<マッチレビュー>
〝力蔵トーキョー〟のホーム味の素スタジアムでのお披露目試合を迎えた。
この日、松橋力蔵監督は開幕戦と同じ11人をスタートからピッチへと送り出した。サブメンバーは、前節から2選手が交代。4シーズン半ぶりに復帰した橋本拳人選手と木本恭生選手が、新たにメンバーに名を連ねた。
1stHALF—ミラーゲームはスコア動かず
両チームが同じシステムを採用した試合は、序盤からミラーゲームの様相を呈し、激しい局地戦を演じた。
そのなかで先に決定機を作ったのは東京だった。前半10分、左コーナーキックから俵積田晃太選手が蹴り込んだボールを森重真人選手が頭で合わせる。これがクロスバーを叩き、こぼれ球を小泉慶選手が押し込むもシュートは枠を捉えることができない。
一方、前半終了間際には右サイドを崩されてピンチを招いたが、ゴールキーパー野澤大志ブランドン選手がギリギリのところでブロックし、0-0で試合を折り返した。
2ndHALF—ゴールは遠く開幕2連勝を逃す
後半に入って徐々に試合は膠着状態へ。この均衡を破ろうと、東京サイドが先に動く。後半19分、マルセロ ヒアン選手と白井康介選手に代えて佐藤恵允選手と安斎颯馬選手を投入。さらに、後半28分には土肥幹太選手に代わり木本選手を送り出す。
それでも互いに譲らず、主導権を争うような展開で時間が刻々と過ぎていく。
そして、東京が最後の交代枠を使おうと準備をしていた後半37分に試合が動いた。右サイドを突破されると、グラウンダーのクロスを西村選手に押し込まれて先制を許してしまう。
試合再開前に、仲川輝人選手と小泉選手に代えてエヴェルトン ガウディーノ選手と橋本選手を投入する。その後は味の素スタジアムに帰還した青赤の背番号18が試合を組み立てるもゴールは最後まで遠く、エヴェルトン選手のミドルシュートを相手ゴールキーパーがキャッチしたと同時に長い笛が吹かれた。昨シーズン2戦ともに勝てなかった町田に敗れ、開幕2連勝を飾ることはできなかった。
MATCH DETAILS
<FC東京>
STARTING Ⅺ
GK 野澤大志ブランドン
DF 森重真人/長友佑都/岡哲平/土肥幹太(後半28分:木本恭生)
MF高宇洋/俵積田晃太/小泉慶(後半37分:橋本拳人)/白井康介(後半19分:安斎颯馬)
FWマルセロ ヒアン(後半19分:佐藤恵允)/仲川輝人(後半37分:エヴェルトン ガウディーノ)
SUBS
GK 波多野豪
DFエンリケ トレヴィザン
FW山下敬大/野澤零温
MANAGER
松橋力蔵
GOAL
―
<FC町田ゼルビア>
STARTING Ⅺ
GK 谷晃生
DF 望月ヘンリー海輝/岡村大八/昌子源/中山雄太
MF ドレシェヴィッチ/白崎凌兵(後半30分:下田北斗)/前寛之
FW 西村拓真(後半41分:桑山侃士)/相馬勇紀(後半30分:ナ サンホ)/オ セフン(後半6分:藤尾翔太)
SUBS
GK 守田達弥
DF 林幸多郎
MF バスケス バイロン/仙頭啓矢
FW ミッチェル デューク
MANAGER
黒田剛
GOAL
後半37分:西村拓真
[松橋力蔵監督インタビュー]
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Q、試合を振り返ってください。
A、結果としては非常に残念なゲームになってしまいました。ただ、様々なトライとエラーが見えたゲームでもありましたし、チャレンジする気持ちを前節よりしっかり出してくれたゲームだったと思います。次につながる、ではなくて、なんとか次につなげなくてはいけないと思っています。
Q、ビルドアップの組み立て方など、前節に比べて色々な工夫が見えたように思いました。どのあたりを一番に意識しましたか。
A、準備期間で攻撃に関してはそこを強調して取り組みました。これが勝ちゲームにつながればというところはありますが、そこをしっかりトライしてくれたことは、非常に評価できる良かった部分の一つだと思っています。
Q、ある程度のところまではボールを運べるけれど、さらにその先というところで、監督自身ももう一工夫欲しいと感じていると思います。
A、ゴールに対してどれぐらい中央のところに圧力をかけながらサイドを手薄にしていくか、ということやサイドを手厚くしながら中央を薄くさせていくか、など相手のシステム上でそこをうまく動かしながらプレーするのが難しい部分ではあると思います。崩すことが目的ではなく、やはりゴールを決めるためだと考えれば、シュートがまず選択肢にないといけません。そのエリアに入っていくことも大事だと思うので、そういう意味での厚みというのはなかなか出せなかった、少し単調だったかなと思います。
単調になってしまった理由は、ルーズボールのところでボールをしっかり次につなぐところをつなぎ切れずにあっさり相手に渡してしまったりして、矢印が変わって自陣に戻されるケースが増えてきたからかなと思います。失った瞬間に戻らなくてもいいところまで戻されてしまう。そしてそこからまた前に出ていくとなると、やはり体力的な問題も出てくると思いますし、時間が経てば経つほど、そこの厚みというのは出し切れなくなってきたと思います。
Q、失点のシーンでは、今言ったようなはっきりとクリアできないプレーが続き、一瞬でやられてしまいました。
A、やはり勝負は一瞬で決まるなと。ちょうど交代のタイミングで僕は全部は見てはいなかったのでこれから確認しますが、そこはやはりしっかり詰めなくてはいけないところだと思います。選手のなかにそういう意識がまったくないわけではないので、その精度をいかに発揮するかというところは、しっかり求めたいと思っています。
[選手インタビュー]
<高宇洋選手>
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Q、前節に比べ、チームとしての戦い方が整理されていたように見えました。
A、まずは、相手がきたらはがしてラインを突破するという動きをチーム全員が意識できていたので、そこは前回よりも良かったと思います。ですが、まだ甘い部分もありますし、今日に関しては何気ないパスやコントロールの部分でミスをしたり、僕個人もチーム全体でもミスが目立ったので、そこを改善していきたいです。
Q、小泉慶選手との攻守のバランスも良く、ウイングバックの立ち位置もかなり整理されていたと思います。
A、小泉選手とは、どちらかが前に行ったらそのポジションを埋めるような動きができていました。良い距離感のなかでより前線の選手にパスを供給できるかという部分が僕たちの仕事なので、もっとこだわってやっていきたいです。どれだけ前を向いてプレーできるかは、個人の質の部分でもあるので、改善していきたいです。プレーを重ねながらウイングバックをどこで勝負させるかなどを考えながらやっていきます。
Q、次の試合は中3日でミッドウィークに迎える名古屋グランパス戦となります。どこを修正して臨みたいですか。
A、連戦なので、まずはコンディションをしっかりと整えて、誰が出ても大丈夫な準備をしたいです。守備はある程度我慢できる時間も多かったしハマるところもありました。とにかくゴールを奪うために怖いところに入っていくことを全員が意識したいです。少ない時間ですが、しっかり準備していければと思っています。
<橋本拳人選手>
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Q、4シーズン半ぶりの味の素スタジアムはどうでしたか。
A、高ぶりましたね。 味の素スタジアムに入る瞬間は想像以上にグッとくるものがあって、ウォーミングアップでファン・サポーターに挨拶に行った時も、僕の名前を呼んでくれたり、チャントを歌ってくれたり、結構胸が熱くなりました。
Q、開幕戦に比べるとある程度ボールを回せていました。アタッキングサードに出ていかに崩していくかというのは次の課題かなと思います。
A、枠内シュートが1本だったので、やはりシュートは打たないと入らないですし、ミドルレンジを含めてもっとシュートチャンスを作っていかないといけません。
Q、そのなかで、個人としてはどういう働きをしていきたいですか。
A、どれだけ前の位置に入っていけるか、そこは監督が求めているところだと思います。あとはセカンドボールを拾って二次攻撃するところ。そこからでもチャンスは作れると思うので、そこは自分の役割だと思っています。
Q、中3日で名古屋グランパス戦です。
A、よりコンディションを早く上げていかないといけないので、練習からもそうですが、出た時にどれだけしっかりプレーできるかというのは、意識してやっていきたいと思います。
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