GAME RESULT試合結果

第5節 2004/4/14(水)
観衆 20,732人 
天候 雨、無 気温 13.0度 湿度 87% 
主審:穴沢 努 副審:田中 厚/浅野 正樹 四審:牧野 明久

J1 1st 第5節

味スタ

HOME

FC東京

1-1

試合終了

前半0-1

後半1-0

AWAY

セレッソ大阪

FC東京 セレッソ大阪
65' ルーカス
得点者 30' 千葉 貴仁
55' 宮沢 正史 → 阿部 吉朗
74' 石川 直宏 → 栗澤 僚一
83' ルーカス → 三浦 文丈
選手交代 80' 濱田 武 → 布部 陽功
85' 森島 寛晃 → 酒本 憲幸
19 シュート 8
7 CK 4
14 FK 21
33' ジャーン
56' 加地 亮
71' 茂庭 照幸
警告 54' 下村 東美
84' 徳重 隆明
89' 大久保 嘉人
88' ケリー
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 20 加地 亮
DF 2 茂庭 照幸
DF 3 ジャーン
DF 17 金沢 浄
MF 6 今野 泰幸
MF 16 宮沢 正史
MF 18 石川 直宏
MF 19 ケリー
FW 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
MF 10 三浦 文丈
MF 33 栗澤 僚一
FW 11 阿部 吉朗
セレッソ大阪先発
GK 21 伊藤 友彦
DF 5 ラデリッチ
DF 19 上村 健一
DF 15 千葉 貴仁
DF 27 苔口 卓也
MF 8 森島 寛晃
MF 6 濱田 武
MF 23 下村 東美
MF 11 徳重 隆明
FW 10 大久保 嘉人
FW 20 西澤 明訓
セレッソ大阪控え
GK 22 羽田 敬介
DF 17 酒本 憲幸
MF 4 布部 陽功
MF 7 久藤 清一
FW 9 ロブレク

【選手・監督コメント】

勝点を積み上げ、上位に浮上したいセレッソとの一戦


 前節から中2日で迎える第4節は、味の素スタジアムでのナイトゲームでセレッソ大阪を迎え撃つ。今日水曜の開催を含み、この1週間で3試合と厳しい日程が続くが、ここが1stステージ前半戦のヤマ場と言えるだろう。一戦一戦、勝点を積み上げ、上位に食い込むことが重要だ。ケガから復帰したケリーが初先発。ルーカスとのコンビにも期待がかかる。サブには、塩田、藤山、三浦、阿部に加え、特別指定選手の栗澤が名を連ねた。

 対するセレッソは、1stステージは0勝4敗と現在最下位。だが2節終了時点で早くも監督が交代し、新たに指揮を執るアルベルト監督のもと、結果を求めてひたむきに向かってくるだろう。両ボランチにはMF濱田、下村が初先発。メンバー表では、DF苔口、MF徳重だが、左サイドバックに徳重、左MFに苔口を置く布陣だ。肌寒い雨が降る中、試合はセレッソのキックオフでスタートした。

ワンチャンスを活かされ、ビハインドを負う


 FW大久保、西澤、MF森島と攻撃陣にタレントを揃えるセレッソだが、まずはしっかりプレスをかけ、守備を固めることからゲームに入ってきた。その中で東京は、5分に石川のクロスのこぼれ球を宮沢がシュート。7分には今野のインターセプトから、エリア内のケリーにパスが通るが、DFに阻まれる。11分には、セレッソ大久保が遠目の位置からシュートを狙う。だが15分までは、互いに雨のピッチで足が地に着かず…という展開で互角の勝負。

 東京は16分、後方からのパスを左ペナルティエリアで受けた戸田が、身をひるがえしてゴールに向かい、角度のないところからシュートを放つが、わずかに右に。その直後にはセレッソが速攻から西澤がシュートを放つも土肥がセーブ。20分には、東京は右サイドを起点に粘り強くスローインを繰り返してセレッソゴールに向かうが、宮沢のミドルシュートはゴール左上に。26分には、相手FKをカット、速攻を仕掛けて石川がドリブルで独走。DFに競られながらエリア右からシュートを放つが、左に流れた。

 どちらも決定的な場面は作れず、迎えた28分、セレッソの中盤からペナルティエリアにスルーパスが出され、金沢がCKに逃れた。30分、この右CKを中央でDF千葉がヘッドで合わせると、ボールはゴールイン。千葉には金沢が競っていたが、あっけなく失点をくらってしまった。

 ワンチャンスを活かされ、ビハインドを背負った東京だが、32分には金沢のパスを受けたルーカスがケリーとのワンツーでエリアに抜け出す。だがトラップが大きくシュートは打てなかった。37分、スローインからルーカスがボレーシュートを放つもGKの正面。42分には石川が中に回りこんでシュートもゴールに届かず。攻撃は単発、連係もちぐはぐでミスが目立った。加地、金沢の攻撃参加もなく、サイドで起点を作れずに不完全燃焼のまま、前半を終えた。

ルーカスのリーグ戦初ゴールで、高まる反撃ムード


 ハーフタイムの原監督の指示は「慌てず、自分たちのサッカーでまず1点を返そう。ケリー→ルーカスで良いくさびが入っている。そこでもう一度サイドを使おう。外からテンポよく攻めることを繰り返そう」というもの。だが、後半最初のシュートはセレッソだった。47分、東京の右サイドを苔口にドリブル突破を許し、クロスを西澤がヘディングシュート。ピンチの場面であったが、シュートは枠を外れて事なきを得た。48分、東京は石川の左CKをジャーンがヘディングシュート。だがセレッソDFにクリアされる。54分にはジャーンの攻め上がりからFKを得るが、ゴール前でのファールでシュートには至らず。ボールを支配し、セレッソゴールに押し込んでいく東京だが、ルーカス、宮沢、加地がキックミスし、決定機は作り出せない。

 55分には宮沢に代えて阿部を投入。ここでルーカスと阿部の2トップ、今野を1ボランチにしたことでリズムが生まれだした。58分には、金沢の前線への長いスルーパスに反応した阿部が、右からエリア左に走りこんで受けると、ヒールで中央の戸田へ。惜しくも戸田にわたる直前にDFにクリアされたが、よいコンビネーションをみせた。61分には石川のスルーパスをペナルティアーク手前で戸田がポストとなり、阿部が強引にエリア内に持ち込み、強烈なシュート。だが相手GK伊藤のナイスセーブに阻まれてしまった。63分には金沢が左サイドで果敢に勝負を仕掛け、深くえぐってクロス。中央でケリーのトラップが大きくシュートには至らなかったが、徐々に「東京のサッカー」を見せ始めた。

 そして64分、後ろからのパスを受けたルーカスが前を向いて仕掛けると、ペナルティアークの手前で倒されFKを得る。65分、ゴール正面20数メートルのFKを、ジャーンをおとりにルーカス自らが右足を振り抜くと、グラウンダーのボールはピッチを跳ね、GKの手をかすめてゴールイン! 待ちわびたルーカスのリーグ戦初ゴールで同点に追いついた!!

しかしゴールは遠く……


 セレッソの攻撃に怖さはなく、前線とDFラインも間延び。あとは「もう1点」を奪いにいくだけだった。68分にはジャーンのロングボールを受けたルーカスが右横にはたくとケリーがシュート。だが左に外れる。71分には石川が右サイドでDFをかわしてゴール前にパス。エンドライン際で受けた戸田が後ろに戻すと、ルーカスがエリア右からフリーでシュートを放つがGKがセーブ。こぼれ球を拾ったケリーのシュートもわずかに枠外に。追加点のチャンスを逃がした。

 74分には石川に代わり栗澤がイン。栗澤は76分、相手DFのクリアボールを果敢にダイレクトでシュートを狙う。これはジャストミートせずゴールを外れたが、その後も落ち着いたプレーで度々チャンスの起点となった。79分には今野の粘り強いインターセプトから阿部→今野→ルーカスとつなぎ、右サイドのスペースに上がった加地にわたるが、ラストプレーはゴールを大きく外れる。そして81分、セレッソゴール前で波状攻撃を繰り返し、栗澤が相手DFのこぼれを拾って反転、素早い判断でエリア右のケリーにスルーパスを送る。ケリーがDFに阻まれながらも送ったクロスに、ゴール正面で戸田が合わせ、ボールはネットを揺らした!……だが、このビューティフルゴールがオフサイドの判定となり、幻のゴールとなってしまった。

 83分にはルーカスに代えて三浦を右MFに投入。阿部とケリーの2トップ、中央に栗澤を置く布陣で最後の攻撃に出た。しかし88分、ケリーの右サイドの突破を相手DFがカットに行く。そして、後ろから追いかけた大久保が強烈なボディチャージを加えると、バランスを崩したケリーの手がかかってしまった。このプレーでケリーはレッドカードを受け退場。闘志が空回りした格好となった。だが10人になっても攻撃の手は緩めず。直後には栗澤のCKをジャーンがヘディングシュート。相手ブロックのこぼれを金沢が狙った。ロスタイムにも同じようなシーンが繰り返され、ジャーンのヘディングをGKがセーブ、こぼれ球を金沢が拾い至近距離からシュートも再びセーブに合う。セレッソ陣をゴール前に釘付けにする猛攻を仕掛けたが、どうしてもゴールは割れず。引き分けに終わり勝点1を得るにとどまった。エンジンのかかりの遅さが悔やまれるが、気持ちを切り替え、次節磐田戦に臨むしかない。

【選手コメント】《今野》「ボールを奪って攻撃に絡むというよりも、今はシンプルに前にパスする形でアシストしたいと考えている。もう少し確実に、ミスをしないプレーで貢献できるよう、練習していきたい」 《茂庭》「東京の戦い方が研究されて、相手もやり方を変えてきていると思う。その時にチームとしてどう戦うのか、統一した意識が必要。自分たちのスタイルを変えてまで向かってくる相手に対して、それを上回るオプションが必要だと思う」

【原監督の会見要旨】「疲れがあったり、ケリーが初めてスタメンに入ったこともあり、ボールのつながりがズレたり、チャンスにトラップミスをしたりで攻め切れなかった。 後半1点取れれば我々のペースになると思っていたが、もう少しテンポのいいボール回しをして崩していきたかった。最後の精度が足らず、たとえば加地も疲れがあるのか、一番大事な時にミスが出た。終盤の攻撃も、金沢のこぼれ球のシュートなど、そこで決められないところがチームの課題だ。 代表から戻った加地など、明らかにコンディションが悪いが、どこのチームもこのスケジュールでやっている。気持ちを次のジュビロ戦に切り替えて、なんとか勝点3を取りたい。(ルーカスの交代については)彼もずっとフル出場で戦い続けて疲れもあるだろう。ケリーと阿部を2トップにして栗澤を真ん中に持ってきたほうが、ケリーがうまくキープしてチャンスを作れると考えたが…。前半、ルーカスがトラップミスをして自滅したシーンがあったが、彼にくさびが入っていい形が作れていた。そこは活かしながら、攻撃のバリエーションと精度をもっと上げていきたい」

【セレッソ大阪・アルベルト監督の会見要旨】「当然のように今日の試合は勝ちに行った。ただ引き分けについては少し満足感がある。我々のチームは日々、一歩ずつよくなっていると感じる。前回セットプレーから失点し、それを修正点として練習してきた。今日のフリーキックからの失点はまた違ったケースで、悪いような形ではなかったと思うが…。(先制した後に焦るのか、今日も追いつかれてしまったが?)まだフィジカル的に90分走れるようなチームにはなっていないので、そこをめざしていきたい。また1点取った後に、すぐ2点目を取れるようなチームにしていきたい。日々前進しているので、これから徐々によくなると思う」