GAME RESULT試合結果
第15節 2003/11/29(土)
観衆 11,527人
天候 雨、弱 気温 13.6度 湿度 86%
主審:高山 啓義 副審:蒲澤 淳一/伊藤 力喜雄 四審:五十川 和也
J1 2nd 第15節
柏
2-4
試合終了
前半2-0
後半0-4
柏レイソル | FC東京 | |
---|---|---|
18' 萩村 滋則 41' 渡辺 毅 |
得点者 |
65' 石川 直宏 79' 阿部 吉朗 83' アマラオ 85' アマラオ |
65' 玉田 圭司 → 下平 隆宏 78' 菅沼 実 → 根引 謙介 |
選手交代 |
45' 近藤 祐介 → アマラオ 63' 三浦 文丈 → 阿部 吉朗 |
9 | シュート | 18 |
5 | CK | 5 |
15 | FK | 16 |
10' 萩村 滋則 62' 萩村 滋則 73' 増田 忠俊 74' 大谷 秀和 89' 渡辺 毅 |
警告 |
17' 加地 亮 69' ケリー 71' 戸田 光洋 |
62' 萩村 滋則 |
退場 |
GK | 21 | 清水 健太 |
DF | 23 | 大谷 秀和 |
DF | 4 | 渡辺 毅 |
DF | 14 | 落合 正幸 |
DF | 17 | 永井 俊太 |
MF | 7 | 明神 智和 |
MF | 22 | 萩村 滋則 |
MF | 12 | 増田 忠俊 |
MF | 11 | 加藤 望 |
FW | 31 | 菅沼 実 |
FW | 28 | 玉田 圭司 |
GK | 1 | 南 雄太 |
DF | 2 | 根引 謙介 |
MF | 25 | 下平 隆宏 |
MF | 32 | ホベルチ |
MF | 29 | 中井 昇吾 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 13 | 戸田 光洋 |
MF | 19 | ケリー |
FW | 25 | 近藤 祐介 |
GK | 22 | 小沢 英明 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
FW | 14 | 阿部 吉朗 |
FW | 11 | アマラオ |
【選手・監督コメント】
リーグ戦最終節、東京のサッカーで勝利を!
リーグも最終戦を迎え、2ndステージ15節はアウェーで柏レイソルと対戦する。前節悔しい形でヴェルディに引き分けて優勝の可能性は消えてしまったが、上位をめざして一つでも順位を上げるために、また続く天皇杯によい形で臨むためにも負けては終われないのだ。
しかし足首にけがを抱えたアマラオはベンチスタート。腰を痛めていた近藤祐が復帰し、11節清水戦以来の先発出場となった。また今節はワールドユース(U-20日本代表)のため、鈴木を欠く東京だが、柏も4選手を送り出している。柏はその上、出場停止や故障者を抱え、MF明神、FW玉田以外は、今リーグの出場数は半数に満たない。
東京はベストメンバーで戦えることを強みに代えて、自分たちののサッカーで勝利をめざす。冷たい雨の降り続く中、柏のキックオフで熱戦の火蓋は切って落とされた。
柏の厳しいマークの前にリズムに乗れず、先制を許す
立ち上がり、柏FW玉田がペナルティエリアに侵入するが、茂庭が体を寄せてボールを奪う。続いて前線へのスルーパスに土肥が飛び出し、ボールがゴール前にこぼれるが、DF陣が落ち着いてカット。東京は3分、加地のクロスのクリアを拾って宮沢がシュート。CKを奪う。7分には、エリア右寄りでパスを受けた近藤祐が中央へドリブルで回りこみ、果敢にシュート。9分には石川が中に切り込みシュート。だが、柏にも決定的なチャンスこそ作らせないものの、出足の速いプレスに苦しむ東京。中盤や柏ゴール前でパスカットを許し、今ひとつリズムに乗り切れず。濡れたピッチの上でミスも目立った。
17分、柏DFのクリアボールを上がっていた茂庭が前線で拾うが、トラップしたところをカットされ柏に速攻を許す。そして玉田の攻め上がりを加地が倒してしまい、FKを与える。迎えた18分、左エリア手前からMF加藤が鋭いFKをゴール前に送ると、飛び込んだMF萩村がダイビングヘッドでゴール。ワンチャンスを活かされ、先制を許した。
25分には左サイドに進入したケリーから右サイドでフリーの石川に鋭いパスが通り決定的なシュートを放つが、大きく左に切れる。30分には、三浦がゴール正面で倒されFKを得ると、宮沢が意表を突いたショートパスを金沢につなぎ、ゴール前にスルーパス。受けた近藤祐がエリア内で粘ってシュートに持ち込むが、GKのセーブでCKに逃れられる。36分には柏のFKから、FW菅沼のクロスのクリアをDF渡辺毅が左エリア内で拾い、フリーでシュートを打たれる。このピンチは金沢がクリアすると、37分には加地のロビングをゴール前で戸田がヘッドで競り、宮沢がミドルシュート。得意の攻撃パターンであったが、わずかに右に外れた。38分にはゴール正面のFKを宮沢が狙うが、ゴール左に。中盤でセカンドボールを拾い、徐々にサイド攻撃からリズムをつかみ出した時間帯に、これらの好機を逃がしたことは残念であった。
2点のビハインドを背負うも、10人の柏を相手に反撃ののろし!
柏は40分、明神のクロスを東京DFがカットし、CKに。今日3本目のCKとなったが、加藤が蹴った右CKを中央で菅沼が後ろに流し、ファーサイドから渡辺毅がヘディングでゴール。東京のマークがずれてフリーでシュートを打たれ、前半のうちにセットプレーから2点のビハインドを背負ってしまった。
前半、守から攻へ転じる際にボランチの萩村、明神にことごとくボールを拾われ、厳しい展開となった東京。後半は近藤祐に代えてアマラオを投入、反撃に向けて勝負をかけた。狙いどおり、52分にはケリーがペナルティエリアに侵入しシュート。53分にはエリアの外でパスを受けたアマラオがDFを振りほどいてシュート。いずれもGKの正面を突く。54分には、左からのパスを受けたアマラオが石川に振ると、石川はゴール前の戸田へパス。戸田はダイレクトでエリア内に攻め上がったアマラオに。だがライン際からのラストパスは柏DFにカットされる。
柏は速攻とセットプレーから東京ゴールを脅かしたが62分、柏陣内で戸田を倒した萩村が今日2度目の警告を受け退場に。激しい闘志が裏目に出て10人で戦うことを余儀なくされた。東京は63分、三浦に代えて阿部を投入。残り約30分にすべてをかけた。これを機にピッチを大きく使い、ダイナミックな攻撃が見られるようになると、64分には石川→ケリーとつなぎゴール前に飛び出した戸田がシュート。惜しくもGKの正面を突く。そしてその直後のことだった。今度は金沢のクロスを戸田がポストで受けると、リターンを受けた石川がエリアの外からシュート。ボールはDFに当たってコースが変わり、ゴールイン! 波状攻撃から石川の思い切りのよいゴールが生まれ、東京は反撃ののろしを上げる。
やっぱりアマラオ、キングの2ゴールで劇的な逆転勝利!
66分には左サイドで相手ボールを奪った阿部がゴール前に突進しシュートするも、GKがキャッチ。東京は左右のクロスから同点弾を狙うが、ゴール前で高さを見せる柏DFに阻まれ、なかなかフィニッシュには持ち込めない。だが柏は徐々に足が止まり始め、ファールが多くなる。79分、宮沢のFKがクリアされ、右サイドからのスローインに。加地のスローを受けた石川がゴール前にクロスを上げると、ゴール前の混戦の中、こぼれ球を阿部が倒れこみながらシュートしゴール!! 全員の気持ちのこもったような得点で同点に追いついた!
勢いづいた東京だが、ここから劇的なドラマが始まった。同点から4分後の83分、阿部が左サイドを突破、DFを抜き去りエンドライン際からクロスを上げる。これをパスカットから攻め上がった茂庭がヘディングシュート。一旦はDFに阻まれるがクリアボールがアマラオの前にこぼれた! アマラオはこれをゴールに蹴りこみ、3点目をゲット!! 神様がプレゼントしてくれたような“おいしい”ゴールだったが、アマラオやみんなの気持ちが乗り移った熱い攻撃で勝ち越しに成功した。
この押せ押せムードに柏は防戦一方に。続く85分、右クロスを受けた阿部がゴール前で粘りCKを奪う。宮沢の左CKに、阿部がファーサイドで合わせると、ボールは再びアマラオの前へ。アマラオは落ち着いてダイレクトで蹴りこみ、ゴールイン! 魂のこもったアマラオの2ゴールで逆転を果たした東京、このままタイムアップを迎え、4-2で柏を突き放した。そして、めざす攻撃サッカーの成果を挙げ、2ndステージはリーグ最多得点を挙げ、順位も5位で締めくくった。
しかし、まだシーズンは終わっていない。12月14日からは今シーズン最後のタイトルを賭けた天皇杯に参戦する。元旦へ向けて「最後まで諦めずに戦う」東京にもう一度、熱いご声援を!
【選手コメント】《アマラオ》「自分の得点でチームに貢献し、たくさんのファンの前で勝利できたことが非常にうれしい。リーグ戦最終節を迎え、今日は複雑な心境だった。チームも初めは調子がよくなかったが、自分が入ってから勢いも出た。終わってみればよかったなという感想だ。自分が日本に来たときはプロリーグも始まっておらず、チームもアマチュアだった。そこからプロ化して、年々ステップアップし、J2、J1と上ってきた。今、トップリーグで戦えていること、そしてこんなにたくさんのファンが自分たちのことを応援してくれるようになったことをうれしく思う。今日でリーグ戦は最後だが、悲しいというより、このチームでここまで一緒にやれたことに満足している。やり残していること、チームに足りないものは、やはりタイトル。年ごとに成長を重ね、選手のレベルも上がり、タイトルを獲れるところまで来ていると思う。今ステージに手が届かなかったのは、あと少し何かが足りなかったということ。残念ながら1~2年で簡単に獲れるものではないが、タイトルを獲ることで、更なるチームのレベルアップにつながる。今までがんばってきているので、近いうちに獲れると信じている。天皇杯で狙いたい」
【原監督の会見要旨】「最終節で柏が激しいプレスをかけてくることは予測していた。今日のポイントはアマラオ。前節、足首を痛めて内出血しており、コンディションがむずかしい状態だったので、勝負どころで使いたかった。前半は予想どおりの展開だったが、こぼれ球を拾われてセットプレーから2失点してしまった。嫌な感じはあったが、ハーフタイムには『1点取れば必ず勝利のチャンスはある』と話した。後半、イライラする展開もあったが、石川、阿部のゴール、そして最終的にはアマラオの持つエネルギーが勝利につながった。みんながアマラオにゴールを決めてほしいという願いがこもったようなプレーで、体ごと決めてくれた。前節、勝っている試合を最後に引き分けて、この1週間は張りつめていたものが切れそうだったが、それもアマラオがつないでくれた。彼の力で勝ててよかった。今シーズンは、1stステージでは守備力が、2ndステージでは得点力が上がった。クロスやシュートの精度、決定力など、まだ欠けているものもあるが、1年を通して1試合たりとも気持ちの切れた試合はなかった。そこがチームとして成長したところだと思う」
【柏・アウレリオ監督の会見要旨】「90分の中で2試合を戦ったような感じだ。萩村が退場するまでは優勢で2得点した。その後、ハイボールを多用してきた東京に対して、萩村の退場後は全く違った試合になってしまった。玉田が膝の痛みで交代したことも響いている。シーズン当初は良いチームとはいえず苦しかったが、その後、徐々にチームとしてまとまっていった。2ndステージは立ち上がりからいいサッカーを見せて上位争いにも絡んだ。中盤からはさまざまな問題、特にけが人が多く出て、満足にチームを組めなくなってしまった。その反面、若手を起用し、彼らが一人前の選手として通用することを証明した。この点は満足しているし、彼らが近い将来、更に上の成績を目指すための原動力になってくれると信じている」