GAME RESULT試合結果
第24節 2006/9/24(日)
観衆 17,398人
天候 晴、中 気温 23.0度 湿度 52%
主審:長田 和久 副審:上荒 敬司/抱山 公彦 四審:岡野 宇広
J1 第24節
カシマ
3-2
試合終了
前半1-0
後半2-2
鹿島アントラーズ | FC東京 | |
---|---|---|
28' フェルナンド 47' フェルナンド 67' フェルナンド |
得点者 |
83' 梶山 陽平 89' 今野 泰幸 |
62' ファビオ サントス → 中後 雅喜 88' ダ シルバ → 興梠 慎三 88' 柳沢 敦 → 田中 康平 |
選手交代 |
45' 川口 信男 → ルーカス 68' 浅利 悟 → 宮沢 正史 68' 赤嶺 真吾 → 馬場 憂太 |
15 | シュート | 16 |
11 | CK | 7 |
20 | FK | 18 |
22' 内田 篤人 |
警告 | |
退場 |
GK | 21 | 曽ヶ端 準 |
DF | 20 | 内田 篤人 |
DF | 4 | 大岩 剛 |
DF | 24 | 青木 剛 |
DF | 7 | 新井場 徹 |
MF | 26 | 増田 誓志 |
MF | 16 | フェルナンド |
MF | 25 | 野沢 拓也 |
MF | 18 | ファビオ サントス |
FW | 13 | 柳沢 敦 |
FW | 17 | ダ シルバ |
GK | 1 | 小澤 英明 |
DF | 2 | 名良橋 晃 |
DF | 31 | 後藤 圭太 |
MF | 22 | 中後 雅喜 |
MF | 23 | 興梠 慎三 |
FW | 11 | 深井 正樹 |
FW | 27 | 田中 康平 |
GK | 1 | 土肥 洋一 |
DF | 25 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | ジャーン |
DF | 8 | 藤山 竜仁 |
DF | 19 | 伊野波 雅彦 |
MF | 7 | 浅利 悟 |
MF | 6 | 今野 泰幸 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 20 | 川口 信男 |
MF | 23 | 梶山 陽平 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
GK | 22 | 塩田 仁史 |
DF | 38 | 中澤 聡太 |
MF | 16 | 宮沢 正史 |
MF | 14 | 馬場 憂太 |
MF | 27 | 栗澤 僚一 |
FW | 11 | 阿部 吉朗 |
FW | 9 | ルーカス |
【選手・監督コメント】
落ち着いた試合運びで連敗阻止!
J1リーグ第24節はアウェーで鹿島アントラーズとの対戦。4連敗を喫し、今ひとつ調子の上がらない東京だが、今週は練習試合や紅白戦など、実戦に近い形で多くのチャレンジを重ね、試合に備えてきた。鹿島対策として3-5-2の布陣にしたり、梶山をトップ下に配するシステムや、馬場をFWに置く布陣などトライをしてきたが、システムや誰が出場するかではなく、チーム一丸となり、気持ちの入った戦いをすることが重要といえる。
対する鹿島は現在5位。リーグ戦前節では、好調の清水を撃破。20日(水)にはナビスコ杯横浜FMと戦い、敗れたものの、決勝進出を決めている。疲労が懸念されるところだろうが、モチベーションは高いはずだ。FWアレックス ミネイロは欠場したものの、FW柳沢、深井と、誰が出てきても「うまさとスピードがある。ボールのないところでの動きに注意しなければ」と、倉又監督は鹿島のFW陣に注意を払う。その上で「MFフェルナンドからのパスを起点に、サイドが果敢に上がってくる」と警戒を強める。
東京は、今週好調ぶりをアピールしてきた赤嶺を1トップに配し、トップ下には梶山が。右膝を痛めて出場が微妙であったルーカスはサブに。また、ボランチには浅利が入り、今野とのコンビで鹿島MFフェルナンド、野沢らをどう抑えるかが重要なポイントとなる。試合巧者の鹿島だけに、これまでの先制を許す戦い方から、東京は落ち着いた試合運びで粘り強く戦い、チャンスを確実にモノにすることが必要になる。
リーグ前半戦、ホーム(松本)の試合では、勢いで上回りながらも、鹿島の決定力の前に沈んだ一戦となった。また、今回のアウェー=カシマサッカースタジアムでは、これまでカップ戦の1回しか勝ったことがなく、過去の戦績では分が悪いといえるが、リベンジを果たす意味でも、東京らしい切り替えの早い攻撃から、サイドでチャンスをつくり、勝ち点をもぎとりたいところ。試合は冷たい風で少し肌寒い中、3:04pmに鹿島のキックオフで開始された。
一瞬の隙をつかれ先制を許すことに
東京は、積極的に前からボールを奪いにいき、チャンスを掴む。3分、右に流れた赤嶺から中の石川へ渡り、ミドルシュートを狙うがGKキャッチ。8分には、今野が左サイドを攻め上がり、CKを奪う。この石川の左CKはGKがダイレクトキャッチ。12分には、中盤で今野がボールを奪って石川に。そのまま右サイドをドリブル突破して右CKを奪う。これをジャーンがヘッドで合わせるが、枠を捉えられず。鹿島もFW柳沢がスペースに流れ、そこを起点に攻撃を仕掛ける。15分、右サイドでパスを受けたMF増田がアーリークロス。これにFW柳沢がヘッドで合わせたが、枠には飛ばず。16分には、速攻からFW柳沢が抜け出し、ミドルレンジから果敢にシュート。土肥のセーブでCKに逃れる。
18分、今野のカットから右前線の徳永にスルーパスがとおり、ドリブルで仕掛け、中に切り込んでシュートするも、バーの上に。19分には、赤嶺の大きなサイドチェンジから右の石川へ。ドリブルから思い切ってミドルシュート、枠の外に。24分には、ジャーンのロングパスに今野が抜け出し、エリア右でヘッドで合わせるが、ヒットせず。試合は、自分たちの流れに傾き始めていたが、一瞬の隙をつかれ先制を許すことに。28分、左サイドでダイレクトパスがつながり、中央にいたMFフェルナンドがフリーでボールを受け、ミドルシュート。これが風に押されるようにゴール左下に決まる。
反撃に出たい東京であったが、鹿島は無理に攻撃を仕掛けることなく、DFとMF間でボールを回し、東京が前に出てきたところを突いて、シュートまで持っていくという試合運びのうまさに、東京はリズムを掴むことが出来ない。39分、右サイドで赤嶺がボールをキープ。逆サイドのスペースに走りこんでいた川口に浮き球のパスが通り、シュート性のクロスを送るも合わず。43分には、石川の右CKにジャーンがヘディングシュートを放つが、浮いてしまう。その後も決定的なチャンスがないまま前半終了。1点ビハインドで後半に。
梶山、今野のゴールで反撃するもあと一歩及ばず
東京は川口に代えてルーカスを投入し、赤嶺との2トップに。後半開始から勢いをつけて反撃したいところであったが、47分、MF野沢の左CKから、MFフェルナンドにヘディングシュートを決められ、追加点を許してしまい、出鼻をくじかれる。0-2となり苦しい展開となるが、あきらめずに攻撃を仕掛ける。53分、今野が中盤でボールを拾い、右サイドの赤嶺へ。後ろから駆け上がった石川にわたり、エリア内に進入。シュートを放つもDFに阻まれ右CKに。2本目のCKで、石川のキックに梶山がドンピシャのヘッドで合わせるが、わずかにバーの上に。
55分には、鹿島CKのボールを土肥がキャッチ。カウンターを仕掛け、最後はルーカスがミドルシュートするも、大きく枠を外す。運動量の少なくなった鹿島からうまくボールを奪っても、ちぐはぐな攻撃で、逆にボールを奪われカウンターをくらうことが多く、思うように攻撃が出来ない。しかも67分には、鹿島・左CKからニヤでDF青木にすらされ、これにMFフェルナンドが頭から飛び込みゴール。3点目を奪われてしまう。
反撃に出たい東京は、68分、浅利、赤嶺に代えて宮沢、馬場を投入。すると72分には、左エリアすぐ手前からのFK。宮沢が直接狙ったがGKキャッチ。75分には、早いリスタートから宮沢が石川へサイドチェンジ。ドリブルで持ち込み中へ長いパスを送ると、再び宮沢に。そのままミドルシュートを放つも、ボールは相手GKの正面に。鹿島の中盤でのプレッシャーが徐々になくなり、早めにサイドにボールが入るようになることで、いい形を作り始める。
83分、伊野波のスローインから宮沢→梶山へ。そのまま中に持ち込み、エリア外から思い切ってミドルを放つと、相手GKの手を弾いてゴールネットに突き刺さり1点を返す。完全に勢いを取り戻すと89分、左サイドの伊野波からクロスが入り、逆サイドにいた宮沢がキープ、駆け上がってきた今野へ落とし、そのままダイレクトでシュート。これも相手GKの手を弾くもゴールイン。ついに1点差となる。ロスタイムには、石川がタイミングよくクロスを上げ、ルーカスが飛び込むが、合わせられず。結局このまま試合終了。終盤あきらめずに反撃を試みるも、あと一歩及ばず敗戦を喫す。
【選手コメント】《今野》「ただ、悔しいだけです。ゴールする時間が遅かった。もっと全員で連係を取って攻撃できていたら、早い時間に得点できていたはず。狙いがはっきりしなかったところもある。たとえばボランチがサイドに出たら前線が動き出して、セカンドを拾っていくというようなことを徹底できればよかったが…。ここのところセットプレーでやられることが多く、気をつけていたが、CKから2点目、3点目を奪われたことが痛かった。前半は鹿島に回されても入れさせなければいいと考えていた。そこで先制を許し、プランがくるったところもある。後半はこっちがボールを回せたが、ディフェンスラインで回していても相手は怖くない。相手の嫌がるプレーが必要。ゴールは、ミヤさんがパスを出してくれそうだった。中に出すことも考えたが、時間もなかったので打ってみようと思ってシュートした。勢いは強くなかったが、相手に当たって入った。シュートを打てば何かが起こることがあらためてわかった。5連敗して、精神的にも苦しい。気持ちを入れてプレーしようとしているが、どこかに不安感があるのかもしれない。でも、オレらはできると思うし、優勝争いだってできるメンバーだと思う。この状況を脱皮しなければいけない試練だと考えている」《宮沢》「(梶山へのパスは)中を見ても誰もいなかったことと、陽平がフリーだったので、前を向ければ何かやってくれるはずと思って出した。(今野へのパスは)自分で打てる感じもあったが、DFが近くて当たりそうだったので出した。自分としては、エリア内まで進入していけたことがよかったと思う。そういうプレーは今までできなかったが、今日はコンちゃんが後ろにいてくれて、どんどん前に出て行こうと考えた。ボールを追っていこうとした。10分間ほどしかプレーできなかったが、先発で出られるように練習していきたいし、準備をしっかりしたい」
【倉又監督の会見要旨】「2対3というゲームだったが、今日もセットプレーから2失点してしまった。まず前半、鹿島MFフェルナンドをフリーにしないように意識したが、どうしても石川が左サイドバック新井場の上がりに付きすぎて、マークが足りず、MFフェルナンドをフリーにしてしまった。もともとMFフェルナンドはロングシュートがあると指示をしていたが、誰が付くのかがはっきりしない状況で、前半に点を取られてしまった。奪った後は、もう少しサイドを起点に攻撃したかったが、なかなかできなかった。後半は立ち上がりからサイドを起点に仕掛けたが、セットプレーで2点を失った。終盤2点を追い上げたが、そこまでだった」
【鹿島・パウロ アウトゥオリ監督の会見要旨】「MFフェルナンドがケガから明け、連戦を通してだんだん慣れてきたことにより、3得点という形になった。今日はフェルナンドが目立ったかもしれないが、特別に彼に言ったことはないし、特に与えた役割もない。今日私が強調したことは『フォア・ザ・チーム』というスピリットを見せて欲しいということであり、それが形になった試合だった。ナビスコ杯から中3日という厳しいコンディションで、フィジカル的にもメンタル的な部分でも厳しかったが、このような試合ができてよかった。厳しい状況の中でうまく回復でき、立ち上がりから我々が目指しているアグレッシブなサッカーが出来た。もう一つ言えることは、コンディショニングがすばらしく、フィジカルの強化も進んでいることが評価できるだろう。悪い部分は、これは日本サッカー全体に言えることだが、3点リードしながらもボールをうまく繋げず、終盤に失点してしまうことが課題。そこは直していきたい。最後に、いつもは個人的な発言は控えているのだが、DF青木はここ数試合、非常に良い。戦術の理解度、またその実行力に敬意を表したい。選手だけでなく、いつも我々を応援してくれているサポーターにも感謝したい。また、MFフェルナンドにはおめでとうと言いたい。中盤の後ろの選手が3点も取るというのは珍しいことだから」