GAME RESULT試合結果
第10節 2013/5/06(月)
観衆 28,565人
天候 晴、弱 気温 24.1度 湿度 30%
主審:岡部 拓人 副審:西尾 英朗/間島 宗一 四審:荒木 友輔
J1 第10節
味スタ
2-2
試合終了
前半0-2
後半2-0
FC東京 | ジュビロ磐田 | |
---|---|---|
73' 石川 直宏 90'+3 李 忠成 |
得点者 |
29' 伊野波 雅彦 40' 小林 裕紀 |
59' 加賀 健一 → 李 忠成 59' ルーカス → 石川 直宏 72' 渡邉 千真 → 平山 相太 |
選手交代 |
69' 山本 康裕 → ペク ソンドン 89' 山田 大記 → 山本 脩斗 |
13 | シュート | 9 |
8 | CK | 5 |
16 | FK | 9 |
15' 東 慶悟 |
警告 |
63' 伊野波 雅彦 |
退場 |
GK | 20 | 権田 修一 |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 5 | 加賀 健一 |
DF | 6 | 太田 宏介 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 49 | ルーカス |
MF | 38 | 東 慶悟 |
MF | 8 | 長谷川 アーリアジャスール |
FW | 9 | 渡邉 千真 |
GK | 1 | 塩田 仁史 |
DF | 30 | チャン ヒョンス |
MF | 17 | 河野 広貴 |
MF | 18 | 石川 直宏 |
MF | 27 | 田邉 草民 |
FW | 11 | 李 忠成 |
FW | 13 | 平山 相太 |
GK | 1 | 川口 能活 |
DF | 5 | 駒野 友一 |
DF | 24 | チョ ビョングク |
DF | 19 | 伊野波 雅彦 |
DF | 33 | 藤田 義明 |
MF | 23 | 山本 康裕 |
MF | 6 | 田中 裕人 |
MF | 7 | 小林 裕紀 |
MF | 10 | 山田 大記 |
FW | 17 | 金園 英学 |
FW | 18 | 前田 遼一 |
GK | 21 | 八田 直樹 |
DF | 20 | 山本 脩斗 |
DF | 25 | 櫻内 渚 |
MF | 11 | 松浦 拓弥 |
MF | 26 | 松岡 亮輔 |
FW | 8 | ペク ソンドン |
FW | 9 | 山崎 亮平 |
【選手・監督コメント】
磐田の強い気持ちを上回る戦いで、4連勝をめざす
前節から中2日で臨むリーグ第10節。ホームにてジュビロ磐田を迎え撃つ。前節はアウェイで価値ある勝ち点3をもぎ取り、3連勝を果たした。ただし選手たちは一様に「誰も満足をしていない」と、さらに危機感を強めて今節に臨む。
対する磐田は、現在1勝2分6敗で17位に。今季は苦しい状況が続き、第8節湘南戦で初勝利を挙げたものの、前節甲府戦後に監督が交替。今節より暫定的に長澤ヘッドコーチが指揮を執ることになった。
磐田にとっても準備期間が少ない中、長澤ヘッドコーチは「相手にとって何が脅威かというところから考えて」と理由を説明し、これまでの3バックから布陣を変更。FW金園とFW前田の2トップに。ルーキーでリーグ初出場となるMF田中とMF小林がダブルボランチを組む4-4-2のフォーメーションで臨んできた。
東京は、前日腰を負傷した森重も大事に至らず。5戦連続・同様のスタメンで臨むことに。勝利に対して強い気持ちで臨んでくる磐田に対して、受けに回らず、優位に進めるためにもアグレッシブさを失わず、常に先手をとり、4連勝につなげたい。よく晴れ渡り、気温が上がって暑さも感じるなか、試合は15時3分に東京のキックオフでスタートした。
動きが重く、隙を突かれて2失点……
開始1分、磐田の左クロスのこぼれから、左エリアのMF山本康をフリーにしてしまい、絶好のチャンスを作られた。だがシュートが枠を外れると、その後は徐々に東京がボールを支配。パスをつないでチャンスをうかがう展開に。だが東京はどこか身体が重く、同時に磐田がきっちりと守備ブロックを作り、中央を固めてきたため、簡単にエリアに進入することができず。DFラインでボールをまわす時間が長くなった。
一方の磐田は前線にロングボールを送り、FW前田と金園を起点としてスピーディに攻め込む展開に。28分には右前線に抜け出した磐田FW金園がクロスに持ち込もうとしたが、東京DFがCKに逃れた。しかし29分、この磐田の右CKの場面でDF駒野に鋭いキックを送られ、ファーのDF伊野波がスタンディングのままヘディングシュート。東京は足を止めた形でボールを見送り、セットプレーから先制を許してしまった。
それでも東京は長谷川、東、ルーカス、渡邉らの細かいパスワークから磐田DFを崩そうとしたが、最後のところで連係のタイミングがずれる場面が続いた。40分には磐田・右前線へ抜け出そうとするFW金園にロングボールが送られる。これはスローインに逃れたが、スローインからDF駒野につながれ、フリーでクロスを上げられる。これに対して守備の対応が遅れ、エリアに進入したボランチのMF小林裕を抑えきれず。東京DFのあいだをワントラップで前にすり抜け、権田との1対1を確実に決められ……。
45分には左エリアの高い位置で縦パスを受けた長谷川が、巧みなコントロールで反転して中央にラストパスを送ったが……ゴール前の渡邉は反応しきれず、空振りに。チャンスを活かせず、反対に守備の隙を突かれる形で2点のビハインドを背負い、前半を終えることになった。
石川、李、平山がフレッシュな風を吹き込み、劇的にドローに持ち込む
後半も東京がボールを支配したが、攻めあぐねる時間が続き、59分に石川と李を投入。高橋がDFに下がり、長谷川がボランチに。石川と東が両サイドに回る形で状況を打開しようとした。これを機に徐々にスピード感のある攻撃につなげられるようになる。
66分、太田の左クロスを、ファーの李と磐田DFが競り合い、すぐ後ろにこぼれたボールを石川がダイレクトシュート。72分には、長谷川が相手DFの裏を狙って鋭い浮き球のパスを送り、これに合わせて左エリア深くに東が飛び出したが、トラップで収められなかった。直後に平山を投入、これがすぐさま奏功することになる。
73分、スローインからつなぎ、米本がエリアに縦パス。これを左エリアで受けた平山が強さを活かして相手を抜き去り、ライン際まで持ち込み、中央のスペースにマイナスのラストパス。ここにフリーで走り込んだ石川がネットに突き刺すようにゴール。石川の今季初ゴールで1点差に詰め寄ると、スタンドもヒートアップ。追い上げムードが高まる中、猛攻を仕掛けることになった。
82分には太田→左前線のナオがクロス。ファーの平山がヘッドで合わせたが、勢いがなく枠外に。88分には徳永から、前線に石川を走らせるパス。受けた石川は中に持ち込み、シュート性のボールをゴール前に。李が片足で反応したが枠外に。磐田を自陣に張り付かせ、猛攻を仕掛けるもわずかのところで決めきれない場面が続いた。
すると迎えたロスタイム、左前線に仕掛けた太田が一度は相手に奪われるが、プレスをかけて奪い返し、後ろにフォローした石川が左クロスを入れる。これに合わせてゴール前に平山がヘッドで飛び込むが、交錯するように磐田GKがパンチング。だが、こぼれたボールを左エリアの太田が冷静にプレーを止めず、ダイレクトで中央へグラウンダーのパス。これを李が蹴り込んで同点弾。
2点のビハインドから終了間際に劇的に追いつき、今季初のドローに。逆転こそ果たせなかったが最後まであきらめない気持ちを発揮し、貴重な勝ち点1につなげた。
【選手コメント】
《石川》
「『どんどん裏を狙っていけ』という指示を受けてピッチに立ち、スペースを使っていこうとした。そういう自分の特徴を活かしながらもボールサイドや全体を見て、ポジショニングも意識した。すべてはゴールにつなげるための意識だった。ゴールは、『よいボールが来たな!』という感じ。平山選手が前で起点を作ってくれたことで得点につながったと思う。ゴールは僕の意地でもあり、李の意地でもあり、チームの意地でもあった」
《李》
「FWとしてやるべきことをしっかり続けることを意識している。今日もあまり下がらず、最後の局面で勝負しようと考えていた。得点はその自分の持ち味が出せたと思う。ただ、自分のヘディングを含めて逆転できるチャンスもあったので……。もう1点を獲って勝ちたかった。もっともっとできると思うし、満足することはできない。限られた時間の中で結果を残していくことは難しいが、結果を出し続けて勝利に貢献できるようにしたい」
【監督会見要旨】
《ポポヴィッチ監督》
「心臓が痛くなるようなゲームだったが、2点リードされた後にしっかりと追い付けたことは評価できる。今日はいつもの私たちの状態からすれば、満足できるモノではなかったが、スピーディにボールを運んで効果的なサイドチェンジをして、ボールを動かせているときはチャンスを作れていた。
ただ、普段よりアグレッシブさが足りなかった。セカンドボールを拾えず、前半は攻撃に繋げていくことができなかった。失点の場面では、全員が立って見ているだけというシチュエーションを作ってしまった。そうなればジュビロという強い相手ではなくても、ゴールを決めることは簡単。
ハーフタイムには『球際、攻守の切り替えやプレーの精度を含め、本来の自分たちのプレーを出せれば、この試合は勝てる』と選手に伝えた。そのためには全体が戦わなければいけないし、運動量を増やさなければならない。前半よりもアグレッシブにならなくてはいけない。そして最終ラインは下がるのではなく、コンパクトにするためのラインコントロールをしてセカンドボールを拾わなければいけないと。後半は、相手にセカンドボールをを拾われることはなかったと思うし、我々がボールを持つ時間も長かった。セカンドを拾って決定機に繋げた場面もあった。
私たちの選手は諦めずに戦い、最後の最後で同点に追い付いた。GWでたくさんの方々に観に来ていただいた中で、それは子どもたちへのメッセージでもある。本当はしっかりと勝ちきりたかったが、最後まで諦めなければいい結果を得られる。だから最後まで戦うんだ、と。戦う姿勢を見せられたことは非常に良かったと思う」
《磐田・長澤ヘッドコーチ》
「先週に大きなことがあったが、サポーターの皆様が足を運んでくれ、最後まで応援をしてくれた。本当にありがたく、感謝している。試合の分析として、アウェイ味スタでは、東京に多少イニシアチブを持たれるのは想定内だった。その中で自分たちのペースに引き込むための準備をした。トレーニングのコマは一つしかなかったが、選手は十二分にやってくれた。東京の執念で最後は追い付かれてしまったが、全くネガティブに考えることなくアウェイでベストを尽くしてくれた選手には感謝している」