GAME RESULT試合結果
第4節 2004/9/11(土)
観衆 16,591人
天候 曇、無 気温 22.8度 湿度 67%
主審:柏原 丈二 副審:西村 典之/宮島 一代 四審:牧野 明久
J1 2nd 第4節
味スタ
3-1
試合終了
前半2-1
後半1-0
FC東京 | ヴィッセル神戸 | |
---|---|---|
02' ケリー 23' ケリー 80' 阿部 吉朗 |
得点者 |
13' 播戸 竜二 |
45' 加地 亮 → 藤山 竜仁 57' 小林 成光 → 阿部 吉朗 83' 三浦 文丈 → 宮沢 正史 |
選手交代 |
24' 朴 康造 → 坪内 秀介 66' 小島 宏美 → 平瀬 智行 88' 播戸 竜二 → 和多田 充寿 |
13 | シュート | 7 |
9 | CK | 7 |
18 | FK | 27 |
07' 加地 亮 49' 近藤 祐介 77' 三浦 文丈 |
警告 |
01' 北本 久仁衛 21' 北本 久仁衛 64' ホージェル |
退場 |
21' 北本 久仁衛 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 17 | 金沢 浄 |
MF | 24 | 小林 成光 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
MF | 19 | ケリー |
FW | 14 | 馬場 憂太 |
FW | 25 | 近藤 祐介 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 29 | 前田 和也 |
FW | 11 | 阿部 吉朗 |
GK | 34 | 本田 征治 |
DF | 2 | 高木 和道 |
DF | 4 | 北本 久仁衛 |
DF | 28 | 河本 裕之 |
MF | 7 | 朴 康造 |
MF | 8 | 佐伯 直哉 |
MF | 14 | ホルヴィ |
MF | 20 | 小島 宏美 |
MF | 6 | ホージェル |
FW | 9 | エムボマ |
FW | 13 | 播戸 竜二 |
GK | 16 | 山本 浩正 |
DF | 3 | 坪内 秀介 |
FW | 32 | 平瀬 智行 |
FW | 19 | 和多田 充寿 |
FW | 11 | 三浦 知良 |
【選手・監督コメント】
2ndステージの巻き返しを図るため、重要な一戦
8月29日以来となるリーグ戦。2ndステージ第4節はホームでヴィッセル神戸を迎え撃つ。先週のナビスコカップ準々決勝では快勝し、ベスト4に進出を果たした東京だが、リーグ戦では現在11位。今シーズンの神戸との対戦成績はナビスコカップを含めて3戦勝と、相性がよいともいえるが、神戸は現在9位。2ndステージからはFWエムボマ、MFホルヴィ、FW平瀬らが加入し、新たなチャレンジをしている。エムボマはもちろん、彼にマークが集まる中、FW播戸やMF小島らが繰り出す二次攻撃にも怖さがあり、油断できるような材料はない。ともに今ステージは1勝同士で迎える今日の対戦、今後の戦いに向けて重要な一戦となる。
今節は、9日に日本代表のワールドカップ予選インド戦を戦った土肥、加地がスタメンに。U-19日本代表の活動を一時離脱し、チームに合流した梶山は、負傷のためメンバー入りは果たせず。昨年の2ndステージ最終戦以来の先発となる近藤祐を1トップに、ケリーを1列後ろに配する布陣で臨む。試合は東京のキックオフでスタートした。
開始早々PKで先制するも、同点に追いつかれる
試合は早い時間に動いた。1分、自陣から速攻を仕掛け、左スペースに抜け出した近藤祐にパスがとおる。一旦は神戸DFにカットされたものの、相手陣内で再び奪い返し、左サイドを駆け上がった今野がクロス。ケリーが中央でていねいにヘッドで落とすと、近藤祐がペナルティエリアからシュート体勢に入った。この近藤祐に対し、相手DF北本が足の裏をみせてタックル。このプレーがエリア内でのファールとなり、東京はPKを得る。ケリーが落ち着いて決め、開始早々に先制点を奪った。
神戸はメンバー表の上ではDFは3人だが、MFホージェルが左サイドバックに入る4バックの布陣。東京は、加地と金沢が積極的に攻め上がってサイドで優位に立つと、4分には右エリア内に抜け出した小林がシュート。だが、その後は決定的なチャンスに結びつけることはできず。
そして13分のことであった。中盤で神戸MFホルヴィ、エムボマにパスをつながれると、再びホルヴィが前線に浮き球のパス。これを播戸がヘッドで落として右サイドを上がったMF朴につなぐと、朴はエンドライン際まで切り込み、中央へクロス。東京DFは朴へのマークが重なり、ゴール正面の播戸をつかまえきれず、フリーで難なくヘディングシュート決められ、失点。たちまち同点に追いつかれた。
近藤祐が今日2度目のPKをゲット! ケリーが決め勝ち越し
しかし、浮き足立つことなくリズムをつかもうとする東京は、21分、相手ゴールキックを自陣で奪うと、ハーフライン付近から馬場が前線へスルーパス。これに近藤祐が追いつくと、ゴールに一直線に向かった。近藤祐の力強い疾走に対し、神戸DF北本もファールで阻止するしかなく、エリア内で倒された近藤祐が今日2度目のPKをゲット。これもケリーがきっちり勝ち越し弾を決めた。神戸は北本がこのプレーで2度目の警告を受け、退場に。24分には朴に替えて坪内を投入。坪内を右サイドバックに、播戸を右MF、小島を左MFに置き、エムボマの1トップで戦うこととなった。
だが、10人の神戸に対し、東京は余裕をもってボールを支配するも決定的なシーンはなかなか作ることができなかった。逆に40分、神戸ホルヴィの精度の高いFKからホージェルが放ったヘディングシュートはわずかに枠の右に。44分には左エンドライン際で粘られ、エリア内に侵入したホルヴィにパスをとおされるが、これは茂庭が巧みにインターセプト。このまま追加点は許さず2対1で前半を終了したものの、過去相手10人での戦い方で苦戦をしいられてきており、今回も同様な状況を感じられる多少不安を残しての前半戦となった。
阿部の2試合連続ゴールで、神戸を突き放す!
後半は、ハーフタイムに攻守とも積極的にいくこと、次の1点を早い時間帯にとって試合を決めようと確認。相手MF小島とのマッチアップを考え加地に替わり藤山がイン。だがすぐには、神戸を圧倒するまでには至らなかった。エムボマを中心とした神戸の攻撃陣に攻め込まれる場面も見られ、54分には左サイドの深い位置からのクロスに合わせ、エムボマがヘディングシュート。55分に東京は立て続けに3本のCKを奪うも、ゴールは割れなかった。57分には小林に替えて阿部を投入、一気に勝負に出た。けれども1人少ない神戸に対し、東京は雑なプレーに終始。奪ってもフィニッシュにつながる組み立てができず。68分に馬場の右クロスに合わせ、阿部が左足で放ったボレーが後半1本目のシュートであった。
このシュートでようやく流れをつかみ始めたか、69分には藤山が果敢に攻め上がり、ファールを受けてFKを得る。22~3mの距離から近藤祐が直接狙ったが、強烈なシュートはゴールの上に。72分には、藤山のロングフィードから、前線に抜け出した近藤祐が追いすがるDFを尻目にGKと1対1に。だが、左にかわしたボールはわずかに流れ過ぎて、シュートはゴール左に。追加点のビッグチャンスを逃がした。10人の神戸もワンチャンスを活かそうと、前線のエムボマにボールを集める。一方でホルヴィ、播戸がフリーになるシーンもあり、いつ決められてもおかしくない一進一退の攻防に。 その中でようやく阿部のゴールが生まれた。80分、相手CKのこぼれ球を奪って速攻を仕掛け、ケリーがドリブルで疾走。右サイドに開いた馬場にパスを送る。馬場は対面した神戸DFに勝負を仕掛けてフェイントで抜き、エンドライン際からグラウンダーのクロス。これをゴール正面でケリーがスルーすると、エリア左で待ち構えた阿部がワントラップして右足を振り抜いた! ボールはゴールの左上に突き刺さり、ゴールイン!! 東京らしい攻撃パターンと阿部の勝負強さを発揮。神戸を突き放す3点目を奪った。
これでリズムを取り戻した東京は、アグレッシブな攻撃サッカーを展開。83分には三浦に替えて宮沢を投入。86分には左サイドでの金沢と宮沢のパス交換から、ラストパスを受けた阿部がエリア内からシュート。ロスタイムには中央に攻め上がった宮沢→右のケリーとつなぎ、左サイドへのボールを馬場が拾い、ゴール手前からシュート。いずれも相手GKがセーブ。4点目こそ奪えなかったが、終盤はテンポのよい攻撃を仕掛けて3対1で勝利。今後につながる貴重な勝ち点3を得た。
【選手コメント】《近藤》「前を向いた時は自分でゴールを狙い、足元にパスが来た時は簡単にプレーして周りを使おうと考えていた。チームとして、前半は相手が10人であることを意識しすぎていたかもしれない。後半は自分がキープすべきところでキープできなかったので反省が残る。(GKと1対1のビッグチャンスがあったが?)うまくゴール前に抜け出せたが、弱いシュートだと止められる可能性があるので、GKをかわすことばかりに頭がいってしまった。あそこで決めなければ…」《阿部》「点を取ること、1対1で積極的に仕掛けることを心がけてピッチに入った。自分では(1stステージと比べても)何も変えているつもりはないが、途中出場でもいい感じで試合に入れている。一戦一戦を大切に戦えば結果はついてくると思っているが、それが得点という形に結びついてうれしい。先のことより次の一戦が大事」
【原監督の会見要旨】「土肥と加地が代表から戻ってきたが、昨日一日しか練習ができず、チームに慣れるまでの時間がなかった。土肥は試合勘が鈍っていることもあるかと思ったが、昨日の練習ぶりは今までの中で一番集中していたし、経験に賭けてみようと思った。加地は疲れがあるので行けるところまで使って、状況によって替えようと考えていた。梶山は、ようやくケリーとのコンビが合ってきていたが、U-19代表の合宿で膝をケガをしてしまい、今日はプレーできなかった。ここのところ阿部と近藤祐の2枚看板で後半から勝負をかけていたが、今日は近藤祐を最初から使ってどのくらいできるかがポイントだった。神戸はこれまでの戦いとはメンバーも変わって、エムボマ、ホルヴィ、平瀬ら、個人の力はある。乗せてしまうとかなりやっかいな試合になる。特にセットプレーには強さ、パターンがあり、警戒していた。開始早々に先取点を奪ったが、サッカーではこういう時間帯に点を取ると、往々にしてその後普段どおりのプレーができなくなることがある。そこで嫌な予感もあった。同点にされて、逆に少しは元気になるかと思ったが、相手選手が退場した瞬間からまたリズムが悪くなってしまった。そこで相手が10人の状況でも、こちらからボールを奪りにいくこと、阿部を使って3点目を取りにいこうという話をした。阿部のところまでボールが渡らない展開が続いたが、彼のゴールでゲームは決まった。決していい内容ではなかったが、連敗スタートから2勝2敗のタイにまで持ち込めたので、ここから借金を返していく。一つ一つ大事に戦って勝ち星を重ねたい」
【神戸・ハシェック監督の会見要旨】「今日の試合のために2週間準備してきた。神戸にはまったく非もミスはなかった。しかし開始直後に簡単に失点した。あっという間の時間で、すべての試合の流れが変わってしまった。そのあとはスペースを狙われて、カウンターをかけられて前線に抜け出され、それを止めるのに(北本選手が)2枚目のイエローカードを受けてしまった。後半にはミスから失点したが、選手たちは最後までよく戦ってくれた。選手に対しては何も言うことはない」