GAME RESULT試合結果

第4節 2006/5/14(日)
観衆 11,938人 
天候 曇、弱 気温 18.6度 湿度 58% 
主審:家本 政明 副審:安食 弘幸/平野 伸一 四審:手塚 洋

YNC 予選Aグループ 第4節

味スタ

HOME

FC東京

0-1

試合終了

前半0-0

後半0-1

AWAY

アビスパ福岡

FC東京 アビスパ福岡
得点者 84' 宮崎 光平
45' 梶山 陽平 → 伊野波 雅彦
58' 戸田 光洋 → 阿部 吉朗
67' 宮沢 正史 → ササ サルセード
選手交代 62' 布部 陽功 → 城後 寿
64' グラウシオ → 川島 眞也
78' 古賀 誠史 → 宮崎 光平
11 シュート 16
5 CK 8
30 FK 21
26' ジャーン
44' 鈴木 規郎
49' 増嶋 竜也
78' ササ サルセード
警告 34' グラウシオ
76' 山形 辰徳
82' 薮田 光教
85' 城後 寿
89' 山形 辰徳
退場 89' 山形 辰徳
FC東京先発
GK 22 塩田 仁史
DF 25 徳永 悠平
DF 3 ジャーン
DF 5 増嶋 竜也
DF 15 鈴木 規郎
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 16 宮沢 正史
MF 9 ルーカス
FW 13 戸田 光洋
FW 20 川口 信男
FC東京控え
GK 31 遠藤 大志
DF 8 藤山 竜仁
MF 26 池上 礼一
MF 19 伊野波 雅彦
FW 24 赤嶺 真吾
FW 11 阿部 吉朗
FW 21 ササ サルセード
アビスパ福岡先発
GK 16 神山 竜一
DF 21 山形 辰徳
DF 4 金古 聖司
DF 5 千代反田 充
DF 2 宮本 亨
MF 10 久藤 清一
MF 6 布部 陽功
MF 8 ホベルト
FW 14 古賀 誠史
FW 9 薮田 光教
FW 36 グラウシオ
アビスパ福岡控え
GK 25 岩丸 史也
DF 19 長野 聡
DF 22 中村 北斗
MF 7 宮崎 光平
MF 26 城後 寿
FW 17 川島 眞也
FW 27 田中 佑昌

【選手・監督コメント】

ナビスコカップ再開、あきらめずに戦う


 ナビスコカップが再開。予選リーグ第4日は、ホームでアビスパ福岡と対戦する。現在、この予選リーグAグループで3戦3敗と、決勝トーナメント進出には厳しい状況だ。しかし、可能性がなくなったわけではない。なにより目前の試合の勝利に向けて集中し、最後まであきらめずに戦い抜きたい一戦だ。

 土肥、茂庭が日本代表の活動でチームを離れていたため、今日はGK塩田、DF増嶋が先発。またリーグ第12節大宮戦で今季初のベンチ入りを果たした戸田もスタメンに起用された。ガーロ監督は「戸田はフィジカルもテクニカルの面でも、かなりいい状態。これまで守備でも頑張ってくれていたが、より攻撃に力を注いでもらいたい」と期待している。2トップに戸田、川口、トップ下にルーカスを置く4-4-2の布陣でキックオフに臨む。戸田と川口が持ち前の運動量を活かして前線をかき回し、試合の主導権を握りたいところだ。

 対して、今季J1に昇格した福岡もナビスコカップでは3戦3敗。リーグ戦でも1勝しか挙げておらず、苦しい状況だ。だがリーグ戦の総失点は東京と同じ16と、大きく崩れてはいない。攻撃では、両サイドのMFを中心に、サイドバックも攻め上がる形を得意としている。今日はDFアレックスを事情で欠き、DF中村も控えに回ったが、フィニッシュまでの形は誰が出場してもつくれているので、油断することなく守り切ることが必要。

 塩田も「若いチームなので、ちょっとした隙に集中力を欠くことがある。90分間きっちり戦い抜けるように、後ろからどんどん声を出していきたい。そういう戦いがきっと次につながるはず」と、全力を出し切ることを誓っていた。試合は、曇り空の味スタ、15時4分に東京のキックオフでスタートした。

セットプレーを中心に流れをつかみかけるが…


 序盤から、左サイドの鈴木が果敢に仕掛けて攻め込んだ。4分には鈴木の左クロスが右の徳永へ。中央への折り返しに、走り込んだ宮沢がシュート体勢に。だが相手DFに寄せられ、打ち切れず。その後も鈴木の突破や、戸田、川口のスピードを活かしたプレーに対し、福岡はファールで止めるしかなく、次々にセットプレーのチャンスを得た。6分には左FKにジャーンがヘッドで合わせようとしたが、オフサイドに。7分には左CKから増嶋がヘディングシュート。

 10分には徳永→戸田→ルーカスとつなぎ、川口がペナルティエリアすぐ右で倒され、FKを得る。宮沢がきっちりゴール左上隅に飛ばしたが、相手GKのセーブに阻まれた。12分には、左エリア外でスローインを受けたルーカスが、ゴールに向き直りながらシュート。狙いはよかったが、バーの上に。その後も、流れの中では決定的な場面はつくれなかったが、多くのセットプレーからチャンスをつかんだ。

 21分には、ゴール前右寄り24~5mの位置のFKを、鈴木が直接狙う。強烈なグラウンダーのシュートは、相手DFの壁をかすめ、ポストをヒット…。26分にも、左エリア外で戸田が倒され、鈴木が強烈なFKを枠の中に、相手GKの好セーブに阻まれ、あとわずかのところでゴールは割れず。反対に時間の経過とともに、奪われては、守から攻への切り替えの速い福岡のカウンターを受けるという展開に。東京はセカンドボールが拾えなくなり、何度も逆襲をくらった。しかし福岡も決定機にシュートミスを連発。

 24分、福岡のロングボールを東京DFが競り、こぼれた裏にFWグラウシオに走りこまれるが、シュートは枠の外。28分には左エリアにスルーパスとおされ、抜け出したFWグラウシオにフリーでシュートを打たれるが、塩田が果敢に飛び出してナイスセーブ! 32分には、エリアに攻め上がったボランチ布部にラストパスが送られるが、シュートはミートせず。38分には東京がゴール前でパスカットされ、福岡FW藪田の独走を許す。ラストパスを受けたMFホベルトがシュート。これもバーの上に。ともにスコアレスで前半を終了、後半に勝負をかけた。

福岡のカウンターに沈み、4連敗で予選突破ならず


 前半について、ガーロ監督は「2、3点取られてもおかしくない内容。特にマークに関して集中力を欠いている」と省み、梶山に代えて伊野波を投入して、今野とダブルボランチを組む布陣に。2列目にルーカス、宮沢を配して攻撃を仕掛け、リズムをつかみ始めた。46分には、右に攻め上がった宮沢が前線に浮き球のパスを送り、右エリアに抜け出した戸田がジャンプしてボレーで合わせようとするが、うまくヒットせず。56分には、右スローインを受けたルーカスが前線に抜け出し、クロス。相手GKとDFの間をすり抜けたボールに、川口が詰めてボレーで狙う。決定的であったが、ボールはバーの上を越えた。

 58分には戸田に代えて阿部を投入。直後の59分には伊野波が攻め上がり、エリア内の川口にパス。川口はDFを引き付け、中央にマイナスのラストパスを送る。これにルーカスが走りこみ、いい形をつくったが、シュートは相手GKのセーブに阻まれた。チャンスを逃すうちに、またもや出足の速い福岡の支配を許すことに。66分には、福岡のロングボールに対して東京DFが競り負け、FW古賀がフリーでゴール前へ抜け出す。決定的なシュートを放たれるが、塩田のファインプレーで阻止した。

 67分には宮沢に代えてササを投入し、3トップにしてパワープレーを仕掛けたが、フィニッシュまで持ち込めずにリズムを失い、福岡のカウンターを受けるという展開は変わらなかった。71分には、福岡FW川島が左エリア内に走りこみ、パスを受ける。一度はジャーンが奪ったが、FW川島が粘って奪い返してシュート。東京DF陣の懸命のクリアでCKに逃れた。75分過ぎには立て続けにCKから攻め込まれるが、塩田や増嶋が奮闘し、ピンチをしのぎきった。

 しかし迎えた84分、福岡の前線へのフィードをジャーンがヘッドでクリア。これが福岡MF久藤にわたり、すかさずゴール前にタテパスを送られる。このボールに、交代出場のMF宮崎が反応。東京も鈴木が追いかけたが追いきれず、ゴール前に抜け出した宮崎に冷静に決められ、ついにゴールを破られた。89分には福岡DF山形が、2度目の警告を受けて退場。11対10の状況となるが、数的有利を活かすには時間が足りず、そのままタイムアップ。結果的に試合の中で問題点を修正できず、ふがいない内容で敗れ、ナビスコカップは4連敗。決勝トーナメント進出の芽は絶たれた。

 【選手コメント】《塩田》「みんなモチベーションは高く、僕もやるべきことをしっかりやろうとした。気負いはなかったのだが、結果が出せなくて残念。セカンドを拾われ、出足も鈍かった。ボールの取られ方が悪く、東京らしい良さが出せなかった。でもそこで修正できないことが問題。相手のほうが切り替えも早く、僕たちはフィニッシュで終わることができなかった。自分もその時に、もっと声を出して伝えられることがあったはず。(何度もファインプレーがあったが?)最後に入れられてしまったので意味がない。一人ひとりが今日の課題について、考えるべき」《戸田》「今季初めてピッチに立ち、久々に試合の雰囲気を味わえたが、勝利に結びつかなかった。ゴール前でのチャンスをもっと増やしていかなければ…という課題もあるが、FWとしては少ないチャンスでも決めていかなければ。今日はボールを失わないように、前線で起点をつくるよう指示されていた。ルーカス、川口と試合の中で話しながら関係を修正していこうとしたが、できずに終わった。練習で修正して、あと2試合は今後につながる戦いをしたい」

 【ガーロ監督の会見要旨】「見ての通り悪いゲームだったし、自分たちのプレーができなかった。前半については、特にマークに関して集中力がなく、福岡に決定機をつくられることが多かった。後半になってメンバーを代え、我々のリズムもできてチャンスも生まれたと思う。後半中頃からお互いに間延びした部分があり、両方にチャンスができた。特に我々の勢いが落ちた時間帯があり、そこで決められてしまった。後半、4トップ気味で勝ちに行ったため、そこでカウンターを受けることも多かった。今日の試合は忘れて、次に向かっていきたいと思う」

 【福岡・松田監督の会見要旨】「チームとして勝つことが求められている時に、結果を出してくれた選手には感謝している。ハードワークをしてくれたと思う。決めれる時に決められないという、これまでの流れに似たところがあり、嫌な感じがした時間帯もあったが、DFがそこを辛抱して守り、最後にMF宮崎がよく決めてくれた。勝ち点3にふさわしい試合ができたと思う。課題であったセットプレーの守備も、やるべきことしっかりできた。GK神山も最後のところで防いでくれて、全員で守り切ることができた。これまでのほとんどの試合で、我々のサッカーができていたにも関わらず、決定力不足で勝てないということが続いていた。そういう意味では手放しで喜べない試合展開ではあった。しかし、結果が出ないことで、こういうサッカーを続けられなくなったり、やめてしまえば、何の可能性もなくなる。辛抱強くやり続けるしかない。そこで結果が出たことは本当にありがたい。今日の戦いをベースとして崩さず、あとは中断期間に課題や問題点を解決していく。決定力不足の原因は、相手のファインセーブに止められたということと、自分達の技術不足の両方があると思う。しかし今日の我々のように、気持ちが充実していれば、どんな体勢でも入るという時もある。今日もFW古賀、グラウシオの決定機が多かったが、入らないときは入らない。特にメンタルの部分で、そこまでの状態ではなかった。MF宮崎もこれまで決定力不足と言われていた選手だったが、最終的には気持ちの部分が一番。そういう気持ちのある選手がいるかどうかだと思う」