GAME RESULT試合結果

第14節 2015/5/30(土)
観衆 23,439人 
天候 曇、弱 気温 24.6度 湿度 57% 
主審:榎本 一慶 副審:中井 恒/渡辺 智哉 四審:岡野 宇広

J1 1st 第14節

味スタ

HOME

FC東京

2-1

試合終了

前半1-0

後半1-1

AWAY

柏レイソル

FC東京 柏レイソル
32' 三田 啓貴
68' 武藤 嘉紀
得点者 62' レアンドロ
21' 米本 拓司 → 野澤 英之
81' 林 容平 → 前田 遼一
選手交代 63' 工藤 壮人 → 太田 徹郎
69' クリスティアーノ → 大津 祐樹
85' 藤田 優人 → キム チャンス
7 シュート 6
5 CK 3
17 FK 17
60' 森重 真人
警告 66' クリスティアーノ
90' エドゥアルド
退場
FC東京先発
GK 1 権田 修一
DF 50 松田 陸
DF 3 森重 真人
DF 29 吉本 一謙
DF 6 太田 宏介
MF 4 高橋 秀人
MF 7 米本 拓司
MF 8 三田 啓貴
FW 14 武藤 嘉紀
FW 23 林 容平
FW 38 東 慶悟
FC東京控え
GK 31 圍 謙太朗
DF 5 丸山 祐市
DF 33 奈良 竜樹
MF 34 野澤 英之
FW 15 ラサッド
FW 17 河野 広貴
FW 20 前田 遼一
柏レイソル先発
GK 21 菅野 孝憲
DF 2 藤田 優人
DF 4 鈴木 大輔
DF 13 エドゥアルド
DF 22 輪湖 直樹
MF 30 クリスティアーノ
MF 19 中川 寛斗
MF 8 茨田 陽生
MF 7 大谷 秀和
FW 11 レアンドロ
FW 9 工藤 壮人
柏レイソル控え
GK 16 稲田 康志
DF 20 中谷 進之介
DF 27 キム チャンス
MF 10 大津 祐樹
MF 14 狩野 健太
MF 25 小林 祐介
MF 26 太田 徹郎

【選手・監督コメント】

ホームで迎える第14節、連敗をストップするために


第12節から数えて、連戦の5試合目として迎えるリーグ第14節。ホームで柏レイソルと対戦する。ナビスコ広島戦では林が終了間際に貴重な同点弾を決め、グループリーグ突破に大きく近づいた。ここで得た勝ち点1をプラスの材料としてリーグ戦につなげ、連敗をストップしたい一戦だ。

その広島戦から中2日で迎える今節だが、徳永が出場停止。また、カニーニが一時帰国、羽生が広島戦で負傷。梶山も膝の状態を考慮し、欠場に。そのため右サイドバックは松田が今季リーグ初先発。センターバックの一角を吉本、中盤はアンカーに高橋、インサイドハーフに米本と三田。前線には林と東を起用。林を中央に、両サイドを武藤と東が務める、柏と同様の4-3-3の布陣で臨む。野澤も今季リーグ戦では初のベンチ入りを果たしている。

対する柏は今季から吉田監督が指揮を執り、リーグ戦はACLのため2試合少ないとはいえ、勝ち点13で14位に。波に乗り切れていないといえるが、一方、ACLでは粘り強い戦いを見せ、ベスト8に進出している。マッシモ監督は「昨季と戦い方が変わったとはいえ、能力の高い選手が揃っている」と警戒。特にFWレアンドロやFW工藤らはワンチャンスを見逃さず、ゴール前の精度が高い。今節は右サイドバックにDF藤田を、また中盤にはリーグ初先発のMF中川を起用。彼らの特徴であるボール支配と素早いパス回しに対して、東京らしい堅守と勝負強さを発揮して競り勝ちたいところだ。

陽が落ちても蒸し暑さが残る中、試合は19時4分に東京のキックオフでスタートした。

米本の負傷アクシデントを乗り越え、三田が先制!


序盤からアグレッシブに戦った。球際の激しさを発揮し、高い位置でボールを奪い、互いにカウンターを仕掛け合う展開に。12分には林がポストプレーから右に展開。受けた東が右エリアにパスを送る。そこに林が走り込み、ダイレクトでシュートを放ったがわずかに右に外れる。15分、右CKをニアの高橋がヘッドで落としたが、ここから柏が逆襲。中央のFWレアンドロ→右を上がったMFクリスティアーノのクロスが左エリアに送られ、DF藤田が合わせようとする。一進一退の展開となったが、17分、中盤での競り合いでジャンプした米本が着地し倒れこんだところで、柏の選手の下になる形で負傷。このアクシデントで交代を余儀なくされ、21分には今季初出場の野澤が投入された。

その直後には野澤がアンカーに入り、高橋が左インサイドハーフ、三田が右に回る形で進め、25分には野澤が左前線へ好フィード。武藤が追いかけ、左エリアで仕掛けようとする。柏も30分過ぎには“らしい”パス回しを見せる。右サイドでの縦の出し入れから中央→左に展開され、左サイドバック輪湖にクロスを入れられる。これに対して東京は高橋と野澤のダブルボランチ。右サイドに三田、左に東。武藤と林が2トップを組む4-4-2に変更。集中を切らさず、柏に決定的なチャンスは作らせなかった。

迎えた32分、自陣の森重からのパスを林が受け、左サイドの東に展開。東は、相手DFの裏に抜け出そうとする武藤にスルーパスを送った。武藤は柏GKに詰められてフィニッシュはできなかったが、中央に回り込むようにドリブル。そこにタイミングよく走り込んできた林につなぐ。林が放ったシュートは、柏DFに当たる形で決めきれなかったが、右エリアにこぼれたボールに三田が素早く反応。右足のスライディングで蹴り込み、GOAL!!

連動した形で先制点を奪ってリズムを掴み、直後の35分には三田の右クロスに、左エリアの東がダイレクトシュート。42分には、右エリアでゴールを背にした三田が鋭い反転から速いクロスを送るが、ゴール前の武藤はわずかに合わせることができず。追加点は奪うことはできなかったが、1点のリードを保って後半へと折り返した。

武藤がPK弾! 全員で守り抜き、苦闘を制する


後半は立ち上がりから柏の反撃に合う。48分、東京が攻め上がる途中でパスミス。そこから一気にカウンターを食らったが、エリアに進入した柏FWレアンドロに対して吉本がブロック。攻撃を遅らせ、最後は東がスローインに逃れる。54分には、柏・中央のFWレアンドロ→前のMFクリスティアーノがワンタッチで落とし、再びFWレアンドロが左エリアへスルーパス。オーバーラップしたDF輪湖にシュートを打たれたが……ゴールをわずかに横切り、ピンチを免れる。しかし60分、柏のCKの場面で、エリアの森重がファウルを犯したとの判定でPKを与える。62分、このPKを柏FWレアンドロに冷静に決められ、同点に追いつかれてしまった。

だが、65分に今度は武藤がエリアで足をかけられて東京がPKを獲得。この直後、地震のため試合は2分間の中断となったが、このPKから再開。68分、武藤が蹴った強烈なキックは、柏GK菅野の左手をはじいて右に決まり、再び勝ち越しに成功した。

柏は69分にFW大津を投入、猛反撃を仕掛けてきた。80分には東京陣内で何本もパスをつなぎ、右寄りのFWレアンドロが、右SB藤田とのワンツーから中央に。東京DFがなんとか防ごうとしたが、こぼれ球にDF藤田に詰められ、右エリアからシュート。だが枠外に。東京は押し込まれたが、81分に前田を投入。全員で柏の攻撃を耐えしのぎながら、カウンターを狙おうとした。

86分、前線でのパスミスから柏FW大津が前線に独走。大きなピンチを招くが、吉本がスライディングでクリア。90分には武藤がファウルを受け、右エリア手前25~6mの位置でのFKを獲得。これを太田が直接狙ったが、右下に飛んだシュートはわずかに外れる。互いにゴール前まで進入する場面が続き、5分間のアディショナルタイムには、前線でプレスをかけ三田が狙ったシュートはブロックされ、柏が逆襲。危ない場面が続いたが、これをしのぎってタイムアップ。連敗をストップし、第10節以来の勝ち点3を掴んだ。

【選手コメント】
《三田》
「ゴールは武藤、林選手のおかげ。自分も諦めず、こぼれ球に詰めていったが、本当に2人に感謝したい。今日の序盤は左サイドにいたが、右に移って自分の持ち味がより出せたと思う。今後も、チームとしてやるべきことをやった上で、自分の良さや攻撃的なプレーを出していきたい。試合後、武藤選手とともにインタビューの場に立てて、うれしくもあった」

《武藤》
「PKの場面は、地震の影響があって緊張感が増した。それでも今日は絶対にチームを勝利に導きたかった。
(移籍が発表されたが)
1stステージのタイトルは厳しくなったし、何もチームにもたらせていないと思う。ここで移籍することを、ファン・サポーターのみなさんには申し訳なく思う。それでも新たなチャレンジと成長を続けることが恩返しにもなるはず。FC東京は自分を育ててくれたクラブ。引退をする前には絶対にここに戻ってきたい。何よりもあと1か月はFC東京の一員。チームメイトと力を合わせて、最後まで勝利に向かいたい」

【マッシモ フィッカデンティ監督の会見要旨】
「米本にアクシデントがあったが、選手たちはあらゆる観点から素晴らしい試合をした。前半はゴールシーン以外にも何度もチャンスを作り、さらに得点が入っていてもおかしくなかった。後半最初の10分ほどは、柏がリスクを冒して攻め込んできた影響もあり、少し押し込まれた。再び勝ち越してから、もう一度良い形で再スタートが切れた。今夜の選手たちが見せてくれたプレーを誇りに思う。今まで結果が伴わなかった時も常に全力で戦い抜き、顔を上げてプレーをしていた。本当に強いチームは、こういうメンタリティを持ち合わせているし、それを示すことができた。
(米本の負傷後、システムを変更し、チームは良くなったように見えたが?)
今日は相手を研究した上で、4-3-3と守備時にはタイミングに応じて4-4-2を使い分けていた。米本の交代後、システム変更を余儀なくされて中盤にバランサーを2人置いた。その1人の野澤は良い動きを見せてくれた。彼はケガなどであまり出場機会を得られていなかったが、良いプレーを見せてくれたことを嬉しく思う。三田を右、東を左に回して、チームが持つ柔軟性を活用したが、全体的に上手くいったと思う。
(武藤の移籍について)
嬉しく思う。ブンデスリーガのような欧州でもハイレベルな環境で、実力を試すことができるのは大きなチャンス。チーム全員が喜んでおり、クラブにとってもこれまでの仕事の結果に満足している。今日発表したことによって、今後より集中してプレーしてくれるだろう。
(先発出場した松田について)
彼もなかなか出場機会に恵まれなかった。試合終盤は疲れから少し不安定な部分があったが、基本的には良かった。特に前半、攻撃に関しても良いプレーをした。野澤も中盤で存在感を発揮し、今日は選手全員が良いプレーをしてくれた」

【柏・吉田 達磨監督の会見要旨】
「先手を取られ、追い付いた後にまた取られ、最後の突破するパワーと鋭さを欠いた試合になった。東京のようなチームに先制点を奪われれば、ゲームをコントロールされる確率が高まることはわかっていた。こういう状況下でも自らがコントロールできるように改善しなければ、勝ち点を落とす結果になる。東京は米本の負傷後、システムを変更した。その際にピッチで声を掛け合い、修正を施したが、その中で失点を許してしまった。ただ選手は必死に走り、戦った。チームの拙さをを私が改善しなければならないと思う」