右サイドからのスローインを石川に送る。石川は慎重に駆け上がると、再びグラウンダーのクロスを中央に。ニアには阿部が走りこんでいたが、中央の開いたスペースにフリーで走りこんだ金沢が合わせてシュート。強烈なシュートは相手DFをかすめてコースが変わりゴールイン! 石川の狙い澄ました的確なクロスから、立て続けに2点を奪った。

加地、戸田の連携で3点目を奪う!


 2失点を喫したF・マリノスだが、この間にアクシデントが起こっていた。ケガを押して出場していたDF松田の状態が思わしくなく、21分にDF河合に交代。だが東京は、三浦のアグレッシブなプレス、宮沢が効果的な押し上げから長短のパスが冴え、F・マリノスゴールを襲う。28分には石川の蹴った右CKのクリアボールを宮沢がダイレクトでシュート。GKがキャッチしたが、しっかり枠を捉えていた。29分には、左サイドからDFの裏へ抜けたケリーにスルーパスが通る。ゴールには至らなかったものの、この間の接触プレーでF・マリノスのボランチ遠藤が傷み、フィールドをアウト。

 迎えた30分、相手DFのクリアを中盤で拾った東京は、右サイドの加地にサイドチェンジのパス。加地は中央に駆け上がると、右サイドの石川に。石川は高速ドリブルでDFを切り返し、中央に切り込む。一旦はDFに阻まれて倒されボールを失うが、粘り強く奪い返すと、フォローにきていた加地にリターンする。ペナルティエリア右角から加地が思い切りよくクロスを上げると、ファーサイドに戸田がドンピシャのタイミングで飛び込み、ヘディングシュート! ボールはゴールに吸い込まれ、東京は最高の形で3点目をゲットした!

 F・マリノスは遠藤も交代を余儀なくされ、FW阿部を投入。阿部とマルキーニョスをトップに、左MFに坂田、ボランチに柳を配置し、反撃に臨んだ。すると前半終了間際の44分、東京ゴール前に突進するこの阿部を宮沢が倒し、FKを与えてしまう。

 ゴール正面、ペナルティアークそばからドゥトラが蹴ったFKは、壁をはずしてゴール左隅にイン。ここまでF・マリノスに決定的な場面は作らせていなかっただけに、セットプレーからの悔しい失点で追い上げを許し、後半へと折り返した。

宮沢の右足炸裂!? 4点を奪い、F・マリノスに圧勝


 前半終了間際の失点という状況は、また名古屋戦の逆転が頭をかすめ、一抹の不安がよぎらないではなかった。F・マリノスは、MF那須のワンボランチに布陣を変え、攻めに出ようとする。右MF佐藤を攻撃の起点に、48分にはFK、CKから東京ゴールを脅かし、54分には佐藤のクロスに坂田が飛び込む。だがタイミングは合わず、こぼれたところにいたマルキーニョスのヘディングもラインを割る。一方東京は、後半もインターセプトやセカンドボールをよく拾ってつなぎ、試合を優位に進めた。58分には、左サイドに流れたケリーのクロスから戸田がシュート、CKを奪う。だがこのCK時のプレーで三浦が傷み、F・マリノスの逆襲を許したが、坂田の速い攻め上がりは茂庭が体を挺してカット。立て続けのCKも集中した守備でしっかり抑えた。

 60分に三浦に代わり浅利がイン。62分には石川のスピードのあるアーリークロスをDFがクリア、こぼれ球を拾ってケリーがゴール前に駆け上がりフリーでシュートを放つが、ゴールを大きくはずれ、追加点のチャンスは逃がした。だが65分、石川がCKを奪うと、ショートコーナーで右エリア内の宮沢に。宮沢は、「(佐藤)由紀さんが左足を押さえようとしたので」と、迫り来るDFを外側に切り返して右足を振り抜いた! 勢いのあるシュートは相手DFも吹き飛ばしゴールイン。宮沢自身も驚く初右足弾で貴重な4点目を奪い、F・マリノスを突き放した。

 その後、DF中澤を前に置き、1点を返そうと粘るF・マリノス。DFの裏を突く狙いの東京に対しては、なおさらにラインを高く上げ、再三オフサイドにかけてくる。終盤には佐藤のクロスから必死の反撃を見せたが、ロスタイムに放った坂田のヘディングシュートもゴールをはずれてタイムアップ。東京は狙いどおりの攻撃サッカーが炸裂。阿部、金沢、戸田、宮沢の揃い踏みのゴールで、チャンピオン・F・マリノスに快勝し、J1通算50勝目を大勝で祝った。

【選手コメント】《金沢》「前からのプレスが効いて、積極的に攻めに出ることができた。これまで引

いて守る時と攻める時の使い分けをしてきたが、今日は最初から手応えがあり、よい形で続けられた。(1stステージに続き、F・マリノス戦でゴールを挙げたが)たまたまそうなったが、ただ、自分は今までアウェーでしか得点したことがなかったので、ホームでゴールできて凄くうれしい。ゲーム内容はよくなってきているので、これを結果につなげていきたい」 《戸田》「(2節とナビスコカップで負けて)どうしてもこれ以上連敗はしたくなかった。みんなでそう話していて、気持ちも試合への入り方も違った。アマラオがいない分、前線の起点として頼ることができなくなるが、前から追いかけ、阿部選手とともに自分の持ち味を活かして戦おうと考えていた」

【原監督の会見要旨】「名古屋戦のバックパスでの失点から悪いリズムが続いていたが、ナビスコカップ浦和戦では、敗れたものの内容は悪くなかったし、手応えはつかんでいた。1stステージのように耐えて…という戦い方ではなく、前からボールを取りにいき、素早く攻撃を仕掛ける形はできてきていた。ただ、この世界は結果なので、名古屋戦の逆転負け、浦和戦で連敗という嫌な流れを断ち切って、新しい気持ちで臨もうとした。夏休みの最後に多くのお客さんが来てくれたし、相手は1stステージのチャンピオンなので、我々の攻撃的なサッカーを見せたかった。アマラオがケガをしてしまったが、阿部にはアマラオと同じプレーを求めるのではなく、スペースへ流れて自身の持ち味を出せばいいと話していた。ドゥトラの後ろを突くというのは狙いどおりだったが、松田のコンディションが予想以上によくなく、阿部にはスペースを突けば必ずいけると指示した。遠藤の交代を含め、横浜にアクシデントが起こり、東京にとってラッキーな面もあったが。ここまでのチームにはナイーブなところがあり、前半終了間際に1点を返されて嫌な感じはした。だからこそ、ハーフタイムには『守りに入らず、もう1点取りに行こう』と話した。宮沢の4点目で落ち着いたと思う。横浜のコンディションに助けられた面はあったが、多くのお客さんに勝利をプレゼントできてよかった。今の東京らしいサッカーを続けて、上位に食らいついていきたい」

【横浜岡田監督の会見要旨】「こういうだらしない試合をしてしまって、サポーターのみなさんに申し訳ないことをした。今日の試合に関して、まだ100パーセントの状態でプレーできなかった松田を起用した私のミス。これがすべてだ。木曜の練習を見てできると判断したが、立ち上がり5分でおかしいとわかった。本人は大丈夫だということだったが、もう少し早く代えるべきだった。そういう状態で、簡単に2点を奪われた。よく2点で済んだなというところであったが、その後、1点を返したので、まだ可能性はあると思っていた。だが、マルキーニョスもコンディションを落としており、今のチーム状況ではなかなか点が取れない。当初はできていたボールに向かうという姿勢も見えなくなっている。ここまで落ちたので、これからは這い上がるだけだ。優勝チームのプライドは捨てて、初心に戻ってやり直したいと思う」