GAME RESULT試合結果

第28節 2006/10/22(日)
観衆 36,161人 
天候 曇、無 気温 21.8度 湿度 60% 
主審:松尾 一 副審:金子 聡一郎/小椋 剛 四審:牧野 明久

J1 第28節

味スタ

HOME

FC東京

3-2

試合終了

前半0-2

後半3-0

AWAY

ガンバ大阪

FC東京 ガンバ大阪
77' 今野 泰幸
81' 鈴木 規郎
84' 石川 直宏
得点者 11' 播戸 竜二
24' マグノ アウベス
54' 平山 相太 → 馬場 憂太
64' 戸田 光洋 → 鈴木 規郎
76' 梶山 陽平 → 宮沢 正史
選手交代 72' 播戸 竜二 → 前田 雅文
87' 宮本 恒靖 → 中山 悟志
17 シュート 21
4 CK 6
24 FK 25
44' 戸田 光洋
52' 梶山 陽平
警告 04' 二川 孝広
42' 家長 昭博
66' 橋本 英郎
退場
FC東京先発
GK 1 土肥 洋一
DF 25 徳永 悠平
DF 19 伊野波 雅彦
DF 2 茂庭 照幸
DF 8 藤山 竜仁
MF 6 今野 泰幸
MF 23 梶山 陽平
MF 18 石川 直宏
MF 13 戸田 光洋
MF 9 ルーカス
FW 39 平山 相太
FC東京控え
GK 22 塩田 仁史
DF 15 鈴木 規郎
MF 10 三浦 文丈
MF 16 宮沢 正史
MF 14 馬場 憂太
FW 20 川口 信男
FW 11 阿部 吉朗
ガンバ大阪先発
GK 22 藤ヶ谷 陽介
DF 2 シジクレイ
DF 5 宮本 恒靖
DF 6 山口 智
MF 21 加地 亮
MF 17 明神 智和
MF 27 橋本 英郎
MF 14 家長 昭博
MF 10 二川 孝広
FW 11 播戸 竜二
FW 9 マグノ アウベス
ガンバ大阪控え
GK 1 松代 直樹
DF 3 入江 徹
DF 4 實好 礼忠
MF 8 フェルナンジーニョ
MF 20 寺田 紳一
FW 16 前田 雅文
FW 19 中山 悟志

【選手・監督コメント】

守備を立て直し、東京のリズムで勝利を!


 第28節は一日遅れの日曜開催で、ガンバ大阪をホームに迎え撃つ。前節広島戦では、2点リードしながら5失点を喫しての逆転負け。今節は守備を立て直し、いかに自分たちのリズムで戦えるか。そして、久しく果たせていないホームでの勝利に期待がかかる。今節はジャーンが警告累積による出場停止となり、センターバックには伊野波を起用。平山を最前線に、ルーカスをトップ下に、今野と梶山がダブルボランチを組む布陣で臨むことに。また、右肩を負傷していた鈴木が7月22日鹿島戦以来に復帰し、サブに控えた。

 対するG大阪は現在2位。ここ3試合は勝利がなく、決して好調とはいえないが、昨日首位の浦和が引き分けたこともあり、今日は死に物ぐるいで勝利をめざしてくるだろう。MF遠藤が体調を崩してチームを離脱したものの、豊富なタレントを揃え、特に日本代表のFW播戸と、得点ランキング2位につけるFWマグノ アウベスの攻撃力は驚異。彼ら2人でのコンビでもゴールを狙えるし、MF二川を起点に次々と中央突破を仕掛けてくる。中央がマークされれば、ご存知右MF加地や、左MF家長を起点にサイドから崩すこともでき、多彩な攻撃のパリエーションを持つ。

 これに対して東京は、プレスをかける位置やタイミングをはっきりさせて奪い、素速く攻撃に転じたいところ。平山の高さや、戸田のスピードを活かし、G大阪DF宮本、シジクレイらの壁を崩していきたい。先週の練習では、「まだ切り替えが遅い」と倉又監督は課題を話していたが、DFラインと前線の連動に気をつけ、東京のリズムで勝利をめざしたい。

守備の隙を突かれ、前半に2失点…


 薄曇の味スタ。第26、27節はアウェーでの連戦となったため、ホームゲームは9月30日新潟戦以来となる。次々とファンの方々が詰めかけ、36,161人の観客を集めて、15時4分に東京のキックオフでスタートした。立ち上がりから、ともに闘志を前面に出し、激しい攻防が続いた。7分には、ルーカスが今日1本目のCKを奪う。梶山の右CKを今野がヘッドで合わせるが、相手DFがブロック。こぼれを梶山が拾ってゴールエリア付近まで進入。マイナスのパスに平山が合わせるが、惜しくもDFに阻まれた。

 ここまでG大阪に決定的なシーンはつくらせていなかったが、迎えた11分、右前線でFWマグノ アウベスが粘り強くキープ、ゴールから遠ざかるように戻りながらクロスを上げられる。ボールはゴール前の伊野波の頭上を越えて、FW播戸のもとへ。播戸は胸トラップで落とし、振りの速い一撃でゴール。東京DFの隙を見逃さず、早い時間に先制点を許した。

 それでも東京は、石川や梶山の果敢な攻め上がりからチャンスをつくった。23分には梶山が左サイドを上がり、ルーカスとワンツーをかわし、左エリアまでドリブルで上がり、ルーカスにマイナスのパス。ルーカスのシュートは相手DFにブロックされた。だが直後の24分、中盤のルーズボールを奪われ、G大阪MF二川が東京DFの裏に浮き球のパス。FWマグノ アウベスが猛スピードで追いつき、ヘッドでコントロールしながら左エリア内に。そこから技ありのシュートを決められ、2点目を奪われた。

 守備のもろさを露呈したが、完全に押し込まれていたわけではなかった。ビハインドを負っても、あきらめずに反撃に挑み、29分には石川が右サイドをえぐり、速いグラウンダーのクロスから右CKを奪う。梶山のCKを今野がヘッドでつなぎ、ルーカスがヘディングシュートを放つが左に外れる。その後も石川がよく動き、右サイドを起点に攻めに出たが、前線でなかなかボールを収めることができなかった。42分には右サイドに抜け出した徳永が倒され、エリア右からのFKを得る。G大阪DFにあたったこぼれを石川がボレーで狙うが相手GKがキャッチ。その後もゴールは割れず、2点のリードを許したまま、後半へと折り返した。

今野が鈴木が石川が!7分間で3ゴールを奪い、劇的な逆転勝利


 後半立ち上がりは、G大阪がリズムをつかんだ。セットプレーを中心に東京ゴールに迫られたが、ここでは集中を切らさず、追加点は許さなかった。54分には、平山に代えて馬場を投入。ルーカスを前線に配し、ゴールをめざした。馬場は58分には、相手陣内でプレスがないとみるやロングシュートを放つ。GKにキャッチされたが狙いはよく、東京がリズムをつかむきっかけとなった。

 61分、徳永が中に攻め込み、ゴール前の混戦からのこぼれに梶山が走り込む。しかし相手DFに詰められ、打ち切れず。64分には、戸田に代えて鈴木を投入。次第に馬場のキープからボールを支配し、今野も果敢な攻め上がりをみせ、攻め込む時間が長くなった。それでもフィニッシュに持ち込めず、奪われてはG大阪のカウンターをくらうという展開が続く。74分には、G大阪・MF二川のパスに抜け出したFWマグノ アウベスのゴール至近距離からのシュートは、土肥が身体ごとセーブしてピンチを防いだ。

 東京は76分、梶山に代えて宮沢を投入。この選手交代で完全にペースをつかみ、ついにG大阪ゴールをこじ開ける。迎えた77分、藤山の前線へのフィードに対し相手GKが飛び出す。ここに今野が走り出し、巧みなトラップでGKをかわすと無人のゴールに流し込み、ゴール! 1点差に追いつく。

 このゴールで反撃ムードが高まる中、81分には、藤山→馬場のパスを、左サイドライン際で受けた鈴木がドリブルで中に前進し、左足を一閃。強烈なシュートをゴール右上のネットに突き刺した!この豪快な同点弾に、スタジアムはますますヒートアップ。続く84分には、今野が左サイドをオーバーラップし、粘り強くこぼれ球をつないで、ゴール前に攻め上がる鈴木にパス。鈴木はグラウンダーの速いボールを中に送り、これを石川がきっちりトラップで止め、落ち着いてゴールに流し込み、ゴール!! 畳み掛けるように3点を奪って鮮やかな逆転を果たし、スタジアムの熱狂は最高潮に達した。

 残り時間が少なくなる中、G大阪もセットプレーから攻め込み、気の抜けない場面が続いた。ロスタイムにはペナルティアークすぐ外からのFKを与え、緊迫のシーンとなった。FWマグノ アウベスが直接狙い、左枠内に飛ばしたが、土肥のナイスセーブで切り抜け、直後にタイムアップ!途中出場の選手がリズムをつくり、後半に3点を奪って劇的な大逆転。スタンドの声援に後押しされて、味スタで4月29日名古屋戦以来となる貴重な勝ち点3をゲットし、G大阪を制した。

 【選手コメント】《鈴木》「ゴールは、ずっとサイドの縦を切られていたが、あの一瞬は中を見たらスペースがあった。相手のDFも寄せてこなかったのでチャンスだと思い、無我夢中でゴールめがけて打った。ミートできたのでふかさずに打てた。(石川選手へのアシストは)G大阪のDFはシジクレイなど、高さがあるので、シュート性の速いボールを中へ送ろうと考えていた。出場にあたっては、負けている状態だったし、自分のできることは攻撃なので思い切ってプレーしようとした。昨夜メンバーに入り、やっときた!という気持ちでうずうずしていた。今日はケガの3か月間、頑張ってきた甲斐があったと実感している。サポーターのみなさんに名前を呼んでもらえるのは、選手にとってモチベーションが上がること。今日はコールの声がいつもより大きく、さらにモチベーションが上がった。ただ、まだ1試合しかやっていない。ここからどれだけできるかのほうが問題」《今野》「はじめに2点取られたが、みんな最後までよく走っていたし、スタジアムの雰囲気も最高で、逆転できた。ハーフタイムには、前節広島戦で逆転されたことを思い出し、逆にこっちが1点取れば相手も焦るということを話し合った。前半は梶山選手を前に出していたし、G大阪MF二川選手も飛び出してきていたので、自分は後ろに残ることが多かった。後半は、リスクを負っても出て行くしかないと考えた。ゴールは、いいボールが来て、GKも出てきていたので、ファーストタッチがうまくいけば決められると感じた。トラップがうまくいった。ガンバは個人能力が高いし、チームとして強いことは間違いないが、自分たちのサッカーができればいい試合ができると考えていた。今日はスタジアム全体の一体感があり、“いける”という雰囲気をつくってくれた。1点取って、スタジアムの雰囲気が変わってすごく力になった。これから上位との対戦が続くが、相手のモチベーションが高い分、倒してやろうという気持ちが強くなる。楽しみでもあるし、上位のチームを苦しめたい」

 【倉又監督の会見要旨】「監督になってから味スタで勝てず、サポーターの皆さんにいつも迷惑をかけていた。選手が頑張ったこともあるが、サポーターの強い応援があったからこそ、選手が奮い立ったところもある。本当に良かった。前半、G大阪の2回のチャンスで、もののみごとに得点された。ある程度自分たちのサッカーは出来ていたが、失点してしまった。その状況の中で、前線でキープできない面があったので、修正して後半に臨もうとした。平山にはしっかりキープして欲しいということを伝えたが、G大阪は平山へのクサビのパスを徹底的にケアしてきた。そのため思うようにいかず、周りの選手もイライラする状況があった。平山にはやはり高さがあるし、前半の3本のセットプレーではチャンスをつくっていた。彼にマークが集まることを考え、後半のはじめまで様子を見たが、なかなか変化が出なかったので、馬場に代えてルーカスをスペースに走らせるようにした。その後チャンスが何回かあり、得点できた。左サイドの鈴木は時間を限定して出そうと思っていた。ケガ明けでまだ長い時間プレーできないこともあり、G大阪MF加地が疲れてきたところで勝負をかけようとした。思い切って残り25分で使って、結果を出してくれたので良かった」

 【G大阪・西野監督の会見要旨】「昨日、浦和が引き分けた後ということで、ビッグチャンスの試合だった。選手たちもそういう意識で臨んでいたが、全くG大阪らしくない試合だった。2点を取ってからは攻撃力も迫力もなかった。前へ出て行く意識も足りず、ディフェンシブな時間が多かった。平山がいることでDFラインが下がってしまうと、G大阪の弱点であるエリア内での接触プレーの局面が増えるが、実際にラインが下がってしまった。ハーフタイムにはその点を強調して、『これは危ないゲームだ』と選手には話したが、『守りきりたい』という感じになった。また、ボールは奪えても中盤でタメがつくれず、攻撃に対する自信を多少失っているのかなと感じた。MF遠藤が不在で、ボールを奪うことは素晴らしかったが、そこからの展開やつなぎ、時間のつくり方はMF明神や橋本に求めるのは難しい。攻撃ではMF二川が抑えられるとゲームをつくることが出来なかった。FW播戸はケガもあり、どこまで引っ張れるかという状態だった。藤山、徳永に中盤に入られる場面があり、中盤の守備のためにも前田と代えた。東京のサイドアタックを封じるため、FWマグノ、播戸が相手センターバックにプレッシャーをかけ、両SBを押し下げたかったがうまく行かなかった。平山が代わったことは嫌だった。馬場がグラウンダーでアクセントをつけ、そこに鈴木が出てきたことも一番嫌なパターンになった。そういう意味でも、前田の投入などで早めに東京のサイド攻撃を消したかったが」