GAME RESULT試合結果
第14節 2006/7/22(土)
観衆 17,070人
天候 晴、弱 気温 25.1度 湿度 54%
主審:片山 義継 副審:山崎 裕彦/安元 利充 四審:下村 昌昭
J1 第14節
松本
2-4
試合終了
前半1-1
後半1-3
FC東京 | 鹿島アントラーズ | |
---|---|---|
33' ルーカス 59' ルーカス |
得点者 |
44' 小笠原 満男 47' 内田 篤人 74' 大岩 剛 89' 深井 正樹 |
06' 鈴木 規郎 → 三浦 文丈 55' 梶山 陽平 → リチェーリ 67' 三浦 文丈 → 川口 信男 |
選手交代 |
45' 柳沢 敦 → 野沢 拓也 66' ファビオ サントス → 深井 正樹 76' 本山 雅志 → 中後 雅喜 |
19 | シュート | 12 |
7 | CK | 2 |
21 | FK | 22 |
24' 伊野波 雅彦 73' ルーカス |
警告 |
44' 柳沢 敦 72' 岩政 大樹 |
退場 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 15 | 鈴木 規郎 |
MF | 19 | 伊野波 雅彦 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
MF | 9 | ルーカス |
FW | 14 | 馬場 憂太 |
FW | 18 | 石川 直宏 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 38 | 中澤 聡太 |
DF | 5 | 増嶋 竜也 |
MF | 10 | 三浦 文丈 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
FW | 35 | リチェーリ |
FW | 20 | 川口 信男 |
GK | 21 | 曽ヶ端 準 |
DF | 20 | 内田 篤人 |
DF | 3 | 岩政 大樹 |
DF | 4 | 大岩 剛 |
DF | 7 | 新井場 徹 |
MF | 24 | 青木 剛 |
MF | 8 | 小笠原 満男 |
MF | 18 | ファビオ サントス |
MF | 10 | 本山 雅志 |
FW | 13 | 柳沢 敦 |
FW | 9 | アレックス ミネイロ |
GK | 29 | 杉山 哲 |
DF | 14 | 羽田 憲司 |
MF | 22 | 中後 雅喜 |
MF | 26 | 増田 誓志 |
MF | 25 | 野沢 拓也 |
FW | 11 | 深井 正樹 |
FW | 19 | 田代 有三 |
【選手・監督コメント】
勝利に賭ける意気込みを見せる!
第14節は、ホームゲームとして長野県・松本平広域公園総合球技場で開催。鹿島アントラーズを迎え撃つ。前節の福岡戦では過酷なピッチコンディションのもとで、思うようなサッカーができなかった。馬場や石川も「次は必ず…!」と、この一戦に賭ける意気込みは強い。チームは福岡での試合後、直接松本に移動してトレーニング。前節課題として残った中盤での守備の立て直しや、攻撃面での連係を確認し、連戦に臨むこととなった。
鹿島は、今季からパウロ アウトゥオリ新監督のもと、昨年まで積み重ねた連携をもとに、より点の取れるサッカーをめざしている。日本代表のFW柳沢、MF小笠原、中断期間に新加入したU-20ブラジル代表のファビオ サントス、FWアレックス ミネイロら、攻撃的な選手を擁しているが、現在は7勝1分け5敗で6位。前節川崎戦では、ボランチのフェルナンドが退場し、狙うサッカーができずにリーグ戦3連敗。そのため、東京と同様にこの試合に賭ける思いは強いはずだ。
東京の布陣は、メンバー表の上では4-4-2だが、DFは茂庭、ジャーン、徳永の3バック。今野と伊野波がダブルボランチを組み、右サイドに石川、左に鈴木。最前線に馬場を置き、その下にルーカスと梶山と、前節よりメンバーを変更。その意図について、ガーロ監督は、「鈴木と石川のスピードを使って、サイドを活かしたい。前節課題として残った中盤での守備の修正だけでなく、サイドを使うためにボランチを2枚にした」と話し、キックオフに臨んだ。
ルーカスのゴールで先制するが、前半終了間際に失点…
数日来、長野を襲っていた豪雨も止み、天候は快晴。ピッチの状態もよく、好ゲームが期待された。キックオフ前には、水害にあわれた被害者のみなさんのために黙祷。その後、18時6分、鹿島のキックオフでスタートした。ところが開始6分、鈴木が相手DF岩政とぶつかり、転倒。右肩を脱臼し、交代を余儀なくされた。このため三浦をボランチに投入、伊野波を左サイドに配することになった。
このアクシデントにも落ち着いて対応。7分には、馬場から右サイドに抜け出した石川にパスがとおり、中に回りこんでシュート。14分には、徳永のインターセプトから石川がクロス。中央に馬場が飛び込み、DFのこぼれに梶山が詰めるという形をつくり、その後も石川、伊野波を起点にリズムをつかんだ。33分には、鹿島の縦パスが東京陣内に入ったところで徳永がインターセプト。つないだルーカスがドリブルでゆるやかに前進。相手がつめてこないと見るや、エリア外やや右寄りからシュート! これがきれいにゴール左下隅に決まり、先制する。
36分には伊野波の左クロスから、ファーへこぼれたボールを石川が拾いシュート。40分には梶山の右→左へのパスに合わせて、今野が前線に上がり、ヘディングで左へ。伊野波が左クロスと、良い展開を見せた。しかし鹿島も慌てなかった。42分には、FWアレックス ミネイロから、東京DFとGKの間に強くて速い右クロスが入る。これにFW柳沢が飛び込むが、シュートはバーを越えてピンチを免れた。
このままリードして後半に折り返したかったが、迎えたロスタイム、リスタートを素早く仕掛ける鹿島に対して、対応が遅れてしまった。鹿島右SB内田の右クロスを許し、ファーのMF小笠原をフリーにして、ヘディングでゴールを決められる。終了間際の時間に追いつかれ、1対1で後半に折り返すことになった。
チャンスを活かせず、鹿島の決定力の前に敗戦
気持ちを新たに臨んだ後半だったが、またしても立ち上がりの集中しなければいけない時間帯にゴールを許した。47分、ジャーンのクリアを鹿島が奪い、前線のMF本山に縦パス。ここから、右から上がったDF内田にボールがわたる。ここで内田に詰めるのが一瞬遅れ、エリア手前から思い切りのよいシュートを放たれ、逆転弾を奪われた。
東京は55分に梶山に代えてリチェーリを投入。馬場をMFに下げ、反撃に出た。59分にはその馬場から、エリア手前でパスを受けたルーカスが、またもや相手のプレッシャーが少ないと見て、狙いすましてシュートを放つ。ボールはきれいな弾道で右ネットに吸い込まれ、再び同点に追いついた。ここからは互いに「もう1点」をめざし、攻守入れ替わりの速い展開が続くことに。東京は67分には三浦に代えて川口を投入、左サイドに入り、伊野波がボランチの底に回る。
この布陣で、馬場のパスからの展開や、今野の積極的な攻め上がりからチャンスをつくった。68分には、馬場の巧みなキープから、ゴール前で今野が決定的なシュートを放つが、相手GKがセーブ。69分には茂庭のクリアがゴール前で相手FW深井にわたり、ピンチを招くが、DF陣が踏ん張り、シュートは打たせず。つないでMF野沢が左サイドからシュートするが、土肥がキャッチし、事なきを得た。しかし、ともに前掛かりになる中で、隙を突いてきたのは試合巧者の鹿島のほうだった。
74分には鹿島右CKをMF野沢が蹴り、DF大岩がヘディングシュート。DF大岩のマークに付ききれず、3点目を奪われた…。一方の東京は76分、左CKから今野のヘディングも決めることができず。82分には馬場のスルーパスにルーカスが抜け出し、倒されるが、ファールはなし。終盤にはジャーンも攻め上がり、最後まで気迫をみせて戦ったが、89分には東京のスローンをカットされ、速攻からきっちり4点目を決められる。結果的に東京は19本のシュートを放ちながら2得点。7本のCKも活かせず、大事なところでのミスが出た。そのミスをきっちり突いてゴールにつなげた鹿島。シュート12本で4ゴールを挙げ、決定力の差があらわれたゲームとなった。
【選手コメント】《ルーカス》「2得点は、角度は違ったが、ともにエリアの外でいい形でボールを捉えることができた。MFでもFWでも、監督の指示のもと、狙いどおりにできつつあると思う。ただ、個人の得点より、チームとしての結果が残念。強いチームというのは、相手のミスを突いてきっちり決めてくる。試合内容では東京がまさっていたと思うが、鹿島はミスを見逃さず、しっかりゴールにつなげてきた。サポーターの方々がいつも応援してくれるから、私たちはいいプレーができる。今日も遠いところまで来てくれて感謝しているが、期待に応えられなくて残念」《三浦》「前半を1対0で終わらせなければいけなかった。あそこでリードして終わるのと、同点にされるのとでは大きな違いがある。アクシデントの中で途中出場となったが、こういう時に結果が出せないと厳しい。チームの流れも変えられないし、自分の存在感もなくなる。とても残念」
【ガーロ監督の会見要旨】「松本まで、多くのサポーターに来てもらい、応援をしてもらったことが励みになった。まずこの点を感謝したい。前半は、ポジショニングやマーク、速攻の形など、狙った形で試合ができていた。残念ながら、後半の終わりあたりからリズムが崩れ、最後は点を取られて負けてしまった。全体的には、鹿島も我々も良いプレーができたと思うが、相手のミスを突いてしっかり決めるという決定力も含め、やはり鹿島はすばらしいチーム。もちろん、我々も良いプレーができたが、見ての通り、4点ともミスからの失点だった。4回のミスを全部得点につなげてしまう鹿島のすばらしさもあるが、我々にも勝てるチャンスがあった。それにも関わらずミスから負けてしまった。ただ、私たちがやろうとしているサッカーが、かなりできたと思う。(馬場はFWよりもトップ下での起用が良いと思うが?)前線でキープできる選手を置きたかったため、前半は彼をトップで起用した。この形でもうまく機能したと思う。後半は、リチェーリを入れて相手ディフェンスの裏に飛び出し、前に行こうという意図があり、そこで馬場を下げ、パスを出せるようにした。リチェーリと左の川口、右の石川をうまく機能させられたと思う」
【鹿島・パウロ アウトゥオリ監督の会見要旨】「集中力や注意を欠いているところで失点した。でも選手たちが勝ちたい気持ちを出し、最後まで勝利を信じて戦った。勝因の一つは、前半のうちに追いついたこと。そして後半になってから、横につなぐ展開からタテにつなぐ速いサッカーに変わり、キープできるようにもなった。それが勝因だろう。FC東京の素晴らしいサッカーが、我々の勝利の価値を高めた。(後半にMF野沢が入ってよくなった。柳沢を交代させた理由は?)練習で取り組んでいたフォーメーションが、後半からやったダブルボランチだった。ボールも動いて、うまくいっていたので、このフォーメーションでいった。柳沢の交代は、前半の終わりにイエローカードをもらっていたから。彼には高い能力と動きの質がある。FC東京の厳しいマークに苦しんだところはあったが、調子を取りもどしつつある。戦える選手、また経験や気持ちを周りに伝えられる選手でもある」