GAME RESULT試合結果
第11節 2004/10/31(日)
観衆 10,556人
天候 雨、中 気温 15.8度 湿度 92%
主審:上川 徹 副審:手塚 洋/村田 裕介 四審:松村 和彦
J1 2nd 第11節
広島ビ
1-1
試合終了
前半1-0
後半0-1
サンフレッチェ広島 | FC東京 | |
---|---|---|
15' 森﨑 和幸 |
得点者 |
52' ルーカス |
45' 森﨑 浩司 → 大木 勉 60' 駒野 友一 → 吉田 恵 77' 李 漢宰 → 前田 俊介 |
選手交代 |
52' 宮沢 正史 → 馬場 憂太 59' 石川 直宏 → 戸田 光洋 82' 梶山 陽平 → 増嶋 竜也 |
13 | シュート | 14 |
7 | CK | 5 |
12 | FK | 16 |
11' ベット 76' リカルド 78' 吉田 恵 |
警告 | |
退場 |
GK | 1 | 下田 崇 |
DF | 2 | リカルド |
DF | 3 | 小村 徳男 |
DF | 25 | 吉弘 充志 |
MF | 5 | 駒野 友一 |
MF | 16 | 李 漢宰 |
MF | 6 | ベット |
MF | 8 | 森﨑 和幸 |
MF | 17 | 服部 公太 |
FW | 7 | 森﨑 浩司 |
FW | 19 | 盛田 剛平 |
GK | 21 | 林 卓人 |
DF | 28 | 吉田 恵 |
FW | 20 | 大木 勉 |
FW | 27 | 中山 元気 |
FW | 36 | 前田 俊介 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 20 | 加地 亮 |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 15 | 鈴木 規郎 |
FW | 9 | ルーカス |
FW | 23 | 梶山 陽平 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 5 | 増嶋 竜也 |
MF | 29 | 前田 和也 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
FW | 13 | 戸田 光洋 |
【選手・監督コメント】
土肥洋一選手 日本新記録達成!
2ndステージ第11節はアウェーで広島との対戦。場所は2002年以来の広島ビックアーチである。日曜日開催となり昨日の他の試合結果により今日勝点3を獲得し2点差以上で勝てば9位からいっきに6位まで順位を上げられる重要な試合でもある。
広島は2ndステージは現在2勝5敗3敗で勝点11、最近の3試合はすべて引き分けとなかなか勝ちきれない。メンバーは前節2得点のFW大木の代りに森崎浩を入れ中盤でのボールの支配率を上げ攻撃に厚みをつけてきた。
対する東京もなかなか勝点を積み重ねていない。最近のリーグ戦5試合は1勝2分2敗、またあげた得点がすべてセットプレーの3得点と以前のような爆発的な攻撃力が影を潜めている。またこの試合ではコンディション面を考えて三浦→宮沢、金沢→藤山、ケリー→梶山、馬場→鈴木規と大幅に先発を代え、フレッシュな布陣で臨む。
この試合で土肥はリーグ戦連続試合出場記録を146とし、日本新記録を樹立することになる。3日後の11月3日(水・祝)ナビスコカップ決勝のことも考え、気持ちよく勝って終わりたいものである。冷たい雨が時折強く降りしきる中、新潟中越地震の犠牲者を悼んで1分間の黙祷が捧げられた後、広島のキックオフで始まった。
スリッピーなピッチに予想以上に苦しむ
原監督はロッカーアウト前のミーティングで「最初の試合の入り方が大事」「ピッチはスリッピーなので大事に」「前半でシュート10本以上、積極的に打っていこう」と選手に言って送り出した。しかし開始直後の梶山のミドルシュート、7分のルーカスの角度のないところからのシュートと監督の指示通り、ここまではアグレッシブな試合運びをしていたが、広島の意表を突くセットプレーで徐々に相手のペースに引き込まれていく。
9分に右サイドでFKを得ると森崎兄弟によるトリッキーな浮き球のパスがDFラインの裏に出てDF小村がフリーでシュートを狙うがゴールの外に。11分には右CKを森崎和がファーサイドに蹴りこむと後ろから走り込んできた服部がフリーでボレーシュート、これはポストに助けられたが、DFラインが混乱しはじめ、最初の得点を広島に与えてしまう。
15分に右CKを森崎浩が左足でゴール前に入れるとそのままファーサイドにボールが流れて来たところを森崎和が拾ってワントラップ後すぐにシュート、これがゴール右上に突き刺さり広島に先制点を許してしまう。
東京は中盤でのお互い激しいボールの奪い合いから両サイドを中心に攻撃に転じるもパスミスがあったりとなかなかリズムよくつながらない。22分相手ボールを奪ったボールを梶山に浮き球パス。それを右サイドの石川にわたりドリブルで相手DFを抜き去るもセンターリングは失敗。23分には左サイドからFKを宮沢が早いボールを入れると相手GKがパンチング、そのこぼれ球を加地が拾いシュートするもGK正面。
25分は左サイドで石川→鈴木規→梶山→鈴木規のパスワークで崩しセンターリングするも相手DFがカット。31分はルーカスがスローインからドリブルで右サイドのペナルティエリアに進入してセンターリング、こぼれ球を石川が拾いシュートするもゴール枠の外に。広島も前線からの守備からMFベットが常にボールに絡み、FW盛田とのコンビで東京ゴールに襲いかかるも土肥を中心にした組織的な守りで失点を許さず。前半はスリッピーなピッチが影響して思うようにボールをキープできず、消化不良のまま終了した。
ルーカスの同点弾でやっと攻撃にリズムが...
ハーフタイムに原監督は「怖がらずに前線にボールを当てて前に出て行こう」「人に対して言う前に自分の仕事をしっかりやろう」という指示だった。ただ後半開始直後は逆に広島が左サイドから勢いよく攻撃を仕掛けられ思うようにボールを支配できずにいたが、左サイドで鈴木規が何度か強引にドリブル突破からチャンスを作るうちにチーム全体が前掛かりとなっていく。そしてついに同点弾が生まれた。
52分、左サイドから鈴木規から今野を経由して右サイドの加地にサイドチェンジ。まだ相手DFがゴール前のDFラインを作る前にファーサイドにセンターリングを送るとそのボールに鈴木規が相手DFとの競り合いに勝ち、頭でルーカスに落とすとワントラップして左足でシュート!ボールはゴール右サイドネットに突きささり同点に追いついた。同時に宮沢に代り馬場がイン。梶山をボランチにして馬場をトップ下に置くと完全に東京ペースとなる。
梶山ー馬場のコンビでボールをキープするようになると攻撃のテンポがよくなる。54分には左サイドで馬場から出た縦パスを鈴木規が駆け上がりそのままセンターリング、右サイドから詰めていた石川がダイレクトでシュートするもバウンドが合わず枠外に。55分には中盤で奪ったボールを梶山が拾って左サイドの鈴木規へ。エンドラインまで行ってセンターリング、相手DFにクリアーされるが勢いは東京に。
59分に石川に代えて戸田を。広島も60分にMF駒野に代りDF吉田を投入。両サイドの守備を固めて東京の勢いを止めようとしてきた。またカウンターで時折反撃を試みるも61分の左サイド服部からのセンターリングから盛田がヘディングシュートをするも土肥ががっちりキャッチ。逆に東京は73分にビックチャンスが訪れる。右サイドで梶山→馬場とヘディングでパス交換し、DFラインの裏に走り込んだ戸田につながりそのままシュートするもゴール左をわずかに外れる。
膠着状態が続く中、広島は77分にMF李から前田を投入。若くて生きのいい選手を投入して勢いをつけようとするが、茂庭、ジャーンを中心とするDFラインがきっちりと対応。逆に82分に疲れのみえた梶山に代えて増嶋を投入。今野をより攻撃にして広島ゴールを襲いかかりゴール前に釘付けするも決定打が出ず、そのまま同点のままタイムアップ。勝点1のみにとどまった。
【選手コメント】《ルーカス》満足のいく結果ではなかったし、いい攻撃の形を作れなかった。得点はいつものシュート練習の成果だと思う。(今日の成果は)負けなかったこと、先制されても追いつけたこと。ナビスコ決勝でもそういう気持ちをもって、あと2日間でゆっくり休んで調整したい。《土肥》勝てる試合だった。試合前からセットプレーには気をつけていたのに失点してしまい残念。戸田のシュートが入っていれば勝てたと思うが、マリノス戦同様、試合の入り方が悪い。(新記録について)新記録はうれしいが、勝てなかったので...負けなかったことが次のレッズ戦につながると思うし、自分たちのサッカーができれば相手がどこであろうと勝てると思うし。ただ大舞台でできればですが。
【原監督の会見要旨】最初にチャンスはあって、その後相手のセットプレーはトリックプレーで前節に決めているのでいろんなことをやってくるだろうともっとも警戒していたが、それ以上の思ってもいないようなこと(浮き球パス)をやられてちょっと面食らってしまった。あれでチームがバタバタしてしまって、その後コーナーキックで服部に走り込まれポストに当てられた。あの2本のセットプレーですごくバタバタしてしまったというのが正直なところです。それと宮沢と石川がいきなり最初のコントロールでミスをしてしまい彼ら本来の持ち味が出なくなってしまった。宮沢なんかは両サイドに速い選手をおいていいサイドチェンジをからめながら攻撃してくれると思っていたが、タッチが荒れて怖がってボールをもらいにいかなくなってしまった。そんな状況の中でコーナーキックからこぼれ球を押し込まれてしまい前半は全くダメだった。ハーフタイムにみんながイライラしていたので人のことよりも自分のプレーをしっかりやろうと、怖がらずにもっとボールをもらって、前の選手に当てていけと。加地、藤山なんかは怖がって横パスをしてそれを取られてピンチになっていた。馬場を入れて梶山とのコンビでボールが動くようになってわれわれのペースになった。同点まではよかったが、決めきれなかった。非常に厳しい試合でこの雨の中でボールコントロールに苦しんでスピードのある選手を活かしきれなかった。むしろ広島の方がシンプルに前に当ててこぼれ球を拾うサッカーを徹底的にやってきた。勝点3がほしかったがとにかくナビスコカップ決勝に向けて頑張りたい。(ナビスコカップ決勝に向けての一言)そうですね、今日負けなくてよかったなと思います。昨日レッズの試合を大阪で観てきましたが、今のレッズはバランスがいい。相手がバックパスをする場面が多いのもチーム全体での勢いがあるからだと思います。田中、永井、エメルソンが前からよくディフェンスをしていますし、それによって後ろの方はドッシリと構えていられる。前の3人と長谷部、ボールを取ったときの山田、三都主が飛び出していってシンプルに攻撃をするパターンができている。レッズは勢いがあり、力のあるチームであると思いますので、今日の教訓を生かしてもっともっと怖れずにいきたい。むしろわれわれの方からプレッシャーをかけていき奪ってから速い攻めをしたいと思いますし、そこが勝負どころだと。一発勝負なので勢いのあるほうが勝つと思います。われわれは初めてのファイナルだし、レッズは3年連続でしかもリーグ戦も狙っている。チャレンジャーらしく思いっきりのいいサッカーをして、われわれが勝ちたいと思います。
【広島・小野監督の会見要旨】まずは雨の中最後まで応援してくれたサポーターには感謝しております。ここ数試合、引き分けが続いていたのでとにかく勝点3をもぎ取るんだ、相手に点を取られてもそれ以上の点を取るんだという気持ちでこの試合に臨みました。FC東京相手に1失点はしょうがないと思っております。パフォーマンスに関しても最後まで自分たちがやろうとしていることはやってくれたとやってくれたと思ってましたが、願ってもないこういう打ち合いの試合こそ打ち合いの中で攻め合って、攻めきる、勝ちきる、そういうチームにもっていきたい。その悔しい思いを次の試合に向けたトレーニングの中で選手とともにやって生きたい。