GAME RESULT試合結果
第14節 2012/6/16(土)
観衆 23,273人
天候 曇、弱 気温 21.9度 湿度 84%
主審:家本 政明 副審:山際 将史/小椋 剛 四審:河合 英治
J1 第14節
日産ス
1-0
試合終了
前半1-0
後半0-0
横浜F・マリノス | FC東京 | |
---|---|---|
31' 兵藤 慎剛 |
得点者 | |
76' マルキーニョス → 谷口 博之 86' 齋藤 学 → 大黒 将志 90'+4 小野 裕二 → 熊谷 アンドリュー |
選手交代 |
37' 椋原 健太 → 加賀 健一 46' 太田 宏介 → 中村 北斗 64' 渡邉 千真 → 河野 広貴 |
12 | シュート | 3 |
14 | CK | 3 |
22 | FK | 23 |
39' 中村 俊輔 77' 齋藤 学 |
警告 | |
退場 |
GK | 21 | 飯倉 大樹 |
DF | 13 | 小林 祐三 |
DF | 4 | 栗原 勇蔵 |
DF | 22 | 中澤 佑二 |
DF | 5 | ドゥトラ |
MF | 27 | 富澤 清太郎 |
MF | 7 | 兵藤 慎剛 |
MF | 25 | 中村 俊輔 |
MF | 11 | 齋藤 学 |
FW | 10 | 小野 裕二 |
FW | 18 | マルキーニョス |
GK | 30 | 六反 勇治 |
DF | 24 | 金井 貢史 |
DF | 26 | 青山 直晃 |
MF | 28 | 熊谷 アンドリュー |
MF | 19 | 森谷 賢太郎 |
MF | 29 | 谷口 博之 |
FW | 9 | 大黒 将志 |
GK | 20 | 権田 修一 |
DF | 33 | 椋原 健太 |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 6 | 太田 宏介 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 8 | 長谷川 アーリアジャスール |
MF | 39 | 谷澤 達也 |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
FW | 49 | ルーカス |
FW | 11 | 渡邉 千真 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 5 | 加賀 健一 |
DF | 14 | 中村 北斗 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 17 | 河野 広貴 |
MF | 27 | 田邉 草民 |
FW | 23 | 林 容平 |
【選手・監督コメント】
リーグ戦再開、横浜FMの堅守を崩して流れをつかみたい
ACLをラウンド16で終え、約2週間のインターバルを経てリーグ戦が再開。リーグ第14節としてアウェイで横浜F・マリノスと対戦する。この中断期間には、二部練習を含め、キャンプに近い形でハードトレーニングを実施。高橋、権田が日本代表のワールドカップ最終予選に臨み、チームに合流した時間はわずかとなったが、落ち着いた準備を重ね、新たなスタートを迎える。再開後の初戦をよい形で勝ち切り、流れをつかみたい重要な一戦だ。
対する横浜FMは、現在4勝6分3敗で9位に。シーズン序盤は僅差の勝負を失うゲームが多かったが、立て直しを図り、4月28日以降の公式戦は、5勝3分と8戦負けなし。ナビスコを含めた直近の3試合は、いずれもスコアレスドローだが、DF中澤、栗原を中心とした堅守を崩すのは容易ではないだろう。
一方、横浜FMの攻撃については、得点力不足といわれるものの、FWマルキーニョスらには高い決定力がある。MF中村、兵藤らの精度の高いキックをはじめ、MF齋藤のドリブル突破や交代カードとしても勝負強さのある選手がそろい、一瞬も気の抜けない戦いになるだろう。
それに対して前に出る守備で奪い切ることでボール支配を高め、リズムを掴みたい。攻撃面を含め、積み重ねてきた自分たちのサッカーをやり切るためにも、攻守の切り替えの早さを保ち、走り負けしないことがカギになるだろう。また、J1通算150勝に王手をかけた東京。奇しくも2000年J1での初勝利を挙げた日産スタジアムにて今節を迎える。雨脚こそ強くはないものの梅雨空の天候のもと、試合は19時4分に横浜FMのキックオフでスタートした。
横浜FMに主導権を握られて先制を許し、苦しい展開に
序盤から横浜FMのスピーディな攻撃にリズムを掴まれることになった。東京はDFラインでは身体を張り、クリアし続けたが、横浜FMに立て続けにCK、FKを与え、セットプレーから押し込まれることに。9分には渡邉が右前線でキープし、中に戻したパスから谷澤が中に持ち込み、ミドルを放つが、結果的に前半の東京のシュートはこの1本のみ。横浜FMの中盤からのプレスも厳しく、東京はパスをつなぐことができないまま時間が経過した。
14分には横浜FMに決定的な形を作られる。右サイドでMF中村→オーバーラップしたSB小林から、中央のFWマルキーニョスへくさび。FWマルキーニョスはダイレクトで東京DFの裏にパス。右サイドからFW小野に飛び出され、ピンチを招くが、高橋が素早く戻ってスライディングでCKに逃れる。20分には東京DFの裏を横浜FM・FW小野に突かれ、そこにパスがとおされてシュートがネットを揺らすが、これはオフサイド。
ぎりぎりのところで失点は許さずにいたが、迎えた31分、横浜FMボランチ兵藤の攻め上がりを抑えることができず、徳永と森重の間に位置取られる。ここにもう一方のボランチMF富澤がグラウンダーの縦パスをとおされる。これを足元にピタリと収められ、すぐさま反転して左エリアからのシュートを突き刺され……先制を許した…。
これで横浜FMに完全に流れを掴まれ、東京はチャンスらしいチャンスをつくれず、苦しい展開に。そのため37分には椋原に代えて加賀をセンターバックに投入、徳永が右サイドバックに回る布陣で反撃に臨むことになった。
総力戦で反撃に臨むも、力負けを喫す……
同時に後半からは、負傷の太田に代えて、今季初出場となる中村を左サイドバックに投入し、立て直しを図ろうとした。48分にはカウンターを仕掛け、谷澤が右前線に抜け出そうとするが、横浜FM左SBドゥトラにきっちり対応され、シュートは打てなかった。49分には中村の思い切りのよい縦へのドリブルから左CKを得て、ショートCKで仕掛けたが、中央でクリアされる。
61分にはパスをつないで右→中央の梶山に。DFに囲まれて打ち切れなかったが、こぼれをルーカスがつなぎ、渡邉のミドルで右CKを得る。ようやく東京にも動きとリズムが出てきたが、ボールの奪い合いが続く中で、決定的なチャンスは作れなかった。
64分には渡邉に代えて河野を右MFに投入、ルーカスがトップに回る布陣へと変更。河野の相手の裏に抜け出す動きを活かそうとしたが、組み立ての段階でミスが出て効果的な攻めの形を見い出せない。66分にはミスからボールをさらわれ、横浜前線のFWマルキーニョスに渡るが、加賀が素早く対応し、ピンチを免れる。70分には横浜MF齋藤のドリブルに対して、森重がファールで抑えたとの判定で、ペナルティアーク中央からのFKを与える。これを横浜FM・MF中村が直接狙い、枠に飛ばしたが、バーぎりぎりで権田がセーブ!
追加点こそ許さなかったものの、79分、左サイドのルーカスのパスに合わせて、相手の裏に河野が飛び出したが、わずかに球足が長く…GKキャッチ。84分にも森重の前線へのフィードに合わせ、河野が飛び出そうとするが、一歩早く横浜GKがキャッチされる。
終盤には高橋がDFラインに入る3バックとし、梶山がボランチに。徳永と中村の両ワイド、前線の枚数をルーカス、河野、谷澤と増やして反撃を試みるも、86分、梶山が前線に送ったボールは河野に届かず、相手DFがクリア。このこぼれを中盤で奪った長谷川が、一歩前に持ち出しシュートしたが、力なく枠外に。最後まで攻めの形を作れず、東京が放ったシュートは計3本のみ。このままタイムアップを迎え、点差以上に力の差を感じる敗戦を喫してしまった……。
【選手コメント】《徳永》「相手のプレッシャーも厳しく、全部主導権を握られてしまった。セカンドボールも拾えなかったし、出足も相手が早かった。我々は運動量も少なかったし、ゲーム勘というよりも、勝負に対する気持ちが足りなかったのではないか。前半からずっとバタバタしていて、自分のところで落ち着かせることもできなかった。相手の2トップには、裏も狙われたし、足元にも収まる…という状態。それに対して前からプレッシャーにいくのか、しっかりとブロックを作っていくのか、中途半端になったところもあり、自由に回させてしまった。そこを話し合って意思統一していきたい。危機感をもって戦わなければいけない」
《権田》「こういう試合もある……と片づけてはいけない。F・マリノスは、確かに守備が固く、一人ひとりの球際も強かった。それに対して完全に僕たちが劣っていて、完敗というのであれば、割り切らなければいけないが…。僕の印象としては『やれない訳ではない。これまで出来たいたことが、出来なかった』という感じ…。だからこそ一人ひとりが考えなければいけない。今日も序盤に相手のCKやFKから押し込まれてバタついた。それは試合の入り方の準備がしっかりできていなかったからだと僕自身は思う。それを踏まえると、プロとしてやるべきことをきっちりやるだけで、簡単に変われるような気もする…が。もし僕が感じたことが原因なら、一からまた準備をしていく必要があると思う。次はホーム戦だから、こんな試合は絶対にしてはいけない」
【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「本当に悲しい試合だった。一つ良かった点を挙げるならば、全てが良くなかったこと。このような試合は今日で最後にしたい。もしかしたらリーグ戦が再開したことをまだ知らなかった選手、バカンスや代表から帰ってきていなかった選手もいたかもしれない。プレー内容も良くなかった。それでも最小失点に抑えたことは運が良かったのかもしれない。
東京のファン・サポーターが90分間、応援し続けて支えてくれたことには本当に感謝しているし、それに応えるプレーができなかったことに対してはしっかりと修正して、お返しをしたい。ファン・サポーターの皆さんに借りを作った。私は借りたものはしっかりと返す主義なので、今日作った貸し借りを良い形で返せるようにしたい。とはいえ、ポジティブに考えることが大切であり、ビッグチームであってもこのような日がある。次に向けて立て直していきたい。
(自身をグッドルーザーだと思うか? また全てが悪かったということだが、一番悪かったところは?)私の大嫌いな言葉の一つがグッドルーザー。敗者という言葉が付く時点で嫌なもの。ただ敗戦はどのチームにもあるし、長いシーズンで起こり得ること。ただ、負け方という部分で、今日は自分たちのアイディアや戦う姿勢が欠けていた。それが一番納得していないところ。
今日は決定的なチャンスを一つも作れなかった。これでは何のためにトレーニングをしているのか。大事なことは、これを繰り返さないこと。今日のような日を最後にする。何をして次の試合に臨むかを分かっているし、今日の試合に関しては選手の消耗も激しかった」
【横浜FM・樋口監督の会見要旨】「リーグの再開初戦でしっかりと勝ち点3を取れたことを喜びたい。前半はほぼ狙い通りのパーフェクトな守備で相手を自由にさせなかった。後半も相手に自由にやらせず、チームとしての統一感もあった。(選手に伝えていることは?)チームの約束事の中で、選手には距離感を大事にさせている。攻撃から守備に切り替わった瞬間に、下がらないということもキーワード。そこで全体の距離感、もし相手に抜けられたとしてもブロックを作るところでの距離感を大事にしようと伝えている。
ただ内容的に非常に良かったが、欲を言えば2点目を取って確実にゲームを決められないと夏場に厳しくなると思う。今日は、本当に選手の集中力・個の高さ・チームとしての狙いをやり切ってくれたことに満足しているが、2点目を取らなければいけない試合だった。2点目を取りきることを課題として次のゲームに向かいたい」