GAME RESULT試合結果
第18節 2006/8/20(日)
観衆 17,261人
天候 晴、弱 気温 27.3度 湿度 89%
主審:長田 和久 副審:佐藤 秀明/相葉 忠臣 四審:高山 啓義
J1 第18節
フクアリ
3-4
試合終了
前半2-1
後半1-3
ジェフユナイテッド千葉 | FC東京 | |
---|---|---|
05' 阿部 勇樹 07' 坂本 將貴 84' 羽生 直剛 |
得点者 |
16' ルーカス 62' 赤嶺 真吾 75' 石川 直宏 89' 阿部 吉朗 |
39' 佐藤 勇人 → 中島 浩司 63' クルプニコビッチ → 水野 晃樹 74' ハース → 楽山 孝志 |
選手交代 |
72' 川口 信男 → 阿部 吉朗 79' 赤嶺 真吾 → 小澤 竜己 85' 小澤 竜己 → 馬場 憂太 |
17 | シュート | 22 |
6 | CK | 10 |
14 | FK | 18 |
09' クルプニコビッチ 36' ハース 52' 坂本 將貴 54' 中島 浩司 |
警告 |
27' 藤山 竜仁 34' 川口 信男 43' 石川 直宏 48' 浅利 悟 87' 馬場 憂太 |
退場 |
GK | 1 | 立石 智紀 |
DF | 4 | 水本 裕貴 |
DF | 5 | ストヤノフ |
MF | 2 | 坂本 將貴 |
MF | 6 | 阿部 勇樹 |
MF | 7 | 佐藤 勇人 |
MF | 16 | 山岸 智 |
MF | 22 | 羽生 直剛 |
MF | 9 | クルプニコビッチ |
FW | 10 | ハース |
FW | 18 | 巻 誠一郎 |
GK | 30 | 岡本 昌弘 |
DF | 24 | 結城 耕造 |
MF | 8 | 水野 晃樹 |
MF | 15 | 中島 浩司 |
MF | 20 | 工藤 浩平 |
MF | 23 | 楽山 孝志 |
FW | 11 | 要田 勇一 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 2 | 茂庭 照幸 |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 20 | 川口 信男 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
FW | 9 | ルーカス |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 5 | 増嶋 竜也 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
FW | 11 | 阿部 吉朗 |
FW | 33 | 小澤 竜己 |
【選手・監督コメント】
倉又新体制での初陣!勢いを取り戻したい
J1リーグ第18節はアウェーでジェフユナイテッド千葉との対戦。前節浦和戦後、チームは15日(火)にガーロ前監督から倉又新監督に交替。新体制で後半戦の巻き返しを図ることになった。倉又監督は、「攻守の切り替えの早いサッカー」をテーマに、まずは「守備の立て直し」と「コンディションづくり」を目標に置いた。特に、チーム全体としてコンディションが整っていないことを懸念し、今週は短い時間で集中した練習を行った。
しかし、実際に選手の見極めと連係プレーに割く時間は16~18日の3日間と限られ、思い通りの調整が出来なかったことは否めないが、メンバーについては「現時点のコンディションの中でベストメンバー。めざすサッカーを実践するために《戦える選手》を選んだ」と、倉又監督。守備の安定を図るため、藤山を左サイドバックに置く4-4-2のシステムとし、ルーカス、赤嶺を2トップに、サイドには川口、石川。浅利と梶山がダブルボランチを組む布陣で臨む。
対する千葉は、現在8勝4分5敗で7位につけている。中断期間後に、アマル オシム新監督を迎えたが、これまでの「よく走り、ディフェンスからも中盤からも前に飛び出してくるサッカー」の方向性は変わらない。むしろイビチャ オシム前監督時と比較しても、より攻撃的になり、リスクを冒してでも攻めるサッカーを実践している。直近の5試合では3勝2敗。2敗はホームであるが、いずれも多くのチャンスをつくりながら決定力不足で敗れた感がある。また、16日(水)には日本代表として阿部、佐藤、羽生、巻の4名がイエメン戦に出場しており、コンディションの面で懸念されるところでもある。
選手たちは口々に「新しいサッカーの“初戦”では、内容よりも勝ち点が求められる」と話し、倉又監督も「自分たちのミスからの失点は絶対に避けなければ…」と続ける。狙いどおり、ディフェンスを重視し、その上でチャンスを確実にモノにして勝ち点をもぎとりたい一戦だ。風がなく蒸し暑いフクダ電子アリーナ。試合は7:04pm、千葉のキックオフで開始された。
早い時間帯で2失点するも、ルーカスのゴールで1点差で折り返す
お互いに前線からの速いプレスから、激しいボールの奪い合いが続くも、あっさりと千葉に2失点を許してしまう。4分、相手陣内でボールを奪われ、MF坂本を起点に鋭いカウンター。FWハース→MF坂本がエリアに入る寸前で、藤山が抑え左CKに逃れる。しかし5分、このCKから、MF阿部にヘディングシュートを決められてしまう。7分には、東京ゴール前のクリアが甘く、守備の乱れた隙を突かれて、千葉MF坂本にループ気味に蹴ったボールがゴール右上に吸い込まれる。
いきなりの2失点で思ってもみない展開になるものの、東京はあきらめることなく反撃に出る。8分に、左FKから梶山→石川にわたり、中に切り替えしてシュートを放つも相手DFにカットされる。11分には、ジャーンがカットしたボールを赤嶺が持ち込み梶山へ。ミドルシュートを放つも相手GKがCKに逃れる。15分、サイドチェンジを受けた川口が、エリア手前からシュート。わずかにゴール右上にはずれる。失点以降は、相手の運動量を上まわり、互角以上の戦いを見せる。
すると16分、左サイドのスローインを受けたルーカスが、粘って左エリアに進入、思いっきりよく放ったシュートは左下隅に決まり1点を返す。19分にはカウンターから梶山→石川→ルーカスに渡り、ドリブルで中に切れ込んでシュートするもバーの上に。25分以降には今度は千葉が盛り返す。ボールをキープされ、FWハースを起点に左右サイド攻撃を仕掛けられる。しかしDF陣が体を張ってシュートは打たせない。ともに気迫にあふれるプレーで、攻守入れ替わりの速い展開が続き、息のつけないゲームとなる。
29分には土肥のスローから右サイドの石川が独走。シュートまではいかないが、勢いが出始める。35分、2本の右CK。梶山のキックからルーカスがヘディングで合わせようとするもヒットせず。38分に、ルーカス→徳永が右サイドを駆け上がり、中央へマイナスのラストパス。石川がダイレクトで合わせてシュートしたが、わずかに右にはずれた。44分には、赤嶺のポストから、石川→赤嶺がリターンを受けてシュート。相手GKのセーブにあう。結局前半は1点ビハインドのまま折り返すも、後半に期待のもてる内容であった。
阿部のゴールで乱打戦を制し、倉又監督初勝利!
後半に入っても、お互いに集中を切らさず、闘志をむき出しにした激しい戦いとなる。46分に、ゴール前で千葉にパスを回され、正面でFKを与える。それを千葉MF阿部が直接狙うが、枠をはずれる。53分には、エリア左外からのFKを得る。梶山のキックに赤嶺が飛び込むが、シュートは打てず。そのこぼれから、今度はエリア右外からのFKを得る。しかしこれもシュートに持ち込めなかった。55分には左CKから千葉ゴールに迫るが、梶山のラストパスを受けた石川が打ち切れず。ゴールは割れなかった。
57分、千葉は鋭いカウンターから、MF羽生がエリア内左に飛び出し、シュート。わずかに右に切れたが決定的なシーンであった。すると62分、左サイドで梶山が、相手DFを引きずりながらもエンドライン際まで持ち込み、至近距離にいた赤嶺にラストパス。赤嶺は反転し、つぶされながらもシュート。ボールはマウスに転がりこみ、同点に追いついた。その後は一段と激しく、めまぐるしい攻防が入れ替わる試合となる。
69分には、藤山のインターセプトから、ドリブルで駆け上がり右CKを奪う。連続して3回行い、最後はジャーンの足元に転がってきたが、シュートは打てず。71分は、途中出場の千葉MF水野がエリア手前からシュートを放つ。わずかに右に外れる。72分に川口に代えて阿部を投入し、より一層攻撃に勢いがつき始めると75分、相手ボールを奪った梶山から絶妙のタイミングで石川に。そのままエリア右に進入してシュート!ボールは逆サイドのネットを突き刺さり、ついに勝ち越す。
すぐに赤嶺に代えて小澤を投入。前線のディフェンスをキッチリして、このまま逃げ切りたいと思っていたが、84分に、中盤でボールを奪われると、中央・MF楽山から右サイドで受けたMF羽生が、狙いすまして逆サイドのネットに突き刺す。再び同点とされる。しかし1分後には代わったばかりの小澤に代えて馬場を投入。勝ちにいく。89分には、馬場がヒールパスでつなぎ、阿部がエリア内に進入。相手DFに倒されたかに見えたが、ファールはなし。そして試合はロスタイムに突入する。
前線での馬場のキープから、徳永が右サイドを駆け上がり速いクロス。これに対し、千葉のDF2人がクリアできず。その後ろにいた阿部が右足で押し込み、貴重な勝ち越し弾。その後千葉の反撃を受けるも、審判のホイッスルが鳴り終了。最後まであきらめずに戦ったことが、この大逆転劇につながった。
【選手コメント】《阿部》「いい形でチームが勝利できたことが嬉しい。新体制になって最初の試合だったので、とても重要だと思っていた。結果が出せて本当に良かった。シュートの場面では、悠平がドリブルした時、必ずボールが来ると思っていた。そのとおりになって、右足で落ち着いて決められた」《土肥》「倉又新監督には、『怖がらず、前からどんどん行くように』と言われた。前節までなら2失点した時点でガックリきていたかもしれないが、『取り返せばいい』と前から行けた。走るジェフに走り勝てたことが大きかった。次が駄目なら『やっぱり駄目じゃないか』と言うことになってしまう。そうならないよう、次の試合をしっかり戦わなくては」
【倉又監督の会見要旨】「正直ホッとしている。監督になってから4日間しかたっていないが、ここまでやってくれた選手に感謝している(監督になってから4日間で、一番強調して選手に対してアプローチしたことは?)まずはチームがひとつになること。練習試合でも自分勝手なことを言う選手もいたので、まずチームがひとつにならなければならないと思い、そういうところを意識してやってきた。(ジェフでアウェーという状況で勝った意義は?)試合をやっていく中で千葉が後半運動量が落ちるというプランを立てており、後半途中から勝負しようと考えていたが、実際にそのようになったので私としてはプラン通りだと思う。(立ち上がり2点を入れられてしまってからの選手への指示は?)事故のような失点はよくあることなので、それでも最後まであきらめずにいこうということはずっと言い続けてきた。セットプレーでの失点でも下を向く選手はいなかったのでその部分は前向きに考えている。2失点に関しては、最近セカンドボールに対してずっと遅い状況が続いていたので、セカンドボールに対してはしっかり反応しようと話していたが、あの場面では一瞬見合っていた。あの場面ではやってはいけないこと。しかし、最後まであきらめないで点をとりにいくという姿勢は、いままでから変わってきているのではないかと思う」
【千葉・アマル オシム監督の会見要旨】「今日は典型的な日本の試合だった思う。多くのゴールが入ったこともそういう意味だし、一方がリードすればもう一方がリードするという繰り返しというのもそう。アグレッシブに試合を戦ったという意味でもそうだし。最後はロスタイムに点が入り試合が決してしまうというのも、すべての面で日本オリジナルの典型的な試合だったと思う。両チームあわせて7点入ったこういう試合では、戦術がどうこうというのは間違っている。お客さんは楽しめたと思うが。特に東京のファンは。2点を入れてからは、東京が失うものがない状況で前からのプレスをかけてきてそれが成功した。2-1になってから、ジェフがもう1点取らなければならないところをとれず、逆に2-2と追いつかれて東京に勢いがでてきた。今度は逆に3-3とジェフが追いつき流れをつかんだが、そこからもう1点取れず最後は東京に1点入れられてしまった。本当はジェフはもっと落ち着いてパスを回せるチームだが、それは佐藤が(ケガで)退場したからではなく、東京がそうさせてくれなかったのであり、自分たちができなかったためでもある」