GAME RESULT試合結果
第2節 2012/8/08(水)
観衆 10,573人
天候 晴、弱 気温 24.8度 湿度 56%
主審:扇谷 健司 副審:田尻 智計/相葉 忠臣 四審:吉田 寿光
YNC 決勝トーナメント 第2節
味スタ
2-0
試合終了
前半0-0
後半2-0
FC東京 | ベガルタ仙台 | |
---|---|---|
81' 石川 直宏 90'+3 渡邉 千真 |
得点者 | |
60' 田邉 草民 → 梶山 陽平 76' 谷澤 達也 → ルーカス 84' エジミウソン → 渡邉 千真 |
選手交代 |
41' 田村 直也 → 内山 俊彦 74' ウイルソン → 奥埜 博亮 84' 朴 柱成 → 中原 貴之 |
11 | シュート | 5 |
3 | CK | 9 |
19 | FK | 23 |
30' 田邉 草民 42' 谷澤 達也 |
警告 |
37' ウイルソン 51' 内山 俊彦 62' 鎌田 次郎 73' 朴 柱成 |
退場 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 14 | 中村 北斗 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 4 | 高橋 秀人 |
DF | 33 | 椋原 健太 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 8 | 長谷川 アーリアジャスール |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 27 | 田邉 草民 |
MF | 39 | 谷澤 達也 |
FW | 9 | エジミウソン |
GK | 21 | 廣永 遼太郎 |
DF | 5 | 加賀 健一 |
DF | 16 | 丸山 祐市 |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
MF | 36 | 三田 啓貴 |
FW | 11 | 渡邉 千真 |
FW | 49 | ルーカス |
GK | 16 | 林 卓人 |
DF | 23 | 田村 直也 |
DF | 2 | 鎌田 次郎 |
DF | 29 | 上本 大海 |
DF | 27 | 朴 柱成 |
MF | 8 | 松下 年宏 |
MF | 10 | 梁 勇基 |
MF | 15 | 太田 吉彰 |
MF | 11 | 関口 訓充 |
FW | 24 | 赤嶺 真吾 |
FW | 18 | ウイルソン |
GK | 1 | 桜井 繁 |
DF | 3 | 渡辺 広大 |
DF | 20 | 内山 俊彦 |
MF | 7 | 奥埜 博亮 |
MF | 19 | 武藤 雄樹 |
FW | 9 | 中原 貴之 |
FW | 13 | 柳沢 敦 |
【選手・監督コメント】
リーグ首位の仙台に勝ち切り、ナビスコ準決勝進出を
リーグ戦前節から中3日で迎えるナビスコカップ準々決勝第2戦。ホームでベガルタ仙台と対戦する7/25に行われたアウェイでの第1戦は、2点を先行しながら追い上げを許して同点で終わった。この第2戦ではスコアレス、あるいは1対1の引き分けの場合は、東京がアウェイゴール数で上回り、準決勝に駒を進めることになる。
だが、ポポヴィッチ監督は「有利だとかアドバンテージという気持ちが少しでもあると、その時点で負け。どの試合もそうだが、『この一発勝負ですべてが決まる。これが決勝戦だ』という気持ちで臨まなければいけない。そうやって戦った後に第1戦の結果が活きることもあるが、勝ち点の計算をしてもよい結果にはつながらない」と話し、「シンプルに勝利をめざしていく」一戦だ。
対する仙台は、7/14リーグ第15節以降は、4試合にわたって引き分けが続いているが、粘り強さを発揮し、着実に勝ち点を積み上げることで再びリーグ首位に立っている。今日は仙台にとって「得点を奪わなければいけない」「勝たなければいけない」状況となり、アウェイでも果敢に攻めに出てくるだろう。それに対して東京は、無失点で推移する時間を長くしたいところ。さらにスタンドの後押しを受けて精神的に優位に立ち、落ち着いた展開で勝利をつかみたい。
メンバーについて、監督は「リーグとの連戦、暑さの中で消耗もあり、正直にいうと休ませたい選手がいる」と話し、加賀、ルーカスはベンチに。一方でエジミウソンが初先発に。また浦和戦と同様に高橋をセンターバックに起用し、右サイドバックは中村、左に椋原。サイドは石川、そして谷澤も先発に名を連ね、田邉がトップ下を務める布陣で臨むことになった。これまでの酷暑がひと段落したように涼しさも感じる味スタ、試合は19時5分に仙台のキックオフでスタートした。
落ち着いたボール回しと試合運びで前半をスコアレスで終える
落ち着いて試合に入り、しっかりとボールを回して攻めに出ようとした。その中で隙があれば積極的にチャンスを狙い、2分には米本の大きなサイドチェンジを右エリアで受けた石川がダイレクトで中に送り、エジミウソンがゴールを狙う。4分、中央の長谷川が右前線へ。エジミウソンが抜け出し、エリア中央の石川にパスを送る。7分にはエジミウソンが相手陣内中央でファールを受け、FKを得る。距離のあるところから中村が狙い、ゴール右下を捉えたがGKにセーブされた。
エジミウソンはキープ力と運動量も発揮し、前線で確実にボールを収めることで、チームとして前に運ぶ局面が増えた。だが立ち上がりは勢いのなかった仙台も、徐々にセットプレーを中心にして反撃。また14分には仙台・MF関口がドリブルで左サイドを持ち上がり、中を上がったFWウイルソンにつながれ、左エリアに抜け出されてシュートを打たれる。27分にもMF関口のドリブル突破を止めることができず、外側にフォローしたMF梁につながれ、ライン際からの鋭い左クロスに、右MF太田がゴール前に詰めてヘディング。決定的な形を作られたが、いずれも枠を外れる。
29分には東京が決定機を作る。米本が中央から左へサイドチェンジ。オーバーラップした椋原が前に持ち出し、ファーへ長いクロス。右エリアの石川がダイレクトで合わせたが、強烈なシュートはバーをヒット……。35分には左サイドで田邉がキープしてつなぎ、中央の谷澤→右サイドの中村が中に回り込み、枠内にシュートを放ったがGKにキャッチされた。仙台に攻め込まれる局面もあったが、慌てずに粘り強い戦いから攻撃につなげ、チャンスを伺う展開に。守備では失点を抑え、スコアレスで前半を終えることになった。
ナオゴール! 渡邉が2点目を決め、狙いどおりの展開で準決勝進出!
後半立ち上がりには立て続けに決定機を迎える。48分、左サイドで細かくなぎ、谷澤→田邉が左エリアへ仕掛けてえぐり、ゴール前にマイナスのパス。長谷川が合わせようとしたが、直前でDFに阻まれた。続いて素早いパスワークから、今度は谷澤が左エリアに抜け出し、ゴール至近距離でGKと1対1に。しかしシュートはセーブされ……。
このチャンスを逃すと、仙台はロングボールを前線のFW赤嶺に送り、セットプレーから攻め込んでくる。これに対して東京は60分に梶山を投入。70分には、石川が左前線を突き、ゴール前へのパスが、右エリアの谷澤のもとに。ここでシュートは打てなかったが、判断よく中央につなぎ、梶山がゴールを狙ったが、DFにブロックされてしまった。
0対0のまま時間は進み、このままの引き分けでも準決勝進出が果たせることになるが、76分にはルーカスを投入し、勝負に出た。迎えた81分、相手陣内左サイドでルーカス→椋原がつなぎ、内側の米本が相手の裏を突いて浮き球のパスを送る。ここに石川がスピードを活かして走り込み、相手DF朴と競り合いながらも、飛び出してきたGKをかわすように右足でループ。これがネットにふわりと吸い込まれ、“ナオゴール”でほしかった先制点をマークした!
これで『2点』が必要になった仙台は、84分に長身のFW中原を投入し、前線にロングボールを集めて反撃に臨んできた。東京も84分にはエジミウソンに代わって渡邉がイン。仙台のパワープレーを集中してしのぎつつ、守りに入ることなく、そこからさらに逆襲を仕掛けた。
ロスタイム、粘り強い守備で奪い切り、自陣から米本が相手陣内にパスを送る。相手DFのそばでバウンドしたボールに対して渡邉が抜け出し、ドリブルで独走。前に飛び出したGKをかわしたため角度がなくなったが、右エリアから左ネットにきっちりと流し込み、2点目をゲット!狙いどおりの試合運びで米本が2得点の起点となると同時に、守備では無失点に。仙台に勝ち切って準決勝進出を決めた。なお準決勝では清水エスパルスと対戦する。
【選手コメント】《石川》「0対0の時間が続き、次に進むためには引き分けでもよかったが、すっきりと勝ちたかった。リーグ戦でふがいない戦いが続いていたので、勢いをつけたい気持ちもあった。今日は前半からしっかりと回して、足元でつなぐところと裏を狙うバランスもよかったのではないか。前半は相手の守備がタイトだったこともあり、疲れて動きが落ちたときが勝負だと考えていた。そこで隙を突けるというのも大事なこと。ゴールは、パスの出し手の米本選手を含め、裏への意識が実った形。パスは、いいボールだった。少しボールが止まったし、あれぐらいの長さ、スピードがあるほうがGKも前に出てきてくるので。シュートも狙いどおり。打ってから決まるまでの時間は、ずっと『入れ!入れ!』と思っていた(笑)」
《渡邉》「(ゴールについて)キーパーが前に出てきてので、ボールを早めに触って前に出し、自分の身体を左から入れようと考えていた。ボールが跳ねて角度がなくなったが、結果的に決めることができてよかった。ただ終了間際に、追加点を決めてもそれほどうれしくはない。次にどう活かせるかが大事。リーグ戦に向けてまた準備をして頑張りたい」
【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「ポジティブな結果だけでなく、質の伴った試合内容を評価している。リーグ前節浦和戦はタフな試合だったが、中3日で行われた今日は、首位を走る仙台を相手に賢く、シンプルにやるべきことをやれた。90分間を通して主導権を握れたし、浦和戦に続いて安定感というものが少し出てきたかと思う。選手全員が自分の持っている力を出し切ってくれた。個人名を挙げて褒めるのは好きではないが、今日に関しては森重、高橋がすごく良いプレーをしてくれた。首位・仙台を相手に、我慢強く、粘り強くシンプルにコンパクトに戦えたことにも満足している。観ていただいてわかるとおり、ピッチが悪い中でも繋ぐサッカーをできた。
(安定感の理由は?)90分間を通して気を抜かなかったし、失点に繋がるようなプレーがなかった。これまでの試合でも、相手に崩されて…というより、自分たちのボールの失い方やミスからの失点が多かった。今日は90分間集中していた。(エジミウソンとルーカスが上手く周りを使い、それによって他の選手も活きたのでは?)個人技だけが光っていても効果的ではないし、結果は得られない。いい個人がチームプレーをして貢献するからこそ、いい結果が得られると思う。チームの一員としてさらにコレクティブにプレーできれば、ここからもっと良いチームになっていくだろう」
【仙台・手倉森監督の会見要旨】「残念な結果になった。第1戦を2対2で引き分けているので、今日は点を取って勝つしかない、その可能性を信じて全力を尽くそうとしたが。試合中にDFが負傷したため、0対0で推移し、その後アタッカーを投入するというゲームプランが少し崩れてしまった。ただ、手は尽くしたし、選手たちも連戦の中でも全力を尽くしてくれた。4強には進めなかったが、得たものはあると信じている。それを残りのリーグ戦にぶつけていきたい。我々と同様に可能性を信じて、平日の夜にも関わらず最後まで応援してくれた仙台サポーターに感謝しつつ、申し訳なく思うが、リーグ戦でタイトルを獲るためにこれからも一緒に戦ってほしいと思う」