GAME RESULT試合結果

第1節 2005/3/19(土)
観衆 10,425人 
天候 晴、中 気温 14.1度 湿度 24% 
主審:西村 雄一 副審:名木 利幸/石沢 知 四審:穴沢 努

YNC 予選Cグループ 第1節

HOME

柏レイソル

3-1

試合終了

前半2-1

後半1-0

AWAY

FC東京

柏レイソル FC東京
18' 中澤 聡太
24' 大野 敏隆
49' クレーベル
得点者 17' 石川 直宏
09' 永田 充 → 土屋 征夫
74' 大野 敏隆 → 小林 祐三
88' 安永 聡太郎 → 李 忠成
選手交代 54' 戸田 光洋 → 鈴木 規郎
59' 宮沢 正史 → ダニーロ
75' 藤山 竜仁 → 藤田 泰成
15 シュート 16
5 CK 6
28 FK 15
27' 波戸 康広
56' 安永 聡太郎
82' 土屋 征夫
警告 23' 栗澤 僚一
68' 鈴木 規郎
退場
柏レイソル先発
GK 1 南 雄太
DF 4 波戸 康広
DF 5 中澤 聡太
DF 20 永田 充
DF 26 近藤 直也
MF 15 谷澤 達也
MF 7 明神 智和
MF 14 大野 敏隆
MF 10 クレーベル
FW 11 崔 成國
FW 29 安永 聡太郎
柏レイソル控え
GK 16 ノグチピント エリキソン
DF 17 土屋 征夫
MF 13 小林 祐三
MF 24 平山 智規
FW 25 李 忠成
FC東京先発
GK 22 塩田 仁史
DF 8 藤山 竜仁
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 17 金沢 浄
MF 6 今野 泰幸
MF 16 宮沢 正史
MF 27 栗澤 僚一
FW 13 戸田 光洋
FW 18 石川 直宏
FW 9 ルーカス
FC東京控え
GK 21 遠藤 大志
DF 4 藤田 泰成
MF 7 浅利 悟
MF 19 ダニーロ
FW 15 鈴木 規郎

【選手・監督コメント】


ナビスコカップ開幕、タイトルをかけ新たな挑戦


 リーグ戦2節を終えて、今季のナビスコカップが開幕。東京は予選リーグCグループに属し、千葉、柏、大分とホーム&アウェー方式のリーグ戦を行う。決勝トーナメントにはグループ1位と、2位のうち成績上位の2チーム(およびAFCチャンピオンズリーグ参加の横浜FM、磐田)が進出するため、確実にグループ1位を狙いたい。そのために、初戦は非常に重要な戦いである。

 昨季の優勝チームとして厳しくマークされることも考えられるが、原監督は「もちろんあの国立の舞台にもう一度立ちたい、優勝したいという思いは強いが、チャンピオンというのはもう終わったこと。どのチームも新しいチームで新しい戦いをしてくる」と、東京にとっても新しいチャレンジであることを強調。日本代表のワールドカップ予選のため、土肥、加地が不在となるが、GKには塩田、右サイドバックには藤山が入る布陣で開幕戦に臨む。

 柏は今季リーグ戦では2戦2分で、勝ちきれないというのが現状だろう。だが試合中にシステムを変えてもゴールを狙いにいくという積極性、柔軟性が今季のチームの持ち味。日本代表のFW玉田が不在のため、リーグ戦では出番のなかった新加入のFW崔成國(韓国代表)が先発。リーグ戦とはメンバー構成を代え、先発メンバーの平均年齢は東京の25.27歳に対して、柏は23.91歳。フレッシュなメンバーで今シーズンの初勝利をめざす。

 日立柏サッカー場は過去3勝1分と負け知らずのスタジアム。昨季はナビスコ杯でともに予選リーグを戦い、リーグ戦を合わせた戦績は2勝2分とこちらも負けなしだ。だが、各チームの力が拮抗する中で「優勝も予選リーグ敗退もほんの少しの差」と原監督。アウェーゲームながら強い気持ちで、新たな戦いのスタートをきる。試合は風が強いながらもよく晴れた空のもと、15時01分にキックオフした。


石川のゴールで先制し、リズムをつかみかけるが…


 柏は4-4-2の布陣で、ワンボランチのMF明神と両サイドのMF谷澤、大野が中盤を厚くし、序盤から奪っては前線のFW崔を起点に速い攻撃を仕掛ける。東京も、柏のプレッシャーをかわすように長いボールをサイド送り、展開しようとするが、うまくかみ合わず。10分頃まで決定的な場面はつくることができなかった。9分には柏のセンターバック永田が負傷、急きょDF土屋が交代出場する。10分には右エリア外から宮沢がFKを直接狙うが、グラウンダーのシュートは相手GKがキャッチ。

 柏が徐々にリズムをつかみ、ボールを支配しかけた17分のことだった。東京は自陣でボールを奪い、速攻を仕掛ける。ルーカスを起点に左に振ると、今野が左サイドを駆け上がり、エリア手前からファーサイドへクロス。これがフォローに上がったルーカスを越して、右エリア内の石川へ。石川はワントラップすると右足を振りぬき、ボレーシュートがゴールイン! 劣勢をはね返すカウンター攻撃から先制点を奪った。

 これでリズムを立て直すかに見えたが、ところが直後の18分。東京陣内左で柏にFKを与えてしまう。崔が長いピンポイントのFKをゴール前に送り、DF中澤がドンピシャのヘッド。これが決まり、たちまち同点に追いつかれてしまった。24分には左サイドで金沢が柏MF谷澤にかわされ、中央への侵入を許した。谷澤はゴール前へ浮き球のラストパスを送り、右からゴール前に走りこんだMF大野がフリーになりシュート。ボールは塩田の股下を抜けてゴールイン。東京守備陣の一瞬の乱れを突かれて2点目を失った。

 しかしそれでも気落ちすることなく、反撃を仕掛ける東京。だが再三ルーカス、戸田が前線に飛び出すも、うまく連係が合わず。35分には相手CKから栗澤を起点にカウンターを仕掛け、今野→石川とつなぎ、石川が右エリア外からシュート。わずかにゴールを横切り、ファーに詰めたルーカスも惜しくも間に合わず。44分には柏GKのバックパスのクリアを拾った戸田が、空いたゴールにシュートするが左上にはずれる。ロスタイムには左CKから今野がシュートを放つが、ゴール前でファールの判定。苦しむ中で、前半のシュートは柏の5本に対し東京は8本。しかし決定打がでず、1点をリードされたまま後半へと折り返した。


反撃の芽を摘まれ、交代策も実らず


 ハーフタイムの原監督の指示は「ひとつ一つの競り合いが甘い。立ち上がりからボールへのプレッシャーを厳しくいこう。ボールを奪ったらサイドを起点に攻めよう」というもの。指示どおり、46分には石川が右サイドでチャンスを作り、ゴール前にクロスを上げる。48分には藤山が攻め上がり、石川とのコンビで右サイドを崩そうとする。その後、藤山が中に入って打ったシュートはゴールをとらえることができなかった。

 しかし49分、出ばなをくじかれるように柏に3点目を決められてしまう。クロスを東京DFがクリア。このこぼれ球を大野に拾われ、中盤にいたMFクレーベルにボールがわたる。宮沢が身体を寄せたが、クレーベルはフェイントでかわして豪快なミドルシュートを放つ。これがバーに当たってゴールイン。東京は苦境に立たされた。

 柏は勢いに乗り、奪ってはサイドに流れる崔を起点に速い攻撃を繰り返してくる。東京は54分には戸田に代えて鈴木規を、59分には宮沢に代えてダニーロを投入。点を奪いにいくが、逆に柏に攻め込まれるシーンが増えていく。65分にはジャーンからのロングボールを、前線に走りながら受けたダニーロが足を伸ばしてシュートするが、ゴール上に。75分には藤山に代わり藤田がイン。右サイドで石川とともに起点をつくり、クロスを上げるがシュートにはいたらず。

 その後、両チームがめまぐるしくフィールドを行き来する展開となり、83分にはルーカスの落としたボールを鈴木規がシュートするがバーの上に。88分、藤田→ルーカスのクロスにダニーロがヘッドで合わせる決定的なチャンスは、惜しくもオフサイドに。ロスタイムには、2本のCKのチャンスから、ゴール前の混戦のこぼれを拾った金沢のシュートも枠をはずれ、このまま試合はタイムアップを迎え、1対3での敗戦。周囲の予想からいえば「波乱」ともいえるナビスコカップの幕開け。だが今日の結果を真摯に受け止め、次節までに立て直しを図りたい。

 【選手コメント】《石川》「相手に研究されていると感じた。柏も予想メンバーとは違って、その対応をグランドの中で90分で修正することができなかった。シンプルにDFの裏に抜けていくのが東京の、僕の持ち味だが、セカンドボールを取られてしまい、そこまでいくことができなかった。(得点シーンは)自分が点を取れるポジションには入っているので、これからもどんどん攻めてゴールを決めていきたい」《今野》「初戦を落としたことはやはり痛い。柏が元気だったし、勝つ気持ちが強かった。中盤で明神選手が効いていて、こぼれ球を拾われ、リズムがつかめなかった。崔選手もスピードとキープ力があって、いいアクセントになっていた。が、なにより得点直後に失点しまったことが、今日の試合のすべてを物語っていたと思う」

 【原監督の会見要旨】「柏のほうが競り合いに厳しく、我々は負けてしまっていた。特に中盤では柏の選手が4人いて、我々は石川と戸田が張り気味なこともあり、こぼれ球をMF明神のところでほとんど拾われてすぐに前に当てられた。そしてFW崔にキープされて、また前向きにこられる展開が続いていた。立ち上がりから良くなかったが、石川のゴールでリズムが立て直せるかと思った途端に追いつかれて、また悪い形で失点してしまった。ハーフタイムに修正して、競り合いをしっかりしようと話したが、いいリズムになった時にゴールが奪えず、逆にMFクレーベルにやられてしまった。すばらしいゴールだったが、寄せるのが遅かった。最後までもう1点を取りにいったがとどかなかった。どこと戦っても簡単に勝てる相手はいない。昨季もナビスコ杯は初戦、ホームで負けてスタートしているので、気持ちを切り替えて次の大分戦に向かいたい。敗れはしたが、ダニーロもある程度の時間使えたし、藤田も最後の勝負をかける場面で出場させることができた。明日サテライトの試合もあるので、コンディションのいい選手を使いながら、次に向けていい準備をしていきたい」

 【柏・早野監督の会見要旨】「久しぶりの勝利なので非常にうれしい。サポーターと勝利を味わえる、これを何回も続けていきたい。ナビスコカップということで、選手には開幕というイメージでゲームに入らせた。今までのゲームも内容はそれほど悪くなかったので、攻撃力があるといわれている東京に対して、我々も攻撃力を出そうという姿勢で入った。立ち上がりから非常に良く、失点はしたが、すぐ取り返し、自信を失わずに戦い切れたと思う。チーム全体としてとてもいいできだった。ただ予選リーグは6試合あるので、まだ1試合しか終わっていない。この方向でもっともっとシュートを打って、点を取るような形を継続して出していきたい。崔も非常にいいできだった。クレーベルも同様、フィットすればもっといいコンビネーションも出てくるだろう。欲を言えば4~5点取れればよかったが、欲をかかずにもう一度襟を正して次の試合に向かいたい」