GAME RESULT試合結果
第3節 2004/5/29(土)
観衆 6,024人
天候 晴、弱 気温 26.2度 湿度 53%
主審:太田 潔 副審:木島 栄/佐幸 欣治 四審:東城 穣
YNC 予選Dグループ 第3節
柏の葉
0-2
試合終了
前半0-2
後半0-0
柏レイソル | FC東京 | |
---|---|---|
得点者 |
24' ジャーン 27' 戸田 光洋 |
|
45' 茂原 岳人 → 平山 智規 55' 菅沼 実 → 永井 俊太 72' 小峯 隆幸 → 渡辺 毅 |
選手交代 |
68' 鈴木 規郎 → 呉 章銀 76' ルーカス → 阿部 吉朗 84' 馬場 憂太 → 三浦 文丈 |
5 | シュート | 19 |
1 | CK | 4 |
27 | FK | 24 |
05' 近藤 直也 |
警告 |
04' 徳永 悠平 53' ルーカス |
退場 |
GK | 34 | ノグチピント エリキソン |
DF | 35 | 小峯 隆幸 |
DF | 5 | 中澤 聡太 |
DF | 20 | 永田 充 |
DF | 26 | 近藤 直也 |
MF | 25 | 下平 隆宏 |
MF | 7 | 明神 智和 |
MF | 27 | 茂原 岳人 |
MF | 11 | 加藤 望 |
FW | 31 | 菅沼 実 |
FW | 9 | 山下 芳輝 |
GK | 21 | 清水 健太 |
DF | 4 | 渡辺 毅 |
MF | 24 | 平山 智規 |
MF | 17 | 永井 俊太 |
FW | 19 | 宇野沢 祐次 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 32 | 徳永 悠平 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 15 | 鈴木 規郎 |
FW | 9 | ルーカス |
FW | 13 | 戸田 光洋 |
GK | 21 | 遠藤 大志 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
MF | 4 | 呉 章銀 |
FW | 11 | 阿部 吉朗 |
【選手・監督コメント】
代表選手不在のナビスコカップをどう戦うか…
4月29日以来となるナビスコカップの開催。今日は予選リーグ第3節、アウェーで柏レイソルに挑む。2節を終えDグループで神戸(勝点4)に続き、鹿島と並び勝点3で2位につける東京。第6節まで予選リーグは続くが、決勝トーナメント進出のための2位以内をめざし、勝点を積み上げておきたいところだ。
だが、この期間に日本代表の活動で土肥、加地が、U-19日本代表の増嶋、梶山が不在。その上、ケリーと石川を負傷で欠くことに。しかしU-23日本代表として5月26日トルコ選抜戦に臨み、6月1日マリ代表戦を控える茂庭、今野、徳永は、厳しいスケジュールにも関わらずコンディションを維持し、先発に名を連ねた。布陣はDFが徳永、ジャーン、茂庭、金沢。ダブルボランチに今野、浅利。左MFに戸田、右MFには初めてこのポジションに入る鈴木。トップ下には馬場、ルーカスを最前線に置く。
一方の柏はリーグ戦では最下位に沈んでいるが、ナビスコカップではまだ決勝トーナメント進出の可能性も十分ある。これをきっかけに一気に浮上も狙えるだけに、今日の試合は重要だ。日本代表のFW玉田、MF谷澤は出場停止で欠くものの、日本人選手のみで臨んできたことについて、原監督は「1stステージ清水戦もそうだったが、しっかり守備を固め、一丸となって臨んでくる怖さがある」と話し、東京はそのディフェンスをどうこじ開けるかに焦点があてられる。試合前の気温は上昇、汗ばむ陽気のもと、柏のキックオフでスタートした。
主導権を握り、FKからジャーンが先制弾
立ち上がりこそ、互いにプレスをかけ合ってチャンスを作らせず、互角の展開が続いた。だが5分には、鈴木が右サイドで果敢にドリブル突破を図り、相手左サイドバックの近藤に警告が出される。6分には馬場のパスをポストで受けたルーカスが右に振り、鈴木からのリターンを受けるとシュート体勢に入る。相手DFがブロックされるが、徐々にペースをつかむ東京。7分には今野が攻め上がり、鈴木からのパスを受けると今日初めてのシュート。
12分には、馬場の絶妙のスルーパスに対し左から戸田がDFの裏に抜け出し、決定的なシーンを作る。シュートは角度がなく、相手GKのセーブに合ったが、息の合った連係を見せた。15分にはわずかにゴールの上に外れたが、徳永が強烈なロングシュート。こぼれ球をしっかり拾う東京は、馬場のパスからリズムを作り、ルーカスが前線でキープ、そこに戸田、鈴木が絡み、流れのよい展開をみせる。20分にはペナルティエリア左で柏にFKを与え、MF加藤にゴールを狙われるが、塩田がセーブ。結果的に前半は柏のシュートをこの1本に抑えた。
そして迎えた24分、ルーカスがゴール前の左で倒されFKを得る。これを鈴木をおとりに、馬場が速い弾道のキックを蹴ると、ゴール正面で待ち構えていたジャーンがフリーでヘディングシュート! ボールはコースを変えて吸い込まれネットにイン!! 待望の先制点を奪った。
リズムを作る馬場、アグレッシブに戸田が追加点
完全に主導権を握った東京は、25分にはルーカス、戸田がゴール前で速いパスを交わすと、フォローに上がった馬場がペナルティエリア手前から果敢にシュート。わずかに枠の上にそれたが、原監督が「憂太には2トップのつもりでゴールを狙えと指示した」と言うとおり、ゴールに向かうアグレッシブな姿勢が光った。
そして27分、徳永の縦パスを受けた鈴木が猛然と右ペナルティエリア内に進入、相手DFと渡り合い、粘りをみせる。ボールは一旦は奪われてしまうが、このクリアがゴール正面の馬場に。間髪を入れず馬場が低く抑えたシュートを放つと、GKの手を弾き、詰めた戸田がゴールに蹴りこんだ! 相手のミスが絡む得点ではあったが、鈴木、馬場、戸田がきっちり自分の役割を果たし、狙いどおりの形で追加点を奪った。
柏の攻撃は、中盤では浅利、今野が、前線にわたるとジャーン、茂庭が集中したプレーでカットし、チャンスらしいチャンスは作らせず。DFラインからもワイドな攻撃につなげた。35分には馬場のスルーパスから、中央の戸田がダイレクトで右へ。右ペナルティエリアからルーカスが鋭いシュートを放つが、惜しくもゴール上へ。43分には馬場が中盤でフリーとみるや意表をついたロングシュートを放つ。相手GKにセーブされたが、きっちり枠をとらえたシュートで柏ゴールを脅かし続け、2点リードで後半へと折り返した。
それぞれが持ち味を発揮し、完封で快勝
後半、柏はケガでチームを長期離脱していたMF平山を投入。左サイドを起点にチャンスを作ろうとするが、東京の攻勢は変わらなかった。開始直後にはルーカスがポストプレーから、前線にスルーパス。鈴木がDFラインの裏をついたが、わずかにオフサイドに。50分には馬場のパスを左スペースで受けた戸田が中に切り返して強烈なシュート。GKに阻まれるが、こぼれ球を右サイドで今野が拾い中央へクロス。これを馬場がオーバーへッドでゴールを狙う。51分には、右のスペースに抜け出した鈴木がCKを奪うと、このコーナーから今野がヘディングシュート。こぼれ球を拾っては攻撃につなげ、危なげなく試合を進める。
60分にはDFに囲まれた馬場がキープし、左サイドの戸田にアウトのかかったパスを通す。戸田が放ったシュートはGK正面を突いたが、馬場の独壇場ともいえる攻撃で柏を圧倒。64分には戸田の前線でのチェイシングからボールを奪うと、フォローアップした金沢がクロス。再びゴール前で受けた戸田のラストパスには誰も合わせることができなかったが、馬場のプレーに触発されるかのように活気付いた攻撃を繰り返した。
柏は72分にDF小峯に代えてDF渡辺を投入、3バックにして反撃に出る。75分には、平山の精度の高いアーリークロスをFW山下がヘッドで落とし、加藤がつめるが、塩田が出足速くキャッチ。東京は68分には鈴木に代えて呉を、76分にはルーカスに代えて阿部を投入。直後の77分、柏ボールを高い位置で奪い返すと、相手DFの上がり際の裏をついた阿部に馬場が判断よくフワリと浮かせた絶品のラストパスをとおす。阿部は追いすがるDFを尻目にワンタッチ速く、狙いすましたループシュートを放つが、惜しくもポストに阻まれた。
81分には右中盤で守備のズレからボールを奪われ、ゴール中央にDFを引きつけられると、左ペナルティエリアでフリーになった平山にシュートを打たれる。だが、これは塩田のナイスセーブでピンチを脱する。84分には大事をとった馬場に代わり三浦がイン。試合を締めなおすと、89分には今野のサイドチェンジから、左の阿部→中央の呉→ゴール前の戸田とワイドな展開でチャンスを作る。直後には三浦のCKをジャーンが落とし、戸田が詰めるもゴールには至らず。結局、次々とチャンスを作りながらも追加点は奪えずタイムアップ。だが、今ひとつ意気が上がらぬ柏の攻撃を完封、それぞれが持ち味を発揮しての快勝となった。鹿島が神戸に3点差で勝利したため、ともに神戸を抜き勝点6となったが、得失点で鹿島に1差をつけられ1位浮上とはならなかった。
【選手コメント】《馬場》「前節鹿島とのリーグ戦はFWに入ったが、今日はトップ下でプレーし、いい結果を出せたと思う。ただ、やはり自分で点を取りたかった。プレースキックは、練習から速いボールを…と考えていたので、思ったとおりに蹴ることができた。2点目は、なるべく低いボールで枠にいくように狙ってシュートした。この調子でこれからもどんどんペースを上げて攻めていきたい」 《鈴木》「初めて右サイドでのプレーだったが、自分の『前へ前へ』という特長、裏を狙うプレーを出せればいいと考えていた。序盤、ドリブル突破のシーンで相手に警告を与え、これで主導権を握れるかと思ったが、まだまだのところもある。左を読まれてしまったので、もっと縦に突破できればよかったが。(2点目の起点となったが)これに満足しないで、どのポジションでもできるようにチャレンジしていきたい」
【原監督の会見要旨】「今の我々の課題は点を取ること。守備は安定してきているが、前の選手、特にFW陣の得点がない。もちろんメンバーが替わっていることもあるが、今日はケリー、石川に代わって入った馬場、鈴木、そしてルーカスがよくやってくれた。今までは攻撃に時間がかかりすぎていたので、とにかく積極的にシュートを打ってこぼれに詰めていこう、シュートが入らなければこぼれを拾ってつなぎ、また外からクロスを入れていこうという話をしていたが、その狙いどおりの形で得点でき、勝点3を得ることができた。馬場、戸田の積極的な姿勢は評価できるし、そこにルーカスが絡んでテンポのよい展開ができていた。今まで中央のポジションではケリーや梶山を使ってきたが、馬場も自分がやれるという思いがあったはず。今日もワントラップでの切り返しや戸田にアウトで出したパスがあったが、教えられないものを持っている。パスも出せるので、リーグ前節の鹿島戦のように自分でシュートを打たない場面がよくあったが、本来はシュート力があり、もっとゴールを取ってほしいと思っていた。今日のようなプレーをしてくれると戦力として計算できる。また鈴木も石川のポジションを奪う勢いで台頭してきて、こういったことがチーム全体の力を上げていく。茂庭、今野、徳永も集中していたし、呉や阿部も持ち味を出していた。塩田も土肥の陰でなかなか試合に出ることはできないが、失点0に抑えて自信をつかんだはず。成長が期待できる。そして今一番効いているのは浅利。黒子に徹し、全部彼のところで踏ん張ってくれた。その働きがチームを支えていると思う。次はホームに戻るので、点を取って勝点3をめざしたい」
【柏・池谷監督の会見要旨】「今のチーム状況では先制されるとダメージが大きい。なかなか点が取れず、これが精一杯になる。次になんとか勝てるようにしたいが、選手たちは自信を失ってしまっているので、その自信を取り戻したい。平山は久しぶりの出場、約6か月ぶりでコンディションはベストでないが、次はスタートから使えるめどがたった。彼が戻ったことはプラスだ」