7/2 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.7.02

7/2 福岡戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
およそ1か月ぶりにJ1リーグ戦のホームゲームを迎えた東京。リーグ後半戦のスタートとなった前節は、アウェイで戦ったサガン鳥栖との試合で厳しい結果に終わった。ホームで良いリスタートを切るために、チームは自分たちのやり方を突き詰め、味の素スタジアムのピッチに立った。

1st HALF-開始早々アクシデントに見舞われる
立ち上がり、いきなりアクシデントに見舞われる。前半10分、右サイドを駆け上がった中村帆高選手が足を痛めて立てなくなる。中村選手は立ち上がれず、急遽バングーナガンデ佳史扶選手を投入して、長友佑都選手を右サイドバックにスライドさせることになった。その後、前半16分に左サイドでボールを持たれて押し込まれると、ファーサイドに送ったクロスボールを折り返され、ゴール左手前でルキアン選手に流し込まれて先制を許す。

反撃に出たい東京は、相手よりも攻守の切り替えのテンポを上げることでカウンター気味に攻撃に出る。ゴール前に迫るものの、なかなか決定的なシーンまではたどり着けずにいたが、前半34分にチャンスが訪れる。森重真人選手がディフェンスラインから前線にくさびのパスを入れると、松木玖生選手がボールを拾ってペナルティエリア手前で左足を振り抜く。ミートしたシュートだったが、ボールはゴールのわずか右へと逸れた。前半37分にはバイタルエリアでパスを受けたディエゴ オリヴェイラ選手がワンタッチでシュートまで持ち込んだが、相手ゴールキーパーの攻守に阻まれた。

前半の終盤に入ると、コンパクトな陣形を保ちながらもディフェンスラインを高めに設定して自陣のスペースを埋める福岡の前に、攻め手を見出すことができず、後方で回す場面が続く。ディフェンスラインからミドルレンジのパスで相手守備陣形の背後を狙いにいくが、スペースがなくボールがつながらない。1点を追う状態で試合を折り返した。

2nd HALF-豪快な紺野弾で逆転もPKで同点
流れを変えたい東京は、後半の頭から永井謙佑選手に代えてレアンドロ選手を投入する。すると後半4分、ループパスを松木選手が後方にそらすと、相手の背後のスペースに紺野和也選手が抜け出す。コントロールしてペナルティエリア内で放ったシュートは、相手ゴールキーパーにセービングされたが、ゴール前にこぼれたボールにレアンドロ選手が反応し、シュートを流し込んで追い付いた。

お互いに縦にスピードアップする展開の中、後半13分にはカウンターを受けてゴール前でボールをつながれてスライドが間に合わず、金森健志選手に鋭いシュートを打たれるが、ヤクブ スウォビィク選手がボールに食らいついてセービング。後半15分には反撃。バイタルエリアでディエゴ選手がつないだボールに相手ゴールキーパーと佳史扶選手が飛び込み、先に触った佳史扶選手のシュートはブロックされたが、こぼれ球を拾ったレアンドロ選手はディフェンダーを引き付けてマイナス方向にパス。渡邊凌磨選手がワンタッチで合わせたが、シュートは枠の上へと逸れた。

攻撃のリズムが生まれてきた東京は一気呵成に攻め立てる。後半18分、左からのコーナーキックのチャンス。ゴール前に入ったボールはクリアされたが、ボールがこぼれた先にいた紺野選手がペナルティエリアの外からワンタッチボレーで合わせると、鋭い弾道のシュートはゴール左上隅へと吸い込まれて、豪快なゴールで逆転に成功した。

流れは東京に傾いたかと思われたが、後半30分、ペナルティエリア際で木本選手がファウルをとられてペナルティキックの判定。ファンマ選手にペナルティキックを決められて追い付かれた。

アディショナルタイムが10分と表示され、90分を回って以降もお互いに攻撃姿勢を継続する中、後半45+8分にはペナルティエリア内で相手マーカーをかわしてシュートまで持ち込むが、相手ゴールキーパーにセーブされた。最後の最後まで福岡ゴールをめざして丁寧につないで崩しにいったが、勝ち越すことはできず2-2で引き分けた。

MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ スウォビィク
DF中村帆高(前半10分:バングーナガンデ佳史扶)/木本恭生/森重真人/長友佑都
MF松木玖生/東慶悟(後半41分:青木拓矢)/渡邊凌磨
FW紺野和也(後半41分:三田啓貴)/ディエゴ オリヴェイラ(後半26分:アダイウトン)/永井謙佑(後半0分:レアンドロ)

SUBS
GK波多野豪
DF岡崎慎

GOAL
後半4分:レアンドロ/後半18分:紺野

<アビスパ福岡>
STARTING Ⅺ
GK永石拓海
DF奈良竜樹/宮大樹/志知孝明
MF前嶋洋太/田邉草民(後半43分:中村駿)/前寛之/田中達也(後半21分:フアンマ デルガド)
FWジョルディ クルークス(後半0分:金森健志)/山岸祐也/ルキアン(後半37分:渡大生)

SUBS
GK村上昌謙
DF熊本雄太/湯澤聖人

GOAL
前半16分:ルキアン/後半33分:ファンマ


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、前半は我々の戦術的なミスから相手の得点が生まれてしまいました。いつもならしっかりとボックスアウトして、ペナルティエリアの外で守ることができていましたが、失点の場面ではそれができていませんでした。中村帆高の怪我というのも影響して、少しドタバタした前半になってしまいました。先制された後、スペースを狭めて守備をしてくるところを我々は上手く打開できていませんでした。あそこまでスペースを狭められてしまうと、それを上手く打開するのは簡単ではありません。
そして後半、インテンシティを上げてスタートすることができました。その分相手のカウンターを受ける可能性が高まるのですが、我々はリスクを冒して攻めて逆転することができました。2-1の状態から、追加点をとって3-1にして試合を決めることができるだけの複数のチャンスを作ることができていました。残念ながらPKからの失点があったわけですが、距離が離れていたので私の目線からは明確なPKかどうかは分かりませんでした。試合の後、あのような場合にはオンフィールドレビューをした方がより明確なのではないか、という話をしました。PKだったかどうかというのは、今も私には分かりません。

Q、前半に戦術的なミスが多かったという話でしたが、前節の結果を受けて、今日の試合はFC東京にとって非常に大事な試合だったと思います。その中で、イライラするような場面がありましたが、どのように感じていますか。
A、福岡の危険なところというのは、彼らに先制点を入れられたあとの試合展開です。そこはとても難しくなります。なぜならば、福岡はスペースを狭めて守備をすることを得意としていますし、そこでボールを奪ってからのカウンターというのは大きな武器だからです。そのため、彼らに先制点を許してしまうと、彼らの得意な試合展開になってしまいます。そのような武器を持っている福岡を相手に、我々の選手は先制点を決められたあとにボールを失うことを少し怯えながらプレーしてしまった部分がありました。それが、前半我々が期待するプレーができていなかった理由だと分析しています。
そしてハーフタイムにもっと大胆にプレーしよう、という話をしました。そしてレアンドロを投入して、中央のライン間でプレーすることを求めましたが、それも上手く機能しました。レアンドロが中に入ることで、左サイドの幅は佳史扶にとらせるようにしました。当然、そのようなリスクを冒す立ち位置をとって攻撃にいくことで、相手の武器のカウンターを受ける可能性は高まりましたが、2-1にしたあと、逆に彼らの武器であるカウンターで我々が追加点をとる複数のチャンスがありました。やはり相手のディフェンスラインの背後にスペースが大きく空いた際には攻撃がしやすいです。2-1の状況から追加点をとって3-1にして試合を決める可能性がありましたが、それができずにPKで追い付かれてしまったのはとても残念です。勝点1は重要ですが、勝点3をとりたかったのが正直なところです。

Q、前半、味方同士で文句を言っているような選手が多かったように見えました。
A、あそこまでスペースを狭めた相手に対して攻撃をするのはとても難しいです。私の選手たちは、あそこまで極端にスペースを狭めてきた相手に対して攻撃する経験が今までありませんでした。それが難しいので、ピッチで会話をしていたのだと思いますが、決して悪い雰囲気だったとは感じていません。福岡とは何度も戦いましたが、彼らは先制点をとったあとに守備に回ってスペースを狭めてくるのが得意です。それを打開するのはとても難しく、フラストレーションが溜まることもあると思います。


[選手インタビュー
<紺野和也選手>

Q、試合を振り返ってください。
A、自分自身、リーグ戦でが久しぶりのスタメンだったので、何としてでも結果が欲しかったなかでゴールをは決めることできたのは良かったです。ですが試合に勝てなかったは悔しいです。

Q、後半からチームのリズムが変わったと思いますがどこが修正できたのでしょうか。
A、相手のプレスが後半から落ちたのもありますが、まだ自分たちがめざしているサッカーからは程遠いと思います。相手がロングボールを蹴ってくるなかで自分たちも合わせてプレーしてしまったところがありました。もう少しボールを大事につなげるようにしていかなければいけないと思います。試合の終盤で疲れもあったなかでパスの出しどころがない状態が試合の終盤であったのでそこは修正できると思います。

Q、ゴールシーンを振り返ってもらえますか。
A、ボールがこぼれてきてフリーだったのでインパクトのとこだけしっかり集中して打ったらいいところにボールが飛んでくれたので良かったです。

Q、ダイレクトで打つことはどの段階で決断しましたか。
A、ボールがワンバウンドしたときに相手も来ていなくフリーの状態でした。自分がゴールの右側にいてアウトサイドにかけてファーを狙えばいいところに行くと思い、蹴ったらいいところに飛んでくれたので良かったです。

Q、味の素スタジアム初ゴールですよね。
A、そうですね。結構時間がかかってしまったのでこれから得点を量産できるように練習していきたいと思います。

Q、喜びを爆発させていたと思います。
A、逆転ゴールだったので、喜ぶことでスタジアムの雰囲気がさらに良くなればと思ってゴール裏まで行きました。

Q、守備にも大きく貢献していたと思います。
A、相手のサイドバックの選手が高い位置を取ってきてクロスを上げてくるのは分析していたので、結構きつかったですがしっかり自陣まで戻って守備をしないといけないと思っていました。そこはしっかりできたと思います。

Q、アウトサイドにかけたシュートは練習でもなかなか難しいと思いますが。
A、あのシュートは練習をしていないキックの形でした。本当にボールをしっかり見てインパクトのとこだけ集中して打ったのがうまくいきました。 

Q、打った瞬間に入ると思いましたか。
A、入ると思いました。打った瞬間にボールの軌道が見えていいところにいったなと感じました。


<レアンドロ選手>

Q、監督からはどのような指示を受けて入りましたか?
A、中央でプレーしてチャンスを作ることを求められていました。

Q、個人的にはどのような思いで試合に入りましたか?
A、試合に入った時は0-1で負けていたので、しっかり走って得点に絡んで貢献する思いで入りました。

Q、結果的に連敗が止まった形にはなります。
A、連敗が止めれたことは良かったですが、ここから勝てるようにしていきたいので、次に向けてまた準備していきます。


<バングーナガンデ佳史扶選手>

Q、急遽ピッチに立つことになりましたが、何を意識して試合に入りましたか。
A、こういう形で試合に入るのは僕自身初めてだしたが、監督からはお前のプレーをしてこいと言われていたので、頭が整理できた状態で試合に入ったつもりだったんですが、いざピッチに入ってみると体があまり動かなくて、徐々に慣れていきました。良い経験になりました。

Q、自分が思うようなプレーはできなかったですか。
A、中との連係も上手くいかない場面が多くて、ハーフタイムと後半にはよく話して前半よりは改善したのですが、自分のプレーはあまり出せなかったです。

Q、前半はチームとしてもどう打開するのか見えていないように感じました。
A、ピッチの中で話し合って、修正もしていたのですが、交代などイレギュラーなことが多くて、特に前半はチームとしても上手くいかない場面が多かったと思います。

Q、後半には改善したと思いますが、何が要因でしたか。
A、一人ひとりのポジショニングであったり、選手同士でハーフタイムによく話し合って、監督からも指示もあって、修正して相手の出方にはまらずに、一人ひとりが相手をズラすようなポジションをとることができるようになりました。それが前半より良くなった要因だと思います。

Q、ホームで勝ち切れなかったことはどう感じていますか。
A、チャンスも多く、勝てた試合だったと思うので、そこで勝ち切るような勝者のメンタリティが足りなかったと思います。久々の味スタでしたし、リーグ戦ではここ2試合勝てていなかったので、流れを変えようとチームで話し合って試合に入りました。本当に悔しいです。

Q、自分で仕掛けられるような場面があったと思いますが、ボールを持った時に何を大事にしていますか。
A、僕の特徴は推進力で、ドリブルで前にいって相手をはがしていくプレーですが、それは出せなかったので個人としては反省点しかない試合でした。

Q、小川諒也選手が移籍して、サイドバックのポジション争いについて意気込みはいかがですか。
A、諒也くんがいるときからサイドバックの争いはレベルが高いですし、これからもより争いは激しくなっていくと思うので、試合に出たときにどれだけ結果を出せるかで自分の出場時間は変わってくると思います。そういう意味では、今日の試合は自分としては悔しい結果に終わりました。次にチャンスをいただけたら、数字という結果を残すために、攻撃で違いを見せたり、守備の部分でも修正すべきところがたくさんあったので、もっと結果にこだわっていきたいです。


<森重真人選手>

Q、前半と後半で全く表情が違うと感じました。ゲームを振り返っていかがですか。
A、前節よりいいプレーができたとは感じています。勇気をもってボールを動かしていきたいと思います。

Q、前半はパスの出しどころを探しているように感じました。
A、ボールを横に動かしながら、どこでスイッチを入れるかというところだと思います。後ろの選手は前に運びたいですけれど、全部前に行くときつい部分はあるので、そこでやり直して、作り直せば問題ないと思っています。ただ、もっともっと前へ怖がらずにボールを動かしながら、ゴールへ向かって進んでいかなければいけないと感じています。

Q、後半はそのあたりがスムーズにいったのはレアンドロが入ったというのもありますか。
A、中盤で一つ中継地点がないと攻撃が淡泊になりますし、もちろんディフェンダーから前線へパスを出すというのもありますが、それだけだと中盤が間延びしてしまうので、中盤を使っての攻撃も必要だと改めて感じました。


<東慶悟選手>

Q、久々の味スタでのホームゲーム。感想を教えてください。
A、勝点3を取りたかったですが、追いつかれてしまいました。アウェイでの対戦では、1−5で負けていますし、前節も鳥栖に負けていたので、何とか勝って良い雰囲気を取り戻したかったです。ただ、リーグ戦は続いていきますし、ポジティブに捉えて次に繋げていきたいです。

Q、0-1で折り返し、後半は流れが良くなったように見えます。
A、もっとゴールに向かって行こうという話をしました。ただ、0−1で後半入って、2失点目、3失点目をしてしまうと試合が終わってしまうので、そこは踏ん張ることができたと思います。そのなかで、一度は逆転できたので、次はこれを勝ちに持っていけるようにやっていきたいなと思います。

Q、次もホームで中3日で札幌と対戦になります。
A、ここ最近気温も高くなってきましたが、徐々に慣れてくると思いますし、また今日出ていない選手にもチャンスは回ってくると思います。そこで競争をしながらチームの一体感を高めていかなければいけないです。個人的には最近試合に出場できるようになって、やっぱり試合の楽しさというものを実感しています。前半戦凄く悔しい想いをしていたので、もっともっと良いプレーをしていきたいと思います。