GAME RESULT試合結果
第14節 2004/6/19(土)
観衆 25,167人
天候 晴、弱 気温 26.0度 湿度 57%
主審:塩川 拓司 副審:山崎 裕彦/鍋島 將起 四審:穴沢 努
J1 1st 第14節
味スタ
3-2
試合終了
前半0-1
後半3-1
FC東京 | 名古屋グランパス | |
---|---|---|
63' ルーカス 75' 茂庭 照幸 81' ルーカス |
得点者 |
42' 岡山 哲也 51' マルケス |
55' 戸田 光洋 → 梶山 陽平 59' 馬場 憂太 → 阿部 吉朗 71' 三浦 文丈 → 宮沢 正史 |
選手交代 |
79' 岡山 哲也 → 渡邊 圭二 79' 山口 慶 → 鄭 容臺 85' 中谷 勇介 → ジョルジーニョ |
13 | シュート | 11 |
6 | CK | 2 |
30 | FK | 28 |
24' ジャーン |
警告 |
56' 角田 誠 66' 秋田 豊 89' 海本 幸治郎 |
退場 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 32 | 徳永 悠平 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
FW | 15 | 鈴木 規郎 |
FW | 13 | 戸田 光洋 |
FW | 9 | ルーカス |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
FW | 11 | 阿部 吉朗 |
GK | 22 | 川島 永嗣 |
DF | 20 | 角田 誠 |
DF | 2 | 秋田 豊 |
DF | 18 | 海本 慶治 |
MF | 17 | 海本 幸治郎 |
MF | 31 | 山口 慶 |
MF | 6 | 中谷 勇介 |
MF | 7 | 中村 直志 |
MF | 21 | 岡山 哲也 |
FW | 10 | ウェズレイ |
FW | 9 | マルケス |
GK | 36 | 広野 耕一 |
MF | 14 | 藤田 泰成 |
MF | 15 | 鄭 容臺 |
MF | 28 | 渡邊 圭二 |
FW | 19 | ジョルジーニョ |
【選手・監督コメント】
ホーム最終戦、対名古屋戦4年ぶりの勝利をめざす
14節はホームに名古屋グランパスエイトを迎え撃つ。早いもので、今節は1stステージのホームで行われる最終戦。名古屋との過去の対戦成績は1勝2分5敗。2000年のJ1・1stステージでVゴールで勝利した以降勝ち星がなく、分が悪いがホームの後押しを受けてなんとしてでも勝ちたいところだ。
今日は浅利が警告累積で出場停止だが、三浦がスタメンに。また、宮沢が第8節以来のベンチ入りを果たした。
対する名古屋は現在6位。6月の試合はナビスコカップを含め、3連勝と調子を上げてきている。GK楢崎、DF大森をケガで、ボランチの吉村を出場停止で欠き、守備には不安を残すが、ウェズレイ、マルケスの強力FWは健在。Jリーグの中でも、もっとも警戒すべき2トップだ。ナイトゲームながら試合前の気温は27℃と高い中、名古屋のキックオフでスタートした。
決定力を発揮する名古屋にリードを許す
東京のサイドを封じるために、前節の3バックとは変わって4バックの布陣で臨んできた名古屋。タイトな守備から攻撃に移り、5分過ぎにはサイドチェンジや2列目からの飛び出しで、東京ゴールに迫った。東京は、奪っては速いパスでDFの裏を狙ったが、3分にはルーカス、6分には鈴木がオフサイドにかかる。名古屋の固い守備の前になかなかチャンスが作れない中、14分に馬場の放ったミドルシュートが今日1本目のシュート。19分にはサイドチェンジのパスを受けた徳永が、右サイドから中央にドリブルで上がり、ペナルティアーク付近から強烈なシュート。だが、わずかに右に外れた。
その後は互いに奪い合いが続く中、ともに決定的なシーンを作れない時間帯が続いた。34分には馬場の右サイドからのFKに合わせ、今野がヘディングシュートを放つが、前半の東京のシュートは以上の3本のみ。名古屋も開始直後のMF岡山、34分MF山口のミドルシュートと2本のみ。ところが42分のことだった。相手右スローインのボールを茂庭がチェックにいくが、こぼれたボールをマルケスが素早く右サイドの中村へ。中村はドリブルでエリア内に駆け上がると、ゴール前へ速いグラウンダーのクロス。このボールに対し、カバーに入った徳永、そして土肥も触ることができず。フリーでゴール前に現れた岡山に決められ、前半終了間際の時間帯に先制を許してしまった。
1点ビハインドで折り返した後半、リズムをつかみかけたのは東京。開始直後、金沢のクロスをDFがクリア。こぼれ球をルーカスが胸トラップからボレーシュート。しかしGKのセーブにあう。49分には馬場が右エリア内でDF2人を翻弄、フォローに上がった金沢がクロスを送るが、ファーサイドで誰も合わすことができず。直後にも馬場は、戸田とワンツーをかわし前線にスルーパスを送る。51分には徳永が前半と同じように、自ら中央に切り込み、DFに囲まれながらもシュート。今度は左に切れた。
ルーカスの技ありゴール! 梶山、宮沢が追い上げに拍車
ところが足を痛めた戸田が治療のためにピッチの外に出ている間のことだった。51分、右サイドに流れたウェズレイを経由し、中盤の底から角田が猛ダッシュ。ドリブルで駆け上がると、ジャーンがスライディングでカットする。だがこのボールが前線に詰めたマルケスの前にこぼれると、マルケスはワンタッチで流し込み、ゴールイン。反撃のペースをつかみかけた矢先に、マルケスの高い決定力の前に2点差にリードを広げられてしまった。
だが、このまま終わるわけにはいかなかった。前節は逆の立場で同点を許した東京。その教訓はしっかり活かさなければいけない。55分に戸田に代えて梶山を投入。すると左MFに入った梶山がキープ力を活かし、金沢の攻め上がりや、相手ファールを誘ってはセットプレーからチャンスを作りはじめた。59分には馬場に代わり阿部がイン。そして迎えた63分、金沢のパスを中盤で受けたルーカスが軽やかなタッチからマーカーを股抜きで突破すると、強引にゴール前に突進。リズミカルに相手DFを1人、2人とかわしてエリア内に侵入。ここでもDF3人に囲まれながら強引に突破を図り、相手GKと1対1になってシュート!! ボールはゴール右にイン! 「このままでは終われない」という執念のファインゴールで1点差に詰め寄った。
ここからスピードアップした攻防は激しくなり、65分には名古屋がカウンターからマルケスが鋭いボレーシュート。わずかに右にそれる。66分には左エリア角で梶山が倒され、FKを得る。梶山のキックがゴール前フリーの鈴木にわたるも、わずかにタイミングが合わず、シュートは打てなかった。だが勢いに乗る東京は71分、追い上げに拍車をかけるように三浦に代えて宮沢を投入。第5節(4/14vsC大阪)以来の「16」の登場に、スタジアムには割れんばかりの「宮沢コール」が鳴り響き、青赤イレブンはさらに活気付いた。
茂庭、ルーカスが気迫のゴール! 劇的な逆転勝利!!
72分、金沢が積極的な攻め上がりから放ったシュートは、相手GKが弾きこぼれたが、果敢に詰めた鈴木がオフサイドの判定に。73分には梶山→金沢→宮沢のクロスから波状攻撃。こぼれ球を再び宮沢が拾い、左から金沢がクロス。CKを奪う。ジャーンのヘッドは枠をとらえられなかったが、直後の74分には再び金沢の突破からCKを奪い、完全に名古屋DFを押し込む。そして75分、宮沢のショートコーナーから梶山がライン際まで切り込むと、ゴール正面に矢のようなグラウンダーのパス。受けた茂庭はトラップが少し大きくなったものの、右足のアウトで押し込むようにゴール! 気迫あふれる茂庭のJリーグ初得点は、同時にチームのJ1通算200ゴールを飾り、貴重な同点弾となった。
試合はますます激しく攻め込む東京、カウンターの名古屋と、打ち合いの様相に。78分には徳永のクロスに梶山がゴール前に飛び込むが、シュートは左ポストを直撃! こぼれを拾って宮沢がシュートするも、前線で残っていた選手がオフサイドに。80分には名古屋が速攻を仕掛け、右サイドから中村がシュート。土肥がセーブしてCKに逃れる。
だが、81分。阿部の左クロスからスローインを奪うと、金沢の入れたボールをエリア内でルーカスが受ける。ルーカスはマーカーを鋭い反転から股抜きで突破すると、中央にドリブルしながら相手GKの位置を確認して右足のサイドキックでコントロールの効いたシュートを放つ。ボールは右サイドのネットに突き刺さるようにゴールイン!! この劇的な展開にスタジアムは熱狂、興奮。終盤は名古屋の反撃を許さず、攻め続けてタイムアップ。2万5167人を集めたスタンドを前に、劇的な逆転勝利で名古屋に4年ぶり、そして90分での初勝利。ホーム最終戦を飾るとともに、順位も4位に浮上した。
【選手コメント】《ルーカス》「1点目は、ワンシーズンで一度か二度あるぐらいの状況。ただリードされていたので、強引に突破を試み、それがいい結果につながった。前半は疲れからか、みんなリズムをつかめなかった。後半もひきずり2点リードされたが、交代で入ってきた選手がみんなの気持ちを前に押し出した。宮沢の気持ちが伝わったと思う。ゴールについては、もちろんFWなのでいつも責任は感じている。私のゴールはチームのみんなが頑張って生まれたゴールだが、次からも責任感をもって戦う。勝利は多くのファンのみなさんのお陰で、心の支えになっている」 《宮沢》「長いボールを蹴ることを指示されて入った。(交代時の)スタンドからの歓声ははっきり聞こえ、うれしかった。梶山とは初めて一緒に試合でプレーしたが、結果的に雰囲気が変わりゴールが取れて、勝ててよかった。この日のために練習をしてきて、全部思い切って出そうと思っていた。いろいろな葛藤があったが、スタジアムでいいプレーをみせることが大事。闘う気持ちが重要なことがわかったので、これからも出し続けていきたい」
【原監督の会見要旨】「前節の市原戦で、負けてはいないが選手全員が負けてしまったような気持ちになっていた。その切り替えをするのが大変で、選手には『市原の闘志はすばらしい。我々も、もしリードされた時でもああいう気持ちで闘おう』と話した。そして今日、まさにそういう展開になってしまったが、0対2になってから怖れないで前に出て行ってくれた。前節終了後、どうしても身体が重くなっていて、特に馬場はマークも厳しい上に、1週間に3試合というスケジュールで、動きが重かったようだ。ハーフタイムに『1点取られても強い気持ちで闘おう』と話したが、2点目を取られてしまい、正直少し焦りはあった。そこから梶山、阿部、宮沢を入れたが、交代で入った選手が流れを変えてくれた。梶山はボールタッチの柔らかさや、身体を入れながらのドリブルなど、すごくいいモノがある。ツーロン遠征でチームから離れていたが、前節も途中から使ってなじませた。今日は彼が入ってボールが収まり、動き出したと思う。あとは宮沢。私が監督になってから、彼の左足からのサッカーというのは一つのキーポイントで、ずっとスタメンで、少々疲れていても使っていた。ところが今シーズンはマークがきつくなったこともあるし、今野とのバランス――今野が前に出て彼が後ろというバランスで悩みだしたところがあった。だがここのところの練習ですごく気持ちも入っていたので、今日あの場面で投入したが、その気持ちの入ったプレーを見たら涙が出そうになった。身体を張って、アタマからでもボールを奪いに行っていた。今まではそれを忘れていただけだと思う。なんでもうまくやろうと思いすぎていただけで、元々持っているものはすばらしいのもがある。これで元気になってくれるとうれしい。ケリーがいなくても馬場や梶山が、石川がけがをしても鈴木がでてきた。鈴木は前半は寝ていたが、後半のようにゴリゴリ闘ってくれれば彼の良さもでる。何よりこれだけのサポーターの前で、簡単に終わらずに最後まで勝ちにいった姿勢、特に控えの選手が気持ちを込めてプレーしたことがうれしい。1週間調整して、最終節でレッズに勝って終わりたい」
【名古屋・ネルシーニョ監督の会見要旨】「前半はすばらしい出来だった。守備が安定しており、全員でコンパクトなサッカーができていた。東京には得点チャンスを演出させず、反対に我々は固い守りから徐々に前に出て、先制することができた。後半も15分までは我がチームのリズムでプレーできていた。しかし、徐々にプレスをかけられなくなり、中盤を相手に支配されたところから、相手の得点を許した。それも最悪な形で失ってしまった。相手FWに中盤からエリアまで持ち込まれたシュートだったが、どんなチーム状況でもそういう形での失点は許されない。その後はご覧のとおりで、東京のペースで試合が進み、勝利された。(東京は選手交代を含め、中盤に動きがあったが)相手選手の交代は影響なかったと思う。ただ、それは1点目を失うまでのこと。失点して我々は動揺した。その動揺に相手がつけこんだ。(選手交代は同点にされてからだったが)動かそうと思ったが、今日は警告、負傷などでベテラン選手を連れてくることができず、ベンチは若い選手主体だった。2対1に追い上げられ、相手が勢いに乗っている状況で、若い選手を入れることはチームにとってプラスにならないと考えたので入れなかった」