GAME RESULT試合結果
第16節 2015/11/07(土)
観衆 12,497人
天候 曇、弱 気温 18.8度 湿度 68%
主審:扇谷 健司 副審:越智 新次/塚越 由貴 四審:小屋 幸栄
J1 2nd 第16節
柏
0-1
試合終了
前半0-1
後半0-0
柏レイソル | FC東京 | |
---|---|---|
得点者 |
16' 森重 真人 |
|
71' 藤田 優人 → 山中 亮輔 80' 秋野 央樹 → 茨田 陽生 80' 武富 孝介 → エデルソン |
選手交代 |
60' 河野 広貴 → 中島 翔哉 78' 東 慶悟 → 三田 啓貴 |
12 | シュート | 10 |
5 | CK | 4 |
18 | FK | 15 |
39' 武富 孝介 59' エドゥアルド |
警告 |
52' 徳永 悠平 53' ブラダ アブラモフ 90'+5 丸山 祐市 |
退場 |
GK | 21 | 菅野 孝憲 |
DF | 27 | キム チャンス |
DF | 4 | 鈴木 大輔 |
DF | 13 | エドゥアルド |
DF | 2 | 藤田 優人 |
MF | 30 | クリスティアーノ |
MF | 15 | 武富 孝介 |
MF | 17 | 秋野 央樹 |
MF | 7 | 大谷 秀和 |
FW | 9 | 工藤 壮人 |
FW | 10 | 大津 祐樹 |
GK | 1 | 桐畑 和繁 |
DF | 6 | 山中 亮輔 |
DF | 20 | 中谷 進之介 |
MF | 8 | 茨田 陽生 |
MF | 25 | 小林 祐介 |
MF | 26 | 太田 徹郎 |
FW | 11 | エデルソン |
GK | 46 | ブラダ アブラモフ |
DF | 2 | 徳永 悠平 |
DF | 3 | 森重 真人 |
DF | 5 | 丸山 祐市 |
DF | 6 | 太田 宏介 |
MF | 4 | 高橋 秀人 |
MF | 7 | 米本 拓司 |
MF | 37 | 橋本 拳人 |
FW | 17 | 河野 広貴 |
FW | 20 | 前田 遼一 |
FW | 38 | 東 慶悟 |
GK | 13 | 榎本 達也 |
DF | 29 | 吉本 一謙 |
DF | 50 | 松田 陸 |
MF | 8 | 三田 啓貴 |
MF | 22 | 羽生 直剛 |
FW | 23 | 林 容平 |
FW | 39 | 中島 翔哉 |
【選手・監督コメント】
勝利だけを求めて、アウェイでのラストに臨む
2ndステージ第16節、アウェイで柏レイソルとの対戦を迎える。
前節浦和に敗れ、2ndステージ、年間勝点ともに1位の可能性は消滅。年間の順位も4位に後退。森重は「最後まで可能性を信じ、僕たちは勝利に向かって戦う責任がある」とさらなる決意を込める。今季リーグ戦もあと2試合となり、今節はアウェイゲームのラストとなるが、ただ勝利だけを追い求めて戦い抜く心積りだ。
対する柏は現在、年間勝点では9位。2ndステージは3連勝が2度あり、6位に浮上。マッシモ監督は、柏について「彼らにとって最高の結果につなげられていないかもしれないが、前線のコンビネーションが高く、テクニカルなチームスタイル」と評する。特にFW大津が調子を上げていることもあり、FW工藤を起点とした連係からここ3試合で計8得点を挙げている。そのFW工藤へのパスを断ち切ることはもちろん、連動性を発揮するMFクリスティアーノ、MF武富、MF大谷らに対して、まずは中盤の攻防で競り勝ち、相手にリズムを掴ませないようにしたい。
チャンピオンシップ出場権を獲得するためには、ひとつの引き分けも許されない状況に追い込まれたが、マッシモ監督は「今、チームには“正しい”緊張感がある。プレッシャーや緊張感をポジティブなエネルギーに転換していきたい」と力を込め、柏のテンポのよいパスワークを封じて自分たちのリズムで勝利に向かう。
今節はインサイドハーフに橋本を起用。前線は浦和戦に続いて前田と東、トップ下を河野が務める布陣で臨む。柏はFW工藤を中央に、左にFW大津、右にMFクリスティアーノ。シャドーにMF武富と大谷。アンカーにMF秋野を配し、出場停止のDF輪湖に代わって左サイドバックはDF藤田が務める。
穏やかな天候の日立柏サッカー場。アウェイのスタンドにも多くのファン・サポーターが集い、声援を送る中、試合は14時3分に東京のキックオフでスタートした。
一体感をもって柏に流れを掴ませず、PKで先制
開始直後から攻守にアグレッシブな姿勢を発揮した。1分、前線でのこぼれ球を拾って左寄りの河野から、中央・相手の裏に抜け出した東にスルーパスが出されたが、その前の時点でオフサイド。8分には太田が縦に仕掛けてクロスを送り、エリアで構えた東がほぼフリーでヘディングを放ったが、ゴール直前でGKに阻まれた。9分には右サイドで起点を作り、中に戻したところから高橋がグラウンダーのミドル。柏GKが伸ばした手にわずかに触れたかに見えたが、枠を外れて柏ゴールキックとなる。
柏にボールを保持されても、連動したプレスからセカンドボールを奪い、切り替えの早い攻撃を仕掛けた。12分、柏FW工藤に右前線に抜け出されるが、丸山が強さを発揮。粘り強くボールを奪いきる。14分には前田が左エリアで巧みなプレーで落ち着いて相手DFをかわしてCKを得る。太田の蹴った左CKは中央で競られるが、こぼれ球が右エリア直前の橋本のもとに渡る。橋本はステップを合わせてエリアに進入。ボレーの体勢から相手を切り返そうとしたが、ここで柏DFの足が掛かり、PKを獲得。16分、森重がこのPKを、ゴールほぼど真ん中の天井近くに突き刺し、冷静、かつ豪快なキックで先制を果たした!
18分には中盤での素早いリスタートから、中央・右寄りで一歩持ち上がった橋本が果敢にミドル。19分、相手陣内やや右寄りでのFKを得て、太田が長いキックを前線に。クリアボールに中央の米本、続いて左の橋本が詰め、立て続けにシュートを放った。いずれもブロックされたが、柏に流れを掴ませず、貪欲に追加点を狙いにいった。
30分を過ぎると柏はロングボールを前線に送り、そこから展開しようとする。33分には柏の両サイドからクロスを入れられ、ゴール前に押し込まれたが、最後は右クロスを高橋がカット。続いて柏の右CKから、左エリアのDFエドゥアルドに落とされ、中央で反応されて右ポスぎりぎりのFW工藤のもとに飛ぶが、わずかに頭上を越える。42分には左サイドの東が、前線中央の前田にスルーパス。一度はカットされるが、こぼれ球を前田が粘り強く奪い、前を向く。そこから勢いよく左エリアに進入した橋本につなぎ、橋本は勢い余って倒れるが、ここでは柏のファウルはなし。追加点は奪えなかったが、一体感と気迫を見せ続け、1点のリードを保って前半を終了した。
東京らしさを発揮し、年間勝点3位に再浮上!
後半立ち上がりは、柏のセットプレーを中心に東京ゴールに迫られた。55分、左サイドライン際からのFKをMFクリスティアーノが直接狙う。距離はあったが、強烈なキックはバーをかすめるようにアウト。しかし東京も集中力を切らさず、フォーメーションを細く修正しながら対応し、ボールを奪うと鋭いカウンターを仕掛ける展開に。58分には自陣左サイドで相手にプレスをかけて奪い、中央の前田がドリブルで持ち上がり、左サイドを上がった東に。東は左エリアに進入。一旦キープした後、強いキックのクロスを中央に送ったが……相手DFに阻まれる形で、前田、橋本には届かずフィニッシュには持ち込めなかった。
60分には河野に代えて中島を投入。前田と中島の2トップ。橋本と東がサイドハーフ。ダブルボランチの布陣に。65分には柏・中盤でのこぼれ球を拾って速攻を仕掛けようとした柏MFクリスティアーノに対して、米本が強さを発揮。ボールを奪い切り、逆襲を仕掛ける。米本→東が左エリアに進入。東はタイミングをずらしてラストパスを中央に。ニアの中島、ファーの前田、中央を上がった米本には合わなかったが、さらに右からフォローした橋本がシュート。しかしヒットしきれず、ブロックされる。68分にも再び厚みにあるカウンターを仕掛け、橋本がスピードに乗って右エリアから狙ったが、わずかに左に。
柏も諦めず反撃に出て、63分には柏らしいパスワークを発揮され、中央でダイレクトパスをつながれ、MFクリスティアーノに対して米本がファウルで阻止。ペナルティアークすぐ手前からのFKを与える。このFKを柏MF秋野に直接狙われたが、バーを越える。その直後の76分、自陣右コーナーで高橋が相手ボールを奪い、中央の米本→左を上がる前田につなぎ、見事なカウンターを仕掛ける。前田はさらに右前線に送り、高橋が右エリアまで持ち込み、左エリアの東にラストパス。その直前で柏DFがスライディングしたボールがネットを揺らしたかに見えたが、オフサイドの判定………。
78分には東に代わって三田が入る。柏も2選手を交代投入し、パワープレーを仕掛けてきた。その迫力に押し込まれ、81分、柏の強烈なFKはブラダがキャッチしたが、ここで相手選手と激突。両者が痛むが、共にすぐに復帰。それでも終盤は、柏に押し込まれた、5分間のアディショナルタイムには柏・右スローインから、途中出場のFWエデルソンがシュート性の右クロス。左ポストぎりぎりにFW工藤に飛び込まれたが……わずかに合わずピンチは免れた。ラストは前田、三田を中心にCKを粘り強くキープし、タイムアップ!森重の挙げたPKをまさに全員で守りきり、勝利をもぎ取った。
この結果、勝点を62に積み上げ、年間勝点では再び3位に浮上した。
【選手コメント】
《森重》
「ここのところ失点が多かったので、まずは失点をゼロにすることを意識していた。失点を抑えることで、逆にカウンターのチャンスも増えるはずだと考え、実際にそのとおりの結果となった。追加点が取れればさらに良かったが、狙いどおりの結果だと思う。PKは、とにかくボールを蹴ることだけに集中した」
《橋本》
「今日はチームのみんなに自然と気合が入っていた。良い試合の入り方ができ、PKを獲得して上手く先制できた。自分たちのリズムで試合を進めるために、良い時間帯に先制できたと思う。(PK獲得につながった)CKの場面では、絶対にこぼれてくると指示されていて、そのとおりにボールが流れてきた。そのまま打とうとしたが、相手が前にいたので切り返そうとしたところで引っ掛けられた。柏に押し込まれた場面もあったが、みんな気持ちを込めて戦っていたし、カウンターからチャンスも作れた。自分にシュートの精度があれば、あと2点ぐらいは決められていたはず。そこは課題として改善に取り組み、次に決められるようにしていきたい」
【マッシモ フィッカデンティ監督の会見要旨】
「試合への入り方が良く、ゴールシーン以外にも危険なシーンを作っていた。しかし追加点を奪えず、柏に苦しめられた。そのような時間帯があることは想定していたが、どうしても耐える時間が続いてしまった。オフサイドの判定でゴールとならなかったシーンについては、まだ見直せていないので何とも言えない。今日は勝利のみが課せられていたが、それを成し遂げることができた。前節の敗戦後、今日の試合に向けてすぐに団結し、良い試合をすることができた。私たちの選手は本当に素晴らしい。チャンピオンシップで優勝するという目標を自力で達成できるチャンスを残し、選手たちを誇りに思うし、最後の最後までその想いは続くだろう。アウェイにこれだけたくさんのファン・サポーターが来てくれたことにも感謝したい。最後に柏のクオリティは称賛したい」
【柏・吉田 達磨監督の会見要旨】
「前半は中盤にスペースを与えて数的不利なシーンを作り出してしまったが、全体としては我々のビルドアップと東京の質の高いプレスとカウンターという互いの良さが発揮された試合だった。流れを失っていた失点前後の時間帯は、シンプルにクリアをするべきポイントで相手にCKを与えた。不必要な失点だったが、そこで勝負をモノにされてしまった。東京は我々が押し込んだ時間帯をしっかりとしのぎ切った。もう少しで……というシーンはあったが、結果的にゴールを奪えなかった。我々が流れを掴んでいたように、見えたようにも思えるが、もしかしたら違うのかもしれない。ただし後半の姿勢は、とても熱くさせられるものだった。多くのサポーターがゴールのために、勝利のために応援してくれたし、選手たちはタイトルが懸かった試合でないにも関わらず、柏の選手として勝利のために戦う姿勢を見せてくれた。ピッチ内での声掛けなど、いつにも増した気持ちを何度も感じた。負けてしまったので、私も選手も喜べることは何もないが、そういう姿勢でプレーすることが彼らの選手人生を豊かにすると思う。あと数週間、試合の流れをコントロールすることやゴール前で落ち着くことなど、チームのクオリティを向上させたいと思っている。今日のように試合の流れを失わず、掴んだら勝ち切るということに向けて改善していきたい」