<マッチプレビュー>
前節は清水を相手に0-2で敗れ、3連勝を逃した。ホームで勝点を取りこぼす結果に、木本恭生は「自分たちはプロなので結果にこだわらないといけない。(プレースタイルの)土台を作りながら結果を出すことは非常に難しいが、リーグの3分の2が終わり、ファン・サポーターの方々もこれ以上待ってはくれない」と厳しい言葉を口にした。
さらに渡邊凌磨も「下位のチームにしっかり勝点を積み重ねたうえで、上位相手に勝点を取れるかどうかが僕らにとっては重要になる」と、乗り越えるべき課題を語っている。
今節の対戦相手となる3位C大阪と、7位につける東京の勝点差は6。まだまだ上位を狙うことが可能な状況だけに、この一戦の結果が重要になる。C大阪は現在リーグ戦3連勝中と調子を上げており、水曜日には川崎を破ってルヴァン杯準決勝へと駒を進めた。勝負強さが光るチームを相手にどう戦うのか、東京の真価が問われる。
3月の対戦では、アウェイでの戦いのなか、紺野和也が挙げた1点を守りきって勝利した。前回対戦のように気迫のこもった戦いで勝利をつかむ展開を期待したい。
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[アルベル監督インタビュー]
Q、明日、台風予報もでていますが何か準備されていることはありますか。
A、当然雨だったり、風だったりピッチコンディションが悪いことで試合に影響を及ぼすことは当然のことです。
Q、前節の清水戦を終え今週はどんな修正をしてきましたか。
A、いま別のフェーズに突入しています。自信を持ってボールを保持するところは引き続き今週も強調してトレーニングしてきました。もちろん、前節の清水戦からの反省点をいくつかピックアップして改善にも取り組んできました。前のフェーズではボールを持つことをやり始めていました。今はさらに自信を持ってボールを保持する部分で成長して欲しいですし、成長するべきだと思うので強調しています。
Q、選手たちに話を聞くと、前々節広島戦は相手が前線から守備に出てきたからボールを動かせたが、清水のように守備ブロックを固められるとボールを動かすのに戸惑ってしまう部分があったと言っていました。アルベル監督はどのような印象を持っていますか。
A、シーズンがスタートした当初は真逆の反応があったと思います。もちろん成長プロセスのなかで色々な状況に遭遇し、それを乗り越えることによって成長というのは促されるものですし、乗り越えていかなければいけません。4-4-2で守備ブロックを下げ、そしてボールを奪ってから素早く攻守を切り替えるのが清水の狙いでした。それは、そういうプレースタイルだからです。我々がさらに成長していけば、さらに守備ブロックを下げてスペースを消して守備してくるチームが増えてきます。今、川崎と対戦するチームの多くがスペースを消して守備を固める傾向があるのではないでしょうか。それがメリットなのかデメリットなのか、それがプラスなのかマイナスなのかは捉え方によって変わってくると思います。セレッソ大阪は広島のような特徴もありますし、清水のような特徴もあるかと思います。そのような、ミックスした特徴を持ったセレッソ大阪をうまく打開してプレーしていければと思います。
Q、攻撃面で改善していきたい部分は具体的にどんなところでしょうか。
A、どのようなシステムでも選手の特徴にチームが適応することが重要です。新加入のルイス(フェリッピ)選手にしてもそうです。当然、選手がチームに適応しなければいけない部分もあります。一方で我々がルイスの特徴に適応しなければいけない部分もあります。そういう意味で、新加入選手が加わったことで今までとは違った細部を加えるということができます。ただ、ルイス選手に関しては、プレシーズンをしっかりやっていない状態で我々に合流したので、今、プレシーズンのような形でコンディションを上げなければいけないという状況があります。塚川選手には、特徴をうまくチームに提供して欲しいと伝えています。ただ、最終的にはピッチでプレーするのは監督ではなく選手たちなので、試合のなかで解決しなければいけないこともたくさんあります。同じプレースタイルだとしても、センターフォワードがイブラヒモビッチなのかメッシなのかによってチームのプレーというのは当然変わってくるかと思います。だからこそ、新加入選手も1人ひとりの特徴をうまくチームに融合させ、チームの細部の部分の修正を加えていきたいと思います。最も重要なのが選手の長所さらに引き出す部分です。短所をカバーすることではありません。
Q、ルイス選手はアルベル監督が求めるセンターフォワードだったのでしょうか。
A、そうです。私が探していたタイプのセンターフォワードの特徴を持っている選手だと信じています。ルイスが点をたくさん決めてくれたら、この選手を欲しかったんだと後付けで言いたいと思います(笑)。練習で見ている限りでは、彼の技術レベルは素晴らしいものがあるので、そこは私の期待通りです。そして、フィニッシュのクオリティもとても良いものを持っていると思います。サイドでも中央でもプレーできる選手です。ただ、いまフィジカルコンディションは期待通りのものではないので、そこはしっかりトレーニングしなければいけません。ですから、彼は別メニューで、フィジカルコンディションをあげるトレーニング取り組んでいます。9月には彼にとっての最高のフィジカルコンディションで試合に臨めるかと思います。いずれにせよ、私の期待しているセンターフォワードのタイプで、技術もクオリティも高く、フィニッシュのクオリティもある選手という良い感覚があります。ただ、彼がうまくチームに適応できるかどうかは、もう少し時間が必要だと思います。守備のところでも、しっかりと我々が求めるものを彼がピッチでできるかどうかをもう少し見なければいけないと思います。まだ彼の能力のすべてを確認できたわけではありません。もう少し彼を評価するには時間が必要かと思います。
[選手インタビュー]
<木本恭生選手>
Q、試合に向けて清水戦からチームとしてどういった修正をしましたか。
A、修正というより、自分たちがめざしているサッカーをもう一度やっていこうとみんなで話しました。
Q、アルベル監督の求めるサッカーの浸透度はいかがでしょうか。
A、完璧にはなっていないですが、シーズン当初に比べると、繋ぐ意識や簡単にボールを失わないことはできていると思います。チームは成長していますし、みんながこのサッカーを信じていると思います。
Q、C大阪に対してはどんな印象を持っていますか。
A、今、J1リーグのなかで1番勢いがあって調子の良いチームだと思います。リーグ戦も上位にいて、天皇杯もルヴァンカップも残っていることが示しています。チームとしてまとまりがありチームの調子も良いですし、非常に強い相手だと思います。
Q、古巣との対戦となりますがいかがですか。
A、負けたくない気持ちがすごく強いです。C大阪には感謝していますし、大切なクラブであることに変わりはないですが、そういうチームだからこそ負けたくないです。順位も自分たちの方が下にいるのですごく悔しいですし、今回勝てば、まだまだ上位に食い込めるチャンスがあります。そういう意味でも強い気持ちを持って、サッカーの内容もそうですし、自分たちのサッカーをすると同時に結果にもこだわらないといけないと思います。
Q、チームとして、個人としてどんなプレーをしていきたいですか。
A、個人的には前節2失点してしまったので、無失点にすることや守備の部分でもっと存在感を出していきたいです。攻撃の部分でも、もっと効果的なビルドアップができるように、後ろからの配給もしていかなければいけないと思います。前節、チームとしてはボールの失い方が悪かったですし、アグレッシブに守備にいけず、自分たちの良さを出せなかったので、良いところを攻守において出していくことが大事になると思います。
Q、残りのリーグ戦も少なくなってきましたがファン・サポーターのみなさんに意気込みをお願いします。
A、自分たちは今シーズン、リーグ戦しか残っていないので、その試合ですべてを懸けると同時に、チームも成長していかないといけません。ファン・サポーターのみなさんに認めてもらえるようなサッカーをしなければいけないと思うので、残りの試合を無駄にしないように、まだまだ上をめざせると思いますし結果を残していきたいです。
<塚川孝輝選手>
Q、塚川選手は過去に、サイドバックやサイドハーフ、フォワードもやったことがあるそうですね。自身ではどういうところが自分の強みだと思っていますか。
A、僕の特長はダイナミックさと、ボールを奪いに行く際の迫力やゴール前に入るときの迫力だと思っています。身長が高いぶん、僕がそういうプレーをしてきたら相手も嫌だと思うので、そこは一番の強みだと思っているし、出していきたいところではあります。
Q、2020シーズンは松本山雅FC在籍時に9ゴールを取っています。
A、その時はゴール前に入る回数が多かったです。ダブルボランチの時も得点を取っていたと思いますが、インサイドハーフに入ることも何回かあって、ゴール前により近づくことになったということが要因です。あとはチームメイトがいいボールを出してくれたので、中に飛び込んでいくだけという得点シーンが多かったです。
Q、チャンスがあればゴール前に入っていってゴールを決める、という特長も持っているということですか。
A、その感覚は自分の中でもあると思います。今までいたチームではアンカーなど守備的なポジションをやることが多かったですし、試合の中で出場時間も最後のほうが多く、チームの状況も考えながら、自分のことだけではないタスクがいろいろありました。自分を抑えながらやっていた部分もあったので、今回はシーズン途中からの加入ですが、前目のポジションで出場機会があればどんどん前に入っていきたいと思います。
Q、加入してから広島戦、清水戦と途中出場で2試合に出場しています。どちらも1点が必要な場面での出場で難しい状況だったと思いますが、プレーを振り返ってください。
A、個人的なところでは、まだ噛み合っていない部分があるなと感じています。僕もチームメイトの良さを引き出せるようなプレーを選択していかないといけないと思いますし、まだまだ「もっとこうしたほうがいいかな」という部分は突き詰めていかないといけないです。少しのズレがあったり、僕の感覚とみんなの感覚がまだ合わないですし、そういうところはすり合わせないといけない部分だと思います。
チームとしては、いまめざしているサッカーは繋ぐサッカーというところもありますが、相手にとって脅威となる攻撃はカウンターの部分でもあると思います。繋ぐことに固執せず、相手の出方次第ではその強みがあることは良いことだと思います。監督もそこは言っていますし、繋ぐだけではなく、繋ぐ部分があるからこそ相手が前に出てきて前線にスペースができる。自分たちがしっかりと主導権を持ちつつ、そういうサッカーができれば、もっと良いチームになると思います。
実際に、やろうとしている部分ができてきていると監督も言っていましたし、僕もその一員にしっかりとなれるようにやっていけたらいいなと思っています。
Q、つなぐところと縦に速いところ。それは相手を見ながらの判断になるということですね。
A、そうですね。やっぱりインサイドハーフやサイドバックの選手が、「いま相手がどういう状況なのか」、「相手はいまボールを取りに来ているのか来ていないのか」、「どこで奪いたいのか」、「何をされたら嫌なのか」ということをもっとみんなで共有できたら全体的に変わると思います。
共有できている部分が多ければ多いほど、チームはまとまると思いますし、それに対して全体の動きが決まってくると思うので、もっと話し合いながら、状況を見ながら、ボールが出たときに伝えたりしていけたらいいなと思っています。僕もまだ試合に全然出ていないので、試合にしっかりと出つつ、そういう雰囲気がもっとわかっていければいいかなと思います。
Q、戦術がどうこうという話にしがちですが、最後はピッチに立っている選手がサッカーを作っていかなければいけないということですね。
A、外で見て感じるものと中で感じる圧は全然違います。そのなかで、ピッチにいる選手の何人が繋がっているのか、それを感じられているかということはすごく大事だと思います。僕もまだまだな部分があるので、自分も学びながらお互いに成長していければいいかなと思います。
Q、チームメイトの印象についてお聞かせください。FC東京に加入して「この選手は面白いな」、「この選手にはこういうパスを出してあげたいな」など、インパクトのある選手はいますか。
A、インサイドハーフの安部選手と松木選手は、あれだけ走れて強度を出せるということはすごいと思いますし、まだまだ伸びしろがあると思います。一緒に練習をやっていても2人とはよく話しますが、あのインサイドの2人がどういうプレーをするかでチームは変わると思います。
Q、セレッソ大阪はリーグ3連勝中で調子も良く、順位が3位ということを考えても、FC東京としては叩いておきたい相手だと思います。今節に向けての意気込みをお願いします。
A、セレッソは調子が良いと思いますし、調子が良い時は、何をやっても上手くいく気がするというか、いい流れがあると思います。まずは相手に気持ちよくサッカーをさせないことが大事になります。ハイプレスであったり、奪った後にしっかりとボール保持をするなど、僕たちが主導権を握ることができれば相手は気持ちよくプレーできないと思うので、「今日はいつもと違うぞ」というようなインパクトを最初に与えることが重要だと思います。なので、入りからガツガツ行くことが大事ですし、相手に嫌なことや気持ちよくプレーさせないことがすごく大事になってくると思います。入りの10〜15分を大事にして、主導権を握れたらいいかなと思います。
Q、もし出場したら、どういうところをファン・サポーターの方に見てほしいですか。
A、僕は移籍してきて勝たせられる選手になりたいと思っています。チームの結果を出すために戦いたいですし、結果が出ることがファン・サポーターのみなさんの喜びだと思うので、一緒に喜べるようにしっかりと結果にこだわって頑張りたいと思います。