GAME RESULT試合結果

第10節 2006/4/29(土)
観衆 22,188人 
天候 曇、無 気温 15.2度 湿度 70% 
主審:高山 啓義 副審:木島 栄/中原 美智雄 四審:長田 和久

J1 第10節

味スタ

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半2-0

後半0-1

AWAY

名古屋グランパス

FC東京 名古屋グランパス
14' ルーカス
17' ルーカス
得点者 88' 吉村 圭司
74' ルーカス → 伊野波 雅彦
75' 川口 信男 → リチェーリ
86' 宮沢 正史 → 三浦 文丈
選手交代 45' 阿部 翔平 → 吉村 圭司
76' 中村 直志 → 片山 奨典
84' 杉本 恵太 → 藤田 俊哉
10 シュート 13
4 CK 7
18 FK 25
37' 梶山 陽平
警告
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 2 茂庭 照幸
DF 15 鈴木 規郎
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 16 宮沢 正史
MF 9 ルーカス
FW 24 赤嶺 真吾
FW 20 川口 信男
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 5 増嶋 竜也
DF 19 伊野波 雅彦
MF 26 池上 礼一
MF 10 三浦 文丈
FW 33 小澤 竜己
FW 35 リチェーリ
名古屋グランパス先発
GK 1 楢﨑 正剛
DF 4 大森 征之
DF 5 古賀 正紘
DF 16 増川 隆洋
DF 31 阿部 翔平
MF 8 金 正友
MF 13 山口 慶
MF 7 中村 直志
MF 24 本田 圭佑
FW 11 玉田 圭司
FW 19 杉本 恵太
名古屋グランパス控え
GK 22 川島 永嗣
DF 20 角田 誠
DF 2 秋田 豊
DF 28 渡邊 圭二
MF 14 吉村 圭司
MF 27 片山 奨典
FW 10 藤田 俊哉

【選手・監督コメント】

1対1の局面で競り勝ち、必ず勝利を!


 リーグ戦第10節は、ホームで名古屋グランパスエイトと戦う。ゴールデンウィーク連戦に突入し、厳しいスケジュールが続くが、前試合のナビスコ横浜戦で得た手応えを勝利に結び付け、巻き返しを図りたいところ。連敗脱出に向け、重要な一戦となる。

 対する名古屋も、現在2勝4分け3敗で14位と、今ひとつ波に乗り切れていない。しかし日本代表のFW玉田、FW杉本、テクニックのあるMF中村、藤田、山口、本田ら、力のある攻撃陣が揃っている。また、今節はフェルフォーセン監督がベンチ入り停止となるが、ガーロ監督は「それで試合が簡単になるわけではない」と話し、難しい試合になることを示唆。相手も結果を出そうと必死になって向かってくるはずだ。

 その勢いを上回るためにも、まずは1対1の局面で競り負けないことが重要だ。その上で主導権を握り、全体を押し上げて先取点を奪いたい。守備では、スピードのある名古屋の攻撃陣を封じ、失点をゼロに抑えたいところ。茂庭も「相手FWは、前を向かせると怖いので、早めにつぶしていきたい」と意気込みを話していた。試合前のロッカールームでは、土肥、三浦が中心となってチームを鼓舞。ガーロ監督も「今日は大事な試合だ。集中して戦おう」と話し、選手をピッチに送り出した。試合は、昼間の雨は上がったものの冷え込む味スタ、19時4分に東京のキックオフでスタートした。

主導権を握り、理想的な流れからルーカスが2ゴール!


 立ち上がりから、両チーム闘志をむき出しに速い攻防が繰り広げられた。3分には、名古屋がカウンターを仕掛け、MF本田が左サイドを駆け上がりクロスを上げる。これにFW玉田がヘッドで飛び込み、シュートはポストをヒット。一瞬ヒヤリとさせられたが、次のシーンでは東京が素速く攻めに転じ、梶山がミドルシュートを放った。10分には、名古屋ボランチ山口のスルーパスに合わせ、FW杉本が飛び出すが、オフサイドに。東京は12分、梶山のスルーパスに今野が飛び出す形をつくったが、ボールが流れて相手にわたる。

 東京が主導権を握り始めた矢先の14分、ルーカスの前線への長いパスを、赤嶺がしっかり収め、右に展開。サイドに流れた川口がクロスを上げると、これにルーカスが飛び込み、ヘディングでゴール! 豪快に決めて先制点を奪った。続く17分、今度はルーカスが中盤から左の鈴木へパス。鈴木はアーリークロスを上げ、これに合わせたルーカスが再び頭を振り抜く! ボールは名古屋GK楢崎の手元をかすめるように吸い込まれて、ゴールイン。ルーカスの2ゴールで、早い時間帯にリードを広げた。

 その後も、トップ下のルーカスが機能。宮沢、梶山も果敢に攻めに出て、前線やサイドと連動した動きで仕掛けていった。23分には自陣で徳永が囲まれるが、今野がフォローし、きっちりマイボールにして、すかさず前線にスルーパス。飛び出した川口がオフサイドにかかったが、良い形の攻撃をみせた。31分には、徳永が右サイド深くに出たパスに追いつき、果敢に中に仕掛ける。倒されてFK、次いで左CKを得るが、ここからはフィニッシュには持ち込めなかった。

 一方の名古屋も、左SB阿部を前に上げ、ルーカスに対してはMF金がマークする形で中盤を厚くし、3バックに布陣を変えて反撃。36分には、FW杉本にエリア内を切り込まれ、波状攻撃を受ける。そこからMF中村に右クロスを上げられ、土肥が飛び出してキャッチするが、相手と交錯しこぼれてしまう。エリア内で詰めたFW玉田のシュートは、徳永が素早くコースに入って防いだが、ボールはゴール正面でフリーのMF山口の前に。しかし決定的なシュートは土肥の鋭い反応でセーブ! 身体を張ってピンチを守りきり、2点リードで後半へ折り返した。

名古屋の反撃を1点に抑え、勝利をもぎとる


 名古屋は後半、阿部に代えてMF吉村をボランチに投入。立ち上がりにチャンスをつかんだ。47分、左サイドでFW玉田がエリア内のMF金とパス交換し、中に回り込んでシュート。土肥がセーブし、CKに。このキックは一度はクリアしたが、拾われて、最後はゴール正面の至近距離から玉田がスライディングでシュート。しかし、これも土肥が足で蹴り出し、ゴールは割らせず。

 攻守の入れ替わりが速い展開の中、東京は梶山の積極的なプレーでチャンスをつくった。51分には梶山が相手陣内でインターセプトし、ゴール前に突進。GKと1対1になったが、シュートは相手GKのセーブに阻まれた。59分には、宮沢の鋭い左クロスが、エリア右でフリーの梶山に。ワントラップしてボレーで合わせたシュートは、再びGK楢崎がセーブ。60分には茂庭の攻め上がりから、川口の速いクロスを赤嶺がヘッドで合わせたが、ゴールをはずれ、追加点はならなかった。

 74分には足を傷め、大事をとったルーカスに代え、伊野波をボランチに投入。梶山が一列前に上がる。75分には川口に代わりリチェーリがイン。速攻の応酬で、慌しい攻防が続いく。名古屋は83分にはFW藤田を投入、DF古賀も前線に上がり、パワープレーを仕掛けてきた。これに対し東京は三浦を投入、流れを落ち着かせ、名古屋の反撃の芽を摘むことを狙う。

 だが87分、鈴木の左クロスがゴール前の赤嶺、リチェーリにわたるが、ともにシュートを打ち切れず、逆襲をくらう。一度はクリアするも、中盤でフリーの名古屋MF吉村にわたり、ミドルレンジからシュートを打たれる。強烈なボールは、茂庭の頭をかすめてゴールイン。1点差に追い上げられてしまう。その後も、激しい攻防が続いたが、全員が身体を張った守備でゴールを守り抜き、タイムアップ。全員の力をあわせて待望の勝利をもぎとった!

 【選手コメント】《ルーカス》「前半は思い通りの形ができた。後半もいい形はあったが、点が取れず苦しくなった。今回だけでなく、これまでも鈴木、徳永からたくさんクロスは入ってきていた。今日はそれを決めることが出来てよかった。サッカーは内容が良くても結果が伴わない時がある。だが我々はレベルアップしている。どんなチームでも、システムが変わると慣れるまでは難しい。だが新しいシステムは徐々に理解してきている。これからも厳しい試合、日程が続くが、いい試合をして結果を出していきたい。今日はMFだが、攻撃時はFWと同じ気持ちで戦っている。守備では、川口や赤嶺がボールを追いかけてくれるので、助けられている」《土肥》「前回は良い内容でも結果が出なかったから、今日は結果が出てよかった。チームは良い方向に進んでいる。この勝利は自信につながる。最後に失点してしまったが、サッカーでは失点は仕方のないこと。それより勝点を積み重ねていきたい。試合前に全員で『自分に負けないようにしよう』と話した。今日は集中して、身体を張ってやれた。これを続けて、アウェーでも今日と同じサッカーをしたい」

 【ガーロ監督の会見要旨】「横浜FM戦も良い試合だったが、残念ながら結果が出なかった。今日は結果が出せたし、良い試合だった。選手はテクニックを発揮し、パスをつないで集中して戦っていた。ただ前半の序盤は良い形で入れたが、終盤はマークに付ききれなくなり、リズムが悪かった。後半は、負けている名古屋が前線からプレッシャーをかけてきて良い形をつくったが、それを防ぐことができた。後半は、名古屋にも我々にもチャンスがあったが、そこでもう1点決めていれば3対0になり、ラクになったはず。それが最後に名古屋に1点を取られ、難しくなってしまった。もっと点が取れた試合だった。名古屋もいいチームだったが、我々もいいプレーをしたと思う。(ルーカスのトップ下での起用について)クロスに対しては、川口と赤嶺の2人のFWプラス、ルーカスも入り、3枚で得点を狙うように指示している。そこでルーカスが得点を取ってくれたことはよかった。また守備も効いていて素晴らしかった」

 【名古屋・ドワイトコーチの会見要旨】「まずは、ここにフェルフォーセン監督がいないことをお詫びします。今日は4-4-2のシステムで、東京の中盤ダイヤモンド型の4-4-2に対抗しようと考えた。前線からアグレッシブに守備にいき、相手にスペースを与えないことを狙った。だが2点を取られて状況が変わってしまい、3-5-2にせざるを得なくなった。何度か良いチャンスを作ったが、1点を返すのが遅すぎた。前半の問題は、東京の中盤がダイヤモンド型で、ルーカスがつねにフリーになってしまったこと。きっちり中盤が押し上げられればよかったが、後ろに下がりながらの守備になってしまい、フリーにしてしまった。その対応ができていなかったので、MF金をルーカスに付け、DF阿部を一列上げ、MF山口を中に入れて3-5-2にした。その後は徐々によくなっていったと思う。今日は4-4-2が機能しなかったが、C大阪戦では同じ形で前線から守備ができていた。今日はそれができなかったことが敗因」