GAME RESULT試合結果

第32節 2012/11/17(土)
観衆 17,454人 
天候 雨、弱 気温 10.1度 湿度 76% 
主審:飯田 淳平 副審:中野 卓/間島 宗一 四審:榎本 一慶

J1 第32節

味スタ

HOME

FC東京

0-1

試合終了

前半0-1

後半0-0

AWAY

ヴィッセル神戸

FC東京 ヴィッセル神戸
得点者 27' 奥井 諒
35' 中村 北斗 → 太田 宏介
55' 田邉 草民 → 渡邉 千真
76' 梶山 陽平 → ネマニャ ヴチチェヴィッチ
選手交代 56' 都倉 賢 → 田代 有三
77' 野沢 拓也 → 三原 雅俊
81' 奥井 諒 → 茂木 弘人
12 シュート 7
6 CK 0
26 FK 22
66' 高橋 秀人
警告 22' 都倉 賢
70' 大久保 嘉人
85' 小川 慶治朗
退場
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 30 チャン ヒョンス
DF 14 中村 北斗
MF 4 高橋 秀人
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
MF 18 石川 直宏
MF 10 梶山 陽平
MF 27 田邉 草民
FW 49 ルーカス
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 5 加賀 健一
DF 6 太田 宏介
MF 7 米本 拓司
MF 17 河野 広貴
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
FW 11 渡邉 千真
ヴィッセル神戸先発
GK 28 嘉味田 隼
DF 25 奥井 諒
DF 4 北本 久仁衛
DF 19 伊野波 雅彦
DF 3 相馬 崇人
MF 18 田中 英雄
MF 27 橋本 英郎
MF 8 野沢 拓也
FW 13 小川 慶治朗
FW 10 大久保 嘉人
FW 9 都倉 賢
ヴィッセル神戸控え
GK 1 植草 裕樹
DF 21 茂木 弘人
DF 23 イ グァンソン
MF 7 朴 康造
MF 14 森岡 亮太
MF 24 三原 雅俊
FW 11 田代 有三

【選手・監督コメント】

ACL出場の可能性を追い求め、残留を争う神戸を迎え撃つ


 約10日間のインターバルを経て、リーグ第32節が開催。ホームでヴィッセル神戸を迎え撃つ。前節はセットプレーから失点を喫するとともに名古屋の堅守を破れず、無得点で敗れた。ただし、他カードの結果によりJ1残留が確定。また、ACL出場権を得られる3位との勝ち点は5差のままで、「可能性が残る限り、それを追い求めていく(権田)」と、選手たちはあらためて決意を込め、ここからのラスト3試合を戦い抜く。

 今節は長谷川の出場停止が明け、先発に復帰。日本代表のW杯予選から帰国したばかりの高橋と権田もスタメンに名を連ね、高橋と長谷川がダブルボランチを組む布陣で臨む。

 対する神戸は、現在勝ち点36で15位に。8月18日第22節を最後に、9戦にわたって未勝利が続き、前節終了後に安達新監督を迎えることになった。東京にとって過去のJ1リーグ対神戸戦は、2002年から16試合にわたって無敗を続けており、苦手意識はないといっていいだろう。しかし神戸は降格圏を脱するために相当な意気込みで臨んでくるはず。一昨年の残留争いも記憶に新しく、ここぞというときの勝負強さとまとまりは、あなどることはできない。

 安達新監督が率いるチームはメンバー表の上では3トップだが、これまでの布陣と変わらずFW大久保と都倉の2トップ、両サイドにMF野沢とFW小川。ダブルボランチにMF橋本と田中。センターバックをDF伊野波と北本が組む布陣。

 神戸の闘志を上回るためにも、まず球際やセカンドボールの勝負で競り勝ち、試合の主導権を握って勝利をめざしたい。成長と勝負にこだわる姿勢を見せて、ホームで勝ち点3の奪取を!朝から雨が降りしきり、冬の訪れを感じさせる天候のもと、試合は17時4分に東京のキックオフでスタートした。

球際、攻守の切り替えの意識を保ちながらも、先制を許し…


 集中して試合に入り、立ち上がりはリズムをつかんだ。開始1分、ルーカス、梶山とつなぎ、左サイドの田邉が一歩中に持ち出してゴールを狙う。4分には自陣右サイドで石川のインターセプトからカウンターを仕掛け、梶山→石川が右前線からグラウンダー気味の鋭いクロス。これに合わせてファーから田邉が飛び込んだが、わずかに合わず。8分、石川→長谷川がつなぎ、右サイドを上がった徳永がエリア内までドリブルで突進し最後は中央へラストパス。これは神戸DFに阻まれたが、ロングボールを蹴ってくる神戸に対して落ち着いた守備で奪い、すぐさま攻撃に切り替えてスピーディに仕掛けた。

 10分には神戸・左サイドバックの相馬が中央へ攻め上がり、シュートを打たれたが、東京DFがブロックし、梶山がダイレクトで右の石川に展開。石川→再び中央を上がった梶山がペナルティアーク直前からフリーでシュートを放つが、大きくバーを越える。14分にも長谷川のインターセプトから、石川が右サイドを駆け上がり、クロス。サイドを起点に好機をつくったが、飛び込んだルーカスは打ち切れなかった。

 セカンドボールや球際の意識も高く、神戸にはチャンスらしいチャンスを作らせていなかったが、22分には神戸・MF田中が、エリア手前中央のFW都倉へ縦パス。FW都倉は足元で収め、素早い反転からシュート。攻めの形を作られ、フィニッシュまで持ち込まれたが、権田が危なげなくセーブした。

 しかし27分、高橋が前線へ送ったパスを、神戸右サイドバックの奥井がカット。ドリブルで持ち上がられ、前線中央のFW小川にパスを送られる。FW小川はトラップでチャン ヒョンスをかわすようにして、DF奥井にリターン。このワンツーからの攻め上がりを東京は捕まえられず。DF奥井に前に持ち出され、エリア手前からスピードに乗ったシュートを放たれ……ボールはゴール左下にイン。またしてもリズムを掴みながらも、先制を許すことになった。

 35分には中村に代わり、6月16日第14節以来の出場となる太田がイン。流れを取り戻そうとしたが、このあたりから雨脚が激しくなり、ピッチには水が溜まる状況に。それでもロスタイムには、太田が左サイドをえぐってエリアに進入。至近距離からゴール前にラストパスを送り、決定的なチャンスを作ったが……梶山のシュートはヒットせず。1点のビハインドを背負って、後半へ折り返すことになった。

水しぶきが上がりボールが止まるピッチで……無得点で連敗


 後半開始2分には、右サイドを上がった梶山がゴール前に浮き球のパスを送り、中央の田邉が胸トラップからダイレクトで決定的なシュートを放ったが……GKのセーブに阻まれ、エリア内でこぼれを奪った石川のシュートもブロックされた。50分には右サイドからのFKのこぼれから、太田がロングシュートを狙うが左に切れる。

 その後は、激しく水しぶきが上がり、ボールが止まるほどのピッチ状態に。互いに苦しみ、消耗戦の様相を呈することになった。だが55分には渡邉を投入。蹴っては止まるの繰り返しで、なかなかサッカーらしい形を作れない中でも、前線にボールを集め、打開を図ろうとした。

 その狙いどおりに、62分には右クロスに合わせて、渡邉がヘディングシュート。68分には右エリアの外でパスを受けた渡邉が自ら前に持ち出し、ゴールに向き直って鋭いシュートを放ったが、バーをかすめてファーに流れ……。75分にはパスをつないで、右エリアの石川が強烈なシュートを放つが、GKのセーブに阻まれ、こぼれには長谷川も反応しきれなかった。

 76分にはネマニャ ヴチチェヴィッチを投入。さらにゴールに向かう姿勢を打ち出した。78分には右エリアすぐ手前でルーズになったボールにヴチチェヴィッチがすぐさま寄せて、抑えたシュートを放つが、GKの正面に…。83分には渡邉が自ら右前線を突破。中央への折り返しに合わせた石川、ルーカスが立て続けにゴールを狙い、CKを得る。この右CKから、ルーカスがどんぴしゃのヘッドを放つが……これもGKの好セーブに阻まれる。

 無理に攻めず、守り切ろうとする神戸を押し込み続け、後半は神戸のシュート1本に対して東京は9本を放ったが、ゴールを割ることはできずに無得点で連敗…。J1リーグの対神戸戦では、2002年8月10日以来の敗戦となり、この結果により今季4位以上の可能性は消滅した。

 【選手コメント】《長谷川》「先に失点しないように気を付けようと、みんなで話し合っていたが…。先制を許して、その後にピッチ状況も悪くなり、試合が難しくなった。今季はどうしても、こちらが先に取れないうちに失点することが多い。そこは絶対に修正したい。後半は、1度裏に蹴って、止まったボールからチャンスを作ったり、セットプレーからのヘディングシュートもあった。やり切ることはできていたと思う。そこをなんとか得点につなげたい。あと2試合、東京のスタイルを出して勝ちたい」

 《渡邉》「ボールがつながらない中で、どんどん前にいく姿勢をみせて、チームの勢いも出したかった。なんとかまず1点を取ろうとしたが……なかなかうまくいかなかった。決定機といえるチャンスもあったかもしれないが、決められず、結果を出せなかったことがとても残念。自分の力を出すことでチームに貢献したかったが。しっかりと自分の力を出し切ることで勝ち点3をとれるように頑張りたい」

 【ポポヴィッチ監督の会見要旨】「サッカーについて語ることが非常に難しい。水球を戦う準備はできていなかったので。結果については対戦相手におめでとうを言いたい。我々は失点を喫する前にチャンスを作っていたが、それを活かすことができなかった。そこが課題。ただ、最後まで諦めずにゴールへ向かう姿勢は後半も見せ続けられた。チャンスを作ってゴールに迫るが、決めきれなかった。ゴールだけが足りなかったと言える。選手たちが見せ続けてくれた気持ち、ゴールへ向かう姿勢は評価できると思う」

 【神戸・安達監督の会見要旨】「前半は、雨が降る中でもお互いにやりたいサッカーがあった。後半は天候やピッチ状況もあり、ひたすら肉弾戦を戦うような球際の勝負になった。前半については、割と狙い通りに試合を進めることができた。東京はフェアで質の高いサッカーをしてくる。それに対して、どちらかというと守備から入る形でゲームを進めた。ピッチが濡れていたこともあり、DF奥井がよいシュートをよい時間帯に決めてくれて、それが決勝点になり勝ち点3を獲ることができた。ただ、非常に激しい試合だったので、ケガ人が出ていないかが少し心配。東京は普段でもピッチに水を撒くことが多いので、練習でスリッピーな状況を作り、水対策は多少してきたが、これほど雨が降り、水溜まりができてボールが進まなくなるとは考えていなかった」