GAME RESULT試合結果
第9節 2015/5/02(土)
観衆 42,604人
天候 晴、弱 気温 25.6度 湿度 38%
主審:東城 穣 副審:越智 新次/金井 清一 四審:蒲澤 淳一
J1 1st 第9節
味スタ
2-1
試合終了
前半0-1
後半2-0
FC東京 | 川崎フロンターレ | |
---|---|---|
71' 太田 宏介 87' 武藤 嘉紀 |
得点者 |
21' 大久保 嘉人 |
46' 河野 広貴 → 東 慶悟 50' 林 容平 → 前田 遼一 78' 羽生 直剛 → 三田 啓貴 |
選手交代 |
60' 小林 悠 → 武岡 優斗 67' 船山 貴之 → 角田 誠 89' エウシーニョ → 杉本 健勇 |
11 | シュート | 13 |
5 | CK | 2 |
16 | FK | 20 |
32' 吉本 一謙 46' 羽生 直剛 47' 森重 真人 79' 東 慶悟 |
警告 |
22' 大島 僚太 29' 車屋 紳太郎 64' 車屋 紳太郎 |
退場 |
64' 車屋 紳太郎 |
GK | 1 | 権田 修一 |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 29 | 吉本 一謙 |
DF | 6 | 太田 宏介 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 10 | 梶山 陽平 |
MF | 22 | 羽生 直剛 |
FW | 14 | 武藤 嘉紀 |
FW | 17 | 河野 広貴 |
FW | 23 | 林 容平 |
GK | 13 | 榎本 達也 |
DF | 5 | 丸山 祐市 |
DF | 33 | 奈良 竜樹 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 8 | 三田 啓貴 |
MF | 38 | 東 慶悟 |
FW | 20 | 前田 遼一 |
GK | 21 | 西部 洋平 |
DF | 18 | エウシーニョ |
DF | 4 | 井川 祐輔 |
DF | 5 | 谷口 彰悟 |
DF | 20 | 車屋 紳太郎 |
MF | 16 | 大島 僚太 |
MF | 14 | 中村 憲剛 |
MF | 11 | 小林 悠 |
MF | 10 | レナト |
FW | 15 | 船山 貴之 |
FW | 13 | 大久保 嘉人 |
GK | 30 | 新井 章太 |
DF | 3 | 角田 誠 |
DF | 17 | 武岡 優斗 |
MF | 6 | 山本 真希 |
MF | 7 | 橋本 晃司 |
FW | 9 | 杉本 健勇 |
FW | 27 | 安 柄俊 |
【選手・監督コメント】
ホームで迎える第25回多摩川クラシコ
1stステージ折り返しの第9節は、『第25回多摩川クラシコ』として川崎フロンターレをホームに迎え撃つ。前節は新潟に押し込まれたが、全員で耐えしのぎ、FKのワンチャンスを活かして勝利。山形戦に続いて、アウェイ連戦で勝ち点6をもぎとった。そこから中2日で迎える今節。ここにきて暑さも加わってきたが、マッシモ監督は「石川やカニーニの不在もあり、7~8選手をターンオーバーできる状況ではない」と明かす。連戦を乗り切る難しさにも直面しているが、どういう展開や流れになっても闘う気持ちを前面に押し出し、勝利にこだわる一戦だ。東京は出場停止が明けた梶山が先発に復帰。またFWの一角にリーグ戦初先発となる林を起用して臨む。
対する川崎は現在4勝2分2敗で5位につけている。ここまでの総得点は17。総失点は12で東京とは対照的だが、得失点差は共に「+5」。今節の結果により順位が入れ替わる可能性がある“直接対決”でもある。ただし川崎は、前節柏戦ではFKからの1得点に留まり、前掛かりになる中で4失点を喫した。そのため、今節に向けてどうバランスを変えてくるかが見どころでもあるが、なによりその攻撃陣は多彩。そのため、今節はFW大久保と船山を2トップに、MFレナトと小林が両サイドを務める布陣に。
それに対して東京は、いつもどおりの戦い方で90分間をとおして失点を抑えられるか、あるいは「たとえ1失点を喫したとしても、自分たちから崩れずに戦えるか(羽生)」がポイント。例年、熱い戦いになる多摩川クラシコだが、90分をとおして集中力と我慢強さ、そして勝負強さも発揮し、勝ち切りたい。
今年一番の暑さとなった晴れ渡った天候のもと、スタンドには今季最多の42604人が集まる中、試合は16時4分に東京のキックオフでスタートした。
川崎の支配を許し、セットプレーから失点
立ち上がりから球際の勝負で競り負けず、激しく渡り合った。5分、羽生、続いて梶山が粘り強く川崎ボールを奪って前線につなぐ。だが左前線の河野に展開したボールは川崎DFに抑えられ、チャンスにつなげることはできなかった。7分には中盤左サイドで武藤がファウルを受け、今日1本目のFKを獲得。太田が前線に米本を走らせ、米本は相手DFの間を抜けてクロスを送る。中央の林が競り合ったこぼれから、左エリア手前の河野がダイレクトで狙うが、ヒットし切れずブロックされた。
ここまではコンパクトな布陣を保って川崎にリズムを掴み切らせなかったが、徐々にプレスをかわされ、川崎のボール支配を許すことになった。20分には川崎MFレナトのドリブルに対して武藤がファウル。東京陣内・やや左寄りからのFKを与える。21分、この場面で川崎MF中村が中央を越えてファーに向かうキックを送り、大外から飛び込んだFW大久保にヘディングを叩き付けられ……。4月18日広島戦以来の失点で、先制を許してしまった。
33分には再び川崎のFKから、今度は右エリアのDF井川が東京DFをブロックするようにマークをずらし、その外側からMF小林に飛び出され、ダイレクトシュートを打たれる。決定的だったが枠を横切り、失点は免れる。45分にも川崎・左エリア角からのFKから、失点場面と同じようにファーのFW大久保に折り返されたが、これは権田がキャッチ。攻め込まれたものの、崩れることなく追加点は許さなかった。しかし攻撃では川崎の守備の前に前線まで運ぶことができず。チャンスを作れないまま前半を終えた。
流れを変え、太田、武藤のゴールで劇的な逆転勝利!
後半から東京は河野に代えて東を投入。50分には林に代わり前田がイン。アグレッシブな姿勢と前線からプレスをかけることで流れを掴みにかかった。52分、カウンターの応酬になる中、左の米本が前線へスルーパス。手前の前田がスルーし、エリア中央でフリーの武藤につながる。決定的だったが、武藤のシュートは……うまく合わせることができなかった。60分には川崎ゴール前で空中戦の攻防から、右エリアの武藤が受け、右ゴール至近距離から折り返したが……枠を横切った。
攻勢に出る中で、64分には自陣で梶山が川崎MF中村のパスを奪い、カウンターを仕掛ける。相手陣内を武藤がドリブルで突進。左エリア手前で川崎DF車屋のファウルを受ける。DF車屋はこのプレーで今日2度目の警告を受けて退場に。直後に東京はこれで得たFKから、ニアに飛び込んだ東が右足のダイレクトで合わせてシュート。決定的だったが相手GKのセーブに阻まれる。68分にもエリアに飛び出した東に、梶山からのフィードが通り、胸トラップで落としたが背後から川崎DFエウシーニョの厳しいマークを受け、シュートに持ち込むことはできなかった。
迎えた71分、今度は武藤が右エリア手前でファウルを受け、FKを得る、これを太田が直接狙い、鋭いキックを左下に沈めてGOAL!太田がまたもやセットプレーのチャンスを活かして同点に追い付いた。
その後、10人になった川崎も諦めず、持ち前の攻撃力を活かして攻めに出てきたが、スタンドの雰囲気に後押しされるように集中力を発揮し、反撃をシャットアウト。そして86分には東京の速攻から、中央を上がった東→左エリアの武藤が股抜きを狙うが阻まれる。しかし粘り強くこぼれを拾い、左前線・ゴールライン際からのFKを得る。
87分、この太田のキックに、どんぴしゃのタイミングで武藤が飛び込み、ヘディングを突き刺し、豪快なゴールで劇的に勝ち越しに成功!2得点ともにセットプレーからの得点だったが、流れの中でもペースを掴み、激しい試合を劇的に制して多摩川クラシコに勝利!同時にリーグ3連勝を果たした。
【選手コメント】
《武藤》
「前半は自分たちが思うようなプレーができなかったし、プレッシャーもかけられなかった。川崎に支配されて、その中で失点も喫したが、後半は前からプレスをかけることに切り替えた。それが上手く機能したと思う。ゴールの場面は、それまでずっとファーにいたがニアに入った。そこに太田選手が素晴らしいボールを送ってくれた。今日はそれ以前に決定機を外したり、失点の場面も自分がファウルでFKを与えていた。そのマイナスをなんとか帳消しにしたいという想いがあった」
《太田》
「失点をゼロに抑えることが今の僕たちのテーマだし、先に失点を許したことは、ある意味“想定外”。ただ、そこで気持ちを切り替え、割り切って前半は耐えようとした。慌てずにスペースをあけず、まずは我慢しようとした。
(同点弾について)
あの時間帯は、CKなどからかなりチャンスを作れていた。いいキックができていたし、セットプレーを任されている責任も感じていた。川崎GK西部選手の特徴もわかっていたので、自分の間合いと駆け引きでニアと思わせてファーに蹴った。壁さえ越えて枠にいけば決められると思っていた。いまは交代選手を含めてピッチに立つ全員がチームのためにハードワークをしている。その成果がでていると思う」
【マッシモ フィッカデンティ監督の会見要旨】
「川崎の前線4人はクオリティが高く、スタートから攻撃的だった。それに対して予定通りの対応ができたと思う。セットプレーから失点を許したが、その後、試合内容は向上していった。ハーフタイムに選手には『予想通りの展開だ』と伝えた。後半になると相手の体力が落ちることも伝え、間違いなく試合をひっくり返すことができると確信していた。選手のコンディションも把握しており、それが確信につながったが、11対11の時点から相手の倍は走れていたと思う。後半から投入した東はいい流れで試合に入り、前線からプレスをかけてくれた。後半は積極的でアグレッシブなスタートを切り、信じられないフィジカルコンディションも見せることができた。同点に追いついた後もリスクを冒して勝利を求めていく、素晴らしい試合だった。Jリーグで有数の攻撃力を誇る川崎はリスペクトに値するチームであり、素晴らしい選手を擁している。そのような相手に対して勝利できたことは大きな1勝。
(1stステージの折り返しを迎え、優勝争いのために大きな勝利だったのでは?)
私たちはタイトルの事は考えず、常に目前の試合のこと、今この瞬間のことしか考えていない。そういった1日1日を大切に、目の前の試合だけに集中できていることが強さであるとも思う。選手はどういうメンタリティを持つべきかを深く理解しており、自分たちの限界を知っている賢さがある。今日、ファン・サポーターの皆さんは素晴らしい闘争心、ゴールやプレーを楽しめたのでは、と思うが、チームはまだまだ築き上げていかなければいけない。何かを勝ち取るためには時間と献身性が重要で、日々の継続性が大事。私たちはまだもっと成長できると考えている」
【川崎・風間監督の会見要旨】
「前節とは違って自分たちで中央をしっかり攻めようとし、前半から選手は非常によくやってくれた。後半、相手の出方はわかっていたが、選手たちは慌てていなかった。ただ、テンポを持ち直しかけた時に退場者を出してしまったことが誤算。それでも1人少ない中でも、ゴールを決めなければいけない場面で決めることができれば、我々に運があったかと思う。これだけのファン・サポーターが来てくれて本当は勝利を届けたかった。しかし選手は非常によく頑張ってくれたと思う」