8/7 清水戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

INTERVIEW2022.8.07

8/7 清水戦 MATCH REVIEW & INTERVIEW

<マッチレビュー>
前節、アウェイゲームでサンフレッチェ広島にアディショナルタイムの劇的な逆転ゴールで勝利した東京。代表活動ウィークによる中断期間を挟んで連勝し、ホーム味の素スタジアムに戻って「声出し応援運営検証対象試合」を清水エスパルスと戦った。

東京にとっては7月6日の北海道コンサドーレ札幌戦以来およそ1か月ぶりとなる「声出し応援運営検証対象試合」。前回の試合もファン・サポーターの声を大きな力に変え、勝利した。この一戦もその声を力に変えるべく、試合に臨んだ。

1st HALF-ボールロストが多くリズムに乗り切れず
立ち上がりはお互いに縦方向への意識が強く、ゴール前までボールを運ぶシーンが見られた。東京はサイドを起点に高い位置までボールを運び、相手のディフェンスラインのギャップを狙うが、シュートまで持ち込めない。一方の清水は、前半20分にカウンター気味に東京のゴールに迫ったが、ヤゴ ピカチュウのシュートはゴールの左へと逸れた。

なかなかマイボールをキープできない東京は、徐々に自陣に押し下げられて守備をセットする時間が増えていく。前半28分には陣形が押し下げられた後にボールを下げられると、松岡選手に豪快なミドルシュートを打たれた。シュートはわずかにゴールの右へと外れたが、ボールサイドへのプレッシャーが遅れ、狙いすましたシュートを許した。

ボール保持の主導権を奪いたい東京は前半39分、コーナーキックのチャンスを得る。左サイドからのコーナーキックを森重真人選手がファーサイドでヘディングシュートを打つと、一度はディフェンダーにブロックされたが、こぼれ球をアダイウトン選手が詰めてゴールに流し込む。やや押し込まれ気味の展開の中で大きな先制点が生まれたかに見えたが、東慶悟選手がプレーに関与したとしてオフサイドをとられてノーゴールの判定に。

その後もマイボールを簡単に失う場面が多く、なかなかリズムに乗り切れずに試合を折り返した。

2nd HALF-失点後に同点をめざすも終盤に追加点を許す
後半に入ると、ビルドアップのテンポを上げた東京が少ないタッチでボールを動かして清水陣内の深い位置まで侵入する場面が増えてくる。フィニッシュの場面まではあと一歩という流れを作り出せていたが、後半13分に勢いを削がれる。左サイドを突破されて深い位置までボールを運ばれると、ファーサイドへの大きなクロスボールにカルリーニョス ジュニオ選手が頭で合わせて、東京のゴールネットを揺らした。

試合の流れを変えたい東京は後半15分に交代カードを切る。東選手に代えて塚川孝輝選手を、三田啓貴選手に代えてレアンドロ選手をピッチに送り出した。

焦れずにピルドアップして相手陣内に入っていきたい東京だが、後半20分にはディフェンスラインからショートパスをつないで相手のプレスをはがしたいところでボールロスト。ペナルティエリア内でシュートを打たれるが、これはゴールの左へと逸れて事なきを得た。

清水が自陣で守備陣形を整える戦いを選んだこともあり、東京はボールを保持して相手陣内で試合を進めていく。なかなか相手の守備ブロックをこじ開けられないなか、後半32分にはフェリッピ選手が強烈なミドルシュートを放って清水ゴールを脅かす。後半36分にはペナルティエリア右角でボールを受けた紺野和也選手がゴール前ファーサイドにパスを入れると、バングーナガンデ佳史扶選手が飛び込んでワンタッチで合わせたが、ゴールを捉えられなかった。

東京に攻撃のリズムが出てきたタイミングだったが、後半40分には今度は右サイドを突破されてクロスボールをゴール前に入れられると、チアゴ サンタナ選手に頭で押し込まれて追加点を許した。

終盤に入ると前線のフェリッピ選手をターゲットにアーリークロスも使いながらゴール前に積極的にボールを入れたが、シュートまで持ち込むことができず。味の素スタジアムで連勝を伸ばすことができなかったが、幸いにも次節もホームで戦うことができる。8月13日(土)セレッソ大阪戦で仕切り直す。

MATCH DETAILS

<FC東京>
STARTING Ⅺ
GKヤクブ ウォビィク
DF長友佑都/木本恭生/森重真人/バングーナガンデ佳史扶(後半41分:鈴木準弥)
MF松木玖生/東慶悟(後半15分:塚川孝輝)/安部柊斗(後半32分:紺野和也)
FW三田啓貴(後半15分:レアンドロ)/ディエゴ オリヴェイラ/アダイウトン(後半32分:ルイス フェリッピ)

SUBS
GK波多野豪
DF木村誠二

GOAL

<清水エスパルス>
STARTING Ⅺ
GK権田修一
DF原輝綺(後半39分:片山瑛一)/立田悠悟/鈴木義宜/山原怜音
MF白崎凌兵(後半18分:ホナウド)/松岡大起/ヤゴ ピカチュウ(後半29分:ベンジャミン コロリ)/乾貴士(後半29分:後藤優介)
FWカルリーニョス ジュニオ(後半18分:北川航也)/チアゴ サンタナ

SUBS
GK大久保択生
MF宮本航汰

GOAL
後半13分:カルリーニョス ジュニオ/後半40分:チアゴ サンタナ


[アルベル監督インタビュー]

Q、試合を振り返ってください。
A、清水は余裕を少しでも与えると危険なプレーをしてくるチームなので、それが前半の展開を難しくしていました。ボールを譲ってしまうと危険な攻撃をしてくるチームですし、それと同時にサイド攻撃は我々も警戒していた彼らの危険なプレーのひとつです。
前半、時間が経つごとに我々のプレーは改善されていったと思います。そしていくつかのチャンスを作ることができていましたし、残念ながら認められなかったゴールもありました。
後半、我々は良いスタートを切れていたと思います。より良いプレーができていましたし、試合を支配していたと思います。ただ、そのような時間帯に清水のカウンターアタックから、クロスボールを入れられて失点してしまい、そのゴールが試合の流れに大きな影響を及ぼしたと思います。
前半はタマ(三田)が、後半には途中投入したレアンドロが相手のライン間に入って良いプレーをしてくれていました。このJ1リーグは非常に拮抗したリーグだと思います。そういう意味でも、順位に関係なく、どんな相手との試合もとても難しい試合になります。どちらが先にゴールを決めるかによって、その後の試合の流れに大きな影響が及びます。
選手たちの献身的なプレーや努力を、私はとても高く評価しています。ボールもしっかりと大切にしてプレーしてくれていました。改善点として、もう少しサイドからの攻撃ができていたらと思います。今日の対戦相手、そして相手の監督を称えたいと思います。今日は試合に勝てませんでしたが、しっかりと気持ちを切り替えて、次節のセレッソ大阪との難しい試合に向けて準備を進めていきたいと思います。

Q、技術的に精度を欠いたプレーがいくつかありましたが、どのようにコーチングしていましたか。
A、その部分については、以前の方が多くのミスをしていて、最近ではミスの回数は減ってきていると私は思います。シーズンスタートと今を比較した場合、技術の部分も明確に改善してきているのが伝わると思います。
ただ、ほとんどの選手が今までこのプレースタイルを経験してきませんでした。東もその一人ですし、安部もその一人です。玖生は昨年まで高校生でした。そのような選手たちが、この半年間でしっかりと成長し続けてくれていることに私は満足しています。
バングーナガンデ佳史扶も順調に成長してくれていますが、まだ改善の余地があります。私たちの完成度は100パーセントには達していません。そのため、ひとつのミスから崩れてしまうという不安定な要素があります。今日のような拮抗した試合では、やはり先制点が試合結果に大きな影響を及ぼす典型的な内容でした。例えば、取り消されたゴールが認められていたとしたら、また違った展開になっていたと思います。我々が先制していたとしたら、後半に清水はゴールをめざしてプレーしないといけない展開になりますし、そうなればディフェンスラインの背後にスペースが空いて、我々が素早い攻守の切り替えからそのスペースを活かしてより良い攻撃ができた可能性があったと思います。0-0のままで後半をスタートして、我々がより試合を支配できていた、ゴールに近づいていた時間帯に、残念ながらカウンターを受けて失点してしまいました。その失点がこの試合におおきな影響を及ぼしていました。
もちろんまだミスはあります。ただ、今までよりも減っているし、選手たちは成長しています。この1年間を通じて、このチームのベースを構築したいですし、日々、選手一人ひとりが成長してくれることを期待しています。


[選手インタビュー
<東慶悟選手>

Q、前半ボールを握る時間も多かったと思います。
A、ボールは保持できていましたが、相手の陣地に入ったときに落ち着いてプレーすることが大事になると思います。もっと発想を出して、相手に向かって仕掛けることをしていけばもっといいチームになれると思います。

Q、試合のなかで敗戦してしまった要因はなんでしょうか。
A、色々ありますが、相手も残留争いをしているなかで、すごく気持ちの入ったプレーをしていました。自分たちもっと気持ちを出さなければいけなかったと思いますし、試合が終わって、まだ冷静に分析できていないです。しっかり振り返って、反省するところはして、良かったところもあるので次のC大阪戦につなげていければと思います。

Q、うまくいった部分はどんな所でしょうか。
A、相手のアタッキングエリアまで入るシーンもあったので、後はゴール前での発想だったり、相手が固くゴールを守ることが増えてくると思うので、そういうチームを崩していけるようにプレーいければと思います。

Q、次の試合にどう繋げていきたいですか。
A、連敗しないことが重要です。細かいところが修正できていれば結果も変わっていたと思うので、そこは選手ともしっかり話しあって改善していければと思います。


<三田啓貴選手>

Q、試合を振り返ってください。
A、前半いいリズムで試合を運べていましたし、1点取れていれば試合展開も変わったと思います。いいリズムでできているなかで点が入らないと今日の試合のようになってしまうと思います。

Q、ボールを受けながら相手の守備を崩す意識が高かったと思います。
A、その役割を担ってほしいと監督から言われていたので、そこは頑張ってプレーしました。

Q、試合にはどんなイメージを持って入りましたか。
A、サイドに張るのではなく、中央に入ってプレーしながら、中盤で崩せるように周りと連携していくことを意識しました。

Q、チームとしてできたことできなかったことは何ですか。
A、前半ボールを支配することはできましたが、得点につながらなかった部分が課題です。後半に入ってからもですが、相手が守備で引いてきたなかでも崩せる能力をチームで高めていかなければいけないと思います。

Q、次の試合に向けてどんな準備をしていきますか。
A、今日の反省を踏まえて、次もホームゲームなのでしっかり勝てるように準備していきたいです。


<松木玖生選手>

Q、今日振り返ってご自身のパフォーマンスはいかがでしたか。
A、1本ミドルシュートを決めなければいけないところを外してしまったので、そこはチームへの影響が大きかったかなと思います。

Q、44分ごろ松木選手の良いボール奪取からチャンスになりそうでした。その場面は覚えていますか。
A、プレスのところも自分の特徴なのでゴールに結び付けたかったですけれど、ああいう場面をもっと増やしていけたらと思います。

Q、サイドの守備が開幕と比べると、かわされているシーンがありました。今日の試合の失点も競り合いの部分で負けたという見方もできるがどうですか。
A、自分の責任だと思います。

Q、デュエルの部分で松木選手のボール奪取からチャンスは作っていたと思いますが、今日の課題は決めきるところだとみえました。
A、問題点というわけではなく、それも一つの運だと思いますし、今日は相手のほうに運が転がったというそういうポジティブな考えをもってやっていきたいと思います。

Q、今日の試合の結果を受けて今後の改善点はなんですか?
A、試合終わった後でも選手同士で話をしていたので、次に向けて改善していきたいです。

Q、後半の19分、左サイドでアダイウトン選手にスルーパスを出したシーンがありましたが、あのような組み立てを見せていけば得点の確率は高まると思いますがいかかですか。
A、チーム全体として前に推進力がある選手がいれば活かすに越したことはないので、そういった選手を活かせるようなポジショニングであったり、パスを出していきたいと思います。

Q、途中で選手交代があり4-4-2に変わったと思いますが、あそこからどう打開しようとしたのでしょうか。
A、リスクはある程度負って、攻撃に厚みを持たせるということと捉えています。


<塚川孝輝選手>

Q、本日の試合振り返ってください。
A、相手にしっかりチャンスを決められてしまい、逆に自分たちはチャンスを決め切れなかったということだったと思います。

Q、試合全体で広島戦と今節とはボールの動きについてなど違いがあるようにみえました。
A、広島戦は相手がどんどん前に出てきてくれて、ワンタッチでスペースを上手くつくことができ、ワンタッチでフリックを使ってゴール前まで進むことができました。今日は相手もしっかり構える感じでスタートして、そこは違った部分かなと思います。

Q、構えられると、そこを剥がして運ぶというのが今後の課題でしょうか。
A、いかに相手を喰いつかせて引き出すかということと、もっと主導権を握って、ボールを動かして、相手を動かしたりとか立ち位置を変えて動かしたりしていきたいと感じてます。その部分はやり続けていかないといけないところです。全体の意思の統一ができないとそこは難しいと思うので、だんだんと良くなって来ていると思うので続けていきたいと思います。

Q、今回、ピッチに入るときどんな指示、役割を言われましたか。
A、失点をした後だったので、点を取りに行くこと、しっかりリズムを作ること、それとボールを大事にすることは常に言われているので、そこは意識して入りました。

Q、自己評価はどうですか。
A、全然まだまだです。結果のとおり自分が入った後も失点をしているし、得点も取れていないので、もっとこだわって、結果を出せれるようにやっていきます。

Q、前節アウェイで出場はありましたが今日はホームデビュー戦でした。
A、新加入ということで、今はチャンスをもらっていますが、このチャンスを掴めるかどうかだと思うので、しっかり結果を出して、監督とチームメイトの信頼を得られるように頑張ります。ホーム味スタでプレーしてみて感じたのは、それぞれのチームの雰囲気があるなと感じました。改めて東京のチームの一員になれてよかったなと感じました。それをファン・サポーターのみなさんに結果で返せるようにこれから頑張っていきます。
『自分が出たらチームが勝てる』と思ってもらえるような存在になりたいので、目に見える結果にもこだわっていきたいと思います。


<木本恭生選手>

Q、ボールが思うように動かない時間が多かったように見えましたが、後ろからはどう見えましたか。
A、前節、広島の時は相手が来てくれたのでスペースがあったのですが、今日はどちらかというと構えられる守備をされて、良い形でボールを回すことができなかったのは事実だと思います。

Q、お互いにディフェンスラインの4枚をズラし切れなかったのが一番大きな要因でしょうか。
A、揺さぶりもなかったですし、相手が嫌がるような回し方ができなかったのもあります。少し足元になり過ぎて、相手にとってすごく対応しやすい展開になりました。

Q、やはり出てこないと、そこをこじ開けるのはまだ難しいのでしょうか。
A、シーズン序盤は前から来られても難しい試合もあったんですが、前節の広島の時は非常に良い展開ができて、次の段階として少し守られたなかでもこじ開けていかないといけないですし、ビハインドになる時間帯がこれからもあると思いますが、そこで工夫することが大事になってきます。

Q、アルベル監督は成長やベースの構築を強調しているなかで、今シーズンは内容で波がありますが、シーズンの残りが3分の1の時点でそのような状況をどう捉えていますか。
A、ずっと言っていますが、自分たちはプロなので結果も出さないといけません。土台を作りながら結果を出すというのは非常に難しいなかで、みんなでそこに挑戦しないといけないですし、シーズンも3分の2が終わっているので、ファン・サポーターの方々もこれ以上は待ってくれないと思います。難しい時間帯や試合もあると思うのですが、自分たちで解決する力も大事です。前半の守備については、もっと自分たちで話し合って変えられるところもあったと試合後にみんなで話していて、試合中に変えられていれば、展開も変わったのかなと思います。