GAME RESULT試合結果

第15節 2013/7/10(水)
観衆 25,638人 
天候 晴、無 気温 29.4度 湿度 68% 
主審:木村 博之 副審:大塚 晴弘/穴井 千雅 四審:佐藤 貴之

J1 第15節

埼玉

HOME

浦和レッズ

2-2

試合終了

前半0-1

後半2-1

AWAY

FC東京

浦和レッズ FC東京
81' 興梠 慎三
86' 原口 元気
得点者 11' 三田 啓貴
56' 長谷川 アーリアジャスール
55' 鈴木 啓太 → マルシオ リシャルデス
69' 平川 忠亮 → 宇賀神 友弥
74' 梅崎 司 → 関口 訓充
選手交代 76' 東 慶悟 → ルーカス
88' 渡邉 千真 → 石川 直宏
89' 長谷川 アーリアジャスール → ネマニャ ヴチチェヴィッチ
13 シュート 7
6 CK 3
11 FK 12
50' 平川 忠亮
58' マルシオ リシャルデス
警告 34' 長谷川 アーリアジャスール
69' 森重 真人
退場
浦和レッズ先発
GK 18 加藤 順大
DF 46 森脇 良太
DF 4 那須 大亮
DF 5 槙野 智章
MF 14 平川 忠亮
MF 22 阿部 勇樹
MF 13 鈴木 啓太
MF 7 梅崎 司
MF 8 柏木 陽介
MF 24 原口 元気
FW 30 興梠 慎三
浦和レッズ控え
GK 1 山岸 範宏
DF 2 坪井 慶介
DF 6 山田 暢久
DF 17 永田 充
MF 3 宇賀神 友弥
MF 10 マルシオ リシャルデス
MF 11 関口 訓充
FC東京先発
GK 20 権田 修一
DF 2 徳永 悠平
DF 3 森重 真人
DF 30 チャン ヒョンス
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 7 米本 拓司
MF 36 三田 啓貴
MF 38 東 慶悟
MF 8 長谷川 アーリアジャスール
FW 9 渡邉 千真
FC東京控え
GK 1 塩田 仁史
DF 16 丸山 祐市
MF 17 河野 広貴
MF 18 石川 直宏
MF 32 ネマニャ ヴチチェヴィッチ
MF 49 ルーカス
FW 13 平山 相太

【選手・監督コメント】

上位浦和との対戦、前節の課題を活かして


リーグ第15節が開催。アウェイで浦和レッズとの対戦。前節広島戦は、終了間際にFKから失点。それまで守備の粘り強さを発揮していただけに、ショッキングな形での敗戦に終わった。攻撃面でもカウンターからチャンスを作ったものの、選手たちは「アグレッシブさが足りなかった」と反省を口にし、この苦い敗戦で学んだことを活かして今節に臨む。

今節は、加賀が警告累積で出場停止に。そのためセンターバックにチャン ヒョンスを、ボランチに高橋を配す形に。一方、渡邉がケガから復帰し先発に。ルーカスがサブに、石川もコンディションを上げ、ベンチ入りを果たした。

対する浦和は、現在2位に。首位とは勝ち点3差につけ、リーグ戦ではここ6戦、ナビスコカップを含めると8戦連続で負けなしと、絶好調だといえるだろう。3-6-1の布陣で、1トップにFW興梠、2シャドーには原口、柏木、またマルシオ リシャルデスらと、連動性とともに個で打開ができるメンバーが揃う。広島と似たスタイルではあるが、攻撃の多彩さという点を考えれば、より的が絞りづらくなるはず。

ひとときも気の抜けない展開になりそうだが、粘り強さを維持するとともに、前から奪いにいき、東京がボールを持つ時間を長くすることで対抗したい。上位につける浦和、そしてアウェイゲームであるが、臆することなく勝負に挑む。日が沈んでも湿度の高さを感じる埼スタ、試合は19時35分に浦和のキックオフでスタートした。

攻守にアグレッシブな姿勢をみせ、三田がリーグ戦初ゴール!


開始から積極的な戦いをみせた。前からプレスをかけるとともに、浦和の前線への縦パスをことごとく抑えて奪い、切り替えの早い攻撃につなげた。11分、浦和・右MF平川のクロスに合わせ、エリア中央にはMF柏木が走り込んでいたが チャン ヒョンスが足元でカット。その勢いまま左サイドに流れ、前線につないだパスは浦和にわたってしまうが、ここからのパスを渡邉がインターセプト。自ら持ち上がり、右に展開する。

受けた三田はドリブルで右エリア角付近まで切り込み、ゴールを狙う。これが相手DFをかすめ、コースが変わってニアのネットにイン。果敢な姿勢が活き、三田のリーグ戦初ゴールで先制点を奪った!

その後も、ボールを動かしながら中央突破を図ろうとする浦和。それをインターセプトして素早い攻撃につなげる東京と、見応えのある攻防が続いた。28分には、中盤でのルーズボールを渡邉が奪い返し、一気にカウンターを仕掛けた。しかしオフサイドラインをケアしながら右サイドに飛び出した三田へのパスは、ワンテンポ遅れてつながらず。

30分を過ぎると、浦和の巧みなパスまわしに揺さぶられることになったが、最終ラインでは粘り強さを失わなかった。33分には浦和DFのクリアを、右サイドで拾った渡邉が鋭いシュートを放つが、GKの好セーブに阻まれる。35分には浦和・MF柏木のアーリークロスから、FW興梠にヘディングを放たれたが、権田がセーブ。42分には浦和の右CKの場面で、DF槙野にヘディングでコースを変えられたが、ファーのFW興梠にはわずかに合わず。ピンチをしのいで1点をリードして、前半を終了した。

長谷川の得点でリードを広げたが、2点差を守りきれず……


後半も先にチャンスを活かしたのは東京。55分に浦和MF鈴木が負傷のため、MFマルシオ リシャルデスと交代をした直後のことだった。56分、サイドのパスから、渡邉が右前線を突き、中央に走り込んだ三田へ。右エリア手前で相手DFを引き付け、左エリアの長谷川へラストパス。長谷川は相手DFのスライディングをよく見極め、それをかわすように冷静に左下に決めてゴール。連動したスピーディな攻撃で追加点を奪うことに成功した。

66分には渡邉が前線でプレスをかけ、浦和GKが蹴ったキックが渡邉自身に当たり、高く浮く。これを東が足下でコントロールして左エリアへ。そこに走り込んだ長谷川はサイドに流れ過ぎてシュートは打てなかったが、東へリターン。そこから右エリアにラストパスが送られ、渡邉がフリーで決定的なシュートを放ったが、GKの好セーブに阻まれてしまった……。

このビッグチャンスを逃すとその後は、攻撃的な選手を立て続けに投入した浦和の前に、守勢に立たされることに。76分にはルーカスを投入したが、効果的に前線につなげることができなくなった。81分、浦和にダイレクトで縦につながれ、前線中央のFW興梠がワンタッチで反転。チャン ヒョンスがかわされ、左エリアにフリーで抜け出され、難なくシュートを決められ追い上げを許した。

この失点から悪いリズムを立て直すことができないまま、浦和に押し込まれ、86分には浦和MF原口がドリブルから中央で高橋を切り返し、巧みなコントロールからミドル。味方と東京DFの狭い間を縫うように右下に決められ……。終盤には石川、ネマニャ ヴチチェヴィッチを投入したが、勝ち越しはかなわず。2点のリードを守りきれずに、ドローに持ち込まれてしまった。


【選手コメント】
《長谷川》
「ゴールはとったが、勝たなければ意味がない。前節ふがいない試合をしてしまって、今日はやってやろうという気持ちで試合に入った。守備に関してもうまくはまっていたし、攻撃ではつなぐところはつないで、前に出て行くところでは推進力をもって出ていけたと思う。でも勝てなかった。もったいない試合を何度も繰り返しているが、一年をとおして考えたときに今日のドローを次につなげられるようにしたい」

《三田》
「ゴールは相手に当たって入ったので、運がよかったとも思う。ただ、広島戦と今日も先発のチャンスをもらって、そこで勝利という結果が出せなくてすごく悔しい。試合の入り方としてはよかったとも思う。積極的なプレーをしようとした。(2点をリードしてからの戦い方について)20分ぐらいを残して引く時間が早かったのかなとも思う。もう一度前から取りにいって、アグレッシブに戦えればよかったが。前の動き出しもなくなってしまったし、反対に後ろで踏ん張ってキープすることもできなくなってしまった」


【ポポヴィッチ監督の会見要旨】
「戦術的な部分でもプレーの精度でもハイクオリティな試合を見せられ、良いゲームができたと思うが、このような展開でしっかりと勝ち切らなくてはいけない。そこが今季を通じての課題でもある。浦和には追いついたことに対して素直におめでとうと言いたいが、私たちが彼らを生き返らせてしまった。観ているみなさんにとってはおもしろい試合だったと思うが、私たちにとっては勝ち点1では満足することができない。

今日は平均年齢が24歳という若いメンバー主体で臨んだが、2失点にはその若さが出た部分もあった。若いチームでも勝つために何をしなければいけないのか、何をするべきかを理解して戦わなければならない。もちろん、全員が勝つために戦ったが、勝つために何をしてはいけないのかが足りなかった。そこを突かれて失点した。逆に言えば、若いチームなのでここからの可能性は十分にある。今日ももっと見せることができたと思うし、今日の経験は必ず次に繋がると確信している」

【浦和・ペトロヴィッチ監督の会見要旨】
「前節行われた東京対広島の試合を見て、今日どのような試合をしようか、と考えていた。東京は、今日も広島戦と同じ展開で臨んできた。我々も、東京や広島のようにしっかりと自陣に引いて、奪ってからカウンターのような守備的に戦うか、あるいは今までと同じ戦い方にするのか。長く考えていた。試合前にいつも通りに攻撃的に仕掛けていくやり方を決めたが、相手は予想通り自陣に深く引いて、我々のボールを奪ってカウンターという狙いだった。

相手は狙い通り、ミスを誘って得点をした。こういった連戦や気温が高い中では、守備的な戦いよりも攻撃的な戦いの方が難しい。やはり集中力やプレーの精度が必要になってくる。それは簡単な事ではない。守備的なサッカーをして相手の攻撃を壊す方が比較的簡単である。両チームともに、守備的なつまらない試合はしたくはなかった。リードはされたが、我々は攻撃的に仕掛けてリスクを負い、そこから危険な攻撃を仕掛けた。相手も疲れてくる中で、真ん中が空いてきたし両サイドの選手を代えることでサイド攻撃も活きた。

厳しい状況の中でも選手たちは強い気持ちを持って、何が何でも逆転するという気持ちを見せてくれた。私自身、東京は強いチームだと思っている。選手の能力にしてもチームとしても。そのチームを相手に、劣勢から追い付き、そしてあと5分あれば逆転できていたかもしれない。そのような状況まで持っていくことができた。選手たちの頑張りを称えたい」